空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ソマリア:バカラ・マーケットはプライベートアーミー編制を模索?

2008-03-17 02:07:54 | ソマリア関連
 政府軍(+エチオピア軍)と反乱勢力との争いの絶えないソマリア中央商店街,バカラマーケット。このたび堪忍袋の緒が切れた方々が,私設警備部を編成しようと提議したそうです:

Garowe Online Somalia: Private army to patrol Mogadishu's Bakara market Mar 15, 2008 - 3:15:18 PM

 ソマリア,モガディシュ発3月15日。バカラマーケットのリーダー達は土曜に会合を開き,private army建設の提議を議論した。

 記者さんたちは出席禁止の秘密会議。議長はBanadir実業協会長Abdikarim Mohamud Gabeyreさん。

 但し反対意見は相当なものの様子。国軍があるのに私設軍を持つのはどうだろう? とはいえ,暫定政府の警察がいればこそ反乱軍の攻撃目標になるのではないか,という,私設軍支持の一派もあり。

 結局確定的結論なしにその件の会議は終幕。

 そうこうしております内に政府軍兵士は攻撃をうけ削られていくのですが―。


 私設軍構想は,それはそれで無茶があります。

 まず第一に,既に指摘のあるとおり,『国軍があるのに?』という問題。暴力装置があんまりあっても困るのです―イラクのように。

 第二に,公然武器取引は一応,禁止方向なのでして(「手榴弾や拳銃のお値段,急上昇! 」)。そのバカラマーケット私設軍を編制したとして,その武器弾薬の供給はどうするか。
 暫定政府ないしエチオピア軍から供給をうけますか? それなら国軍治安部隊の一部みたいなもので,当然,反乱勢力の攻撃対象になるでしょう。
 闇市場から調達? そんな不安定な供給に頼る警備隊が何に使えると? この場合,国軍から,反乱勢力との武器取引を疑われることにもなりかねない。

 兵員供給の点では困らないでしょうけど(Turkiは誇る,「我々は子供の頃から,氏族が戦闘に使うため,訓練されている。全ソマリ人は訓練されている」。それチャイルドソルジャーって言わないか,とか言ってもたぶん無駄)。明るい要素はそれくらい?

 一年ほど前,民間武装解除への動きがあったわけですが(「
民間武装解除:ソマリア
」)―今や全く逆行する動きが湧き起こった。明らかにマイナス方向だというべきでしょう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 死者の血の価値―カルデア大司... | トップ | teiresiasさんがみてる~春 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ソマリア関連」カテゴリの最新記事