空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

Boko Haramに「全面戦争」

2014-05-19 00:03:26 | Newsメモ
 まーそーもなるわな:

BBC Africa leaders declare 'war' on Nigeria Boko Haram 17 May 2014

 パリで関係諸国の会合が開かれ、Boko Haramに対するtotal warが宣言される。今現在は宣言されただけとはいえ、実際、強烈な脅威なので、関係諸国のリソースを注ぎ込むだろうなあと。

 ここで関係諸国というのは、会合に首脳級が参加している―フランス、ナイジェリア、ベニン、カメルーン、ニジェール、チャド(さらに英国、米国、EUも参加)。Hollande氏は、参加者は「global and regional action plan」に合意したとし、その内容は情報の調整・共有、国境地方の偵察、特にチャド湖方面の軍事的展開であって、危機がおこればこれを阻止できるようにするというもの。

 カメルーン大統領Paul Biya曰く「我々はここに、Boko Haramへの戦争を宣言するために来た "We are here to declare war on Boko Haram"」。チャドのIdriss Deby曰く「これは全面戦争になるだろう it would be "total war"」。

 これは西欧・中央アフリカ地方の大危機なのであって、Boko Haramは周辺諸国から戦闘員を引き集めつつある。これはアルカイダ系統のひとびととリンクしているのであって―

 ―とりあえず。先ごろ、カメルーン北部の中国企業運営のキャンプが襲撃され、10名の中国人労働者が誘拐された模様とか(カメルーン兵1名死亡)。


 …記事を離れてぶっちゃけいえば、大人の労働者を10人そこら誘拐しようと虐殺しようと、割と世界は放置する。未成年が2,3人誤爆で死のうと、そう大したニュースにならない。幼子もろとも若い母親が、まあ2,3組テロの爆弾ですっ飛ばされても、「ああ非道だなあ!」で済ませられる。が、学校の寮を襲撃して100人単位で未成年女性を誘拐すれば、さすがに大問題。一般人の気持ちにびっしばしヒットするでしょうねー。

 ……いや私はだいぶ常識がアレになって、ニュースを見て『あー女の子を大量に確保して、あれか、通貨か軍功への感状代わりに使う気かー。あのへんには、悪い先輩がいるからなー。悪いのを見習っちゃったかー』とか思っちゃって。人質交換に女の子を使おうとしてる、なんてニュースを見て、『あれ、わりと普通のアイディアっぽい?』とか思っちゃいましたが。

 ………まあ、ムスリマなら、クルアーンの暗誦会に満足に参加しているかぎり、扱いはいいんじゃないかなーとか思うけど…。

 …………装備の差だって、辺境警備部隊ならそんなにゲリラとかわらないだろうし、おとなしく騎士道的戦闘でもやってればいいのに。そしたら、「圧制に抵抗する現代のロビンフッド!」くらいの誤解くらい(いやそれなりに事実の面はないではないだろう)してもらえるだろうに。


 ついでのメモ:

朝日新聞  「集団的自衛権、必然的に徴兵制に」 民主・枝野氏 2014年5月18日19時48分

 「さいたま市のオープンミーティングで」のこととあり、要約なのはわかる。が、誰がどう要約したらこうなるのか、それとも本当にこういう発言だったのか:

自分の国を自分たちで守ることについてはモチベーションがあるので、個別的自衛権を行使するための軍隊は志願兵制度でも十分成り立つ

 つ 韓国

 …徴兵制よね。

 つ 旧西ドイツ

 …たしか徴兵制だったよね。

 いや兄弟(な関係の敵)国が地続きであるという特殊性によるといわれればそれまでか。

世界の警察をやるような軍隊をつくるには、志願制では困難というのが世界の常識だ

 つ アメリカ合衆国

 時々思い出したように募兵に苦労してるとか聞こえたりするが、徴兵制移行はしそうにないが。

しかし中東の戦争に巻き込まれ、自衛隊の方が何十人と亡くなるということが起きた時に、今のようにちゃんと自衛隊員が集まってくれるのか真剣に考えないといけない

 まず1点。何十人と戦死者が出る状況にいたった場合に「今のようにちゃんと自衛隊員が集まってくれるのか」、勿論考えるべきだが、集まらないことを前提に「必然的に徴兵制にいかざるを得ない」と推論するのは、幾つか問題がある。

 1.1 まるでいま集まってくれてる人たちが、戦地で死なないことを大前提に来ているかのような論旨じゃないか。現に殉職覚悟で使われてる人たちに、ちと、使う側の人間として礼を失しすぎてはいないか。

 1.2 枝野氏はその場合、「人狩り」をする側だ。国民の自由を束縛する―しかも、死をもって終結するような職務に他人を押し込むことを、軽々に口にするのはいかがなものか。
 問題は、彼の脳内の「集団的自衛権」運用の内容が”このよぅ”なものであるということ。《自民党だったらこう運用するだろう》というイメージが”こぅ”だということ。自衛隊員を死なさないで課題を解決する、という方向性をとっていないこと。彼が政権担当者なら”そぅ”なりかねないということ。

 2.1 たとえば「中東の戦争に巻き込まれ」る可能性はどれほどのものか。アフガンの可能性とかありそうだが、なんというか、そのぅ、世間には「担当範囲」みたいな用語があり、地球の裏側まで戦力とばすような無茶は、それこそ「世界の警察」くらいしかない。

 …いやつまり上掲ナイジェリアの話に関わるが、あの近辺で「用心棒の先生」「伝家の宝刀」やってんのはフランスやイギリスであって。めりけんさんは、むしろ裏打ちとかの位置にあるというか。

 で、まあ、極東地域の安全保障は戦後、米国主導で行われたわけであるが、ユーラシア大陸西部方面でイギリス・フランスないしドイツが占める位置を、ユーラシア大陸東部方面でどこに期待していいかというと日本ないし台湾・韓国であろうと思われ。

 で、まあ、ドイツが片付いたような状況には、こっちはないわけで。

 自衛隊が”大活躍”する、現実的なシナリオってば、たとえば某国が暴発した際にGen. WhityやらGen. Walkerやらと同じことをするというか、彼らと並んで人々がやったことをやるというか。

 で、真剣にそーいう状況が生起した場合、現行の自衛隊全勢力をつっこんでも間に合わないものかと思われ(※朝鮮戦争時の実績を参照)、その場合は超増員を要することになろう。ということになると、枝野先生の脳内集団自衛権設定の場合、徴兵で駆り集めた自衛隊員の鉄血で38度線を死守することになりそうだがこの想定でよいだろうか。


 ―やだなあ。仮想戦記でありえそうだなあ。釜山防衛線を米韓日で戦っている一方、後方基地の福岡を核テロから防衛する特殊部隊の暗闘!とか。


 勿論、今はそんなの韓国だって希望していないわけで。だから韓国領土内(ということは、彼らとしては半島北部政権支配領域についてもそう期待するだろうけど)で自衛隊は、韓国政府の同意なしでは動かないようにと要請してきたわけだ。

 それに乗っておけばよいんじゃないかなー的なー(考えるのに疲れた)。
 私が思うところ、この集団的防衛権の課題は、「現在の国境を維持する」ことにあるものと思われー。「阻止」に眼目があるはずで、容易に各個撃破されぬようにということかとー。
 それに財源もろくろくないのに徴兵制とか無理無茶ー。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ※講義用材料メモ及び愚痴 | トップ | ナイジェリア・Jos 二連発爆... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Newsメモ」カテゴリの最新記事