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てらまち・ねっと



 昨日のニュース。
 去勢抵抗性前立腺がんの治療関係の素晴らしいニュースとして次の二つを紹介する。

 ●中日スポーツ 8/22(日) 10:46/がん闘病の西郷輝彦「私のがんが消えた画像をこの目で見たんです」シドニーから24時間テレビ生出演
 ●スポーツ報知 2021年08月22日 09時17分/オーストラリアでがん治療中の西郷輝彦「元気」 日テレ系「24時間テレビ」に中継で出演

 この西郷氏が受けた最新の治療法、かつ、現在、最も強力な治療法だという旨を日本の専門家も述べている「PSMA療法」。
 しかし、日本では認められていないから、西郷氏は、わざわざ、このコロナで何もかもが大変なこの時期に渡豪した。
 
 「私のがんが消えた画像」とは、意外に思う人がいるかもしれない。
 なぜなら、しばらく前、同氏は、西郷氏の治療経過について、「第三弾 失速編」という"後ろ向き"の情報発信をしたから。
 まるで、「失敗だった」ともとれるような雰囲気。

 そのことについての私の評価は次。  
・・・・ 今回の西郷氏の「ルテチウムPSMA療法 アクチニウムPSMA標的治療」においても、腫瘍マーカー PSAが急上昇すること、その後は急降下することも指摘されている。渡豪しての治療まで決意するということは、当然、それらのことは医師から聞かされていたはずなので、途中経過として「急上昇」を第3回報告の主題としたと私は推測している。

 (元文) 2021年7月31日 ブログ ⇒  ◆西郷輝彦 第三弾 失速編 緊急渡豪 前立腺がん最先端治療への挑戦 公式チャンネル 7月29日 【治療を受けた後のPSA数値は下がるどころか、470から510へと上昇。日本にいたころは325】

 ともかく、日本での認可ついて、
 昨年の春に私が診察を受けた東京女子医大の医師は、「10年後、早ければ5年後くらいには・・・」と話してくれた。

 そして、今年、先の8月16日発の日経の記事では、別の大学病院の医師が
  ★≪前立腺癌の治療戦略、新規治療177Lu-PSMA-617も有効/・・日本への導入は、早ければ再来年か・・≫ と書いている。
 
 なんと悠長なのか・・・
 ま、ともかく、前倒し的になってきた、と見るしかないか・・・

 いずれにしても、著名人のこのような画期的な挑戦、そして実質的に成功であろう「治療結果」が日本に広く伝えられれば、日本の関係機関もいつまでもほっとくわけにはいかなくなると私は推測する。

 外国で難なく行われる治療法が「日本だけは許されない、保険承認されない」というのは放置されるべきことではない。
 日本で「ルテチウムPSMA療法 アクチニウムPSMA標的治療」が一日も早く認可・承認されることはを期待する。日本は、設備的にも、人材的にもなんの不足、欠落もないのだから、あとは、政策的決断のみ。

 そういう意味でも、改めて、西郷氏の挑戦、かつ、PRという手法は大賞賛しよう。 

 なお、昨日8月22日の私のブログへのアクセスは「閲覧数1,819 訪問者数1,088」。

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●がん闘病の西郷輝彦「私のがんが消えた画像をこの目で見たんです」シドニーから24時間テレビ生出演
   中日スポーツ 8/22(日) 10:46
24時間テレビに出演した西郷輝彦

 前立腺がんの最先端治療を受けるため4月にオーストラリアに渡った俳優の西郷輝彦(74)が22日、日本テレビ系「24時間テレビ」にシドニーから中継で生出演した。

 「がんと闘う昭和の大スター・西郷輝彦 ネットで今伝えたい想い」という企画コーナーで妻と一緒に登場した。昨年ドラマ「竜の道」(フジテレビ系)で初共演した俳優の遠藤憲一(60)から「具合はどうですか?」と尋ねられると、西郷は穏やかな笑顔を浮かべながら「元気ですよ。この通り」と答えた。

 さらに遠藤が西郷のYouTubeを見たことを告げると西郷は「うれしいな。チャンネル登録をお願いします」とリクエスト。遠藤は「しました。“いいね”もしました」とコミカルなやりとりで笑いを誘った。

 遠藤が手紙を読み上げ「またいつか共演しましょう」と呼びかけると、西郷は感極まった表情で「ありがとう」と感謝。「私のがんが消えた画像をこの目で見たんです。次のYouTubeでご覧頂きたいと思ってます。奇跡は起こります」と話した。

 西郷は10年前に前立腺がんを発症して全摘手術を受けたが、6年後に再発して骨に転移するなどステージ4の診断を受けた。その後、医師から勧められた緩和ケアではなく抗がん剤治療を選択。さらにオーストラリアで最先端治療を受け、3回のうち7月の1回目は結果がおもわしくなかったことなど、治療の経過や様子もYouTubeで明かしている。

 西郷は「病気になった時に苦しんでいる人がたくさんいることを知った。治療を赤裸々にきちっと報告して、がんとの闘いの将来につながったとしたら僕のYouTubeは大成功だったと思う」と心境を明かした。

 西郷は58歳でブログ、62歳でボクシング、63歳でツイッター、74歳でYouTubeと新しいことに次々と挑戦。今年迎えた還暦をマイナスに受け止めていたという遠藤は、ドラマの撮影現場で西郷から「60歳になると今まで自分が気付かなかったような本当にやりたかった自我が出てくる。それを実現させていくのが70歳からなんだぞ」と言われて勇気づけられたエピソードも紹介した。

 放送後、ネット上ではコロナ禍での24時間テレビ放送に批判があることに触れながらも「励まされた」などと静かな感動の声が広がった。

●オーストラリアでがん治療中の西郷輝彦「元気」 日テレ系「24時間テレビ」に中継で出演
         スポーツ報知 2021年08月22日 09時17分
 去勢抵抗性前立腺がんのステージ4で、治療のためオーストラリアに渡った歌手で俳優の西郷輝彦が22日放送の読売テレビ・日本テレビ系、夏恒例の大型チャリティー番組「24時間テレビ44 愛は地球を救う」に中継で出演した。

 昨年共演した俳優・遠藤憲一から体調を聞かれた西郷は「元気ですよ。この通り」と満面の笑みで答えた。さらに、遠藤が手紙を読み上げ「希望と力をもらっています」「またいつか共演しましょう」と語りかけると、「ありがとう、うれしい」と、西郷は手を合わせた。

 シドニーでの治療開始と同時期にYouTubeを開設した西郷。自身の治療について発信している。遠藤からYou Tubeを見たと告げられると「チャンネル登録よろしくおねがいします」と西郷。さらに「私の消えたがんの写真を見ました。次のYouTubeで紹介しますので、お楽しみに」。次回予告も忘れず、笑顔を見せた。

 西郷は11年に前立腺がんと診断され、全摘出手術を受けた。だが17年11月にがんが再発し、ホルモン治療、放射線、抗がん剤治療を14回受けるなど、治療を続けてきた。前立腺がんのマーカーが上昇したため、オーストラリアでがんの最先端治療を受けることを決意。4月上旬にシドニーの病院とリモート会議で治療計画を立て、同23日の飛行機で渡豪した。

●新規AR標的薬の早期使用で変わる前立腺癌の治療戦略
新規AR標的薬3剤ともに早期使用でOSを延長、新規治療177Lu-PSMA-617も有効

       日経 2021/08/16  横浜市立大学附属市民総合医療センター泌尿器・腎移植科診療教授 上村 博司 氏
 ・・・(略)・・・
日本では68Ga-PSMA-11を用いたPET/CTが使えないため、この試験には参加できませんでした。
今年、ようやく68Ga-PSMA-11を用いたPETでPSMA陽性の判定をし、177Lu-PSMA-617とSOCを併用する治験が始まりそうです。
 日本への導入は、早ければ再来年かというところでしょうか。

・・(以下、略)・・・


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 西郷輝彦氏が、去勢抵抗性前立腺がんの急激な悪化で、日本ではまだ認可されていない治療を受けるために渡豪したのは4月。
 しかも、本人がネットで状況を発信するという興味深い公表の仕方でのスタート。
 治療は、海外の最新医療である=PSMA標的放射線治療」。

 3回目の報告が7月29日に発信された。
 タイトルが・・・「 第三弾 失速編」とつけられている通り、ショックな現状らしい。
  ・・内容中に【治療を受けた後のPSA数値は下がるどころか、470から510へと上昇。日本にいたころは325】とある旨。

 私も、昨年7月に「2」まで下がっていた腫瘍マーカー PSAが、日本で国内で認められている放射性物質の点滴療法であるゾーフィゴを1月から行ったところ、PSAが毎月上昇、「12月146⇒4月536」と急上昇、高値になったことが心配なので主治医と相談して「ゾーフィゴ治療は『6回』しかできないところ、『3回』でうち切った」。
 それでも4月26日は815まで上昇。
 その後は下がり始めていった。

 今回の西郷氏の「ルテチウムPSMA療法 アクチニウムPSMA標的治療」においても、腫瘍マーカー PSAが急上昇すること、その後は急降下することも指摘されている。渡豪しての治療まで決意するということは、当然、それらのことは医師から聞かされていたはずなので、途中経過として「急上昇」を第3回報告の主題としたと私は推測している。
 
 ともかく、問題は「最終的に、どこまで腫瘍マーカー PSAの値が回復するのか」ということが強く気になるのは患者の本音。
 ちなみに、このブログで西郷氏の治療方法のことを最近整理したのは、
 
 ★ 2021年7月15 日ブログ ⇒  ◆全身の転移に ルテチウムPSMA療法 アクチニウムPSMA標的治療 オーストラリア/日本では、抵抗感が強く、承認が大幅に遅れることが懸念される (前立腺がん支援ネットワーク)
   ・・・・今日は、「1. ある専門家」と「2. 患者や医師らのネットワーク」と「医療を海外で受けていただくお手伝いをしている有志の医師のグループ」の3件から関連情報を見ておく。・・・・

  ★ 2021年7月16日ブログ ⇒ ◆疑問点。実際に治療効果は? ?  PSMA療法 ルテチウム・アクチニウムで/PSAが急上昇し、急降下するらしい/それ自体は理解できること=腫瘍崩壊 ただ、最終的にどうなるの・・
  ・・・・ ●-5 ≪腫瘍マーカー PSAが急上昇し、急降下した後、どこまで回復するの??? という疑問の答えが見つからない≫・・・・

 今日は、次利西郷氏のことにリンク、紹介しておく。
●西郷輝彦 teruhikosaigo /7月29日 今夜18時ごろ、YouTube公式チャンネルにて 第三弾「失速編」をアップ予定です
●西郷輝彦 緊急渡豪 前立腺がん最先端治療への挑戦 第三弾 失速編/西郷輝彦公式チャンネル Telstar Vega 2021/07/29

●前立腺がんの西郷輝彦、最先端治療の結果に激しく落胆 渡豪前よりPSA数値が200上昇し「動揺しています」  325から510へと推移/ねとらぼ 2021年07月30日 20時05分

 なお、昨日7月30日の私のブログへのアクセスは「閲覧数1500 訪問者数826」。

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 西郷輝彦 teruhikosaigo
·7月29日

ご無沙汰しております。

今夜18時ごろ、YouTube公式チャンネルにて 第三弾「失速編」をアップ予定です。

ぜひご覧下さい!


●西郷輝彦 緊急渡豪 前立腺がん最先端治療への挑戦 第三弾 失速編
    西郷輝彦公式チャンネル Telstar Vega 2021/07/29 8,163 回視聴  チャンネル登録者数 5860人
すべてはボンダイビーチへの道だった!14日間の隔離生活を終え、シドニーらしい住まいを借りて新生活がスタート。コンディションを整え、前立腺がんの検査、治療に耐えるための生活を始める。そしていよいよ治療を終え、その結果が知らされる。果たして第一回目の治療はどうだったのか?
第三弾は失速編として治療前後の緊張と、現実感をお伝えします。
・・・(以下、略)・・・

●前立腺がんの西郷輝彦、最先端治療の結果に激しく落胆 渡豪前よりPSA数値が200上昇し「動揺しています」  325から510へと推移。
      ねとらぼ 2021年07月30日 20時05分 斉藤賢弘
・・・(略)・・・
 快癒を願う思いとは裏腹に、治療を受けた後のPSA数値は下がるどころか、470から510へと上昇。日本にいたころは325だったことに加え、内蔵や白血球などはさしたる問題がない分、西郷さんのショックは大きかったとみえ、「治療したからこその高どまりともいえる」と一定の理解を示しつつ、明らかに落胆した表情で「3回しかない貴重な治療で1回目、せめて100か200は下がってくれなきゃ」「あと2回で下げることができるんだろうか」とふりしぼるように語っていました。
・・・(以下、略)・・・


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 「去勢抵抗性前立腺がん」で、日本での各種の標準治療が尽きて、海外の最新医療に向かった西郷輝彦氏。
 日本から抜け出して、海外に行くしかないという前立腺がん治療の現況、当然ながら患者の気持ちは、よくわかる。
 ただ、海外の治療のデータはなかなか見つからない。

●-1 経験からわかる一つ目として、私が、セカンドオピニオンを受けた  京都大学病院の泌尿器科の医師は、「オーストラリアに行った人は『3人』知ってます。その後のことはわかりません」との話だった。
   (その意味は、ここを出て、海外の治療にかけた、が、結果は知らない・・ということは間違いない。)

●-2 経験からわかる二つ目として、今通っている  名古屋大学病院の泌尿器科の医師は、最初のセカンドオピニオンの時、「オーストラリアに3人行かれました。その後のことは聞いていません」との話だった。
  (その意味は、ここを出て、海外の治療にかけた、が、結果は知らない・・ということは間違いない。)

●-3 結局、日本で、標準治療から見限られた患者で、腫瘍マーカー PSAが悪化した人のある部分は、治療を受けていた病院を出て海外に行っている、ということのようだ。
 私が推測するとに、西郷氏も同様なのだろう。
 ともかく、今日、観点を絞ってWEB検索したら、このブログで採り上げてきた「セラノスティクス 横浜」のWEBには、次の記述があった。
 
●-4  ★≪セラノスティクス 横浜/進行性前立腺がんに対する新しい治療 Q&A ・・これまでに渡航してオーストラリアで治療や検査を受けた方々は30人以上。・・≫

 ただし、計算の年月日が示されていない。咲いていえば、上記のページの後半に「体験談」があり、それが「2020年3月」とされていることが推測の元か・・・
 
●-5 ≪腫瘍マーカー PSAが急上昇し、急降下した後、どこまで回復するの??? という疑問の答えが見つからない≫
 ところで、昨日のブログで
  ≪なお、次回は、「治療として完ぺきではないのかもしれない」と感じる部分、疑問点なども書いてみたい。≫ と書いた。

 もちろん、完ぺきな治療法などあるわけはないのだけれど・・・それでも、この最新治療として、かつ、きわめて効果的だといわれるこの治療法について、一(いち)患者として疑問に思うところは次。
 
 日本ではまだ認可されていない「海外の最新医療=『PSMA標的放射線治療』」「ルテチウムPSMA療法 アクチニウムPSMA標的治療」においては、腫瘍マーカー PSAが急上昇することは指摘されている。その後、急降下することも。
 ただ、問題は、最終的に「どこまで回復するのか」という肝心のところ。
 一応、次の二つが考える出発点か・・・

●-6
★≪ 2020.09.02 宇都宮セントラルクリニック たった1回のLu-PSMA投与で腫瘍サイズが縮小。これにより、腫瘍溶解症候群が発生し、一過性にPSAの急上昇をもたらし、その後急速にPSAが低下。血中PSAの値が、一過性に上昇後に急減している。
 

私の疑問 (寺町の記述) PSAの値
グラフの出発点(左端から抽出してみると)
2018.11.14 「74」
2019.02.05 「323」
2019.03.12 「1790」
2019.07.01 「5302」
2019.07.23 「1292」 

確かに、急激に上昇し、急激に減少している。

ただもともと「100」に近いレベルまで上昇していたのだろうことは推測できるものの、
示された資料では、治療開始の月日が定かでないから判断しがたい。


●-7
 ★≪2018年9月24日 馬車道さくらクリニック 院長  車 英俊 前立腺がんに対する新しい標的分子 PSMA  2.PSMA標的放射線治療/セラノスティクス 横浜 
・・・(略)・・・進行性の去勢抵抗性前立腺癌に対するPSMA治療は、2015年にドイツのハイデルベルグ大学で始まりました。まず、ルテチウム177という放射線物質を用いた治療から始まり、2017年に145人の患者さんに実施した結果が報告されました。

すべての患者さんが他の治療をほぼすべてやりつくした状態の進行性前立腺がんであったにもかかわらず、実に45%以上の患者さんはPSAが50%以上低下し、33~70%の患者さんは痛みが軽減し、60%の患者さんは生活の質が上がり、74%の患者さんは日常生活の活動性が向上しました。

副作用はほとんど見られませんでした。これは、去勢抵抗性前立腺癌に対する従来の治療と比較して驚くべき効果で、さらに安全性が極めて高いため、次世代の治療としてたいへん注目を集めています。最近では、さらに強力なアクチニウム225という放射線物質を用いた治療も始まっています。


私の疑問 (寺町の記述) 「PSAの50%以上低下し」はいいけど、その月が見えてこない。

●-8 国内でできる放射線治療の一つのゾーフィゴの時、(私は今年は1月日から3月3回投与する治療を受けた)、名大病院の放射線科医は「過去に、PSAが4000まで上がった人がいます。たいてい上がるでしょう」という話だった。
 たいていの人が「上がる」ことは、私も文献で知っていたけれど、「その後、その人はどうなったんですか?」という質問をしても、医師からは答えが返ってこなかった。
 2月にもその話が出たので、改めて質問したが、答えがなかった。

 ともかく、日本国内で治療法がないところまで進行、悪化した当事者が海外を指向するのは不思議ではない。
 この分野の後進国の日本でも、いずれはPSMA療法も承認されるのだから、注視していこう。

 なお、私の現在の方針は昨日も書いたけど、
 「当面は、今の病院での治療、着くにBRCA遺伝子変異の治療薬の『リムパーザ』で行くつもりでいる」。

 観点を変えれば、多分、西郷氏はBRCA遺伝子変異のタイプではなかったのだろうと推測している。
 (もちろん、2021年1月から日本で去勢抵抗性前立腺がんにも保険適用となった認可された「リムパーザ」を、それ以前から自費で使っていたケースなら、別のこと)

 いずれにしても、癌は個別治療の時代、ということを改めて感じている。 

 なお、昨日7月15日の私のブログへのアクセスは「閲覧数2,580 訪問者数848」。

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 西郷輝彦氏が去勢抵抗性前立腺がんの治療でオーストラリアに渡ったのが4月。最後の治療、その覚悟なのだろう・・・
 放射線や抗がん剤治療を11回行ったけれど、芳しくないということで外国での最新医療に出かけた旨。

 このブログでも、その治療法のことを何回か見てきた。
 同氏の情報発信がまだ、2回だけのようなので、ブログでの整理は少し進めてきたい。
 
 今日は、「1. ある専門家」と「2. 患者や医師らのネットワーク」と「医療を海外で受けていただくお手伝いをしている有志の医師のグループ」の3件から関連情報を見ておく。

 ブログのタイトルに「全身の転移に ルテチウムPSMA療法 アクチニウムPSMA標的治療・・・」と書いた。
 私の場合も全身の転移という検査結果が出ているのだけれど、今の国内での治療で転移は減少してきている。来週も、3ケ月ぶりの
骨転移の現況の検査が組まれている。…つまり、当面は、今の病院での治療、着くにBRCA遺伝子変異の治療薬の「リムパーザ」で行くつもりでいる。

 ともかく、その「3件のこと」につき、今日のブログの後半でリンクし、一部を抜粋しておく。
 ごくごく一部を抜き出すと以下。ニュアンスが伝わって、ブログの後半のもっと分かりやすい抜粋の方も見てほしい。

1. 専門家のこと
 ★≪ 最新情報 前立腺がんの診断と治療 2019年11月10日・・・今回の国際泌尿器科学会では、PSA1000以上で見つかった患者さんの解析を発表しました。2001年から2018年の間に私Uromasterの病院などで診療した53人の患者さんの解析です。・・・
 
という医師なので、相当な人だろうと推測できる。
 2016年12月25日 の投稿で ★≪225Ac-PMSA-617による治療≫ と題してまとめている。
 情報が早い。
 その人が、★≪2021年05月23日 西郷輝彦さんがシドニーに出発≫ と書いている。

2. 患者や医師らのネットワーク
  ★≪前立腺がん支援ネットワーク 腺友倶楽部≫
  ・・・期待されるPSMA標的療法:早期承認を!  前立腺がんでは、毎年1万人以上の患者が亡くなっています。・・・日本では、抵抗感が強く、このまま手をこまねいていては、日本での承認が大幅に遅れることが懸念≫

3. 一般社団法人セラノスティクス横浜
  ★≪私たちは、国際的に効果が実証された最新のセラノスティクス医療を海外で受けていただくお手伝いをしている有志の医師のグループです。≫
  ★≪・・・ルテチウムPSMA標的治療は、PSMAを発現している前立腺がんにしか効果はありません。PSMA標的治療には、ルテチウムのほかにアクチニウムを用いる方法があります。こちらの方がより強力ですが、核種が特殊なためにまだ世界でも実施できるところが限られています。≫
 
 なお、次回は、「治療として完ぺきではないのかもしれない」と感じる部分、疑問点なども書いてみたい。
 昨日7月14日の私のブログへのアクセスは「閲覧数2,378 訪問者数987」。

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★前立腺小細胞がん(神経内分泌がん) - 最新情報 前立腺がんの診断と治療:楽天ブログ"
● 2021年05月23日 西郷輝彦さんがシドニーに出発
● 2016年12月25日  225Ac-PMSA-617による治療 
・・・(略)・・・この225Ac-PMSA-617は、前立腺がん細胞、前立腺がん組織を標的とした治療です。
効果が確かめられれば、本当に理想的な治療になるかもしれません。
私Uromasterも、目を光らせて今後の成り行きをみていきたいと思います。
・・・(略)・・・

★前立腺がん支援ネットワーク  腺友倶楽部
  ・・・(略)・・・
【体内照射】(ラジウム223) 
・・・(略)・・・アルファ線を放出するラジウム223(ゾーフィゴ)は、忍容性を保ちながら、生存期間の延長(中央値で約3ヵ月)をもたらすというデータが示されており、我国では2016年に保険適用となりました。 以降、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)の治療選択肢の一つとして良く用いられてきました。
アルファ線はベータ線に比べて放射線量が数倍大きく、一方、飛距離と崩壊時間は短くなります。ゆえに理論的には他の臓器に対する影響が小さいので、副作用も少ないと言われていますが、これも実際はかなり個人差があるようで、副作用がきつくて辛いとおっしゃる方もおられます。
・・・(略)・・・

 期待されるPSMA標的療法:早期承認を!
 前立腺がんでは、毎年1万人以上の患者が亡くなっています。
転移を有する去勢抵抗性前立腺がんとなり、次の薬物療法の選択肢が見えなくなって来た時に、もし、大きな効果が期待できる新しい治療法が目の前に現れれば、どんなにありがたいことでしょう。
 夢物語と言われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。現在、海外でそのような治療法がすでに生れつつあるのです。
・・・(略)・・・
 PSMAを標的とした小分子(リガンド)に、ベータ線を放出するルテチウム(117Lu)あるいはアルファ線を放出するアクチニウム(225Ac)をくっつけ、多発転移(骨に限らず、リンパ節や臓器転移であっても)を有する前立腺がん患者に注射すれば、多くの人で骨転移の影が薄くなり、PSA値が大幅に改善されるというものです。
・・・(略)・・・
ただ、全ての前立腺がん細胞にPSMAが発現しているとは限らないので、そのような前立腺がん細胞に対しては効き目がありません。

・・・(略)・・・
海外では、PSMA-PETをやっている国は、すでにたくさんあり、いずれ近いうちにPSMA標的療法が正式に認可されようとしています。
 さらに突っ込んで言えば、ドイツ、オーストラリア、マレーシア等数カ国では、実際にPSMA療法による患者の治療が先行して行われており、 すでに日本からも10名を越える患者さんが、その治療を受けに渡航されているという現実があるのです。

 この治療法は、海外では早ければ2020年にも承認される可能性があるという状況になっていますが、 我国では、PSMA標的療法の臨床試験はまだ始まる気配もありません。

 日本ではアイソトープ(放射性物質)の規制が厳しいこともあり、アイソトープを用いた検査や治療の認可はとかく遅れる傾向が強いようです。 PSMA-PET(PET/CT)を用いた臨床試験は、2019年から京大、阪大等で始まっています(受付はすでに終了)
 日本では、これまで薬の承認が諸外国に比べて大きく遅れるドラッグ・ラグ問題がしばしば騒がれていましたが、近年、ようやく海外に対しても、概ね1~2年以内に追随、承認できる体制になってきているようですが、アイソトープは一般の医薬品とは趣が異なり、抵抗感が強く、このまま手をこまねいていては、日本での承認が大幅に遅れることが懸念されます。
・・・(略)・・・
腺友倶楽部としても、「出来るだけ早期に、患者がこの治療法の恩恵を受けられるよう、便宜を諮ってほしい」という要望を、専門医等の関係団体とも協力し、所轄官庁に訴えることができないか、その方向に向け動き始めているところです。

●一般社団法人セラノスティクス横浜のご紹介
   セラノスティクス横浜
 私たちは、国際的に効果が実証された最新のセラノスティクス医療を海外で受けていただくお手伝いをしている有志の医師のグループです。
​ 医学の進歩は全世界に同時進行的に起こっていますが、日本国内で受けられる治療はそのごく一部です。私たちは、患者さん一人一人に適した治療を供給するセラノスティクス医療に賛同し、それを日本の皆さんにお届けすることを目的に、非営利団体として一般社団法人セラノスティクス横浜を設立いたしました。設立に賛同した仲間は、がん治療の最前線で奮闘する医師、薬剤師です。

 「セラノスティクス(Theranostics)」とは、「治療の」を意味するセラピュウテック(Therapeutic)と「診断の」を意味するダイアグノスティック(diagnostic)を組み合わせた造語で、「診断と治療の融合」を意味します。患者さんの病状を逐一診断してその病状に合わせた治療をする、いわゆるオーダーメード医療の新しい流れです。

私たちは、国内では受けられないセラノスティクス医療を国内に広く紹介し、特にがんで苦しんでいる患者さんに海外で最先端の治療を受けていただくお手伝いをしたいと考えています。

●PSMA標的治療(PSMA標的内用療法) ルテチウム アクチニウム オーストラリア
     セラノスティクス横浜
ルテチウムPSMA標的治療(Lu-PSMA標的治療)
 ルテチウム は原子番号71の元素で元素記号は Lu、原子量は174.967の希土類元素の一つのです。177-ルテチウムはベータ線を発生する放射線元素で、半減期は6.7日です。一方、PSMAは前立腺がん細胞の表面に発現しているタンパク質で、進行がんや転移がんで特に強く出ていますルテチウムPSMA標的治療は、このPSMAに結合する物質に177-ルテチウムを付けることで、正常臓器にはあまり影響を与えずに前立腺がんを治療することができます。

ルテチウムPSMA標的治療の実際
 ルテチウムPSMA標的治療は、PSMAを発現している前立腺がんにしか効果はありません。このことを調べるために、PSMAの発現を確認するためのPET検査を行う必要があります。オーストラリアで行っている治療では、治療の前日にPSMA PET検査を行い、翌日にルテチウムPSMA標的治療を実施します。治療は、オーストラリアのパースがシドニーの指定病院で実施します。実際には点滴室で3時間ほどの点滴を受けるだけで、治療後は宿泊のホテルにお帰り頂きます。

 具体的には、到着の翌日に指定病院でPSMA PET検査を受け、その前後にオーストラリアの治療医の診断を受けます(日本人の通訳が付きます)。PSMA PET翌日に再度指定病院に行き、そこでルテシウムPSMA標的治療(点滴3時間)を受けます。その後、約2日間ホテルに滞在し、おおよそ治療3日目に帰国になります。

アクチニウムPSMA標的治療(Ac-PSMA標的治療)
 PSMA標的治療には、ルテチウムのほかにアクチニウムを用いる方法があります。こちらの方がより強力ですが、核種が特殊なためにまだ世界でも実施できるところが限られています。
 2018年12月から、オーストラリアでもアクチニウム治療が実施できるようになりました。ルテチウムPSMA標的治療で効果が不十分な場合、アクチニウム治療の切り替えることも可能になり、治療の範囲が大変広がりました。

アクチニウムPSMA標的治療の実際
 アクチニウムは発注から入手まで1か月を要し、さらに半減期が短いために入荷後すぐに使用する必要があります。オーストラリアでは放射線物質に関する法的な規制のために月に一回しか入荷できません。そのため、実施するためには入荷に合わせた渡航の調整を行わなければなりません。オーストラリアでは、1か月以上前の段階で担当医と面談を行い、アクチニウムを用いる必要性な本人の意思確認などを行ったうえでの実施になります。
​ 渡航の日程はルテチウムと同じですが、半減期が短いために投与後24時間のホテル待機で出国が可能です。
・・・(以下、略)・・・



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 西郷輝彦氏の「緊急渡豪 前立腺がん最先端治療」などと報道されていることで一気に知名度の上がった「去勢抵抗性前立腺がんのPSMA治療」(ルテシウム、アクチニウム)。
 しばらく前に、同療法について解説し、治療先との中継もしているらしい「セラノスティクス横浜」の説明などにもリンクし、抜粋した。
  (※ 6月29日ブログ ⇒ ◆PSMA標的治療の実際/アクチニウム、ルテチウム-177、転移のある去勢抵抗性前立腺がんに有効/FDAがPSMA標的PET画像診断薬を承認 2020年12月10日)

 今日は、放射線治療などを主体に行っていると受け取れる「宇都宮セントラルクリニック」が、現地との連携で患者を治療に送り出しているらしき解説や、現地での写真なども掲載されているので、一部の関連をリンク、抜粋しておく。

 同療法が完璧というわけではないが、日本で受けられる治療よりは優れている、との基本的評価があちこちにある。放射線科医が、学会でも注目されている、と話していた。
 なお、私の場合は、それにすぐに飛びつくのでなく、今年1月(から2月)に日本で保険適用の治療の対象者として確認されたので、4月から行っているリムパーザという治療を優先させる。
 親からの遺伝子異常が原因の前立腺がんであることが1月に判明した私の場合、リムパーザで治せる癌は治す(消えていく癌は消えさせる)という治療のあとで、それでも残った癌があった場合に、それらへの対策としての次の治療を考えることになる。その選択肢の一つ、と見ている。

 今日は、まず、西郷氏関連や同氏の2回目の現地報告のページなどにリンク。
 次に、先に記した「宇都宮セントラルクリニック」の院長らの説明にリンクし、状況が理解できる程度の一部は抜粋しておく。
 私がピンと来る記述をまず列記しておく。
  ◆標準治療では他に方法がないため、緩和医療を勧められる。
  ◆最新医療 ルテシウム(Lu-177) PSMA治療
  ◆1回のLu-PSMA投与で腫瘍サイズが縮小している。これにより、腫瘍溶解症候群が発生し、一過性にPSAの急上昇をもたらし、その後急速にPSAが低下した。
  ◆PSA値が半分になり、副作用も少なめ。
  ◆まったく新しい機軸の放射線治療
  ◆PSMAという分子をターゲット(標的)にしているので、広い意味で分子標的薬の仲間と言える
  ◆ トレミフェンによる治療/前立腺がんの組織を再度組織生検すると、そこに女性ホルモンレセプターが証明されることがある。この場合、ブロッカーのトレミフェンを使う。

 上記の後半の幾つかのことはとても興味深いので、後日、違う観点で整理する予定。
 
 今日は、次の解説。
●西郷輝彦、6年前に前立腺全摘出もがん再発「病と向き合う」/産経 2017/12/1
●前立腺がんの基礎知識内分泌療法/宇都宮セントラルクリニック/最新医療 ルテシウム(Lu-177) PSMA治療について
標準的治療に抵抗性のある前立腺がん、それが「去勢抵抗性前立腺がん」
●PSMA標的治療のルテチウム-177、転移のある去勢抵抗性前立腺がんに有効 /CareNet.com 2021/02/24 提供元:ケアネット  (医学ライター 菅野 守)

●  ~進行した前立腺がんで余命宣告をされたら~ /2018.08.10 宇都宮セントラルクリニック
●クリニックからのお知らせ  当院代表佐藤俊彦のコラム ~去勢抵抗性前立腺癌の皆様へ~/2019.05.23/トレミフェンによる治療、免疫細胞療法、Lu(ルテチウム)-PSMA治療

●前立腺がん治療 PSMA/宇都宮セントラルクリニック LuPSMA治療の流れ (※ 「リンク先のページの後半」に現地の写真も含めて詳しく掲載されて
●【再掲】去勢抵抗性前立腺癌のLu-PSMA治療に関して(続報)/2020.09.02 宇都宮セントラルクリニック

 なお、昨日7月7日の私のブログへのアクセスは「閲覧数1,574 訪問者数965」。

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西郷輝彦●西郷輝彦、6年前に前立腺全摘出もがん再発「病と向き合う」  産経 2017/12/1
 歌手で俳優、西郷輝彦(70)が30日、所属事務所を通じてがんの再発を公表した。6年前に前立腺がんを患い、全摘出手術を受けていたことも明かし、今秋受けた検査で再びがんが発覚したという。来春まで治療を最優先にするため、出演予定だったミュージカル「舞妓はレディ」(3月4〜20日、福岡・博多座)を降板することも決定。完全復活を目指す西郷は「心して病と向き合う」と誓った。・・・(以下、略)・・・
   西郷輝彦公式チャンネル Telstar Vegao


●前立腺がんの基礎知識内分泌療法
   宇都宮セントラルクリニック 
最新医療 ルテシウム(Lu-177) PSMA治療について
標準的治療に抵抗性のある前立腺がん、それが「去勢抵抗性前立腺がん」
・・・(略)・・・組みからLuPSMAは、有害な高線量の放射線を、がんの転移部位のみに正確に照射させることができます。

●全身の転移病巣に効果が期待できる放射線療法
Lu-PSMAは「Lu-177 PSMA617」の略。ルテチウムは原子番号71の元素で、Luが元素記号。ルテチウム-177とはβ(ベータ)線を発生する放射性同位元素で、半減期は約6.7日。PSMA(前立腺特異的膜抗原)は、前立腺がんの細胞表面に多く発現するタンパク質である。PSMA617はPSMAに結合する低分子で、それにルテチウム-177を付けることで、正常臓器には影響を与えずに治療できる。

静脈注射により体内に送り込まれたLu-PSMAは血流に乗って全身を巡り、体内にある前立腺がんの細胞表面に付着する。そこでルテチウムが放射線を放出し、がん細胞を死滅させる(図2、図3)。
・・・(略)・・・
ところが、Lu-PSMAは理論的には、前立腺がんが全身のどの臓器に転移していても、そのがん細胞めがけて放射性物質を届けることができるのだ。

まったく新しい機軸の放射線治療ですね。薬剤が直接がんの増殖を止める効果を持つわけではないですが、PSMAという分子をターゲット(標的)にしているので、広い意味で分子標的薬の仲間と言えると思います。PSMAは前立腺がんに特異的な分子で、去勢抵抗性前立腺がんでも発現していることが知られています。その量は前立腺の正常な細胞の100倍とも1,000倍とも言われています。そこで、これをターゲットにすれば、がん細胞を選択的に叩けるのではないかというので出てきた治療です」

PSA値が半分になり、副作用も少なめ
Lu-PSMAはPSMAを発現している転移性去勢抵抗性前立腺がんの患者を対象とする単一群の第Ⅱ相試験の薬剤で、この試験はメルボルン大学(オーストラリア)のピーター・マッカラムがんセンターのマイケル・ホフマン准教授らのグループが実施している。登録された50~87歳の患者50人は、登録前にPSA値が3カ月弱で2倍に急増していたとのこと。PSAとはご存知のように前立腺特異抗原のことで、前立腺がんではこの数値が高くなるので、前立腺がんの腫瘍マーカーともなっている。

ほとんどの患者が抗がん薬タキソテール(一般名ドセタキセル)の治療歴か、ホルモン療法薬のザイティガ(同アビラテロン)、イクスタンジ(同エンザルタミド)の両方または一方の治療歴があり、48%がさらに抗がん薬ジェブタナ(同カバジタキセル)の投与を受けていた。患者は6週間ごとに4サイクル、Lu-PSMAの静脈注射を外来で受け、結果をPSA値とCTや骨シンチグラム、PETスキャンなどにより画像追跡した。

生存期間(OS)中央値は治療後13.3カ月で、同じ病期の患者の平均(9カ月)より延長した。また、50人中32人にPSA値の50%以上の減少が見られ、うち22人ではPSA値が80%以上減少したという。初回治療後、多くの患者で骨の痛みの改善を含むQOL(生活の質)の改善も見られた。

その一方、グレード3以上の血液毒性(貧血や血小板減少)が約10%に見られたものの、重篤な副作用は比較的少なかった。PSMAという分子は唾液腺や涙腺の細胞にも発現しているため、口の渇き、悪心(おしん)、疲労感などが見られたという。

ちなみに、ルテチウムはβ線を放出し、飛ぶ距離が長くて体の外に少し出るため、PETなどにより追跡することができる。つまり、検査にも使えるので、今回の試験でも事前に投与してPET検査を行い、高い取り込み率を示した患者だけを対象としたという。

●PSMA標的治療のルテチウム-177、転移のある去勢抵抗性前立腺がんに有効         
     CareNet.com 2021/02/24 提供元:ケアネット  (医学ライター 菅野 守)
 ドセタキセル治療が無効となった転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)男性の治療において、ルテチウム-177[177Lu]Lu-PSMA-617はカバジタキセルと比較して、前立腺特異抗原(PSA)反応(PSA値のベースラインから50%以上の低下)の達成率が高く、Grade3/4の有害事象の頻度は低いことが、オーストラリア・Peter MacCallumがんセンターのMichael S. Hofman氏らが行った「TheraP(ANZUP 1603)試験」で示された。

研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年2月11日号で報告された。[177Lu]Lu-PSMA-617は、前立腺特異的膜抗原(PSMA)を発現する細胞にβ線を照射する放射線標識低分子化合物であり、mCRPC患者において抗腫瘍活性と安全性が確認されている。

オーストラリアの無作為化第II相試験・・・(略)・・・
 著者は、「[177Lu]Lu-PSMA-617は、新たなクラスの有効な治療法であり、カバジタキセルの代替治療となる可能性がある」としている。


●  ~進行した前立腺がんで余命宣告をされたら~  
        2018.08.10 宇都宮セントラルクリニック
・・・(略)・・・こうなると日本の先生はお手上げで、もう何もすることがないので、モルヒネでホスピスに行きましょうと言うことになるわけです。ところが、この治療で治っている人がたくさんいますので、セカンドオピニオンでご相談ください。
これはアクチニウムというアルファ線を放出する各種を投与したものですが、ドイツで治療を実施していますね。
最初にルテシウムで治療したのですが、ベータ線では効果がなかったので、アクチニウムに変更した例です。完治しているのがわかります。
この治療、早く日本でもできるようになればいいのですが、安価に治療できるという意味では、前立腺がんに閉経後乳がん治療薬トレミフェンを使用するという治療法をぜひ覚えておいてください。

わたしは放射線治療センターをOPENし、優秀な若い先生方とお仕事をご一緒することができ非常に幸せです。医学は、疾患に対するアプローチがこれまでとはガラっと変化するタイミングなので、流れについて行けるように勉強しながら、臨床の最前線でいち早く導入し、皆様のお役に立てる医療機関に仕上げて参りたいと思います。今後とも、よろしくお願いいたします。

【参考①:前立腺がんに関する他のコラム】
・去勢抵抗性前立腺がんの皆様へ:https://ucc.or.jp/2019/05/11185
・去勢抵抗性前立腺がんのLu-PSMA治療に関して(続報):https://ucc.or.jp/2019/08/11481

●クリニックからのお知らせ  当院代表佐藤俊彦のコラム ~去勢抵抗性前立腺癌の皆様へ~
       2019.05.23
・・・(略)・・・しかし、これも効かなくなると、新規の抗がん剤であるカバジタキセル(ジェブタナ)、新規のホルモン治療剤として、エンザルタミド(イクスタンジ)とアビラテロン(ザイティガ)をトライしますが、これも効かないとなると標準治療では他に方法がないため、緩和医療を勧められます。

自由診療となりますが、治療には3つの選択肢があります。
トレミフェンによる治療
免疫細胞療法
Lu(ルテチウム)-PSMA治療

1.トレミフェンによる治療
前立腺がんの組織を再度組織生検すると、そこに女性ホルモンレセプターが証明されることがあります。この場合、標準的なホルモン治療では女性ホルモンを服用させることがあるのですが、かえって腫瘍の増殖を促進させることになってしまうため、逆効果になります。こういった場合に、ブロッカーのトレミフェンを使います。

・・・(略)・・・したがって、去勢抵抗性前立腺がんに対して放射線内照射のあとに何らかの免疫治療が有効であると考えます。
当院では、ブルツブルグ大学の福島先生と共同で、これらの患者さんのアウトバウンドのご支援をしております。スケジュールの例は以下の通りです。1クールが3~4回で、治療と治療の間に基本的には約8週間の休みがあります。

遠方の方で相談されたい場合には、当院の遠隔医療システムを使えば、全国からお問い合わせが可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
https://ucc.or.jp/telemedicine/
今後、去勢抵抗性前立腺がんに関しては、患者さんの急増が予測されています。しかし、国内では、診断目的のGa-PSMA検査や治療目的のLu-PSMAの体制が未整備の状況です。

前立腺がんの患者さんは、比較的全身状態がいい患者さんが多いので、渡航に関しても、十分に耐えられる患者さんが多くいらっしゃり、私たちはこのシステムを積極的に押し進めるつもりです。

●前立腺がん治療 PSMA   
    宇都宮セントラルクリニック LuPSMA治療の流れ (※ 「リンク先のページの後半」に現地の写真も含めて詳しく掲載されている)
・・・(略)・・・当院ではこれまでにドイツ・ビュルツブルクにある大学病院へ紹介をし、治療を受けていただいた実績があります。日本人医師が現地のドクターと連携して治療方針や診療を手伝ってくれます。

当院を受診する
「去勢抵抗性前立腺がん」の可能性がある方は、まず当院のオピニオンを受診して下さい。

必要な物・・・(略)・・・
現地での治療 1日目(外来) ・・・(略)・・・◆ Ga-PET検査・・・(略)・・・
2日目(入院)  ・・・(略)・・・◆ 腎シンチグラム ・・・(略)・・・ ◆ Lu-177 PSMA投与・・・(略)・・・
3日目(入院)  ・・・(略)・・・◆ PET検査ひ
4日目(退院)  ・・・(略)・・・◆ PET検査・・・(略)・・・

治療後のフォロー体制  帰国後は4週間に1度のペースでPSAの値を測定しながら経過観察をします。
また、8週間後に同様の治療を行います。

●【再掲】去勢抵抗性前立腺癌のLu-PSMA治療に関して(続報)

   2020.09.02 宇都宮セントラルクリニック
・・・(略)・・・これは治療前(下段)と治療後(上段)の比較ですが、たった1回のLu-PSMA投与で腫瘍サイズが縮小していることがわかります。これにより、腫瘍溶解症候群が発生し、一過性にPSAの急上昇をもたらし、その後急速にPSAが低下しました。

腫瘍溶解症候群による体調不良がありましたが、すぐに回復されています。
注目点は、両側の耳下腺に集積していることです。つまり、唾液腺も放射線照射されてしまうので、治療中の冷却が必須です。

これは、患者さんの血中PSAの値ですが、一過性に上昇後に急減していることがわかります。2回目のLu-PSMAを実施しましたが、2回目の副作用は軽微のようです。

前立腺癌は、免疫治療が効かない”冷たいがん”として有名ですが、これにニボルマブとイピリブマブを併用することで有効と報告されています。
当院では、ブルツブルグ大学の福島先生と共同で、これらの患者さんのアウトバウンドのご支援をしております。

当院の遠隔医療システムを使えば、全国からお問い合わせが可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
https://ucc.or.jp/telemedicine/
今後、去勢抵抗性前立腺癌に関しては、患者さんの急増が予測されています。しかし、国内では、診断目的のGa-PSMA検査や治療目的のLu-PSMAの体制が未整備の状況です。


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 2021年6月21日ブログで、
 ★≪西郷輝彦 第2弾 隔離編  緊急渡豪 前立腺がん最先端治療への道 / 第1弾  最先端治療への挑戦 /このブログでは、明日から当該「ルテチウムPSMA療法」のことや、周辺状況を整理しよう。  ・・・今日は、その先月の自分の3つの投稿の要点を確認し、明日から、当該療法である「ルテチウムPSMA療法」のことや、周辺状況を整理しようと思う≫

 と書いた。(※  ◆6月21日ブログ )
 
 しかしその後、6月23日の自分の診察結果の報告などは書いたが、前項のことは延ばしていた。
 それで、今日こそはと次を整理しておく。 あと、何回か、「PSMA療法」のことにしたいと思っている。

1. まず、世界各国で治療法として広がっていながら、日本だけと認可していない理由として、「核・放射性物質に関する規制が厳しい」ことがあるらしいので、ネットで調べてみた原子力委員会の会議録から一部・関連部を抜粋。
 ●2019年6月18日 第22回原子力委員会定例会議議事録/原子力委員会 公式記録
 
「国としても必要なことはちゃんとやらないといけない」 と答弁している・・・。

2. 次は、実際の治療のことの紹介や、仲介などを行っている「セラノスティクス横浜」のWEBから。
 ●PSMA標的治療(PSMA標的内用療法) 進行性前立腺がんに対する新しい治療/セラノスティクス横浜/ルテチウムPSMA標的治療の実際/アクチニウムPSMA標的治療の実際

3. 古いけれど2009年の日本がん免疫学会総会の記録 
 ●新規放射性核種「ルテチウム-177」標識抗体によるがん治療の基礎的検討/日本原子力研究開発機構(JAEA) 第13回日本がん免疫学会総会 2009/06/効果的な放射免疫療法を実施するために・・基礎的検討を行った。

4. 業界の発表文
●177-LUTETIUM-PSMA-617:医療費の増加により今後数年で市場規模は拡大予測、多くの医薬品メーカーの参入に期待/株式会社グローバルインフォメーション 2020年12月14日  プレスリリース /177ルテチウムが弾頭だとするならば、PSMA-617は弾頭をがん細胞に運ぶミサイルの役割を果たしています。Lu-PSMA は、セラノスティックス(治療と診断を組み合わせた新しい医療技術)として知られているがん治療の新興分野の一部です。

5. アメリカで承認されたこと
●FDAが前立腺がんに初のPSMA標的PET画像診断薬を承認/海外がん医療情報リファレンス 2020年12月10日 発信元:FDA(米国食品医薬品局)

 以上のことについて、今日のブログの後半でリンク・抜粋、確認しておく。 (つづく)
 なお、昨日6月28日の私のブログへのアクセスは「閲覧数2,773 訪問者数979」。

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●2019年6月18日 第22回原子力委員会定例会議議事録
    原子力委員会 公式記録 から 
1.日 時 令和元年6月18日(火)13:30~14:40
22ページ
(佐野委員)日本の患者さんで、海外で治療を受けられるところに出ているという現象は起きているのですか。
(永津放射線核種製造グループ研究統括)そうですね。
(佐野委員)起きている訳ですね。
(永津放射線核種製造グループ研究統括)起きています。ドイツ、スイス、オーストラリアあたりは、そういうがん患者さんを受け入れる体制があるので、もちろん弱ってしまった患者さんが高い渡航費と滞在費と治療費を払ってでも、やはり諸外国に行かなくてはいけないという状況にあるので、それに対して、やはり見直しというか、我々積極的に改善しなくてはいけないのかなとは思っていますけれども。
(佐野委員)ありがとうございました。
(岡委員長)ありがとうございました。
大変すばらしい御研究の発表で、何か国としても必要なことはちゃんとやらないといけないと思っています。
ありがとうございました。

●PSMA標的治療(PSMA標的内用療法)
    進行性前立腺がんに対する新しい治療 /セラノスティクス横浜
去勢抵抗性前立腺がんとは​・・・(略)・・・
ルテチウムPSMA標的治療(Lu-PSMA標的治療)
 ルテチウム は原子番号71の元素で元素記号は ・・・
一方、PSMAは前立腺がん細胞の表面に発現しているタンパク質で、進行がんや転移がんで特に強く出ています。
ルテチウムPSMA標的治療は、このPSMAに結合する物質に177-ルテチウムを付けることで、正常臓器にはあまり影響を与えずに前立腺がんを治療することができます。

ルテチウムPSMA標的治療の実際
 ルテチウムPSMA標的治療は、PSMAを発現している前立腺がんにしか効果はありません。このことを調べるために、PSMAの発現を確認するためのPET検査を行う必要があります。オーストラリアで行っている治療では、治療の前日にPSMA PET検査を行い、翌日にルテチウムPSMA標的治療を実施します。治療は、オーストラリアのパースがシドニーの指定病院で実施します。実際には点滴室で3時間ほどの点滴を受けるだけで、治療後は宿泊のホテルにお帰り頂きます。 ・・・(略)・・・おおよそ治療3日目に帰国になります。

アクチニウムPSMA標的治療(Ac-PSMA標的治療)
 PSMA標的治療には、ルテチウムのほかにアクチニウムを用いる方法があります。こちらの方がより強力ですが、核種が特殊なためにまだ世界でも実施できるところが限られています。
 2018年12月から、オーストラリアでもアクチニウム治療が実施できるようになりました。ルテチウムPSMA標的治療で効果が不十分な場合、アクチニウム治療の切り替えることも可能になり、治療の範囲が大変広がりました。

アクチニウムPSMA標的治療の実際
 アクチニウムは発注から入手まで1か月を要し、さらに半減期が短いために入荷後すぐに使用する必要があります。オーストラリアでは放射線物質に関する法的な規制のために月に一回しか入荷できません。そのため、実施するためには入荷に合わせた渡航の調整を行わなければなりません。オーストラリアでは、1か月以上前の段階で担当医と面談を行い、アクチニウムを用いる必要性な本人の意思確認などを行ったうえでの実施になります。
​ 渡航の日程はルテチウムと同じですが、半減期が短いために投与後24時間のホテル待機で出国が可能です。
・・・(以下、略)・・・

●新規放射性核種「ルテチウム-177」標識抗体によるがん治療の基礎的検討
       日本原子力研究開発機構(JAEA) 第13回日本がん免疫学会総会 2009/06
石岡 典子; 花岡 宏史*; 飯田 靖彦*; 渡辺 智; 渡邉 茂樹; 織内 昇*; 樋口 徹也*; 橋本 和幸; 遠藤 啓吾*
Ishioka, Noriko; Hanaoka, Hirofumi*; Iida, Yasuhiko*; Watanabe, Satoshi; Watanabe, Shigeki; Oriuchi, Noboru*; Higuchi, Tetsuya*; Hashimoto, Kazuyuki; Endo, Keigo*
 近年、治療効果の増強を目的としてRI標識抗体による治療(放射免疫療法)が注目されている。そこで、抗体が腫瘍へ集積するために十分な半減期を有するLu-177(T$$_{1/2}$$:6.7日)を用いて効果的な放射免疫療法を実施するために、$$^{177}$$Lu標識抗体の作製,分析,体内動態に関する基礎的検討を行った。

抗CD20抗体に2種類のキレート剤を結合させたDTPA-抗体及びDOTA-抗体を作製した。$$^{177}$$Lu標識を行ったところ、標識率はDTPA-抗体が92.4%, DOTA-抗体44.8%とDTPA-抗体の方が有意に高かった。

CD20陽性のバーキットリンパ腫細胞を移植した担癌マウスを作製し、$$^{177}$$Lu標識抗体の体内分布を検討したところ、腫瘍への集積性は$$^{177}$$Lu-DTPA-抗体の方が高かった。

また同様のモデルに対して、$$^{177}$$Lu標識抗体による治療実験を行った結果、腫瘍サイズが小さいものでは明らかな腫瘍増殖抑制効果が認められた。また、$$^{177}$$Lu-DTPA-抗体を投与したマウスの一部に腫瘍の縮小が見られ、腫瘍全体が白く変色したことから腫瘍が壊死していることが示唆された。

新規RIとして注目されている$$^{177}$$Luで標識した抗体を作製し、治療実験可能な放射能の$$^{177}$$Lu標識抗体を得ることができた。
担癌マウスを用いた体内分布実験では$$^{177}$$Lu標識抗体は腫瘍集積性を示し、また治療実験では抗腫瘍効果を認めた。以上の結果より、$$^{177}$$Lu標識抗体の放射免疫療法薬剤としての有用性が示された。

●177-LUTETIUM-PSMA-617:医療費の増加により今後数年で市場規模は拡大予測、多くの医薬品メーカーの参入に期待
     株式会社グローバルインフォメーション 2020年12月14日   プレスリリース 
(DelveInsight Business Research LLP) の販売を12月14日より開始いたしました。

Lu-PSMAは、放射性医薬品として知られている実験薬です。177ルテチウムは放射性核種(放射性同位体)であり、PSMA-617は177ルテチウムをがん細胞に届けるペプチドです。つまり、177ルテチウムが弾頭だとするならば、PSMA-617は弾頭をがん細胞に運ぶミサイルの役割を果たしています。Lu-PSMA は、セラノスティックス(治療と診断を組み合わせた新しい医療技術)として知られているがん治療の新興分野の一部です。Lu-PSMA は静脈内に注入されます。

177-LUTETIUM-PSMA-617の目的は、後期の転移性前立腺がんに罹患した、男性の体内のがん細胞すべてに直接放射能を送達することです。Lu-PSMAは、前立腺特異膜抗原(PSMA)として知られる前立腺がん細胞の表面に表われるタンパク質を標的としています。薬剤のPSMA-617の部分は、このタンパク質を探し出します。
薬剤のルテチウム部分は、がん細胞の成長を遅らせるか、あるいは死滅させることが可能です。
男性の約90%はPSMAを発現しており、Lu-PSMA治療に適しています。

今後数年で、前立腺がん市場は、広範な研究と医療費の増加により規模を拡大し、医薬品メーカーがより多く参入できるようになると予測されています。

企業と研究者は課題に取り組むことで、177-LUTETIUM-PSMA-617の優位性に影響をあたえる可能性を模索しています。開発中の治療法は、疾患状態を治療・改善するための新しいアプローチに焦点を当てています。

177-LUTETETIUM-PSMA-617と競合する、後期の前立腺がんを対象とした新製品が発売されれば、同市場に多大な影響を与えることが考えられます。
同市場は、地域別に、米国、EU5(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国)、日本の7大市場に分類されています。

●FDAが前立腺がんに初のPSMA標的PET画像診断薬を承認
     海外がん医療情報リファレンス 2020年12月10日 発信元:FDA(米国食品医薬品局)
2020年12月1日、米国食品医薬品局(FDA)は、前立腺がんを有する男性に前立腺特異膜抗原(PSMA)陽性病変のポジトロン断層撮影(PET)に対する初の薬剤であるガリウム68PSMA-11(Ga68 PSMA-11)を承認した。

本剤は、前立腺がんの転移(がん細胞が最初にできた場所から体の他の部位へ拡がること)が疑われる患者で、手術や放射線治療で治癒する可能性がある場合に適応となる。また、血清中の前立腺特異抗原(PSA)上昇に基づいて前立腺がんの再発が疑われる場合にも適応となる。Ga68 PSMA-11は、静脈内注射で投与される放射性診断薬である。
・・・(略)・・・
Ga68 PSMA-11は、注射により投与されると、PSMAに結合する。前立腺がん細胞には通常、この抗原が多く発現しているため、PSMAは前立腺がんの画像検査において重要な薬理学的標的となっている。
・・・(略)・・・
これらの患者は、前立腺および骨盤リンパ節の外科的切除を受ける可能性の高い患者で、転移高リスク群と考えられた。手術に移行した患者のうち、Ga68 PSMA-11によるPETで骨盤リンパ節に陽性反応が認められた患者は、臨床的に重要な確率で外科病理学的にも転移がんが確認された。こうした情報が治療前に得られると、患者のケアに重大な影響をもたらすことが予想される。例えば、一部の患者では不必要な手術を避けることができる可能性がある。

2番目の試験では、・・・(略)・・・

FDAは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校およびカリフォルニア大学サンフランシスコ校に承認を与えた。
FDAは、米国保健福祉省内の機関であり、ヒトや動物の医薬品、ヒトに使用するワクチンおよびその他のバイオ医薬品、医療機器における安全性、有効性およびセキュリティーを保証することにより、公衆衛生を保護している。また、米国の食糧供給、化粧品、栄養補助食品、電子放射線を放出する製品の安全とセキュリティー、そしてタバコ製品の規制にも責任を負っている。
翻訳重森玲子 監修榎本 裕(泌尿器科/三井記念病院)原文掲載日2020/12/01


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 西郷輝彦さんが、ステージ4の去勢抵抗性前立腺がんで、日本ではまだ認可されていない治療法を受けるために渡豪したことが5月に話題となった。
 私も、昨年2020年2月に岐阜大学病院で告知を受け、2月に東京女子医大に行ったとき、医師が各種の治療法の説明をしてくれて、最後に説明してくれた方法が「外国では、PSMA療法というとても効果的な方法が行われているが、日本で認められるのは、あと10年先か、早くて5年先ぐらいだろう。費用は少しかかるが、実際に治療を受けに行く人たちもいる」という。

 その後、私もいろいろと調べて、納得した。日本での治療がうまくいかなかったたら、当然、射程に入れるべきことと考えた。
 日本でも、仲介しているクリニック・病院や業者もあるようだった。
 ただし、2020年からの大きなネックは、コロナでの渡航制限、入国制限など・・・。 

 そんな視点をもって、自分の治療を続けていた。
 第一世代ホルモン療法を行って劇的に腫瘍マーカー PSAが改善したが、第2世代ホルモン療法を行っても8月からは腫瘍マーカー が急速に上昇し始め、明らかに「去勢抵抗性前立腺がん」と定義される状態に。12月に抗がん剤を投与したが、これも1回目で効果なく、2回目を投与しただけで「中止」となった。
 その後、偶然にも日本で1月1日から行えるようになったという特別な遺伝変異を有する患者に限定された治療法(分子標的薬)の適用者と判明したので、現在はその治療中。

 ちょうど、明後日23日に1か月後の血液検査と主治医の診察があり、その日には、今後の方向が見えそうな気がする。
 
 そんな時期の先月、冒頭に書いた西郷氏に関する
 ★≪ 西郷輝彦 最先端治療への挑戦≫ という報道があった。


 それで、同じような思いの人は少なくないだろうと、次の3つのブログでメモを作った。
 その後、しばらく、別のテーマでブログしてたいので、
 今日は、その先月の自分の3つの投稿の要点を確認し、
 明日から、当該療法である「ルテチウムPSMA療法」のことや、周辺状況を整理しようと思う。
 それと、5月30日に、同氏が第2弾の投稿を出しているので、リンクもつけておく。

● 2021年5月15日ブログ ⇒  ◆西郷輝彦 ステージ4 去勢抵抗性前立腺がん 「後がないんだ」最先端治療受けるため豪州へ /これまでホルモン療法に始まり、11回も放射線・抗がん剤治療 が、腫瘍マーカーの数値が急上昇したので

 ここで、★≪今日は、西郷氏に関する次を記録し、明日からは、①西郷氏の決断と公表し続けることの意義、 ②その「PSMA治療」のシステムや現状ことを整理してみよう。≫

● そして、次の日5月16日は「意義」について触れた。
  ⇒ ◆乳がん「アンジェリーナ効果」(2013年~) 全米で乳がん遺伝子検査受診者が激増/厚生労働省は2020年度から 遺伝性がん予防切除に保険適用/西郷輝彦 前立腺がん 渡豪しての治療の影響は
 として、★≪癌や医療・治療行為は違っても相応の前例を紹介することで、「日本で保険適用が認められていなかった治療法が、現在は公的な保険の適用になっている」という事実、経過を確認することで、意義を記すのが適切だろう。≫
 と書いた。

● 続いて、次の日5月17日は、本体の療法である「ルテチウムPSMA療法の意義」について触れた。
  ⇒ ◆ルテチウムPSMA療法が転移性去勢抵抗性前立腺がんに高い効果 新しいLu-PSMA標的放射線治療の可能性(三井記念病院泌尿器科部長)
昨日のブログでは次のことを記した。
 1. 西郷輝彦氏「PSMA治療」は、日本での去勢抵抗性前立腺がん治療においては保険適用が認められていない、
 2. 医療関係者・専門家らは、早く実現するように期待している
 3. 「遅れ続けている日本の前立腺がん治療」について、それと同治療法の外国での状況
 まず、今日は「PSMA治療」についての専門家の意見を借りる。後掲の文献から)

 ということで、読む人が混乱しないように、このブログの西郷氏関連を一覧にし、
 いかには、同氏のWEBにリンクし、一部抜粋をしておく。
 なお、昨日6月20日の私のブログへのアクセスは「閲覧数2,900 訪問者数979」。

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★第1弾  最先端治療への挑戦 2021/05/12 ●西郷輝彦 最先端治療への挑戦
  西郷輝彦公式チャンネル Telstar Vega
  チャンネル登録者数 3550人
 アップロード動画

歌手、俳優西郷煇彦は前立腺がんに苦しみながらも
望みを捨てない 74歳のオールドユーチューバー。
・・・(以下、略)・・・

★第2弾   隔離編 2021/05/30 ●西郷輝彦 緊急渡豪 前立腺がん最先端治療への道 第2弾 隔離編 
    2021/05/30  西郷輝彦公式チャンネル Telstar Vega  チャンネル登録者数 5410人
 2011年に前立腺がんが発覚し全摘手術、
その後二年間検査を怠けていた報いが骨転移でステージ4という現実だった。
ホルモン治療、放射線治療、抗癌治療など徹底的な戦いを見せるが、
今年になって数値が異常に上昇したため決意した私は、
日本では出来ない最先端の治療を受けるためオーストラリアに向かった。
コロナ禍という現実の中で隔離を越え、
最先端の治療を受け、光明を受けることが出来るのか。
第二弾は隔離の中の模索を伝える。
 ・・・(以下、略)・・・


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 「去勢抵抗性前立腺がん」というのは、前立腺がんが悪化した状態で今のところ、最終的には治す方法がないとされている。
 その治療法として現在、最も効果的と評価されているのが、日本では認められておらず海外で実施されている「PSMA治療」。
 西郷輝彦氏が今回オーストラリアに渡って、その治療を受けているらしいと報道されている。
 
 その「PSMA治療」について、昨年2月、私が行った東京女子医大の医師は「ドイツやオーストラリアでは認められている治療法」で効果は今のところ一番良いとみられる旨を説明してくれた。ただ、日本は「5年から10年後には認められるだろう」というレベルの悠長さの日本の医療制度。

 昨年10月末、私が受けた名古屋大学病院でのセカンドオピニオンでも、医師は「(同療法を受けるため)3人、オーストラリアに行った」との話だった。では、その人のその後はと尋ねると、「?」・・・・
 昨年11月初め、私が受けた京都大学病院でのセカンドオピニオンでも、医師は「オーストラリアに行った人を3人知っている」との話だった。では、その人のその後はと尋ねると、「?」・・・・

 なぜ、「?」なのか。 
 日本の標準療法で治療が終わったら、あとは、悪化していくのを待つだけ、緩和医療ということになる。それはダメと、海外での「PSMA治療」に出かける人がいる。
 ただ、これら総合病院は、「標準療法」を施した後の患者が、「独自の判断で別のところで治療を受ける」ことを知ることはできても、自分たちの元を離れた患者が、その後どのようになったかという結果については本人が報告に来てくれない限り知ることができない。
 他方で、「独自の判断で別のところで治療を受ける」人は、もう、そこを見限っているので、結果を伝える関係にはなく、裏返しとして、医師は結果を知り得る関係にはない、そういうことなんだと私は受けとめた。

 ともかく、ある放射線科医も、「PSMA治療」は学会でとても有効な方法ということで話題になっている、との旨だった。
 その画期的な治療のことは2018年の共同通信なポピュラーな報道でも採り上げられている。今年の日経でも。
 今日は、そのあたりを見ておく。

●転移前立腺がんに新戦略 PSMA標的 同じ仕組みで検査と治療/共同 2019.9.24  
●ドセタキセル既治療のmCRPCにPSMAを標的とする177Lu-PSMA-617が有望な抗腫瘍効果/日経 2021/02/13

 なお、オーストラリアではルテチウムという核種のほか、アクチニウムという核種を用いたPSMA標的治療も行われていて、厳密には、西郷氏がどちらを行っているのかは、報道では不明。いずれにしても、後日、その両方の素材のことも見ておくことにする。

 なお、昨日5月17日の私のブログへのアクセスは「閲覧数1,806 訪問者数1,048」。

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●転移前立腺がんに新戦略 PSMA標的 同じ仕組みで検査と治療
    共同 2019.9.24  (共同通信 由藤庸二郎)
 前立腺がんは比較的進行がゆっくりで治療の選択肢も幅広い。ただ、根治を目指しても再発や転移が生じる場合がある。そんな再発、転移した前立腺がんを、放射性物質と結び付けた薬剤を利用して探し出し、さらに同じ仕組みを利用してたたく「PSMA標的診断・治療」の開発が進んでいる。海外で検査の有用性が報告され、延命効果があるとした研究もあり、専門家の関心は高い。患者団体は日本でも早期実現をと期待している。
 
 ▽PSMA標的
 京都大病院放射線部の中本裕士准教授(核医学)は「従来の検査では前立腺がんの転移巣が見つけにくいことが課題」と話す。
 広く普及しているエックス線によるコンピューター断層撮影(CT)検査や、骨の代謝の激しい箇所を見つけて転移を診断する骨シンチグラフィーなどは鋭敏さに限界があり、転移を診断できないことも多かった。

 腫瘍マーカーである前立腺特異抗原(PSA)が上昇してもがんが見つからなければ、適切な治療選択は難しい。これに対してPSMAを標的とする方法は、がんそのものを明瞭に捉えられるので診断治療に有望だ」と中本さんは言う。

 PSMAは、ほとんどの前立腺がんでがんの表面に特に多く現れるタンパク質。検査では、京大薬学部で開発したPSMAに結び付く薬剤に、放射性物質「フッ素18」を結合させ、静脈から投与。薬剤とともに再発、転移したがんに集まった薬剤からの放射線を、陽電子放射断層撮影装置(PET)で捉えてがんの有無、箇所を診断する。

 骨転移した前立腺がんの診断画像。矢印の先にある病巣が、CT画像(左)では見えないが、PSMAを標的にしたPET画像(右)では光って見える(京都大提供)

 ▽実用化へ研究
 中本さんらは今年2月、この検査の有効性を確かめる臨床研究を開始。PSAの上昇などで再発や転移が疑われる患者にこの検査をして、従来の方法では不明瞭だったがんを捉えられるかどうかを検証中だ(現在、患者募集は中断している)。
 実用化すれば、進行度や病巣の大きさ、箇所などがより正確に分かり、放射線治療の範囲を絞り込んだり、特に深刻な箇所だけ手術したりすることも可能になるという。
 同様の診断法の研究は北海道大、筑波大などでも独自の薬剤と放射性物質で進められている。


 ▽学会でも話題
 この検査の仕組みは、理論的には治療にも使える。検査でがんが写るのは、表面にPSMAが多く現れている証拠。放射性物質を検査とは違う種類に取り換えれば、物質が発する放射線によってがん細胞を攻撃することができるはずだからだ。

 泌尿器科医で馬車道さくらクリニック(横浜市)の車英俊院長はこの方法の治療への利用に強い関心を寄せる。「放射性物質ルテチウム177などを使って、この治療法の安全性と有効性を実際に患者に投与して確かめる研究が各国で進んでいる。延命効果が報告され、国際学会ではこの治療法にテーマを絞った討議の場が設けられるほど、注目度は高い」と話す。

 大手製薬会社などが主導し、この治療法の臨床試験も最終段階まで進んでいる。車さんは、治療研究に取り組む海外の医療機関の情報を患者に紹介しているが、「最終的には日本でも世界に後れを取らずにこの治療ができるようになることが目標だ」と話している。

 前立腺がん患者団体「腺友倶楽部」の武内務理事長は、患者の立場から「腫瘍マーカーが上昇し再発が疑われても、がんを特定できなければ具体的な治療法が見えてこない。PSMAを標的とした検査と治療の早期実現を願う声は大きい。専門医と協力して、こうした声を国にも届けたい」と話している。

●ドセタキセル既治療のmCRPCにPSMAを標的とする177Lu-PSMA-617が有望な抗腫瘍効果【ASCO GU 2021】
  日経 2021/02/13  森下紀代美=医学ライター
 転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)でドセタキセルによる治療歴がある患者に対し、前立腺特異的膜抗原(PSMA)を標的とする177Lu-PSMA-617(LuPSMA)は、カバジタキセルと比べて、PSA値を50%以上低下する効果に加え、無増悪生存期間(PFS)、奏効率でも優れることが、フェーズ2のランダム化比較試験TheraP(ANZUP 1603)の最新解析から示された。LuPSMAではグレード3または4の有害事象の発現は少なく、患者報告アウトカムも良好だった。

 2月11日から13日にVirtual形式で開催されている2021 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU 2021)で、オーストラリアPeter MacCallum Cancer CentreのMichael S Hofman氏が発表した。

 LuPSMAは、PSMAを標的とする放射線標識された低分子治療薬。TheraP試験の対象は、ドセタキセルによる治療歴があり、PSA値が上昇し20ng/mL以上となったmCRPC患者だった。主要評価項目であるPSA値の50%以上の低下は、LuPSMAを投与した群の66%、カバジタキセルを投与した群の37%で得られたことが報告されている(Michael Hofman, et al. ASCO 2020 Abstract No.5500)。

 今回は、事前に定められたPFSのイベントの発生が170件に到達した時点において、その他の臨床的な評価項目と患者報告アウトカムの解析結果が報告された。

 試験では、mCRPCで、68Ga-PSMA-11とFDG PET/CTでPSMAの高発現を認め、FDG陽性/PSMA陰性の部位がない患者を、LuPSMA 6-8.5GBqを6週毎に6サイクルまで投与する群(LuPSMA群)、またはカバジタキセル20mgを3週毎に10サイクルまで投与する群(カバジタキセル群)に、1対1でランダムに割り付けた。試験には291人が登録され、最終的にLuPSMA群99人、カバジタキセル群101人となった。

 副次的評価項目には、有害事象、PSA/画像診断による無増悪生存期間(PFS)、奏効率(RECISTv1.1)、患者報告アウトカムによる疼痛への効果、健康関連QOL、全生存期間(OS)が含まれた。解析は、PFSのイベントが170件発生後と事前に定められており、データカットオフ日は2020年7月20日だった。LuPSMA群、カバジタキセル群の患者背景に偏りはなかった。患者の年齢中央値は72歳、91%はエンザルタミドまたはアビラテロンによる治療歴があった。

 観察期間中央値18.4カ月の時点におけるPFS率は、カバジタキセル群と比べてLuPSMA群で有意に改善した。PFSのイベントは173件発生し、1年PFS率はLuPSMA群19%(95%信頼区間:12-27)、カバジタキセル群3%(95%信頼区間:1-9)、ハザード比0.63(95%信頼区間:0.46-0.86)、p=0.0028となった。PFS中央値は、LuPSMA群5.1カ月(95%信頼区間:3.4-5.7)、カバジタキセル群5.1カ月(95%信頼区間:2.8-6.0)で同様だった。

 rPFS、PSA無増悪生存期間(PSA-PFS)のハザード比は同様となり、rPFSのハザード比は0.64(95%信頼区間:0.46-0.88、p=0.007)、PSA-PFSのハザード比は0.60(95%信頼区間:0.44-0.83、p=0.002)となった。

 測定可能病変を有する78人において、奏効率はLuPSMA群(37人)49%(95%信頼区間:33-65)、カバジタキセル群(41人)24%(95%信頼区間:11-38)となった。





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 昨日のブログでは次のことを記した。
 1. 西郷輝彦氏が今回オーストラリアにわたって受けるとみられる「PSMA治療」は、日本での去勢抵抗性前立腺がん治療においては保険適用が認められていない、
 2. 他方で、医療関係者・専門家らは、早く実現するように期待している
 3. 「遅れ続けている日本の前立腺がん治療」について、それと同治療法の外国での状況をまとめよう

 との旨で結んだ。
 ( ※ ≪PSMA(前立腺特異的膜抗原)は、前立腺がんの細胞表面に多く発現するタンパク質。PSMA617はPSMAに結合する低分子で、それにルテチウム-177を付けることで、正常臓器には影響を与えずに治療できる≫・・・後掲の文献から)

 まず、今日は「PSMA治療」についての専門家の意見を借りる。後掲の文献から)
 ★≪これらの放射線療法は基本、放射線を照射した部位にのみ効果のある局所療法。今は製造中止になっているが、放射性同位元素ストロンチウムを注射する内用療法も、あくまでストロンチウムが骨に集積する性質を利用した治療法で、骨転移の痛みを和らげる効果しか期待できなかった。≫

 このストロンチウム治療(今は、メーカーが素材を作らなくなったので行われていない)は、私が今年の1月3月に3回受けたゾーフィゴの注射(ラジウム点滴)と同様の方法。ゾーフィゴの方がもっと安全で効果が高いとされている。

 ★≪ところが、Lu-PSMAは理論的には、前立腺がんが全身のどの臓器に転移していても、そのがん細胞めがけて放射性物質を届けることができるのだ。≫
 ★≪薬剤が直接がんの増殖を止める効果を持つわけではないですが、PSMAという分子をターゲット(標的)にしているので、広い意味で分子標的薬の仲間と言える≫

 こんな分かりやすいので解説がある。だから後半で一部を引用しておく。
 ★≪●ルテチウムPSMA療法が第Ⅱ相試験で転移性去勢抵抗性前立腺がんに高い効果 新しいLu-PSMA標的放射線治療の可能性/がんサポート 榎本 裕 三井記念病院泌尿器科部長 半沢裕子 2020年1月≫

 なお、昨日5月16日の私のブログへのアクセスは「閲覧数1,807 訪問者数1,181」。

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●ルテチウムPSMA療法が第Ⅱ相試験で転移性去勢抵抗性前立腺がんに高い効果 新しいLu-PSMA標的放射線治療の可能性
     がんサポート 榎本 裕 三井記念病院泌尿器科部長 半沢裕子 2020年1月
「転移した去勢抵抗性の患者さんに、その次の治療法が模索されていたのですが、そこに登場したのがルテチウムPSMAだったのです」と語る榎本 裕さん
ホルモン療法が効かなくなった(去勢抵抗性になった)と聞くと、今後の治療法が限られたようで焦りを感じる前立腺がんの患者は少なくないだろう。しかし、実際には去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の治療は、ここ5年ほどで驚くほど使用できる薬剤が増えている。

そして、2018年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2018)で、全身に転移した病巣にも効果が期待できる新しいルテチウムPSMA療法(Lu-PSMA)の第Ⅱ相試験の好成績が報告され、第Ⅲ相試験へと進んでいる。Lu-PSMAはどのような治療法なのか、また今後の治療における位置付けについて、三井記念病院泌尿器科部長の榎本裕さんに伺った。

アンドロゲンの影響を受けないがん細胞も混在
男性ホルモン(アンドロゲン)の刺激で増殖するとされる前立腺がんには、アンドロゲンの作用を抑制するホルモン療法が有効だ。そのため、治療には手術や放射線療法との併用も含め、ホルモン療法は全ての患者にとって有効な治療だ。

ところが、ホルモン療法が10年以上有効な患者もいる一方、早い患者では半年以内に効果が悪くなることがある。それは、多くの人に信じられているように「薬剤に耐性ができるため」ではなく、前立腺がん細胞の多様性のためと考えられている。

前立腺がんには様々なタイプのがん細胞が混在していて、必ずしもすべてがアンドロゲンの刺激で増殖する(アンドロゲン依存性)わけではなく、中にはアンドロゲン非依存性のがん細胞も含まれている。そして、ホルモン療法によりアンドロゲン依存性のがん細胞が死滅しても、非依存性のがん細胞が生き延び、増殖することで、ホルモン療法の効果が得られにくくなるのだ。

このように、ホルモン療法が効きにくくなった前立腺がんを去勢抵抗性前立腺がんと呼ぶ。「去勢=男性ホルモンの影響を断つこと」に抵抗性を示すという意味だ。

「かつては、去勢抵抗性前立腺がんには有効な治療があまりなく、ホルモン療法の効果をいかに長く引き延ばすかが治療の大きなポイントでした。薬を替えてもなかなか効果は続かず、去勢抵抗性になったら予後(よご)は1年くらいと考えられていました。しかし、現在は、去勢抵抗性前立腺がんには新しい薬剤が次々登場し、さら研究・開発も進められています。第Ⅱ相試験で転移のある去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に大きな効果が得られたという報告が、ASCO2018であったルテチウムPSMAも、有望な1つと言えるでしょう」と、三井記念病院泌尿器科部長の榎本裕さんは述べる(図1)。

全身の転移病巣に効果が期待できる放射線療法
Lu-PSMAは「Lu-177 PSMA617」の略。ルテチウムは原子番号71の元素で、Luが元素記号。ルテチウム-177とはβ(ベータ)線を発生する放射性同位元素で、半減期は約6.7日。PSMA(前立腺特異的膜抗原)は、前立腺がんの細胞表面に多く発現するタンパク質である。PSMA617はPSMAに結合する低分子で、それにルテチウム-177を付けることで、正常臓器には影響を与えずに治療できる。

静脈注射により体内に送り込まれたLu-PSMAは血流に乗って全身を巡り、体内にある前立腺がんの細胞表面に付着する。そこでルテチウムが放射線を放出し、がん細胞を死滅させる(図2、図3)。

前立腺がんは、がん組織を物理的に切除する手術と放射線療法が同等の効果を持つがん種として知られている。実際、体の外からがんに放射線を照射する外照射療法、小さな棒状の容器に放射線源を密封し、前立腺の中に挿入する密封小線源療法、陽子線や重粒子線など、様々な放射線治療が行われている。

しかし、これらの放射線療法は基本、放射線を照射した部位にのみ効果のある局所療法。今は製造中止になっているが、放射性同位元素ストロンチウムを注射する内用療法も、あくまでストロンチウムが骨に集積する性質を利用した治療法で、骨転移の痛みを和らげる効果しか期待できなかった。ところが、Lu-PSMAは理論的には、前立腺がんが全身のどの臓器に転移していても、そのがん細胞めがけて放射性物質を届けることができるのだ。

「まったく新しい機軸の放射線治療ですね。薬剤が直接がんの増殖を止める効果を持つわけではないですが、PSMAという分子をターゲット(標的)にしているので、広い意味で分子標的薬の仲間と言えると思います。PSMAは前立腺がんに特異的な分子で、去勢抵抗性前立腺がんでも発現していることが知られています。その量は前立腺の正常な細胞の100倍とも1,000倍とも言われています。そこで、これをターゲットにすれば、がん細胞を選択的に叩けるのではないかというので出てきた治療です」

PSA値が半分になり、副作用も少なめ
Lu-PSMAはPSMAを発現している転移性去勢抵抗性前立腺がんの患者を対象とする単一群の第Ⅱ相試験の薬剤で、この試験はメルボルン大学(オーストラリア)のピーター・マッカラムがんセンターのマイケル・ホフマン准教授らのグループが実施している。登録された50~87歳の患者50人は、登録前にPSA値が3カ月弱で2倍に急増していたとのこと。PSAとはご存知のように前立腺特異抗原のことで、前立腺がんではこの数値が高くなるので、前立腺がんの腫瘍マーカーともなっている。

ほとんどの患者が抗がん薬タキソテール(一般名ドセタキセル)の治療歴か、ホルモン療法薬のザイティガ(同アビラテロン)、イクスタンジ(同エンザルタミド)の両方または一方の治療歴があり、48%がさらに抗がん薬ジェブタナ(同カバジタキセル)の投与を受けていた。患者は6週間ごとに4サイクル、Lu-PSMAの静脈注射を外来で受け、結果をPSA値とCTや骨シンチグラム、PETスキャンなどにより画像追跡した。

生存期間(OS)中央値は治療後13.3カ月で、同じ病期の患者の平均(9カ月)より延長した。また、50人中32人にPSA値の50%以上の減少が見られ、うち22人ではPSA値が80%以上減少したという。初回治療後、多くの患者で骨の痛みの改善を含むQOL(生活の質)の改善も見られた。

その一方、グレード3以上の血液毒性(貧血や血小板減少)が約10%に見られたものの、重篤な副作用は比較的少なかった。PSMAという分子は唾液腺や涙腺の細胞にも発現しているため、口の渇き、悪心(おしん)、疲労感などが見られたという。

ちなみに、ルテチウムはβ線を放出し、飛ぶ距離が長くて体の外に少し出るため、PETなどにより追跡することができる。つまり、検査にも使えるので、今回の試験でも事前に投与してPET検査を行い、高い取り込み率を示した患者だけを対象としたという。
・・・(以下、略)・・・

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 昨日の放射性塩化ラジウム223の注射。体に不調も違和感もない。
 昨日のブログはその ゾーフィゴについて、★≪ 「ゾーフィゴ治療では、PSAは上がる」というほぼ定説に近い話が現実/あまりに不条理に映る/ゾーフィゴ(放射性塩化ラジウム223)≫として、一つの観点を整理した。
 
 今日は、 ゾーフィゴのことや副作用、注意書き的な部分、それと「ストロンチウム89」のことも整理しておく。
 ところで、前立腺がんの骨転移の放射線での治療として、以前は「ストロンチウム89」が使われていたが、その後、(原料入手の関係が原因らしくて)販売が中止になり、今は使われていないので、去勢抵抗性前立腺がんの治療のための注射としては、ゾーフィゴだけが認められている。

 ・・・ということで以下を整理しておく。
 
★≪金沢医科大学病院/ストロンチウム89は、カルシウムと似た体内挙動をしめす物質で、ベータ線という放射線を放出します。骨転移病巣などの骨代謝(カルシウム代謝)が活発な部位に多く集まり、そのごく隣接した範囲にのみベータ線を照射します。このようにして集中的かつ効果的に骨転移巣を照射しますので、多発性の骨転移などで体外からの放射線治療が困難な場合でも疼痛の緩和が図れる。 ・・この薬で疼痛緩和が得られるのは50~80%の患者。即効性のあるお薬ではなく、効果が発現するまでに1~2週かかる。また、投与3~5日後に一時的に疼痛が強くなることがある。≫

★≪2019年2月、製造原料である88Srの入手が困難になった為、製造販売が終了した≫(ウィキペディア)

★≪前立腺がん治療薬、塩化ラジウム223(ゾーフィゴ)の使用制限を推奨―欧州医薬品庁(EMA)/海外がん医療情報リファレンス 2018年8月18日/傷を受けている箇所に蓄積することで骨折リスクを増加させると考えられている。しかし、本研究での早期死亡リスクについては完全には理解されていない。/ ゾーフィゴは、ホルモン療法を除く他の全身がん治療と併用されるべきではない。また、現行の適応のとおり、症状のない患者や造骨性転移箇所の少ない患者への投与もすべきではない。
ビスホスホネートやデノスマブなど骨の強度を上げる薬剤の使用を検討すべきである/ すでに2次治療まで受けたか、他の治療が受けられない転移性前立腺がん患者に限定すべきという推奨を出した。

★≪前立腺がんの骨転移  治療の選択肢が拡大≫時事メディカル 2019/02/11
★≪ゾーフィゴ®静注の副作用にはどのようなものがありますか?≫バイエル
★≪ゾーフィゴとアビラテロンの併用は推奨しない≫厚労省 2018年10 月 6 日
★≪患者の利益はいつも蚊帳の外 『放射性医薬品Sr-89の販売中止について』≫がん治療の今 20190219/(独)国立病院機構 北海道がんセンター 名誉院長  「市民のためのがん治療の会」顧問 西尾 正道

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●前立腺がんの骨転移  治療の選択肢が拡大
  時事メディカル 2019/02/11
がんが骨に転移すると、痛み、骨折、まひなどを生じるため、患者の生活の質(QOL)が大きく損なわれる。
前立腺がんは骨に転移しやすいがんの一つだが、近年、治療の選択肢が広がってきた。
佐藤威文前立腺クリニック(東京都町田市)の佐藤威文院長は「がんの骨転移の治療法は進歩しています。
特に前立腺がんの骨転移の治療法は、従来の痛みの緩和を目的とした治療から延命を狙える治療へと流れが変わってきています」と話す。・・・(以下、略)・・・

●ゾーフィゴ®静注の副作用にはどのようなものがありますか?
    バイエル
▶注意が必要な副作用には次のようなものがあります。
 骨髄抑制
骨髄抑制とは、白血球や血小板、赤血球などをつくっている骨髄の機能が低下して、これらの血液細胞が減少することをいいます。

骨髄抑制の有無や程度は血液検査で確認しますので、治療中は医師の指示に従って定期的に検査を受けてください。




"バイエル薬品
Q3 中等度以上の症候性患者に対して、アビラテロン酢酸エステルとの併用治療を行っても良いか?
中等度/高度症候性患者におけるアビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾロンとゾーフィゴとの併用治療時の有効性と安全性に関し、ランダム化比較試験によって確立されたエビデンスはなく、また化学療法未治療で無症候性又は軽度症候性患者を対象とした試験において骨折および死亡リスクの上昇が認められているため、併用治療はお控えください。

【解説】 中等度/高度症候性患者aを対象としたアビラテロン酢酸エステル(以下、アビラテロン)及びプレドニゾロンとゾーフィゴとの併用治療時の有効性及び安全性を検証するランダム化比較試験はこれまでに実施していないため、併用療法のエビデンスは確立されていません。

化学療法未治療で無症候性又は軽度症候性aの骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)患者を対象とし、アビラテロン及びプレドニゾン(国内未承認)/プレドニゾロンにゾーフィゴ又はプラセボを併用した際の有効性及び安全性評価を目的としたランダム化二重盲検プラセボ対照国際共同第Ⅲ相試験(ERA223試験)において、ゾーフィゴ併用群ではプラセボ併用群と比較して死亡率および骨折の発現率が高い傾向が認められました。そのため化学療法未治療で無症候性又は軽度症候性の骨転移のあるCRPC患者に対するゾーフィゴとアビラテロン及びプレドニゾロンの併用投与は推奨されません。(添付文書「使用上の注意」の「重要な基本的注意」貢参照)

a)ERA223試験における無症候性および軽度症候性の定義:Brief Pain Inventory-Short Form (BPI-SF)の項目の3(過去24時間で最悪の疼痛)のスコア(0~10)が0(無症候性)又は1~3(軽度症候性)1
無症候性又は軽度症候性の骨転移のあるCRPC患者を対象とし、エンザルタミドとゾーフィゴの併用治療時の有効性及び安全性を検討する医師主導のランダム化比較非盲検海外第III相試験(EORTC-1333-GUCG試験、目標症例数560例)が現在進行中です。独立データモニタリング委員会による第4回目安全性評価(2019年5月20日時点、160例)では、BMA併用有無別の骨折の発現状況が報告されました(表1)4。BMA非併用患者では、エンザルタミド単剤群と比較して併用群で骨折の累積発現率が高い傾向が認められましたが、BMAを併用することにより、1年時点の骨折の累積発現率は両群ともに0に抑制されました。

●ゾーフィゴとアビラテロンの併用は推奨しない
   厚労省 2018年10 月 6 日
ゾーフィゴとアビラテロンの併用に関して
          日本放射線腫瘍学会理事長 茂松 直之
          同 ガイドライン委員長 宇野 隆
アビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾン(国内未承認)/プレドニゾロンとの併用で,ゾーフィゴ又はプラセボを投与する二重盲検無作為化国際共同第Ⅲ相試験の結果,プラセボ群と比較してゾーフィゴ投与群で死亡率及び骨折の発現率が高かったことから,厚生労働省の指示によりゾーフィゴ静注(塩化ラジウム 223Ra,バイエル薬品)の添付文書が改訂されました(2018 年 10 月改訂第3版)。
「ゾーフィゴとアビラテロンの併用は推奨されない」ことが,「重要な基本的注意」に追記されました。
今後,これに対応して「適正使用マニュアル」の改訂が早急に行われる予定となっています。
なお、「推奨されない」については、本邦での対応であり、欧米での取扱いは異なることにご注意下さい。
*添付文書の改訂(追加)部分
■使用上の注意
2.重要な基本的注意
*(4)化学療法未治療で無症候性又は軽度症候性注1)の骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者において,アビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾン(国内未承認)/プレドニゾロン併用投与時に本剤群ではプラセボ群と比較して,死亡率及び骨折の発現率が高い傾向が認められたことから,化学療法未治療で無症候性又は軽度症候性注1)の骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者に対する本剤とアビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾロンの併用投与は推奨されない.[「その他の注意」の項参照

8.その他の注意
*(3)化学療法未治療で無症候性又は軽度症候性注 1)の骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者を対象に,アビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾン(国内未承認)/プレドニゾロンとの併用で,本剤又はプラセボを投与する二重盲検無作為化国際共同第Ⅲ相試験の結果,本剤群ではプラセボ群と比較して,死亡率(本剤群 38.5%,プラセボ群 35.5%)及び骨折の発現率(本剤群 28.6%,プラセボ群 11.4%)が高い傾向が認められた 1).
注 1) Brief Pain Inventory-Short Form (BPI-SF)の項目の 3(過去 24 時間で最悪の疼痛)のスコア(0~10)が 0(無症候性)又は 1~3(軽度症候性)
■主要文献   *1) バイエル薬品社内資料[アビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾン(国内未承認)/プレドニゾロンとの併用に関する二重盲検無作為化国際共同第Ⅲ相試験]

●前立腺がん治療薬、塩化ラジウム223(ゾーフィゴ)の使用制限を推奨―欧州医薬品庁(EMA)
        海外がん医療情報リファレンス 2018年8月18日
塩化ラジウム223の使用は3次治療以降、または他の治療が受けられない場合に限定されるべき
欧州医薬品庁(EMA)安全委員会であるファーマコビジランス・リスク評価委員会(PRAC)は、2018年7月9日~12日に行われた会合において、がん治療薬塩化ラジウム223(ゾーフィゴ[Xofigo])の使用は、すでに2次治療まで受けたか、他の治療が受けられない転移性前立腺がん患者に限定すべきという推奨を出した。

この制限は、ゾーフィゴを投与された患者がプラセボを投与された患者より早期に死亡するリスクを有し、骨折も多かったことを示唆する研究データの検討結果として出された。ゾーフィゴは症状のある患者にのみ適応が承認されているが、この研究では、症状のないか、軽度の患者も含まれていた。

この研究において、ゾーフィゴとの併用でアビラテロン酢酸エステル(ザイティガ)とプレドニゾン/プレドニゾロンを投与された患者は、プラセボとの併用でザイティガとプレドニゾン/プレドニゾロンを投与された患者に比べ、平均で2.6カ月早く死亡した。さらに、ゾーフィゴとの併用療法を投与された患者で骨折したのが29%だったのに対し、プラセボを投与された患者で骨折したのは11%だった。
 傷を受けている箇所に蓄積することで骨折リスクを増加させると考えられている。しかし、本研究での早期死亡リスクについては完全には理解されていない。

ファーマコビジランス・リスク評価委員会(PRAC)は、ゾーフィゴとザイティガおよびプレドニゾン/プレドニゾロンとの併用を禁止した中間的推奨に変更がないことも確認した。

ゾーフィゴは、ホルモン療法を除く他の全身がん治療と併用されるべきではない。また、現行の適応のとおり、症状のない患者や造骨性転移箇所の少ない患者への投与もすべきではない。

ゾーフィゴによる治療の前、最中、および終了後に、患者の骨折リスクを慎重に評価すべきである。ゾーフィゴによる治療を開始または再開する際には、ビスホスホネートやデノスマブなど骨の強度を上げる薬剤の使用を検討すべきである。

●ストロンチウム89(「メタストロン注」)を用いた骨転移の疼痛緩和治療
       金沢医科大学病院
ストロンチウム89(「メタストロン注」)について
この薬は、カルシウムと似た体内挙動をしめす物質で、ベータ線という放射線を放出します。この放射線は平均2.4mm(最大8mm)の範囲にしか影響を及ぼしません。体内ではカルシウムと同様の挙動をしめしますので、骨転移病巣などの骨代謝(カルシウム代謝)が活発な部位に多く集まり、そのごく隣接した範囲にのみベータ線を照射します。このようにして集中的かつ効果的に骨転移巣を照射しますので、多発性の骨転移などで体外からの放射線治療が困難な場合でも疼痛の緩和が図れる可能性があります。

しかし、骨転移にもとづく疼痛を緩和することが主目的の薬であって、腫瘍(骨転移巣)そのものを小さくする効果は通常の放射線に比べて弱いとされています。

投薬は外来注射で行います。注射は静脈から行い、通常数分で終了します。注射時の副作用はほとんどありません。注射後、すぐにお帰りいただけます。

この薬で疼痛緩和が得られるのは50~80%の患者さまとされています。即効性のあるお薬ではなく、効果が発現するまでに1~2週かかります。また、投与3~5日後に一時的に疼痛が強くなることがあります。

適応について
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)やオピオイドでは疼痛を十分にコントロールできない場合、外部からの放射線治療の適応が困難な場合にこの薬が適応になります。
組織学的ないしは細胞学的に(前立腺癌、乳癌、肺癌などの)固形癌からの骨転移である、と証明されている必要があります。
多発性骨髄腫は適応にはなりません。

 あらかじめ、骨シンチグラフィという検査で、疼痛部位に一致した異常集積が確認されていなければなりません。
数ヶ月以上の余命が期待できる患者さまであること。
十分な血液学的機能が保たれていること(白血球3,000以上、好中球1,500以上、赤血球300万以上、ヘモグロビン9.0以上)。
抗がん剤治療を受けている患者さまは、前後3ヶ月治療を中止していただきます。

これらの条件がすべて満たされてストロンチウム89治療の適応になります。
・・・(以下、略)・・・

●患者の利益はいつも蚊帳の外 『放射性医薬品Sr-89の販売中止について』
      がん治療の今 20190219
(独)国立病院機構 北海道がんセンター 名誉院長  「市民のためのがん治療の会」顧問 西尾 正道
放射性医薬品Sr-89(商品名「メタストロン注」)の製造が中止され、多くのがん患者さんが苦しむという骨転移による疼痛に極めて有効と言われる治療を失うこととなった。 結局、経済原則が優先され、採算性の低い薬はどんなに患者にとって役に立つものであっても、製造中止となるという図式だ。・・・(以下、略)・・・

●塩化ストロンチウム89 ウィキペディア 
塩化ストロンチウム89(えんかストロンチウム89、Strontium-89 chloride)は、β線を放出する放射性医薬品であり、固形癌の骨転移巣の疼痛緩和に用いる医薬品である[1]。商品名メタストロン。日本では2007年7月に承認された。1バイアル(3.8mL)中にストロンチウム89(89Sr)を141MBq(検定時点)含有する。投与量は1回当り2.0MBq/kg(体重)である。

2019年2月、製造原料である88Srの入手が困難になった為、製造販売が終了した[2]。・・・(以下、略)・・・

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 先週の名大病院の主治医の診察の時の話。
 深刻そうな顔、雰囲気を漂わせて医師は、「腫瘍マーカー PSAは350に上がっています」
    (私、前回が190だった・・・からね・・・) 

 主治医「ゾーフィゴ(放射性塩化ラジウム223)の治療をするとPSA上がるということはよくあること。いったん上がってから横ばいになるとか、下がるとかならいいけど、そのまま上がり続けると良くないわけで・・・。
 今回が、どういう位置づけかはまだ分からないけど、『悪い方向』だといけない・・・・」 との旨。

●新たな転移か、いなか
 ・・・ つまり、主治医は、新たな「転移」があり、「活発に活動している」から腫瘍マーカーの数値が倍増したということの心配をしていることは明らか。
 もちろん、それはこちら側も同じ。

 主治医「念のため、造影CTを撮って確認しましょう。
 ゾーフィゴは、(規定回数満タンの)6回までするのがいいというのは明らかだから、来週予定の3回目のゾーフィゴはやって、その次の週の4月7日に、血液検査、『造影CT』をやり、その日に画像の結果を確認してから次のことを考えましょう」

 私「次というのは、新しい転移があって悪い方向だったら、ゾーフィゴは3回で終わりにして、リムパーザの治療に入るということですね。」
 主治医「はい、リムパーザに移りましょう」 

 私でも、「ゾーフィゴ治療では、PSAは上がる」というほぼ定説に近い話は承知している。
 とはいえ、あまりに不条理に映る。
 なぜなら、前立腺がん、特に去勢抵抗性前立腺がんという「悪質に変異した」癌の患者では、腫瘍マーカー PSAを下げることが至上命題のばすなのに、その治療にPSAを上げることをする、というのだから。
 私が話したここの何人かの泌尿器科の医師は ゾーフィゴは今は勧めていないように感じる。

 それにもかかわらず、今回、私の希望で「担当の放射線科が応じた」という流れ。でも、実際に、毎回、高値のマーカーには気持ちはとても悪い。

●今日はその3回目の注射だった
 さて、ゾーフィゴは、4週に一回・放射性塩化ラジウム223の注射をするという治療を最大6回までを一サイクルとする、と保険制度上決まっている。しかも、一人の患者にとっては「中断しての再トライはできない」というたった一回だけの治療のチャンス。ここでやめたら、 ゾーフィゴ治療は終りとなる。
 ・・・その3回目の ゾーフィゴの注射が今日だった。

 注射の時は、同席している放射線科のこの分野の担当の教授医師と話す。
 私「泌尿器科の主治医はPSAが倍増で、心配しています。来週、造影CTで調べようということになっています。」
 医師「向こうではそうでしょう。PSAが下がる人もいるけど、上がることが普通。」との旨。

 私、「どんどん上がって行って、6回終わって、あとで下がるんですか?」
 医師「上がりっぱなしの人もいますよ・・・」

 なんと、それでは、泌尿器の医師が躊躇するのも無理はないと私は思った。

●「PSAは上がる」という学説など
 ということで、「ゾーフィゴ治療」に関しては、「PSAは上がる」という説示をいくつか要約しておく
  (詳しくは、ブログの後半にリンク・抜粋しておく)。

★≪ラジウム223を投与すると、PSA値はほとんどの患者さんで高くなる。12週間後には、ほぼ2~3倍以上に上昇する。PSA値の上昇の意味はわかっていない。このPSA値の上昇はラジウム223の有効性の指標とは関連がなく、病勢の悪化を意味するものではないとされている。≫(がん情報サイト|がんプラス/慶應義塾大学)

★≪一部の患者においてゾーフィゴ治療開始後に骨シンチグラフィーでの集積強度が一過性に高まるフレア現象がみられることがある。骨シンチグラフィーやBSIのみでは病勢増悪との判別が難しい場合があり、PSA値も含めた総合的な効果判定が望ましい≫(浜松医科大学 )

★≪晩期の症例でゾーフィゴを使い切れなかった経験から、比較的早いタイミングで使用を考えることである≫(第84回 日本泌尿器科学会東部総会)

 もちろん、次のような説明もある。
★≪東京医科大学病院 ラジウム外来/骨マーカーであるアルカリホスファターゼ(ALP) が減少しました(PSAの上昇が必ずしもラジウム‐223の有効性を否定するものではありません)。
 ラジウム‐223は骨転移部位にしか集積しないため、肝臓や肺など内臓に転移したがんには効果は期待できません。≫

★≪骨や肝臓から分泌されるALPというタンパク質が、ラジウム223の有効性と関連するとされており、ラジウム223を使用する際の指標として使用されている≫(同前慶應義塾大学)

● ・・・さてさて、私はどうすべきか
 前記のALPの数値は、基本的に回を追って下がっていて、今は基準値の範囲の中でも、低い方にあるから、この点では楽観してもいいのだけれど・・・
 いずれにしても、自分で決めて選んだ治療だから、前を向いて進む。
 ともかく、来週の血液検査のマーカーの数値と『造影CT』の画像が楽しみ。

 なお、昨日3月29日の私のブログへのアクセスは「閲覧数4,167 訪問者数1,153」。

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●前立腺がんに多い骨転移。活動的に長生きするためには骨修飾薬や骨転移治療薬を適切に使って骨折を防ぐことが大切
     監修:慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室講師 小坂威雄先生 2018.1 取材・文:平出浩 
・・・(略)・・・ また、PSA値は前立腺がんの進行と比例して上昇する傾向がありますが、ラジウム223を投与すると、国内の治験におけるデータでは、PSA値はほとんどの患者さんで高くなる傾向にあります。12週間後には、ほぼ2~3倍以上に上昇するというデータもあり、PSA値の上昇の意味はわかっていません。このPSA値の上昇はラジウム223の有効性の指標とは関連がなく、必ずしも病勢の悪化を意味するものではないとされており、解釈には注意が必要です。

一方、<font style="background:#ccffff">骨や肝臓から分泌されるALPというタンパク質が、ラジウム223の有効性と関連するとされており、ラジウム223を使用する際の指標として使用されています。ラジウム223での位置づけ、ほかの薬剤との併用療法や、PSA値の上昇の意味することについても、現在、研究が進められている段階です。

前立腺がんは、尿器科、放射線科、整形外科などによる集学的治療が大切
 がんの転移はかつて、原発巣から転移するものと考えられていました。しかし現在は、転移巣からも転移していくと考えられるようになっています。がんの性質も細胞ごとに異なり、性質のより悪い細胞が転移を繰り返すと考えられています。

 そうしたがんの性質を考えると、前立腺がんの骨転移に関しても、ラジウム223だけ、あるいはランマーク、またはゾレドロン酸だけといった特定の治療法で対応するのではなく、放射線療法や手術なども含めて、複合的、集学的に治療法を考える必要があります。そのために、泌尿器科医や放射線科医、整形外科医、口腔外科医などが連携し、チーム医療が行われています。

 私たちのグループでは現在、骨転移の遺伝子発現に基づいた薬剤を開発中です。開発が順調に進むと、将来的には前立腺がんの骨転移を予防・治療できるようになる可能性があると考えています。患者さんには、治療中から骨の健康に気を付けていただき、骨転移による骨折を防ぎ、活動的な生活を維持していくことを心がけていただければと思います。

●Q5 骨転移の検査にはどのようなものがありますか? 
        バイエル  前立腺がん
PSAなどの腫瘍マーカーは、がんの状態をよく反映することもありますが、あまり反映しないこともあります。ですから、腫瘍マーカーだけではなく、画像診断の結果などもあわせて、総合的に診断することが重要です。
 Q5 骨転移の検査にはどのようなものがありますか?

●α線核種(223Ra)を使った去勢抵抗性前立腺癌における骨転移治療 
   国立研究開発法人国立がん研究センター東病院先端医療開発センター粒子線医学開発分野 秋元哲夫
・・・その至適使用方法確立には,未だ解決すべき課題があることを認識して,日常臨床で使用していくことが望まれる。
・・・・・・・(略)・・・骨に転移した癌細胞は,それ自身では骨吸収はできないため,骨芽細胞の刺激を介して成長因子の分泌・誘導を促し,その結果,骨吸収で重要な破骨細胞の形成・分化が促進される。そのため,この骨代謝を修飾することで骨転移の形成や促進を抑制することが可能になる。破骨細胞を直接抑制するビスフォスフォネートや破骨細胞の形成を抑制する抗RANKLE抗体であるデノスマブが,骨修飾薬(Bone modifyingagents: BMA)として臨床で使用されている。223RaCl2は,上記のα線による癌細胞の殺細胞効果に加えて,骨芽細胞の活性化も抑制することで,骨転移の局所での効果を発揮するとされている(図) 1)。

・・・(略)・・・ストロンチウムなどのβ線放出核種が,原発部位を問わずに骨転移治療として適応になっていることに対して,23RaCl2は去勢抵抗性前立腺癌という疾患及び病態に特化して承認されている。

●CRPC骨転移治療の最前線~ラジウム-223の役割を再考する~
     第84回 日本泌尿器科学会東部総会  2019年10月5日ランチョンセミナー12 2019年10月5日 ヒルトン東京お台場 
 骨転移を有する前立腺癌の現況と治療選択 
    日本大学医学部 泌尿器科学系 泌尿器科学分野 主任教授  演者成田 伸太郎 先生 秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
ゾーフィゴ治療の至適タイミング1つ目は、CRPC逐次治療の中でゾーフィゴを使用できるタイミングがあるかを常に意識することである。2つ目は、晩期の症例でゾーフィゴを使い切れなかった経験から、比較的早いタイミングで使用を考えることである。なぜならば、現在、進行前立腺癌の治療薬は多様化してきているため、どこかのタイミングで作用機序の異なる薬剤を使ってあげたい、という想いがあるからである。

・・・(略)・・・本結果から、ゾーフィゴ治療においては骨転移主体の症例をしっかりとスクリーニングし、比較的早期のタイミングで使用を検討することが重要だと考えられる。・・・(略)・・・二次治療を直ちに開始する必要のない進行の緩徐な症例、ドセタキセルを休薬できる症例は、比較的早期よりゾーフィゴ投与が可能と考える。

●前立腺癌骨転移に対する放射線治療の意義と今後の展開 演者中村 和正 先生 浜松医科大学 放射線腫瘍学講座 教授
・・・・・・・・(略)・・・限局性前立腺癌に対する放射線根治療法は、1回の照射線量を高め、照射回数を減らす寡分割照射へとシフトしている。寡分割照射は、1回線量により中等量寡分割照射と超寡分割照射に大別される。中等量寡分割照射は、通常のリニアックを用いて強度変調放射線治療(IMRT)/画像誘導放射線治療(IGRT)で行われ、1回線量は2.5-4Gy、治療期間は3-5週間である。

一方、超寡分割照射ではサイバーナイフなどが用いられ、1回線量は6.5-10Gy、治療期間は1-2週間程度である。いずれも通常分割照射に比べて治療期間が短縮されるため、患者にとってベネフィットが大きいと考えられる。・・・(略)・・・骨転移を有する前立腺癌に対する全身治療+局所放射線治療骨転移を有する前立腺癌に対する原発巣への放射線治療追加の有用性については、近年2つのランダム化第Ⅲ相試験の結果が報告された。、NCCNガイドライン13)では、「未治療かつLow volumeの転移性前立腺癌においては原発巣への外照射も治療選択肢の一つ」

・・・(略)・・・骨転移を有するCRPC患者に対するゾーフィゴ治療①ゾーフィゴ(塩化ラジウム-223)による治療では、効果判定が難しい。・・ゾーフィゴ最終投与からの生存期間に有意差が認められた・・可能な限り6回投与の完遂を目指すべきと考える。・・・(略)・・・

骨転移を有するCRPC患者に対するゾーフィゴ治療②一部の患者においてゾーフィゴ治療開始後に骨シンチグラフィーでの集積強度が一過性に高まるフレア現象がみられることがあるため注意が必要である・・骨シンチグラフィーやBSIのみでは病勢増悪との判別が難しい場合があり、PSA値も含めた総合的な効果判定が望ましい。

③SPECT-CT画像では造骨性骨転移と溶骨性骨転移で画像所見が異なることがわかる(図3)。・・・・・・・・・放射性医薬品・抗悪性腫瘍剤 ゾーフィゴ 静注

●骨転移のある去勢抵抗性前立腺がんに対するラジウム‐223による放射線治療
 東京医科大学病院 ラジウム外来
【1】去勢抵抗性前立腺がんと骨転移
前立腺がんは男性ホルモンによって成長するという特徴があります。そのため、男性ホルモンを抑えるホルモン療法によって高い治療効果を得ることができますが、やがてその効き目が悪くなり、PSAが上昇したり、がんが進行したりします。ホルモン療法により、男性ホルモンの分泌が抑えられているにもかかわらず悪化する前立腺がんのことを「去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)」と呼びます。

 また、去勢抵抗性前立腺がんにおいては、およそ80%の頻度で骨転移が起こることが知られています。骨転移が起こりやすい部位は、脊椎、肋骨、骨盤、大腿骨などです。骨にがん細胞が転移しても、初期では症状がほとんどありませんが、病気が進行すると、痛みやしびれ、麻痺などが起こりやすくなります。
た、転移した部位の骨が脆くなることで、小さな力がかかるだけで骨折しやすくなります(病的骨折)。
さらに、高カルシウム血症による食欲不振、吐き気、倦怠感、多尿、意識障害などの症状がみられることがあります。


【2】骨転移のある去勢抵抗性前立腺がんの治療
骨転移のある去勢抵抗性前立腺がんに対する治療薬には主に3つの種類があります。

ホルモン療法薬
男性ホルモンの分泌や働きを妨げることで、がん細胞の増殖を抑える作用を持つ薬剤です。

化学療法薬
化学物質を使って、がん細胞の増殖を抑えたり、がん細胞を死滅させたりする作用を持つ薬剤です。

放射性医薬品
特定の放射性物質(ラジオアイソトープ:RI)を含んだ薬剤を注射などで体内に投与し、その薬から放出される放射線によって治療効果を発揮します。現在、骨転移のある去勢抵抗性前立腺がんの治療に認められているのはラジウム‐223のみです。

【3】ラジウム‐223による治療
ラジウム‐223の作用メカニズム
ラジウム‐223は、アルファ線と呼ばれる放射線を放出する放射性物質です。ラジウム‐223には、骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集積しやすい性質があり、注射で体内に送られると、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く集積されます。そして、そこから放出されるアルファ線が、骨に転移したがん細胞の増殖を抑えます。こうした作用によって、骨転移した去勢抵抗性前立腺がんに対して治療効果が期待できます。また、骨転移に伴う痛みやしびれ、麻痺などの症状や骨折といった症状の発現を遅らせる効果が期待できます。なお、ラジウム‐223は骨転移部位にしか集積しないため、肝臓や肺など内臓に転移したがんには効果は期待できません。

治療方法
ラジウム‐223は、4週間ごとに1回、最大6回まで静脈注射します。指定された日に来院し、注射を受けてください。入院の必要はありません。

ラジウム‐223による効果
大規模臨床試験において、ラジウム‐223は骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がん患者に対し、次のような効果が報告されています。

全生存期間(OS)が、プラセボ(偽薬)と比較して延長しました。
骨転移に伴う痛みやしびれ、骨折といった症状が発現するまでの期間が、プラセボと比較して延長しました。
骨マーカーであるアルカリホスファターゼ(ALP) が減少しました(PSAの上昇が必ずしもラジウム‐223の有効性を否定するものではありません)。
副作用
ラジウム‐223は正常の骨や骨髄にもある程度集積するので、骨髄抑制という副作用が起きる可能性があります。
骨髄抑制とは、白血球や血小板、赤血球などをつくっている骨髄の機能が低下して、これらの血球成分が減少することをいいます。骨髄抑制以外の主な副作用として、悪心、下痢、骨痛、疲労、嘔吐、食欲不振などがみられる可能性があります。
その他、ラジウム‐223を投与して数日後に骨の痛みがやや強まることがありますが、一時的なものでやがて消失します。

まとめ
骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌に対する治療には、ホルモン療法薬、化学療法薬、放射性医薬品などのさまざまな薬物療法があります。これらの治療には、それぞれの特徴や長所と短所があるので、患者さんの状態に応じて選択することが必要です。ラジウム‐223は放射性医薬品で、また抗悪性腫瘍薬でありながら副作用も比較的少なく、骨転移の症状を抑えながら生存期間の延長が期待できる治療薬です。骨転移に伴う痛みやしびれ、骨折といった症状は、患者さんの生活の質(QOL)を大きく低下させる原因になるばかりでなく、生存期間にも影響を及ぼすリスク要因となります。このため、できるだけ早い段階から適切な治療を始めて、病気の進行や症状を抑えることが大切です。ラジウム‐223は骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者さんの新しい治療選択肢として、多くの患者さんの福音となることが期待されます。

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 昨日は、骨転移治療として効果的とされている「ゾーフィゴ」という放射性物質を注射する方法のことを書いた。
 私も1月、2月と4週間おきに注射した。実際の注射は1分ほど。あっさりしたもの。

 そのあと、「一週間ほど」は注意することが明らかにされている。メーカーのバイエルの「ゾーフィゴについて」などの説明を今日のブログの後半に転記しておく。
 ●ミニ知識〈アルファ線の特徴・アルファ線の透過力(とうかりょく)〉
 /4週間に1回ごとの注射を、通常6回受ける。最大6回の注射を受けたら治療は終了。
 /ゾーフィゴ®静注の注射後1週間(各注射後の最初の1週間)は注意を守る。

 ・・・ということで、注射後のしばらくは身体に放射性物質が残っていくわけだから、私はトイレは2回流す、とかは注意している。

 それと、作用と効果についての解説が、慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室講師の監修ででている(2018年1月)。
  ★≪●前立腺がんに多い骨転移。骨修飾薬や骨転移治療薬を適切に使って骨折を防ぐことが大切/取材・文:平出浩≫ (後掲)には次のようにある。 
  ≪ラジウム223はアルファ線を放出する放射性物質を含み、カルシウムに似た性質があるため、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く運ばれる。ラジウム223が放出するアルファ線によって骨に転移したがん細胞のDNAを切断し、がん細胞を死滅させる≫ 

 ≪① 骨転移の数が6個未満と少ない場合では、ラジウム223の生命予後を延ばすという意味の効果は必ずしも認められず、
  ② 骨転移が6個から20個を少し超えるくらいの場合に効果が出ている。
  ③ 20数個以上と多くの骨転移がある場合にも、ラジウム223はあまり効果が認められていない。
  つまり、骨転移の数があまり少なくても多くても、ラジウム223の効果は期待できず、適切なタイミングを見極めるのが難しい薬≫

 ・・・ということは、骨転移が多数ある私は、③に該当するのか・・・と考えるしかないのかなぁ・・・と思いつつ、ま、できることはやる、その姿勢で臨んでいる。

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●前立腺がんに多い骨転移。活動的に長生きするためには骨修飾薬や骨転移治療薬を適切に使って骨折を防ぐことが大切
     監修:慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室講師 小坂威雄先生 2018.1 取材・文:平出浩 
・・・(略)・・・
ラジウム223では、骨転移巣の治療とともに生存期間の延長にも期待
 ラジウム223は放射性の医薬品です。骨転移の治療薬として初めて生命予後を改善した、つまり、全生存期間を延ばした効果が報告されており、2016年に国内でも保険承認されました。

 放射線療法が外部から放射線を照射するのに対し、放射性医薬品はアルファ線などの放射線を放出する核種を体内に投与し、体の内部からがん病変に放射線を照射します。ラジウム223はアルファ線を放出する放射性物質を含み、カルシウムに似た性質があるため、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く運ばれます。そして、ラジウム223が放出するアルファ線によって骨に転移したがん細胞のDNAを切断し、がん細胞を死滅させることが期待できます。

アルファ線の透過力は非常に弱く、1枚の紙も通ることができません。放射線が及ぶ距離は100μm未満と短いのも特徴です。このため、標的以外の場所には放射線が及びにくいといえます。投与方法は静脈注射で、1か月に1回、合計6回投与します。
さらなる研究が進むラジウム233の効果的な使用について
前立腺がんの骨転移に対し、ラジウム223は期待のもてる薬剤ですが、いくつか使い方が難しい点があります。

 海外で行われた試験を見ると、 骨転移の数が6個未満と少ない場合では、ラジウム223の生命予後を延ばすという意味の効果は必ずしも認められず、骨転移が6個から20個を少し超えるくらいの場合に効果が出ています。しかし一方、20数個以上と多くの骨転移がある場合にも、ラジウム223はあまり効果が認められていません。つまり、骨転移の数があまり少なくても多くても、ラジウム223の効果は期待できず、適切なタイミングを見極めるのが難しい薬です。 ・・・(以下、略)・・・


●ゾーフィゴについて
    バイエル
骨に転移した去勢抵抗性前立腺がん※に対して抗がん作用を持つ、治療用の放射性医薬品(注射薬)です。

ゾーフィゴ®静注には、アルファ線と呼ばれる放射線を出す「ラジウム-223」という放射性物質が含まれています。
このラジウム-223には、骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすい性質があり、注射で体内に送られると、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く運ばれます。そして、そこから放出されるアルファ線が、骨に転移したがん細胞の増殖を抑えます。

こうした作用によって、骨転移した去勢抵抗性前立腺がんに対して治療効果が期待できるお薬が、ゾーフィゴ®静注です。

※男性ホルモンの分泌を抑える治療を実施しても症状が悪化する前立腺がんのこと

ミニ知識(1)〈アルファ線の特徴について〉
ゾーフィゴ®静注の治療で要となるアルファ線は、エネルギーが高く、細胞を破壊する力が強いという特徴があります。
しかし、アルファ線の力が届く距離は0.1ミリ未満(体内)と短いことから、正常細胞に影響を及ぼすことは比較的少ないとされています。


アルファ線の透過力(とうかりょく)について〉
放射線の性質の違いを示す尺度の一つに、放射線が物を通過する力(透過力)があります。ゾーフィゴ®静注が放出するアルファ線は、透過力が小さく、薄い紙1枚で完全に遮ることができるのが特徴です。 また、 でも紹介したように、アルファ線が飛べる距離は、体内では0.1ミリ未満と短く、空気中でも数センチ程度しか飛びません。アルファ線は、放射線の影響が及ぶ範囲がたいへん狭いという特徴があります。

●▶4週間に1回ごとの注射を、通常6回受けていただきます。
ゾーフィゴ®静注は、4週間ごとに1回、静脈注射で投与します。
最大6回の注射を受けたら、ゾーフィゴ®静注による治療は終了です。

●ゾーフィゴ®静注の注射後1週間(各注射後の最初の1週間)は注意を守ってください。
       バイエル
静注の注射後に、注意することはありますか?
このお薬から出るアルファ線は、患者さんの体内では0.1ミリ未満の範囲に しか影響を及ぼさないため、ご家族など患者さんと接する方々に放射線の影響はほとんどありません。
ただし、ゾーフィゴ静注を注射後1週間くらいは、アルファ線を出す放射 性物質のラジウム-223が、血液や便などに微量ですが残る可能性があります ので、患者さんとご家族(介護者)の方々は、下記で紹介する注意点を守る ようにしましょう。

ゾーフィゴ®静注の注射後1週間(各注射後の最初の1週間)は注意を守ってください。
患者さんが出血した場合の血液は、トイレットペーパーなどで拭き取り、トイレに流しましょう。
患者さんの尿や便に触れる可能性がある場合や、これらで汚れた衣類などにさわる場合は、ゴム製の使い捨て手袋をつけてから取り扱いましょう。
患者さんの血液などの体液が手や皮膚に触れた場合は、触れた箇所をすぐに石けんでよく洗うようにしましょう。
性行為は控えるようにしましょう。
さらに、このお薬での治療中、および治療終了後6カ月間は、適切な避妊を行ってください。
ゾーフィゴ®静注の注射後から2〜3日間は、患者さんと、子どもさんまたは妊婦さんとの接触は最小限にしましょう。(子どもさんを長時間抱っこするなどは避けましょう)
患者さんが入浴するときは、その日の最後に入るようにしましょう。
入浴後の浴槽は洗剤を使ってブラッシングし、よく洗いましょう。
洗濯物の取扱いに対する注意
ゾーフィゴ®静注の注射後1週間(各注射後の最初の1週間)は注意を守ってください。

患者さんが着用した衣類などの洗濯は、他の人の衣類とは別にして洗いましょう。
患者さんの血液や尿がついたシーツ類や下着類については、本洗いの前に、予洗いして洗い流しておくようにしましょう。
排便・排尿・嘔吐時の注意
ゾーフィゴ®静注の注射後1週間(各注射後の最初の1週間)は注意を守ってください。

便座に腰かけて排尿してください。
トイレの使用後は、トイレの水を2回程度流してください。
便器や床面に尿や便がこぼれてしまったら、トイレットペーパーなどできれいに拭き取り、トイレに流してください。
排尿や排便後は、石けんでよく手を洗ってください。
患者さんの排泄物や嘔吐物などが手や皮膚に触れた場合は、すぐに石けんで洗って十分水洗いをしてください。
オムツ・導尿カテーテルを使っている場合の注意
ゾーフィゴ®静注の注射後1週間(各注射後の最初の1週間)は注意を守ってください。

患者さんのオムツや導尿カテーテル、蓄尿パックを取り扱う場合は、使い捨て手袋を着用してください。 (オムツは、ビニール袋に入れて内容物がもれないように封入し、一般ゴミとして処理してください)
尿失禁がありオムツを使用する患者さんは、ビニール製のシーツを使うとよいでしょう。
導尿カテーテルで使用する尿パック中の尿は、トイレに捨て、水を2回程度流し、処理後は手をよく洗ってください。




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 ≪「がん治療」新時代≫というWEBの2017年の報道に、 ≪骨転移前立腺がんに効果が高い新たなRI内用療法 ― 正常組織への影響が少ない初のα線実用化治療に期待 前立腺がん 放射線治療 負担の少ない治療≫ という記事がある。
 
 2017年、つまり「4年前」になされた ≪「がん治療」新時代≫という評価を「新」時代とみるか、今ではもう「古い」とみるか、見解は分かれるかもしれない。
 ただ、治療としての方法や効果が定着しているという意味では、実績として適当な年数の経過、と言えるのではないか。
 それに、何しろ、対象が癌の話だから・・・

 それは、前立腺がんの骨転移に関するゾーフィゴ治療の話。
 日本では2016年に保険適用になった。
 私の前立腺がんは、見つかった時には、すでに「骨転移」が90か所以上あった(昨年2月の岐阜大学での「骨シンチ」の検査結果の報告書)。だから、ずっと関心を持っていた治療法。
 
 このゾーフィゴという放射線治療は、いつ・どのタイミングで実施するのが良いかについては、最近は「より、早期が望ましい」とされている。今年のアメリカの癌治療のマニュアルにもそう書いてあるらしい。
 とはいえ、それが必要な治療であると認識される頃には、がんの骨転移はすでにかなり進んでいる人が多いという、不条理な現実 (患者の65~75%が骨転移を抱える/後掲文献など)。
 ともかく、私は今年の1月から行っている。
 今日は、その治療法の基本線を確認しておく。

●骨転移前立腺がんに効果が高い新たなRI内用療法 ― 正常組織への影響が少ない初のα線実用化治療に期待/ 「がん治療」新時代 2017年11月8日
●身体の中から狙い撃ち!? ― 内用療法(核医学治療)について ―内用療法(核医学治療)とは?/横浜栄共済病院放射線科:ラジオロジー アットホーム 2019年7月8日
●前立腺がんの骨転移 治療の選択肢が拡大/時事メディカル 2019/02/11
●RI内用療法 放射性ラジウム223 /ウィキペディア

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●骨転移前立腺がんに効果が高い新たなRI内用療法 ― 正常組織への影響が少ない初のα線実用化治療に期待
        「がん治療」新時代 2017年11月8日 大西正夫(おおにし・まさお)医事ジャーナリスト
前立腺がん 放射線治療 負担の少ない治療
2013年、欧州と米国で、放射性同位元素(ラジオアイソトープ・RI)のRa-223(塩化ラジウム)が、骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん(男性ホルモンの分泌を抑える治療を行なっているにも関わらず悪化する前立腺がん)の治療薬として承認された。骨転移にまで進行した前立腺がんの患者さんの生存期間を延ばし、QOLを高める注射薬だ。

高エネルギーのα線でがん細胞をたたくが、副作用は少ない治療
開発した独バイエル社は、「ゾーフィゴⓇ」の商品名でこの治療薬の発売を開始。米国での2014年度の販売額は2億ドル(当時で約250億円)を超え、市場規模が大きくない放射性薬剤としては、初のブロックバスター薬剤となった。

ブロックバスターとは、まったく新しい市場の開拓と莫大な売り上げで、開発費を上回る利益を生み出す画期的新薬の代名詞として知られる。日本では16年3月に承認され、6月に保険適用となった。患者さん向けのサイトからアクセスできる医療機関が、全国で288カ所(2018年6月末時点)に増えているという。

国内のRI 内用療法の種類
※1:RI内用療法 注射や経口剤で体内に入れた放射性同位元素(RI)が、β線、α線を放出してがん細胞を死滅させる放射線治療の一分野。
※2:去勢抵抗性前立腺がん がん細胞の増殖作用がある男性ホルモン分泌を抑えるホルモン療法を続けているうちに効かなくなり、去勢状態なのに病状が進行患者の9割が骨転移を抱える。

表は、国内のRI内用療法に用いる放射性核種(種類)と、その放出線種を示す。Ra-223は、骨への転移で骨代謝が活発な部分に取り込まれてα線を放出するが、がん細胞のDNAの一重鎖しか切断できないβ線に対し、DNAの二重鎖を断ち切ることで、がん細胞を修復不能の状態にする。α線のエネルギーが400倍も高いためだ。

また、放出される放射線の飛距離を比較した場合、Sr-89のβ線が2.4ミリであるのに対し、Ra-223のα線は0.1ミリ以下とケタ違いに短い。Ra-223のα線は、周囲の骨髄など正常組織への影響が少ないため、免疫力の低下を抑えられる。

●身体の中から狙い撃ち!? ― 内用療法(核医学治療)について ―内用療法(核医学治療)とは?
     横浜栄共済病院放射線科:ラジオロジー アットホーム 2019年7月8日
体内に投与(静脈注射、経口)した放射性同位元素(アイソトープ:RI)やこれを組み込んだ薬剤を用いた放射線治療で、核医学治療・RI内用療法・RI治療とも言われています。
現在、日本で保険収載されている内用療法は4つほどあります。

1 骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん治療(塩化ラジウム注射液、ゾーフィゴ®静注)
2 骨転移疼痛緩和治療(塩化ストロンチウム注射液、メタストロン®注)
3 甲状腺癌に対する術後アブレーション
4 バセドウ病に対する内用療法

●前立腺がんの骨転移 治療の選択肢が拡大
    時事メディカル 2019/02/11
 がんが骨に転移すると、痛み、骨折、まひなどを生じるため、患者の生活の質(QOL)が大きく損なわれる。前立腺がんは骨に転移しやすいがんの一つだが、近年、治療の選択肢が広がってきた。佐藤威文前立腺クリニック(東京都町田市)の佐藤威文院長は「がんの骨転移の治療法は進歩しています。特に前立腺がんの骨転移の治療法は、従来の痛みの緩和を目的とした治療から延命を狙える治療へと流れが変わってきています」と話す

 ▽QOLが低下 がんが進行し、がん細胞が増殖すると、血流に乗って他の臓器に移動し、そこで増殖を始める。この病態を転移という。骨は肝臓や脳と共にがんが転移しやすい部位の一つで、進行がんの多くで骨転移が見られる。

 急速に患者数が増加している前立腺がんは、乳がんや肺がん、多発性骨髄腫などと共に骨に転移しやすいがんの一つ。2017年の推定罹患(りかん)数は8万6100人で、男性のがんでは3位と予測されている。

 進行した患者では65~75%が背骨や肋骨(ろっこつ)、骨盤などに転移を有しているが、「5年生存率は50%を超え、他のがんと比べて生命予後が良いのが特徴です」と佐藤院長。骨転移は腰痛や背部痛などから見つかることもあるが、複数の生体マーカーや画像診断技術の発展により、近年は早期に発見されるケースが増えている。

 ▽延命を望める薬   骨転移した前立腺がんの治療では、痛みの軽減や骨折発症の抑制を目的に、デノスマブやゾレドロン酸のほか、放射性医薬品のストロンチウム89という薬が使われてきた。

 そこへ、16年に新たな選択肢として加わったのが、放射性医薬品の「ラジウム223」
だ。佐藤医師は「放射線を放射して骨転移のがん病巣を直接攻撃する薬です。従来の骨転移治療薬では延命は望めませんでしたが、ラジウム223は臨床試験で、未使用のグループに比べて3.6カ月の延命効果が得られています」と説明する。

 前立腺がんが進行した場合、がん細胞を増殖させる男性ホルモンの働きを抑えるホルモン療法が行われる。だが、いずれ効かなくなり、この状態を去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)という。ラジウム223はCRPC患者を対象とした薬だ。

 佐藤院長は「前立腺がんの骨転移に対しては、さまざまな治療を組み合わせることで、患者さんがQOLを保ちながら、日常生活を長く送れるようになっています。新しい選択肢があることを知り、希望を持って治療に臨んでいただきたい」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

●RI内用療法 放射性ラジウム223 
   ウィキペディア
商品名はゾーフィゴ静注。2016年5月25日に薬価収載された塩化ラジウム(223Ra)注射液は、223Ra製剤で骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌に適応があり、1回55kBq/kgを4週単位で最大6回まで静脈内投与できる。アルファ線放出核種である。

放射性ストロンチウム89も骨転移への適応があるが、これは全生存期間(overall survival: OS)の延長など抗腫瘍効果はないとされている。

一方、放射性ラジウム223は、症候性の骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験で全生存期間の有意な延長効果が認められた。[4][5]この試験は、LSYMPCA試験と呼ばれ、「標準治療と放射性ラジウム223の併用群(n = 614)」と「標準療法のみ群(n = 307)」とが比較され、全生存期間の中央値は前者で14.9ヶ月、後者で9.8ヶ月という有意な延長が認められた[HR 0.70(95% CI 0.58-0.83)、p < 0.001]。

抗腫瘍効果という点での223Raと89Srの差は、前者が細胞障害性の高いアルファ線を出すためであると考えられている[6]。さらに、アルファ線はベータ線と比較して組織内飛程が短く、100μm以下とされている(治療領域のベータ線は数mm程度)。このため、正常組織への影響はより少ないとも考えられている[6]。

ただし、1,000人規模のstudyであるため、有意差は出るべくして出たとの見方もある。抗がん剤でも、大規模studyでは、少しの生存期間の差でも統計学的に有意となる傾向が強く、「全生存期間が有意差を持って2ヶ月延長した」といった報告が珍しいものではない。[要出典]抗がん剤については、試験にエントリーした症例の多くが中等度以上の有害事象を経験している場合などで、特に、全生存期間の延長と生活の質(quality of life: QOL)や経済的負担を天秤にかけた場合の治療の是非が論争の的になりつつある。内用療法では、高度な有害事象は確率的に少ないものの、新薬で特に経済的負担が問題となっている。[要出典]

2016年10月21日時点で、放射性ラジウム223は、去勢抵抗性前立腺癌以外の転移性骨腫瘍に対する有効性や安全性は確立していないため、これらに対する適応はない。

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 一昨日の主治医の診察時に、「エストラサイト」という古典的な前立腺がん治療薬を、こちらからお願いして出してもらった。

 ※「エストラサイト」の薬理・・・・女性ホルモン薬(卵胞ホルモン)のエストラジオールは男性ホルモンの分泌をおさえることにより、前立腺がん細胞の増殖を抑制する。ナイトロジェンマスタードは細胞の遺伝子の複製を阻害し、殺細胞作用を示す。これらの相乗作用により、抗がん作用が増強される。

 その副作用のひとつの血栓などの予防として、バイアスピリンも出してもらった。
 今日は、更に、別に処置してもらった「癌の骨転移」対策の薬のことも整理しておく。

 前立腺がん治療の基本はホルモン療法だけど、これを続けると骨がカスカスになるということが指摘されている。
 だから、女性の骨粗しょう症の治療薬なども使うことが推奨されている。
「多発骨転移」でもある私は、骨粗しょう症の治療薬(商品名:プラリア)を昨年の5月に東京女子医大で注射してもらった。半年に一回なので、11月には名大で打ってもらった。

 実際には、癌治療としては、毎月注射を打つ、同成分で名称が違う「ランマーク(デノスマブ) 」という治療薬の方が望ましいわけで、それに替えることも12月からお願いしていた。

 ただし、ちょうどの私の歯の治療中だったので、「主治医」から歯科医の「可」が出てから、とストップされていた。
 なぜなら、過去に骨粗しょう症の治療薬である「ビスホスホネート」で顎骨壊死の例、つまり顎の骨が壊死した例があるところ、同種の作用の薬である半年に一回プラリア、それより毎月注射するのランマークの場合はなお「歯の治療を優先してから」ということが定説とされているから。

 それも、歯科医のゴーサインが出たので、先の24日に初めて、ランマークが注射してもらえた、というわけ。
 ランマークは、骨の強化とともに、「前立腺がんの特徴である造骨作用のために、癌が増殖するために骨のカルシウムを奪うこと」を抑制する作用も持っているので、より効果的ながん治療薬とされる。
 
 関連して、5月のプラリアの注射以来毎日、「デノタス・チュアブル錠」という薬を飲んでいて、これは、カルシウムやビタミンなどの補給。・・・
 ・・・カルシウムだということは、昨日書いた、「エストラサイト」がカルシウム分との競合に気を付けるように指摘されているので、この点には自ら注意が必要だということを、今書きながら改めて自覚している。

 そんなことで、骨転移対策のランマークの関連のデータをきょうは 整理して記録しておくことにする。

●ランマーク皮下注:癌の骨転移に有効な分子標的薬/日経メディカル 2012/03/09 北村 正樹=慈恵医大病院薬剤部
●プラリア:6カ月に1回の皮下注で効く骨粗鬆症治療薬/2013/04/11  北村 正樹=慈恵医大病院薬剤部
●ランマーク/日経

●デノタス /低カルシウム血症に対して使用するチュアブル錠
●前立腺がんに多い骨転移。活動的に長生きするためには骨修飾薬や骨転移治療薬を適切に使って骨折を防ぐことが大切/慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室講師 小坂威雄先生 2018.1 取材・文:平出浩 

●薬剤投与と顎骨壊死/2017/12/25著者: 松尾朗 東京医科大学 口腔外科学講座

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●ランマーク皮下注:癌の骨転移に有効な分子標的薬
    日経メディカル 2012/03/09 北村 正樹=慈恵医大病院薬剤部
 2012年1月18日、骨病変治療薬のデノスマブ(商品名ランマーク皮下注120mg)が製造承認を取得した。適応は「多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変」で、用法・用量は「成人、4週間に1回120mg、皮下投与」となっている。

 骨転移は、全世界で150万人以上、日本でも10~20万人の癌患者に発症しており、前立腺癌、乳癌、肺癌などで多く認められている。骨転移した部位では、腫瘍と骨組織の間の相互作用(悪循環)によって、破骨細胞の活性が亢進し、骨吸収が異常亢進する。このため骨転移を有する進行癌患者では、骨吸収を抑制する作用を持つ、ビスホスホネート製剤のゾレドロン酸水和物(商品名ゾメタ)などが使用される。

●プラリア:6カ月に1回の皮下注で効く骨粗鬆症治療薬
       2013/04/11  北村 正樹=慈恵医大病院薬剤部
 2013年3月25日、骨粗鬆症治療薬のデノスマブ(商品名:プラリア皮下注60mgシリンジ)が製造承認を取得した。適応は「骨粗鬆症」であり、用法・用量は「成人には6カ月に1回、60mgを皮下注射」となっている。デノスマブ製剤は、既に「多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変」を適応とする「ランマーク皮下注120mg」が、2012年4月から臨床使用されている。

●ランマーク
   日経
疾患における用法・用量など
多発性骨髄腫による骨病変及び固形がん骨転移による骨病変:通常、成人には本剤の成分(デノスマブ)として120mgを4週間に1回投与する
骨巨細胞腫:通常、本剤の成分(デノスマブ)として120mgを第1日、第8日、第15日、第29日、その後は4週間に1回投与する
なお、デノスマブは上記疾患の他、骨粗しょう症の治療薬(商品名:プラリア)としても使用する場合があり、それぞれの疾患で使用する用法・用量などが異なる。

本剤は特定物質に結合する抗体として造られたモノクローナル抗体であり、特定分子の情報伝達を阻害する分子標的薬となる。

●デノタス /低カルシウム血症に対して使用するチュアブル錠
 デノタス・チュアブル錠
沈降炭酸カルシウム、ビタミンD3、炭酸マグネシウムを配合した製剤
主にデノスマブ製剤(商品名:ランマーク、プラリア)などの投与による低カルシウム血症に対して使用するチュアブル錠であり、噛み砕くか、口の中で溶かして服用する
本剤と同様の成分の市販薬(新カルシチュウD3)が販売されている

●前立腺がんに多い骨転移。活動的に長生きするためには骨修飾薬や骨転移治療薬を適切に使って骨折を防ぐことが大切
     監修:慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室講師 小坂威雄先生 2018.1 取材・文:平出浩 
・・・(略)・・・
図2:骨転移に対する薬剤の働き・・・(略)・・・

顎骨壊死を防ぐには、虫歯や歯周病の治療が必須
 ランマークやゾレドロン酸には、特に気をつけるべき副作用があります。それは顎骨壊死と低カルシウム血症で、どちらもランマークのほうがやや高く発現しています。

 顎骨壊死は文字どおり顎の骨が壊死することで、これにより噛むことが難しくなり食事に支障が出ます。ランマークによる治療では、2~5%の人に発生しています。顎骨壊死を起こす人はもともと歯が悪いことが多いため、当院では、ランマークやゾレドロン酸の治療を始める前に歯科や口腔外科で歯周病などのスクリーニングや治療をします。

 低カルシウム血症は悪化すると危険なため、予防のための薬を併用します。ランマークの場合は、カルシウムとリンが配合された薬剤が、ゾレドロン酸の場合は、カルシウム製剤とビタミンD製剤を別々に処方されます。

●薬剤投与と顎骨壊死
   2017/12/25著者: 松尾朗 東京医科大学 口腔外科学講座/
骨吸収阻害薬や血管新生阻害薬に関連し顎骨壊死が出現することがある。
主な骨吸収阻害薬にはビスホスホネート(BP)、抗RANKLモノクローナル抗体(デノスマブ)、抗血管新生阻害薬には抗VEGF抗体がある。これらの薬剤を総称して骨修飾薬(Bone modifying Agents:BMA)と総称することもある。

ONJは抜歯などの口腔外科手術後に生じることが多い。ONJの主なリスクファクターは、投与期間、経静脈投与、化学療法やステロイドの併用、抜歯の既往、歯性炎症病巣の存在などがある。
好発部位は歯槽部、下顎臼歯部舌側歯肉、口蓋部である。

発生頻度は非常に低いと考えられているが、報告により非常にばらつきがある。注射用BP製剤で1~2%、経口BP製剤では0.00038~0.21%である。

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 昨日のブログでは、「がんの骨への転移」についてみた。
 骨転移を起こしやすいがんには、「肺がん、乳がん、胃がん、前立腺がん、腎がん、大腸がん」があるとか、
 前立腺がんは「造骨性」で他の多くの「溶骨性」の癌より痛みがとても強いということ、 
 骨の状況の指標の一つは、血液検査でアルカリホスファターゼ「ALP」の数値としてみることができること、などを概観した。
 仮に、癌になったとしたら、他の癌でも役に立つはず。

 今日は、私が今治療中の「放射性医薬品 ゾーフィゴ」のメーカーのバイエルのWEBから、抜粋、引用して記録しておく。
●Q2 骨転移はどうして起こるのですか?
●Q4 骨転移が起こるとどのような症状が現れますか?

●前立腺がんの患者さんへ 知っておいていただきたいこと  
●Q1 どうして前立腺がんでは「骨のケア」が大切なのですか?

●Q5 骨転移の検査にはどのようなものがありますか?
●Q3 前立腺がんで骨転移が多いというのは本当ですか?
●去勢抵抗性前立腺がん・骨転移について

 ところで、今日は、久しぶりに畑・庭仕事をした。アスパラの枯れた茎や葉の整理のしごと。
 通常は12月までには済ますけど、この冬は治療を優先してきたので、今日になった。
 身体馴らしで「1時間」とした。身体の疲労もなく、腰の痛みもまったくなくて、快適だった。

 その後、役所に行って「高額医療費」の精算。
 今後は毎月・定期的に高額治療費となることが確実なので、「私の支払い限度額以上分の窓口支払い」が不要になる証明書も申請した。
 その場ですぐに出してくれた。
 未精算だった、昨年10月からの限度額以上分の精算もすんだ。
 既に支払った分の「精算手続き・返還額」の確定で、いまさら「懐(ふところ)」が温かくなるわけではないけど、多少は気が楽になった。
 
 なお、昨日12月日の私のブログへのアクセスは「閲覧数7,780 訪問者数891」。

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●Q2 骨転移はどうして起こるのですか?  バイエル
前立腺がんでは、骨やリンパ節、肺への転移が多いとされています。骨にはがん細胞が大きくなるために必要な成分が豊富に含まれています。

骨転移は、がん細胞の一部が血液の流れにのって骨に移動し、そこにすみついて増殖することで起こります。がん細胞は骨の中から栄養を得て増殖します。

前立腺がん発見時に、すでに転移を起こしている患者さんもおられますが、治療を開始した時には見つからなくても、時間が経ち、がんが大きくなってくると転移として見つかることもあります。


●Q4 骨転移が起こるとどのような症状が現れますか?
       バイエル
骨にがんが転移しても、初期では症状がほとんどないため気づきにくく、小さな違和感が見逃されることもあります。

前立腺しかし、骨転移が進行すると、がん細胞が骨の中の神経を刺激したり、脊髄など周囲の組織を圧迫することで、痛みやしびれ、麻痺などが起こりやすくなります。また、転移した場所の骨が脆くなることで、少しの力がかかるだけで骨折しやすくなることもあります(病的骨折)。

さらに、骨のカルシウムが血液に流れ出す「高カルシウム血症」が起こると、食欲不振、吐き気、倦怠感、多尿、意識障害などの症状がみられることがあります。

骨転移の主な症状
痛み 手足のしびれ、麻痺(脊髄圧迫) 病的骨折 高カルシウム血症
(食欲不振、吐き気、倦怠感、多尿、意識障害など)


●前立腺がんの患者さんへ 知っておいていただきたいこと  
    バイエル 
前立腺がんは骨転移が起こりやすいがんです。また薬物治療を受けておられる患者さんでは骨のケアが大切です。したがいまして前立腺がんの患者さんには、骨転移や骨粗鬆症に関して知っておいていただきたいことがありますので、この冊子で説明します。

骨転移の早期発見にはいろいろな検査も有用ですが、痛みやしびれなど皆さんが感じる症状も、診療の上で欠かせない情報です。痛みやしびれなどの症状は、ご本人以外は気づきにくかったり、表現しづらいものです。その程度や感じ方を具体的にお伝えいただくと、とても参考になります。その際に大切なポイントを以下に示しました。まずは、次の「セルフチェック」にトライしてください。

セフルチェック
いかがでしょうか?・・・(以下、略)・・・


●Q1 どうして前立腺がんでは「骨のケア」が大切なのですか?
         バイエル 
がんは高齢者に多いがんの1つです。高齢者ではもともと加齢により骨量が減少し、骨が脆(もろ)くなっています。骨の密度が低下する骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は閉経後の女性に多くみられますが、これは女性ホルモンが減少するために起こることが知られています。男性も年齢を重ねるにつれて男性ホルモンが減ってくることから、徐々に骨量が減少します。

前立腺がんの薬物治療の基本となるホルモン療法は、男性ホルモンを低下させる治療です。したがって、長く続けると骨密度が低下することがあります。こうしたことから、前立腺がんでは骨のケアが大切とされています。


 ●Q5 骨転移の検査にはどのようなものがありますか?
PSAなどの腫瘍マーカーは、がんの状態をよく反映することもありますが、あまり反映しないこともあります。ですから、腫瘍マーカーだけではなく、画像診断の結果などもあわせて、総合的に診断することが重要です。

画像検査
骨転移の有無や広がりの程度は、骨シンチグラフィー(骨シンチ)やCT、MRIなどの画像検査で確認します。
骨シンチでは、全身の骨を一度に検査することができます。

また、近年の画像技術の進歩に伴い、新たな画像検査方法の実用化が進んでいます。

骨シンチグラフィー(骨シンチ)
がんの病巣に集まる性質をもつ放射性物質を含む薬剤を血管内に投与した後に撮影を行います。がんのある部位に薬剤が集まり、黒く映しだされることで転移のある部位が分かります。ただし、骨シンチでは炎症や骨折の部位も黒くなってしまうため正確な判断をするために、CTやMRIなどの検査と組み合わせて総合的に判断します。

骨シンチグラフィー(骨シンチ)
血液・尿検査 血液・尿検査では、腫瘍マーカーや骨代謝マーカーを調べます。
腫瘍マーカーは、がんが大きくなってくると血液中に増加する物質のことで、前立腺がんではPSAなどが測定されます。

また、骨は、古い骨を溶かす破骨細胞と新しい骨を作る骨芽細胞がバランスを取りながら働き、常に生まれ変わっています。これらの破骨細胞や骨芽細胞が活発に働くと、血液中や尿中に増加してくる物質が骨代謝マーカーです。骨転移が起こると、骨代謝マーカーが増加することがあります。

PSAなどの腫瘍マーカーは、がんの状態をよく反映することもありますが、あまり反映しないこともあります。ですから、腫瘍マーカーだけではなく、画像診断の結果などもあわせて、総合的に診断することが重要です。

腫瘍マーカー 前立腺がんが大きくなってくると、血液中に増加するマーカー
PSAなど 骨代謝マーカー 破骨細胞や骨芽細胞が活発に働くと、血液中や尿中に増加するマーカー
ALP(アルカリホスファターゼ)BAP・NTx・1CTPなど

●Q3 前立腺がんで骨転移が多いというのは本当ですか?
       バイエル
骨転移が起こりやすい部位
前立腺がんは、進行すると骨に転移しやすく、最初のホルモン療法が効かなくなった状態(去勢抵抗性前立腺がん*と言います)においては、80%以上の高い頻度で骨転移が認められることが知られています。

転移が起こりやすい部位は、脊椎、肋骨、骨盤、大腿骨など、体の中心付近にある骨です1)。

*男性ホルモンの分泌を抑える治療(手術療法やホルモン療法)を行い、血液中の男性ホルモン(血清テストステロン)の値が50ng/dL未満であるにもかかわらず、病状の悪化やPSAの上昇
1)全国骨腫瘍登録一覧表 平成27年度:日本整形外科学会骨軟部腫瘍委員会 2015; p.46-47.


●去勢抵抗性前立腺がん・骨転移について
     バイエル
前立腺がんは、進行すると骨に転移しやすく、去勢抵抗性前立腺がんにおいては、およそ80%もの高い頻度で骨転移が起こることが知られています。

転移が起こりやすい部位は、脊椎、肋骨、骨盤、大腿骨など、からだの中心付近にある骨です。

骨転移治療ハンドブック. 金原出版.2004.
細井孝之ほか編: 前立腺癌と男性骨粗鬆症-最新管理マニュアル. 医学図書出版.2013.

骨転移の主な症状
骨にがん細胞が転移しても、初期では症状がほとんどないため、すぐに気づかれることはありません。

しかし、病気が進行すると、がん細胞が骨の中の神経を刺激したり、脊髄など周囲の組織を圧迫することで、痛みやしびれ、まひなどが起こりやすくなります。また、転移した場所の骨がもろくなることで、少しの力がかかるだけで骨折しやすくなります(病的骨折)。

さらに、骨のカルシウムが血液に流れ出す「高カルシウム血症」が起こると、食欲不振、吐き気、倦怠感、多尿、意識障害などの症状がみられることがあります。


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