復讐殺人の下手人は死刑をもって罰せられる

BBC Somalia clans secure peace with death sentences and hefty fines 18 Mar 2018　By Will Ross

　サナーグのふたつの氏族が復讐殺人の連鎖をとめようとgroundbreakingな協定を結んだという。三週間にわたる会談の結果、Sa'ad YoonisとBa'iidoとは、えらく厳しいルールを定めた。復讐殺人をしたことで有罪と認められた場合、判決は死刑。死刑です！

　…うんまあ、理屈上、復讐の連鎖はそこで止まるか。裁判官を相手にする、と言う可能性は、こんどは他の諸氏族諸人民を統合した存在たる国家機関からの攻撃をうけることになるし。

　さらには犯人の家族は$100,000 (£72,000) の罰金を科せられる。

　…うん、きっついわ。

　下手すると数世代にわたる復讐の連鎖。これを止めないと安定的な社会の進行をなしがたい。そこで前例にない厳しい罰則で取り締まろうとするわけ。

　今後、もし共有スペースで銃器をもってたりして、水源地や放牧地を我が物にしようとしているのをみつけられたら、警察・軍が出向いていって武装解除を要求する。従わない場合、ヘッドショットを決めてかまわない―。

「A Somali MP says anyone who refuses to hand over a gun to police should be shot "straight away in the head"」

　…えらいやり方があったもんだー…。

　まあ、しかたないといえば、そのとおりなのであって

「Reports from the Sanaag region, which is claimed by both the self-declared republic of Somaliland and by Somalia's autonomous state of Puntland say that last year 23 people were killed and 65 were injured during one incident involving the two clans.

Earlier this year in response to that attack, 15 people were killed and 39 others were injured.」

　たかがひとつの諍いで23人死亡、65名負傷、その復讐戦で15名死亡、39名負傷というのは、はっきりいってイスラム法廷連合と政府軍との「戦闘」などで出る数字のはるか上である。首都攻防戦あたりだとこのくらいはやっていたような気がするが。

　ちょっと興味深いのは

「Officials from Somaliland mediated the discussions, and under the agreement any perpetrators are to be handed over to the authorities in the capital, Hargeisa」

　ソマリランド当局がこの和平交渉にかなりコミットしていたらしいところ。統治の実績をつくりましたかね、とか思って見る。



　なお、一般にとっても利益のある法律だというのはメモしておきたい。
　なにしろ、復讐相手が逃げたりした場合、その責任はその者の属する氏族に帰せられる。となると、復讐殺人の対象は、下手するとそこらの同氏族民ということになりかねず。親兄弟の責任だとか従兄弟とかならともかく、なんか手近にいたから残念だったね、という殺され方を『うんうん、同氏族だから当然だよねっ！』と納得できる人もそうはなく。