日本の過去を直視することは勿論必要だ。
— masanorinaito (@masanorinaito) 2019年8月18日
しかし、万が一、これから日本が戦争に巻き込まれるとすれば、それはその時の世界情勢と無縁ではあり得ない。
八月には日本の過去について語られることは多いが、将来の日本を考えるなら、日本から遠くても、今世界で起きていることにもっと関心を持って欲しい
日本が不戦の誓いを立てていればそれで済む、というものじゃないですからねー。
「戦争反対!」と言っていれば済む時代は終わったのだし、終わりきって久しいのだ。
極東においては、旧来の東西対立の図式がわりと色濃く残っており、この点でめんどくささにちょっと色合いがつく。
1980年代くらい、1990年くらいが画期になるだろうか。これ以前であれば、米ソの対立軸くらいで概ねの説明がついてしまっただろう。日本は最前線のひとつとはいえ、陸は(ほぼ)接してないし、日常的には海・空の対応で済んだ。海。空の接触はどうしても人数的な規模はちいさくなるので、社会全体にはなかなか影響しない。
全面的な影響を及ぼしそうなもの、ミサイルであれば、核ミサイルが飛んできたら自動的にオワリなので、「そもそも戦争反対!」で済んだ。
ところが①ミサイルを落とす技術が進み、②ミサイル技術は拡散した。しかも②’いささか行動の予測がつきづらい国までミサイルを持った。
とまあ、極東の我らが国としては、どうしても、どのように戦争反対か、が問われるようになってしまった。
いわば昭和の頃の反戦であれば、「自衛隊の旧軍化」に文句をつけておけばよかった。現実的な目標としては、渡海能力の制限・否定に注力すればよかった、というところか(…韓国軍のバックアップまでできなくなりそうだが、有事の際の韓国軍のバックアップができる、というのは、韓国に対する侵攻能力を持つ、というのとさほど遠くないというわけだろう)。
まあなにしろ、米ソ対立軸の世界観だと、近隣の大敵といえばソ連しかない。ほかはさほどではない、という―具体的には、中国は核兵器をもってはいるものの渡洋しての作戦はできなかっただろう時代、北朝鮮が弾道弾を持っていなかった時代、韓国軍は対北に手一杯だっただろう時代。ならば、比較的余裕を持ちやすい日本が手をださなければ、まあ、安定はしただろう―流石に日本軍10個師団では、韓国軍と協調して北を潰す、までは困難だろうけど、協調行動の可能性があるだけで北の軍事計画に大きく影響しそうだ。これがないだけでも十分、意味がありそう。
しかし今や、近隣諸国はわりと強力で、どのようにまきこまれないか、が現実的な問いになってきた。
巻き込まれないためだけにも装備を要する―新しい装備をすることを軍拡と呼ぼうとしてきただろう旧来の反戦運動に対して、北の弾道弾を(もし、ガチモンが飛んできたら)一個でも余計に落とすため、防衛ミサイル・レーダーを装備すること自体は国民的に許容されつつある。
この状態で、さて、どのように反戦をいうのか。国際協調とどう折り合いをつけるのか。難しい問いだろう、特に旧来の反戦派としては。
…残念ながら、「現与党をも少し穏健化したあたり」が最も多くの合意を取れそうでなあ…それ以外の選択肢が、現在の諸政党にはほかになさそうでなあ…。
・核の不拡散
・弾道弾開発・装備の抑制
・上掲二項にあたって国際協調
・自己の軍備は抑制的
・止むを得ず、自己の防衛手段の充実くらいは図る
…軽く挙げたが、これなら比較級的に最大多数の合意がとれそうな気がする。
…そしてこれだと、現行の韓国政府の方針(希望)とはやや不整合になっちゃうのだ…。
韓国が「軽空母建造」研究へ 弱腰批判かわす狙いも:朝日新聞 https://t.co/Yaffr6dtyE 韓国の文政権が大軍拡を始めていることについて、朝日新聞の分析というか擁護というか少し的外れでは・・・。
— JSF (@rockfish31) 2019年8月18日
朝日新聞 韓国が「軽空母建造」研究へ 弱腰批判かわす狙いも ソウル=武田肇 2019年8月17日22時44分ソウル=武田肇 2019年8月17日22時44分
「韓国国防省は14日に発表した「2020~24年国防中期計画」で、米国の最新鋭ステルス戦闘機F35Bを搭載できる大型輸送艦の国内建造を目指し、来年から研究を始めると明らかにした。韓国メディアは「事実上の軽空母建造」と報じている」
「文在寅(ムンジェイン)政権は南北融和政策を取りながら、国防力の増強を続けている」となると「文政権が巨額の国防予算を投入する背景には、来年4月の総選挙をにらみ、北朝鮮に弱腰とする野党の批判をかわす狙いがあるとの見方もある」というのと微妙に相性が悪い。まあ、常識的に、「両睨み」であるだけと云えばその通りだろうが。
ただまあそのほかの要素もどうも難であって
「発表によると、中期計画には総額290兆5千億ウォン(約25兆円)が投じられる。計画通り進めば、来年以降は国防予算は50兆ウォンを超える。今年の国防予算は46兆6千億ウォンだった」
国防予算6年分の巨大計画でもあり、かなりの大博打ではないか、常識的には。
また、国防予算は約10%増しということになり、これはこれで結構な軍拡である。しかも北朝鮮の弾道弾の脅威が「日一日と」といえるくらいに高まる中―なにしろ実験ペースが速すぎる―、防衛ミサイル・レーダー網には直接的には寄与しないだろう軽空母って、筋が悪いのでは。
「文政権は、米軍が握る「戦時作戦統制権」(戦争が起きた際に部隊の作戦を指揮する権限)の韓国への返還を求めており、巨額の国防費を投じて自国の国防力を高め、安全保障面での米国への過度な依存を減らすことで返還の時期を早められるとしている」
総合的国防力の増強を、という目的には適うでしょうけどね。けれど対北朝鮮用にせよ、中露対応であるにせよ、国土の東西に一隻ずつほしいような装備だし…効率的に運用するなら、自衛隊と協調すべきだろうという気がするけど…。
…対日用というのは、現時点では的外れとみておこう。いや、政権内部とか市民感情的にとかはさておき、実際に(砲艦外交的にでも)使用する可能性の大きさと言う点にかけては、的はずれというべきだろう。
どっちみち、周辺国の状況的に、軍事バランス的にまあ必要ではあるんだろうなあとは思えはするが、にしても相対的に巨額に過ぎやしないかなあ。
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