空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

地中海にはアフリカンの涙と命が:不法入国希望者の受難

2008-08-28 21:49:11 | Newsメモ
 同様のニュース2件。スペイン,アンダルシア沖で25人の違法移民が貨物船に救助される。Malaga及びMelilla間でボートが転覆しているのが発見される:

BBC Migrants die off Spanish coast 26 August 2008

 アンダルシア沖のボートでは25人が飢え・渇きなどで死亡。毎年数万人がスペイン指してアフリカから船出する。そうした旅程中,たとえば2007年には,921人の死亡が確認された由。

 さらに

BBC Malta fears 71 migrants drowned  27 August 2008

 マルタ沖でボートが転覆,71名のAfrican migrantsが死亡した恐れ。生存者は漁船に救助され,軍のボートに引き渡される。現場はマルタ沖70km。

 その船や軍の飛行機が捜索するも,他の生存者は発見できず。今年だけでも既に1000人以上がマルタを差し当たりの脱出先としている。

 …まあ違法移民に対する法的措置が厳しくなったとかありますがそれはさておき。つまりこのように,ヨーロッパにとってはアフリカの問題はわが事である―わが事にしたくなくとも,向うからぞろぞろぞろぞろ人がやってくる。

 なるほど人権等々,立派な概念を育て世界に振りまいた彼らであって,こうした人々を温かく迎えようとしている―のも限度があるのである。理念は立派でも予算がつかない。マルタなど,40万人ほどしか人口がないのである。毎年1000人以上の難民が来ては,保護も自立支援も何もできたもんではなかろう。

 そんなわけでマルタは基本的には通過地点なのであれ,結局ヨーロッパ目指して難民たちは進んでいくわけで,既に各地にそれなりのコミュニティも存在しているからではあれ,アフリカニュースがわりと豊富に報じられるのは理由あることなのである。

 以下,アフリカ・ヨーロッパ事情から某火種地帯情勢についてコトが起こった場合の某金満国の被りかねない(というか必然的に被るであろう)余波について大いに書いてしまいそうになったので自重。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
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1 コメント

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Unknown (teiresias)
2008-08-29 00:56:31
というかある種とある人への回答と言うかそんなようなものであったりもした上掲文章である。だから敢えて関わらなければそれほどアフリカに関わらないで済むはずのIranの報道機関の「アフリカ」ニュースカテゴリのしかもトップに「Somalia」が鎮座しているのかその裏の理由を考えろと:http://www.presstv.ir/news_africa_main.aspx?sectionid=3510205
確かに交通の要地であって常時注視するのが正しい地域だがそれならなんで南ソマリア中心の報道なのかというわけだ。

あと昨日見た記事のメモちょっと:
Aid worker killed in Afghanistan (http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7584232.stm
安全保障を相手先住民・民兵等々の善意と好意によってなした場合,偶発的にであれいつでも起こりうる悲劇。
これまでこうした事件に遭わなかったということ自体がこの手法の優秀性を示すとも主張可能だが,残念ながらもしくは当然ながら,日本ではこうした保障については「完全でなければ不要無価値」という論調が存在するのであったり。つまり「核ミサイルをぜんぶ叩き落せるとは限らないのでミサイル防衛システムは不要」みたいな。
今後のペシャワール会の安全保障に関する方針・見解のあり方にちょっと注目,かも。
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