空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

Vegan問題:ヒュンダイのCMでネタ扱いされた件のメモ

2019-02-17 20:16:45 | ノート
Courrier Japon ヒュンダイのCMにヴィーガン激怒! 「時代遅れな考えの人々から車は買わない」 2019.2.11

莫大な広告料にもかかわらず、その影響力から大手企業がこぞって投資するスーパーボウル中のCM。2019年、韓国の自動車メーカー、ヒュンダイも渾身のCMを放映した。しかし同社がそこに込めた“ユーモア”は、理解されるどころかSNSで炎上するという事態を招いてしまったようだ

車を買いにきた一組のカップルが乗り込んだのは、一風変わったエレベーターだった

この特大サイズのエレベーター、上の階に向かうときは「楽しい出来事」、下の階に向かうときは「誰もが嫌がる出来事」へと乗客を連れていくという仕組みだったのだ」「CMの最後には、下降を続けたエレベーターは上昇し、最上階の「ヒュンダイディーラー」に到着。極上の体験を前に、カップルは笑顔でエレベーターを降りていった

 まあその、ユーモアで済む分にはいいんだが―洒落のわかる相手に、理解を共有できるネタであればまあ、だが

「ヴィーガンディナーパーティ」ドアが開くと同時に、案内係は言った。「そんなものがあるのでしょうか?」
そこでは笑顔の女性が、「ビートローフがあるわよ。セルジオの得意料理なの」と言って、紫色の何かを混ぜ合わせて固めたような料理を差し出しながら、ゲストに近づく。それはビーフの代わりにビーツを使った、オリジナルのヴィーガン料理だった


 まあヴィーガンはあかんわ、と。

このCMを見て、ヴィーガンたちは自分が攻撃されたと感じた。なぜヒュンダイは、よりにもよって誰もが嫌がる歯の治療や、陪審員として恐ろしい被告人を有罪にするといった経験と、自分たちの環境と動物に優しいライフスタイルを並列するのだ、と

 その「環境と動物に優しいライフスタイル」が人間の動物的特性に優しくなかったり、そのライフスタイルを共有しないひとに優しくないからじゃないですかね。あとまあ条件によっては環境負荷も高くなろうし。
 で。

ヒュンダイの広報担当、ミシェル・スチュワートは「私たちは、ヴィーガンの皆さんが(CMで嫌な体験として示された)歯医者や親、陪審員、フライト、医者、そしてカーディーラーといった、この『エレベーター』の各階が示すようなユーモアのセンスをお持ちであることを願います」と述べた

 広報担当がまた、正面から喧嘩を買っていくスタイル。
 脇で見ている分には面白いが、なんで危ない橋を渡りにいくかな、というふうにも思う。

 ともあれ。
 ヒュンダイさんの勇み足かもしれないが、ヴィーガンに対する反対意見、ヴィーガンの生活スタイル・思想を低く評価したり茶化したりする行為が地味に市民権を持ってきたかな、という問題意識でメモ。総括的にいえば、世界の右傾化と言う評価になるのかもだ―だがそれだけではすまない複雑な底流がありそうだなと思うのだ。

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