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てらまち・ねっと



 大阪のダブル選の投票日から3日目。
 結果を受けてのちょっと冷静になった意見などを読んでみた。
 それらを記録した。次のようなもの。

 国政に大きな影響を与え得ることから政界の反応、
 橋下サイドの勝因、対する側の敗因、それらの分析、
     例えば毎日新聞は「■勝因◇独裁不安かき消す」「■敗因◇反維新、一丸なれず」としている。
 
 続いて、批判の多い教育基本条例関連の動きや、区の再編のこと。
 意外なのは、韓国での受け止め。
 
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●大阪ダブル選挙「大阪維新の会」圧勝 「橋下旋風」は中央政界にも影響
          FNN (11/28 11:56)
 大阪ダブル選挙での橋下 徹氏(42)率いる大阪維新の会の圧勝は、中央政界にも影響を与えている。
大阪維新の会の圧勝について、民主・自民両党が、腫れ物に触るように扱う一方、みんなの党や、民主党の小沢元代表の周辺が、将来の連携の可能性を模索するなど、大阪発の「橋下旋風」は、中央政界に乱気流を起こしている。

 藤村官房長官は「選挙の結果というものは、その選挙の民意ということが反映されているということとしては、しっかりと受け止めたいと思います」と述べた。

 川端総務相は「(大阪都構想は)法律に、今ありませんから。それぞれの地方において、どういう議論をされていくのか、見守りたいとは思っています」と述べた。

また、自民党の大島副総裁は「もう少し様子を見ないと、今の時点で論評したり、批判したり、評価したりする段階ではない」と述べた。

 支援・支持した候補の敗北から一夜明け、民主・自民両党は、国政への影響には直接言及せず、大阪都構想を民意として受け止めつつも、地元での議論を見守る姿勢を強調し、人気のある橋下氏を敵に回したくないとの思惑が透けて見える。

一方、橋下氏を応援したみんなの党や、新党結成を模索している国民新党は、選挙結果を既成政党への失望と位置づけ、連携の可能性を模索するなど、橋下人気の取り込みに躍起で、民主党の小沢元代表の周辺も、政局が流動化した場合、連携する可能性を示唆するなど、にわかに橋下氏に熱い視線が集まっている。


●大阪ダブル選挙 「大阪維新の会」圧勝の要因の1つに投票率の大幅なアップ
          (11/28 11:58 関西テレビ)
 27日に行われた大阪ダブル選挙は、「大阪維新の会」の橋下 徹代表(42)と、松井一郎幹事長(47)が、市長選挙と知事選挙で、いずれも対立候補に大差をつけて圧勝した。
注目された大阪のダブル選挙は、知事選・市長選とも、大阪維新の会の候補の圧勝となったが、勝因の1つに、投票率の大幅なアップがあったといえる。

特に、橋下氏が出た市長選は、前回を17ポイントも上回る60.92%と、実に40年ぶりに60%を超えた。
また、FNNが実施した出口調査によると、無党派層の7割が橋下氏に投票している。

「大阪を変えるのか、変えないのか」、「改革か、現状維持か」と、有権者に二者択一のわかりやすい形で訴えかけ、普段投票に行かなかった人たちの票を、うまく掘り起こしたといえる。

今回の結果で、大阪維新の会は、大阪都構想の実現に向けて、1つのハードルをクリアしたといえる。
しかし、まだ多くの課題が残っていて、都構想を実現するためには、少数与党の大阪市議会での議決や、国会での法改正が必要で、早くも駆け引きが始まっている。

27日の会見でも、橋下氏は「大阪維新の会で、国政に足をかける国会議員を擁立するということも考えています」と述べ、国会議員の協力が得られそうになければとの条件つきながら、次の衆議院議員選挙に候補者を擁立することを明言した。
大阪の有権者は今回、大阪都構想にゴーサインを出したわけだが、実現に向けて、今後は橋下氏の政治手腕が問われることになる。

●選挙:大阪ダブル選 イメージ先行懸念 典型的ポピュリスト/良い変化を期待
     毎日新聞 2011年11月28日 
 大阪府知事・大阪市長選は、橋下徹氏(42)の思惑通りの結果となった。有権者からはその改革姿勢を評価する声がある一方、イメージ優先の政治手法に懸念を示す識者もいる。

 ●識者
 北海道大大学院の山口二郎教授(政治学)は、「閉塞(へいそく)感や欲求不満が広がる中で、『現状を破壊する』というメッセージの、中身ではなく『破壊』という言葉のイメージに府民が期待した結果だろう。都構想はどんどん中身が変わっている。実現したら社会や経済がどう変わるのかは何も説明されていない。『変えてくれるのではないか』というイメージだけで選ばれたと感じる」と指摘。

 そのうえで、「国の政治が混迷する中で、地方では別の選択肢を求めるというのはしばしば起きる現象。選挙が近づき、生き残りがかかる民主党の国会議員の中には維新になびく者も出てくるのではないか。国政に与える影響は大きいだろう」と話した。

 「日本型ポピュリズム」の著書がある同志社女子大の大嶽秀夫教授(政治学)は「橋下さんは典型的なポピュリスト。グローバル化が進み、東京が著しく国際化して経済も一極集中するなかで『都構想』という発想が、東京に強い対抗意識を持つ府民に受けた。メディアを利用した大阪の『強いリーダー』としての演出が、無党派層に浸透した」と勝因を分析。

 さらに、「政党色のない強いリーダーが勝つのは大阪に限らない。従来の後援会に頼った固定票では、もはや多数の無党派にかなわないということではないか」との見方を示した。


 評論家の大宅映子さんは、「知事としてしがらみにとらわれず成果を出した」と一定の評価をしながらも「任期途中で辞めてから攻撃的、破壊的になった。大阪の人の性質として『何かおもろいやん』というノリで投票した向きもあると思うが、あの言動は不安だ」と話す。大阪都構想については「具体的にどうすれば実現するのか道筋が見えず、『やっぱりできませんでした』となった民主政権と同じ結末にならないといいが」と語った。

 ●有権者
 大阪市長選で橋下さんに投票した有権者に聞いた。

 ◇西淀川区、会社員、鳥井数仁さん(48)
 知事として大阪府を改革した姿勢に期待できると思った。情報を発信するので考えも分かりやすい。一番に取り組んでほしいのは二重行政の解消。知事と市長でもめているよりも、一つにして大阪都になればもっといろんなことが進むと思う。

 ◇中央区の会社員、梶原有宇子(ゆうこ)さん(40)
 何かにつけて大きくメディアに取り上げられる橋下さんなら、大阪も盛り上がっていい。良い変化が起きるのではないか。古いものを変える改革力もある。これまでの大阪市がやっていた通りではだめだと思った。

 ◇福島区の主婦、福岡美香さん(42)
 週刊誌などのバッシングを受けても、自分が先頭に立ってやり抜こうとする姿勢が大阪を変えてくれると思った。子供たちには今よりも良い大阪に住んでいてほしいから。

 ◇中央区の会社員、三宅優子さん(26)
 具体的に何が変わるか分かるのはこれからだと思うが、大阪都構想に賛成。変化に期待している。演説でも橋下さんはビジョンを明確に示していて良かった。大阪にもっといい街になってほしい。

 ◇福島区の観賞魚餌卸売業、五百木(いおき)謙一さん(54)
 大阪は平松市長で良くなってきたが、東京だけでなく名古屋にも経済で負けているのはさみしい。システムの変更で活気が出ることに期待した。大阪都構想の説明が不足しており、「ぐっ」と悪くなる可能性もあるが、リスクを冒してでも今回は橋下さんに賭けてみたいと思った。

●選挙:大阪ダブル選 記者座談会 橋下人気、突破力期待も
    毎日 2011年11月28日
  前大阪府知事の橋下徹氏(42)率いる大阪維新の会が27日、府知事選、大阪市長選ともに圧倒的な勝利を収めた。それぞれの勝因と敗因は何か。選挙結果は何をもたらすのか。「大阪秋の陣」の現場を、候補らとともに走り回ってきた記者たちが、選挙中に書ききれなかったエピソードや今後の課題を語り合った。

 ◇独裁不安かき消す
 ■勝因

 --大阪市長選では橋下氏の政治手法への批判も根強く、知事選では松井一郎氏(47)の知名度不足が指摘されたが、結果は大阪維新の会の2人の圧倒的勝利。勝因と敗因をどうみる?

「大阪維新の会」とダブル戦の経過
 A 「橋下人気」が健在だったということに尽きる。女性層の支持を集めていた気がするね。街頭演説では、始まる前から主婦層が集まる姿が見られたよ。「ファンやねん」「イケメンやしな」との会話も聞かれた。

 B いや、単なる人気だけではない。個々の政策の是非はともかく、就任以来、橋下氏が、先送りされがちなさまざまな府政の課題に積極的に取り組んできたことへの支持と期待はあった。都構想が十分理解・支持されていたとは思わないけど、「あいつがあんなにやりたがっているのだから、任せてみるか」という一票が多かったのではないかな。

 C 表面では平松邦夫氏(63)支持でも橋下氏の手腕に期待している人もいた。児童虐待防止活動に取り組む関係者は「今の大阪市の虐待防止の仕組みは不十分。手法には問題があるが、橋下氏の方が改革のスピードが早いと思う」と話していた。

 D それに加え、橋下氏の話術は天才的だと改めて感じた。聴衆の年齢層に応じ、演説内容を巧みに変える。若者が多い繁華街では「選挙に行かない若者に政治家は顔を向けない。5年、10年たてば、10人に4人しか就職できない」と危機感をあおった。お年寄りが多い住宅街では「大阪市はつぶさない。敬老パスは守る」と訴えた。聴衆が気になっていることをつかみ、関心を引く。平松氏や知事候補の倉田薫氏(63)はそこまでアピールする力がなかった。

 E 選挙選中盤、大阪市淀川区の商店街で松井氏が練り歩きをした際、同行した維新議員らがビラを配ったが、たちまちなくなったと驚いていた。

 F 民主も自民も維新の勢いを甘く見ていたところがあるね。知事選で知名度の低い松井氏が出馬したことで、両党府連は対抗馬擁立に動いた。だが「よほど知名度のある候補でないと厳しい」と苦戦を予想した国会議員もいた。この見方が当たっていた。

 ◇反維新、一丸なれず
 ■敗因

 G そんな中、倉田氏は知名度不足が響いたね。街頭演説でも、有権者から「あの人、誰」という声が聞かれた。

 H 戦略ミスもあるよ。倉田陣営はキャッチフレーズ「卒維新」を掲げたが、相手陣営の党派名を有権者に繰り返し伝えることになってしまった。

 I 選挙戦最終日の26日、維新陣営は石原慎太郎・東京都知事や東国原英夫・前宮崎県知事らが駆け付けてにぎやかだったね。平松、倉田陣営は地味な印象が否めなかった。実は平松陣営も、東日本大震災で大阪市が支援した岩手県釜石市長に声を掛けていたが、臨時議会で多忙との理由で実現しなかった。来援していたら大きな力になっていただろう。

橋下徹氏 4年間の語録 
J 橋下、平松両氏の直接討論の場面は少なかった。平松氏は今月24日に放送予定だったMBSのテレビ討論を突然キャンセルした。司会を務めるジャーナリストの田原総一朗さんが都構想に賛成と発言しているため、出演は得策ではないというのが理由だったけど。

 A あれは平松陣営の力不足を象徴する出来事だったと思う。実は平松氏は最後まで出演したがっていたそうだ。出演しないよう進言する陣営幹部との間の話し合いがなかなかまとまらず、放送日ぎりぎりのキャンセルになってしまった。

 B ただ、平松氏の今回獲得した約52万票は前回(07年)の市長選より大幅に多いんだ。平松氏が市民の支持を失ったわけではないのでは。

 I 橋下氏の政治手法に対する危機感も強かったと思う。橋下人気の一方で、橋下氏との握手を拒否する有権者や、「独裁はやめて」と維新のスタッフに詰め寄る有権者も見たよ。

 K 橋下氏の政治手法に疑問を持つ政治学者や評論家らが勝手連的に平松氏を応援したのも印象的だった。

 --維新の会対(公明を除く)既成政党という構図になったが。

 E そうはいっても府選出の衆院議員は次期総選挙で維新を味方につけたい思惑があった。地元の市議らとの温度差は最後まで埋まらなかった。

 L 倉田氏を支援する自民府連では、倉田氏の応援演説に立つ議員もいれば、積極的に関わらない考えの議員もいた。府連内では腰が引けた国会議員に対し「国政選挙では絶対に応援しない」と記者に怒りをぶちまける地方議員までいたほどだ。

 --平松氏を支援するための共産前市議の渡司(わたし)考一氏(59)の市長選からの撤退には驚いた。

 A 大阪市議会の一部には、撤退が裏目に出たとの見方もある。渡司氏は「反維新勢力を結集する」と訴えたけど、逆に橋下氏に「既成政党が手を組み、大政翼賛会的だ」と批判の材料を与えてしまった面があるね。

 (続き)◇都構想なお不透明 
   毎日 2011年11月28日

 (続き)  ■経済界の見方
      毎日 2011年11月28日

●「教育基本条例案、年度内成立めざす」 松井大阪知事
     朝日 2011年11月29日22時9分
  大阪府の松井一郎知事は29日、就任後初の記者会見で、政治主導で教育行政の改革を図る教育基本条例案と、公務員の管理規則を定める職員基本条例案について、今年度内の成立をめざす方針を示した。「同じ時期に成立させたい」としており、いずれも2月府議会で可決させる考えだ。

 大阪維新の会が府議会に提出している教育基本条例案をめぐっては、橋下徹前知事が条例案に反発する府教育委員に対し、修正を前提に対案を示すよう求めた。しかし委員らは対案の提示を拒否し、可決されれば辞任する構えだ。

 知事選前は大阪維新の会府議団幹事長だった松井氏は、両条例案をまとめた責任者。この日の会見では、「対案を示さないのは無責任」と教育委員を批判。「維新の会は府議会で過半数あり、いつでも可決できる状況。(委員らは)白紙撤回しないと議論もしないと話しており、『お辞めになるんだな』というのが僕の思いだ」と述べた。

●大阪市:24区長を格上げし予算編成権付与 橋下氏方針
      毎日新聞 2011年11月29日 21時12分
 大阪市長選に当選した「大阪維新の会」代表の橋下徹氏は29日、来年4月から市内24区長を副市長に次ぐポストに格上げし、実質的に予算編成権を与える方針を明らかにした。
市役所本庁の各部局に権限が集中する構造を抜本的に改め、年功序列も排除して優秀な人材を登用する。
「大阪都構想」実現に向け、まず区役所に権限移譲を図る考えだ。

 維新市議団との会議に出席後、橋下氏が報道陣に明らかにした。

 都構想は大阪府、大阪、堺両市を解体し、「都」と「特別自治区」に再編する。大阪市域は8か9の区に分割し、各区に予算編成権を付与、区長は選挙で選ぶ。

 一方、現在の24区長は、局長級の3区(北、中央、西成)を除き、全員が1ランク下の部長級。一方、市役所本庁の各部局のトップや幹部はいずれも局長級の職員で占められている。予算編成権は市長にあり、区長には与えられていない。

 こうした体制について、橋下氏は「おかしい。住民に身近な行政は区長がすべきだ」と批判。「区長が市の本局に指示命令を出し、区政を運営していけばいい。これが統治機構改革の第一歩だ」と語った。橋下氏は都構想実現に向け、年度内に24区を8か9のブロックに分け、各ブロックをまとめる「統括区長」を置く方針だ。

 また橋下氏は、平松邦夫氏が各区に設置し、区政に意見を述べる「区政会議」の機能は存続させる考えも明らかにした。【林由紀子、原田啓之】

●韓国にも「橋下旋風」? 脱既成政党が人気、大統領選に影響か
          産経 2011.11.29 20:48 (1/2ページ)
 【ソウル=黒田勝弘】大阪の市長・知事選における大阪維新の会の勝利が、韓国で来年、行われる国会議員選挙(4月)や大統領選(12月)にも影響を与えそうだとして、大きな関心を集めている。

 理由は韓国でも先ごろ行われたソウル市長選で既成政党の公認を断った無党派候補が当選し、大統領選に向けても既成の与野党に属さない非政治家の若手知識人が有力候補として急浮上しているからだ。

 韓国メディアは29日、大阪維新の会の橋下徹代表が大阪市長に当選したことをいずれも大きく伝えているが、とくに東亜日報は1面のほか、特集記事で「第3勢力の改革津波、日韓の政局に同時押し寄せ」などと大々的に報じている。

 韓国で、次期大統領候補として世論の期待が急上昇しているのは、政界とは無関係だった安哲秀・ソウル大教授(49)=次世代融合技術研究院長=で、最近の世論調査では支持率トップに躍り出ている。

 政界やマスコミは、安教授を中心にした革新勢力による「新党誕生」に関心を集中させており、とくにこれまで各種世論調査で次期大統領候補として終始、支持率トップを走ってきた与党・ハンナラ党の朴槿恵・元代表(59)や保守勢力を緊張させている。

弁護士出身の橋下氏に対し安教授は医学部卒後、情報工学や情報ビジネスを学び“情報保護”の専門企業の立ち上げで成功した最先端マルチ知識人。若者向けのトークショーで人気を集め、若者世代の偶像になっている。

 ソウル市長選で革新系無所属の市民運動家・朴元淳氏が当選したのも安教授が支持した結果といわれ、今や与野党とも安教授の言動に一喜一憂の状況だ。


 東亜日報の1面記事の見出しは「“日本版・安哲秀”のハシモトが既成政治に一発食わす」としているが、中央日報は「第3勢力では似ているがハシモトは政策で勝負」と伝え、人気先行で政治的政策は未発表の安教授に批判的だ。

 一方、左派系のハンギョレ新聞は「国家主義的色合いの日本政治の問題人物」とこちらは橋下氏に批判的。革新系や左派に人気の安教授とは対照的に“保守改革派”の橋下氏には戸惑いもうかがわれる。


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19:08 from web
ヨーロッパ経済の激動。EUを支えているドイツさえ大波。混乱が日本にも強く影響、「投資信託」は目減りが著しくて資産運用に大きく影響と。そんな経済の現状をみた⇒◆【欧州債務危機】開いた“パンドラの箱”終わりなき危機 欧州長期低迷確実に⇒http://t.co/oDpRvasE
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 ヨーロッパ経済の激動、混乱が日本にも強く影響している。
 一般の人にも影響が出る。
 例えば、「投資信託」というものはやったことがないけど、そういうところも目減りが著しくて資産運用に大きく影響、と報じられている。
 
 ヨーロッパ圏ではEUを支えているドイツさえ、大波を受けて、危機が高まっている。
 そんな経済の現状をみた。

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●国内最大投信 欧州国債を売却
    NHK 11月28日 4時18分
ヨーロッパの信用不安を受け、個人から集めた資金をアメリカやヨーロッパ各国の国債などで運用している国内最大の投資信託の運用会社は、投資信託に組み込んでいるイタリア国債などの売却を進めています。

サラリーマンや主婦など個人から集めた資金をアメリカやヨーロッパ各国などの国債で運用している「グローバル・ソブリン・オープン」は、資産総額がおよそ2兆円と国内最大規模の投資信託です。
発表によりますと、この投資信託を運用している「国際投信投資顧問」は、ヨーロッパの信用不安によるリスクを避けるため、今月に入って、投資信託におよそ4%組み込んでいたイタリアの国債のほか、スペインやベルギーの国債もすべて売却したとしています。ただ、歴史的な円高やヨーロッパの信用不安などの影響で、この投資信託の価格、いわゆる「基準価格」は、先月末までの1年間にすでに8%余り下落しているということです。

ヨーロッパの信用不安を巡っては、主な生命保険会社8社も、この1か月余りの間にイタリアやスペインなど5か国の国債の保有額を一気に44%減らしており、影響は資産の運用にも及ぶ形になっています。

1●生保8社 欧州国債の保有急減
           NHK 1月25日 4時33分
ヨーロッパの信用不安の深刻化を背景に、主な生命保険会社8社は、この1か月余りの間に、資金を運用するために保有しているイタリアやスペインなど5か国の国債を、相次いで売却し、保有額を一気に44%減らしたことが分かりました。

主な生命保険会社8社が、24日までに発表した中間決算によりますと、各社は、資産の運用のために、ことし9月末の時点で、イタリアやスペイン、それにポルトガルなど、財政状況が懸念されているヨーロッパ5か国の国債を、総額で7650億円保有していました。しかし、信用不安の深刻化を受けて、その後1か月余りの間で、イタリアなどの国債を相次いで売却したことから、保有額は3400億円、率にして44%も減り、残高はおよそ4300億円になりました。内訳を見ますと、▽日本生命が、およそ4500億円分保有していたイタリア国債を3000億円程度に、▽第一生命は、およそ1300億円分のイタリアとスペインの国債を700億円まで減らしました。また、▽T&Dホールディングスと▽三井生命は、保有していたイタリア国債をすべて売却しました。生命保険会社の中には、格付けが最も高いフランスの国債も一部売却するところがあるなど、ヨーロッパの信用不安の拡大を受け、生命保険会社がヨーロッパへの投資には慎重な方針に転換したことがうかがえます。

●「ユーロ危機」は日本まで燃え広がるのか
     日経ビジネス 2011年11月28日(月) 大上 二三雄  【プロフィール】バックナンバー
 ユーロ危機が終わらない。2008年秋に起こったリーマンショックの後、春から夏にかけ、年中行事のように、ユーロの危機は叫ばれてきた。アイスランド、アイルランドという二人の前座役者を経て、昨年春に登場した中堅ギリシャは2年連続主役の座を譲らずに、大物イタリアやスペイン、さらには超大物フランスまで引っ張り出してきた。世界経済が混乱する中、十分な統治能力を発揮していないように見えるEU通貨同盟の対応に、年単位の混乱は月単位から週単位の混乱にサイクルを速め、世界はリーマンショックを超える金融危機の影に怯えている。

 混乱のサイクルが速まっている中でも、日本での報道は、比較的短期のシナリオに基づいた「対岸の火事」的な扱いのものが多い。

 だが、今回の金融危機は、日本経済に対して、円高を始め多くの影響、脅威と機会を与えている。本稿では、いつものように俯瞰的な視点に立ち、今回の危機の本質を捉えた上で考え議論するための材料と切り口を、提供する事を試みたいと思う。
・・・・・・(略)・・・

●【欧州債務危機】開いた“パンドラの箱”終わりなき危機 欧州長期低迷確実に
     産経 2011.11.26 19:16
 【ロンドン=木村正人】欧州債務危機をめぐって、英誌エコノミスト最新号は炎を上げて落下する欧州単一通貨ユーロを表紙にあしらい、「これが本当の終わり?」と最高レベルの警戒感を示した。カギを握るメルケル独首相が最終的に欧州中央銀行(ECB)による重債務国の国債買い切りやユーロ共同債の発行を決断、ユーロ崩壊をぎりぎりで回避できたとしても、欧州が景気後退の長いトンネルに入るのは確実になってきた。

 イタリアの3年国債利回りが8・13%まで高騰するなど、25日の欧州債券市場は売り一色になった。重債務国の国債を抱える金融機関が「パニック売り」(市場関係者)に走ったためだ。ECBが買い支えても売り圧力は一向に収まらない。

 エコノミスト誌は、メルケル首相が小・中学生時代のプール授業で飛び込み板の上で尻込みし、終業ベルが鳴ったとき、ようやく飛び込んだ逸話を紹介。同首相にECBによる国債買い切りやユーロ共同債の発行を決断するよう促した。
 ドイツが及び腰なのは、第一次大戦の戦費調達のため政府債務を膨らませ、敗戦と賠償金支払いで1920年代に超インフレを経験したトラウマがあるからだ。債務拡大とインフレを極度に嫌うドイツは、今回の危機でも重債務国に財政赤字削減を迫るだけで他の対策を怠り、危機をイタリアやスペインに飛び火させてしまった。

英紙ガーディアン(電子版)などは、ドイツは20年代の超インフレよりも30年代に米国が犯した過ちに学べと警鐘を鳴らす。
 大恐慌によって米国が世界中からドル資本を引き揚げた結果、海外からの借り入れに頼っていたドイツではドル資金が枯渇して銀行閉鎖が相次ぎ、倒産と失業が拡大、ナチスの台頭を招いた。同紙は「今ドイツに必要なのはインフレ警戒ではなく重債務国に資金供給することだ」と指摘する。

 欧州では、自己資本が不足した銀行による貸し渋りで経済活動が停滞、各国政府による財政赤字削減も景気の下押し圧力を強める恐れが懸念されている。

 在英ヘッジファンド共同創業者の浅井将雄氏は「イタリアという“パンドラの箱”が開いた。ユーロの支柱のひとつだったイタリアの債務危機で、ユーロ共同債導入の前提も崩れた。メルケル首相がプールに飛び込んでユーロを救ったとしても、欧州の長期的な景気後退入りはもはや避けられない」と話している。

●欧州債務危機への独仏対応が焦点、ユーロ安トレンド継続=今週の外為市場
         ロイター 2011年 11月 28日 08:38 JST
 今週の外国為替市場では引き続き、欧州債務危機をめぐる独仏などの対応をにらみ、リスク回避地合いの中でユーロ安/ドル高トレンドが続きそうだ。11月の米雇用統計など重要な米経済指標も発表されるが、米景気の緩やかな拡大を確認する内容になるとの見方が多く、大きな材料になりにくいとの声が出ている。ドル/円は狭いレンジ取引が続くとみる声が多い。
・・・・・・(略)・・・
 
●NY外国為替:ユーロ売り、不調なイタリア債入札やベルギーの格下げで
        提供:モーニングスター社 2011/11/28 08:19
 25日のNY外国為替市場では、ユーロ売り。ユーロ・ドルが1.3212ドルまで下落して10月4日以来の安値を付けたほか、ユーロ・円は102円49銭まで下げて10月10日以来の安値となった。高金利通貨も対円、対ドルで売られ、NZドル・ドルは0.7371ドルまで下値を伸ばして3月22日以来の安値を付けた。

 ロンドン時間に行われたイタリアの短期債や2年物ゼロクーポン債の入札が不調な結果に終わると、イタリア10年債利回りが上昇。「危険水域」とされる7%を超える水準で推移して、ユーロは圧迫された。米主要株価指数が序盤に上昇した場面ではユーロが買い戻されたがS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)がベルギー国債の格付けを引き下げると、ユーロは再び売られた。

 米国株式市場が短縮取引だったこともあって外国為替市場でも終盤は薄商いとなり、ユーロは対ドル、対円でもみ合いに転じた。

 ドル・円は上昇。77円79銭まで上げて10日以来の高値を付けた。高金利通貨売り・ドル買いが波及した。

●試練続く欧州、「買い手不在」も国債入札目白押し
         産経 2011.11.26 22:09
 欧州の債務危機が国債市場へ急速に波及している。25日のイタリア国債の入札は不調で2年債落札利回りは7・8%と、10月に4・6%だったのを大幅に上回った。23日に財政が健全とされるドイツ国債の買い手がつかず「札割れ」になった流れを引き継いだ。格付け会社による格下げも相次ぎ、25日にはベルギー国債が格下げされた。28、29日にはそのベルギー国債の入札が控えるなど、週明け以降も各国の国債入札がめじろ押しで、市場には緊迫感が漂っている。

 「危機解決の糸口が見えず、市場は怖くて欧州の国債を買えなくなっている」。第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストはこう指摘する。

 実際、市場の変調は激しく、23日のドイツ10年物国債の入札は、募集額60億ユーロに39億ユーロの応札しか集まらなかった。翌日はドイツ国債の利回りが一時、約2年半ぶりに英国債の利回りを超えた。安全資産として投資マネーの逃避先であり続けたドイツ国債の大きな札割れに、「市場はショックを受けた」(アナリスト)という。安全とされるフィンランド、オーストリアなどの国債も軒並み売られている。

一方、米スタンダード・アンド・プアーズは25日にベルギー国債の格付けを引き下げ、上から3番目の「ダブルA」にし、見通しも「ネガティブ(弱含み)」とした。同日には、米ムーディーズ・インベスターズ・サービスはハンガリー国債を格下げし、危機がユーロ圏外の中・東欧にも及んでいることを印象づけた。

 事態の悪化を食い止めるカギを握るのは「危機打開に向けた欧州当局による対応だ」(メガバンク関係者)。だが、欧州金融安定化基金(EFSF)拡充なども実現の可能性が弱まっており、市場は悲観的。「年末にかけての入札で大きな札割れが相次ぎ、利回りが跳ね上がる恐れもある」(永浜氏)。

 利払いがかさんで国の財政が悪化すれば、「さらに国債が買われず値下がりして利払いの負担が増え、一層、財政が悪くなる悪循環に陥る」(市場関係者)。

● 欧州危機:揺れる世界経済 EU条約、独仏改正案提示へ 「共同債」へ条件整備
      毎日新聞 2011年11月27日
 ◇欧州中銀、役割強化巡り溝も
 【ロンドン会川晴之】欧州債務危機が深まる中、その打開策として欧州連合(EU)条約を一部改正し、加盟国の財政規律を高める案が検討されている。独仏両国は近く、原案を提示、12月9日に開くEU首脳会合で討議する意向を示す。だが、欧州中央銀行(ECB)の役割拡大など他の対応策については、ドイツの反対を受けて見送られる方向で、危機克服につながるかは予断を許さない状況だ。

 サルコジ仏大統領とメルケル独首相は24日、フランスのストラスブールでモンティ伊首相とともに会見し、条約改正案を提案する考えを示した。

 具体的内容は提示されていないが、安定・成長協定に盛り込まれている財政赤字の目標の義務付けが柱になりそうだ。協定は、単年度の財政赤字を国内総生産(GDP)比3%以下、累積債務をGDP比60%以下にすることを定めており、違反した場合、制裁を科す案などが浮上している。

 また条約改正は、危機克服の解決策として検討されている欧州共同債導入に向けた条件整備という意味もある。現在、各国は資金調達のため別々に国債を発行しているが、欧州共同債に一本化すれば、信用が高まるため資金調達はしやすくなる。ただし、各国政府が安易な財政運営に走る「モラルハザード」が起きる懸念もあるため、財政規律の強化と順守を条約に盛り込みたいというのが独仏両国の狙いだ。

 一方、フランスが強く求めていたECBの役割拡大は、24日の会談でドイツが拒否し、見送られる方向だ。

 08年秋のリーマン・ショック後の危機対応策として、日銀や、米連邦準備制度理事会(FRB)などは、資金供給を大幅に増やす政策を導入したが、現行の条約ではECBはこれができない。フランスは「ECBが『最後の貸手』として介入するのが最良の対応策だ」(バロワン財務相)と、ECBの機能拡充を条約改正案に盛り込む意向を示していた。

 これに対し、メルケル独首相やドラギECB総裁が強く反対した。戦間期にハイパーインフレに見舞われた経験がある独連邦銀行は、物価安定を最大の政策目標に掲げ、ECBはこの精神を引き継いでいる。フランスは、この壁を突き崩すことに今回も失敗した。

 ただ、ECBが市場で国債を大規模に買い支えなければ、最上級の格付けを持つフランスなどの国債も売られる状況に歯止めがかからない。フランス10年物国債の利回りが3・7%台を推移し、同じ最上級の格付けを持つドイツの10年物国債も一時は2%を上回る水準で取引されている。このため、ECBの役割拡大論は今後もくすぶり続けることになりそうだ。

●日銀は欧州危機の波及で金融ルート警戒、外貨含め資金繰り注視
       ロイター 2011年 11月 24日 23:38 JST
 [東京 24日 ロイター] 欧州の債務・金融問題が域内で最大の経済規模を持つドイツに波及し始めるなど、想定を超えるスピードで広がる中、日銀は金融面を通じた日本経済への影響に警戒感を強めている。
 現時点で日本の金融機関の外貨を含めた資金繰りに目立った影響は出ておらず、金融機関の健全性は維持されているが、さらなる金融資本市場の不安定化などで金融機関の資金調達などに異変が生じる場合には、徹底的な流動性供給を軸に金融システムへの影響遮断を図る方針だ。
・・・・・・・・・・・・(略)・・・

●ギリシャからイタリア、スペインへ。ドミノ倒しで広がるユーロの崩壊
     週プレNEWS [2011年11月22日]
11月9日、欧州の債務危機がついにギリシャからイタリアに及んでしまった。この日、EUがイタリアの財政監視をスタートさせると、欧州債券市場ではイタリア国債が売られ、国債の利回り(1年あたりの運用益。これが過剰に高いと国債の買い手がいなくなり、資金調達が困難になる)が、一時7.4%台にまで上昇してしまったのだ。

国債の利回りが7%を超えると上昇が加速し、その国家は利払い不足で債務返済が困難になる。事実、ギリシャは7%を超えた時からわずか1ヶ月足らずで利回りが10%にまで上昇、あっという間に財政危機が深刻化した。

この債務危機を受け、12日にはイタリアのベルルスコーニ首相が責任をとって辞任。テレビ朝日コメンテーターの川村晃司氏は、イタリアの窮状をこう説明する。

「ベルルスコーニ首相がついに辞意を表明したという一点からも、いかにイタリアが大きな混乱にあるかがよくわかります。何しろ、ベルルスコーニという人はイタリアのメディアを経営支配していて、過去の未成年買春スキャンダルや『オバマ米大統領は日焼けしすぎ』などの失言も、『メディア操作で乗り切れる』とうそぶきかねない指導者。その強気のベルルスコーニが辞任を口にせざるを得ないほど、イタリアは追い詰められているのです」

イタリアは世界7位の経済大国。そんな国がギリシャのような財政破綻を迎えれば、2008年のリーマン・ショック以上の混乱が待っている。関西大学商学部の高屋定美教授もこんな不安を口にする。

「ギリシャ、イタリア危機がリーマン・ショックと違うのは、リーマン・ショックが民間銀行を舞台とした不良債権問題だったのに対して、国家を舞台としてソブリンリスク(国の債務不履行危機)が深まっているという点。特にイタリアの国債を欧州の銀行はかなり保有しているはず。ギリシャに続き、イタリアのソブリンリスクが高まれば、そうした銀行の財務悪化は避けられず、ヨーロッパ全体に信用不安、経済危機が広がるでしょう」

経済ジャーナリストの三橋貴明氏は、考えられる最悪のシナリオとして、「同じく財政が悪化しているスペインに飛び火すること」と指摘する。

「スペインの危機は欧州だけでなく、関係の深い南米諸国にもダメージを与える。ギリシャ、イタリアの財政危機に端を発した信用不安はドミノ倒しのように世界に広がります」

大国アメリカのドルに対抗する強力な統一通貨を目指して創設されたユーロ。しかし、今や世界経済を混乱と停滞に追い込みかねない“爆弾”になってしまった。

「そもそも、この危機は起こるべくして起こったと考えるべきなんです。危機の原因は通貨統合です。本来なら、通貨をユーロに統合するだけでなく、EU各国の収支バランスなどをしっかり精査し、財政もなんらかの形で統合を進めるべきだった。ところが、EUは加盟国のフトコロ具合をきちんと身体検査しないまま、やみくもにEU拡大へと走ってしまった。そのツケがいま噴出しているんです」(前出・川村氏)

ユーロという1本の太いロープでつながった欧州は、1国が転べばすべての国がバランスを崩す。今、それが現実になろうとしている。



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08:50 from web
投票率が高いほど橋下氏に有利、そう見られていた大阪の選挙。大阪市長選の投票率は40年ぶりに60%を超え、関心の高さが明らか。維新の会の姿勢や政策には、悪いものも良いものもあると感じている⇒◆大阪/橋下氏関西電力への株主提案権行使を表明⇒http://t.co/rQEne4Ex
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 投票率が高いほど橋下氏に有利、そう見られていた大阪の選挙。
 投票率は40年ぶりに60%を超え、関心の高さが明らか。
 維新の会の姿勢や政策には、悪いものも良いものもあると感じている。
 ともかく、選挙の結果。 

 なお、原発については、関西電力の約9%を所有する筆頭株「大阪市」として、「原発依存度低減に向け、株主提案権を行使する」との公約なので、そこは期待したい。

 今日は、選挙全体に関する「評」などを記録しておく。

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●笑顔一転、市に宣戦布告=橋下氏「公約受け止めよ」-維新、そろって勝利・大阪
            時事。(2011/11/28-00:19)
 投票終了時刻の午後8時が過ぎると、すぐに橋下徹氏と松井一郎氏の当選確実が報じられた。約30分後、大阪市のホテルの記者会見場に両氏そろって笑顔で登場。相次いで花束を受け取ると、壇上で並んで大阪維新の会の議員とともに万歳三唱し喜びを分かち合った。
 「ダブル選がゴールではない。これからがスタート」。ノーネクタイ姿の橋下氏は、花束を手に浮かべた笑みを記者会見では一変させ、選挙運動でかれた声で語った。

 免職基準を厳格化した職員基本条例や、首長の権限強化を図る教育基本条例の制定をマニフェスト(政策綱領)に掲げ勝利したことから、「行政組織はこの結果をきちんと受け止めるようお願いしたい」と強調。「補助金を徹底的に見直す」「市職員の給与体系を見直す」と次々ぶち上げ、早くも市の組織や職員に「宣戦布告」した。

 二人三脚で戦った松井氏も「橋下市長と一緒に大阪再生、日本を再生させるエンジンの役割を担いたい」と一言一言力を込めた。一方で、「違うと思ったときにはしっかり議論し(橋下氏に)はっきり申し上げる」とも話し、ブレーキ役を果たす考えを示して独裁批判に配慮も見せた。会見は休憩を挟み約3時間に及んだ。

 維新の会を支援する八尾市の会社員上田博一さん(61)は「大阪を変えないといけない。2人ならやってくれる」と期待を込め話した。

●橋本維新大阪制圧!市長&府知事選W秒殺
            デイリースポーツ(2011年11月28日)
 大阪府知事選と大阪市長選が27日、投開票され、市長選では前大阪府知事で地域政党「大阪維新の会」代表の橋下徹氏(42)が現職の平松邦夫氏(63)を破り、初当選を果たした。開票開始直後の午後8時ちょうどにNHKが当選確実を伝える“秒殺”。府知事選でも、同じ維新の会から出馬した松井一郎氏(47)が当選。橋下氏と同タイミングで当確が報じられる完勝に橋下氏は「民意がわれわれの主張を選んだ」「組織全体を変える」と勝利宣言した。

 08年1月の大阪府知事選に続く“秒殺”だった。選挙戦中盤の世論調査では接戦とも伝えられた平松氏との一騎打ち。だが結果は圧勝だった。

 市民の絶大な支持を得た橋下氏は「市役所の職員など行政組織の人間は、今回の選挙の結果をしっかり受け止めてもらいたい」と早くも“抵抗勢力”にクギを刺した。

 任期中に知事を辞職し、あえて市長選との“W選挙”に持ち込んだことが奏功。「メディアの皆さんに連日、報じてもらったことで世間の注目が高まった」と“作戦勝ち”を強調。投票率は60・92%。前回の43・61%を大きく上回った。


 選挙期間中、自身の出自や、「亡き父は暴力団員だった」などという一部週刊誌での報道もあったが、どこ吹く風だった。「バカ文春、バカ新潮には、逆に感謝ですよ。闘争心に火がつきましたしね。あのくらい乗り越えられなければ、大阪市の代表にはなれません」と笑顔。また、「今の自分があるのもテレビタレントとして活動できたから。感謝の念を忘れてはいけない」と元タレントの島田紳助氏(55)らへの思いも口にした。

 府知事就任時から貫いてきたのは地方分権へのこだわり。昨年3月には、大阪府と大阪市の“二重行政”を解消すべく、「大阪都構想」を提唱し、4月には「大阪維新の会」を立ち上げた。急速な改革案に対し、不満の声が続出。逆風が吹いているようにも見えたが、圧勝という結果に「有権者の方々に判断していただいた。この民意は重いですよ」と胸を張った。

 松井氏とのW当選を果たしたことで、「大阪都構想」に弾みがつくことは確実。現実化には法改正が必要となり、今後は国政への挑戦も視野に入る。自身の国政転身には「ありません。これ以上バカ文春やバカ新潮に追いかけられるのはイヤですから」と否定したが、状況次第では「中央の政党と協議し、受け入れてもらえないなら候補者擁立の準備に入る」と明言。次回の衆院選にも近畿一円で候補者を擁立する意欲も示した。

●大阪ショック:都構想、既成政党に踏み絵 民・自両党に無力感(その2止)
           毎日新聞 2011年11月28日
 <1面からつづく>

 ◇「国政へ攻勢」警戒 中小政党、連携狙い秋波
 「自分たちの力ではどうしようもないほど、大阪維新の会の票が伸びた」

 大阪府の小選挙区選出の民主党衆院議員は、維新完勝の衝撃をこう表現した。民主、自民など既成政党と、首長政党の維新が対決したダブル選挙。2大政党は有権者の既成政党離れを突きつけられ、立ちすくんでいる。

 野田政権発足後、初の大型地方選挙に対し、民主党本部は「一地方の選挙」として静観し続けた。大阪府連レベルで支援したものの、平野博文国対委員長ら地元選出議員を除き、党幹部はほとんど応援に入らなかった。党副幹事長は「大阪の支持者の名簿集めの指示さえ来なかった」ともらす。

 民主党が対応を府連に「丸投げ」したのはダブル選が「既成政党VS首長政党」の構図になるのを避けるためだ。09年の政権交代後、3人目の首相が誕生し党への期待感は薄れるばかり。次期衆院選を控え、民主党本部は維新代表の橋下徹氏との全面対決を避けるため距離を置いてきた。

 ダブル選の対応を府連任せにしたのは自民党も同じだ。次期衆院選での政権奪還に向け、橋下人気は無視できない。自民党の石原伸晃幹事長は27日夜、都構想について「協力要請があれば検討する」と前向きに対応する考えを示した。


 「おやじが橋下氏の応援で26日に大阪に入ることになりました」

 石原氏は24日、自民党関係者に対し、実父の石原慎太郎東京都知事の大阪入りを伝えた。府連側は難色を示したが、石原氏は「おやじには自民党籍がなく、どうしようもない」と取りあわなかった。石原氏は9月にテレビ番組で都構想に賛同しており、自民党内では「父親のパイプを活用し、橋下氏との連携を探っているのではないか」との見方もある。

 2大政党が存在感を示せなかった一方で、国民新党やみんなの党など中小政党は選挙中から維新を支援してきた。維新のダブル選挙制覇を受けて、橋下氏を取り込んだ新党結成や衆院選での連携を急いでいる。

 「オールジャパンでわが国の国力アップをする方策を考えなければいけない」

 国民新党の亀井静香代表は25日の会見で独自の新党構想を表明。連携相手として亀井氏が挙げたのは橋下氏のほか、石原都知事や大村秀章・愛知県知事ら知名度のある首長。民主党との連立を見限った亀井氏は郵政改革法案を巡る連立離脱を示唆し、新党結成を探っている。

 亀井氏は27日夜、毎日新聞の取材に「既成政党への圧倒的なノーの表明だ。地方から日本を変えていくという動きとドッキングしないといけない」と歓迎した。ただ橋下氏や石原都知事らは新党参加に否定的で、広がりはないとの見方が強い。

 みんなの党の渡辺喜美代表も維新候補を応援するため、選挙中、5回も大阪に入った。27日夜も橋下氏の記者会見会場に姿を見せ、維新の国政進出に「協力する」と表明した。

 一方、公明党はダブル選挙に自主投票で対応した。大阪府内の衆院4小選挙区で公認候補を擁立する次期衆院選を最優先。支持母体の創価学会幹部は「反橋下陣営に入らなかったことが、維新への最大のエールだ」と語り、維新が対抗馬を立てないことを期待する。

 参院で野党が過半数を占めるねじれ国会で国政の閉塞(へいそく)感が強まるなか、今春の統一地方選以降、民意の受け皿として大阪や愛知の首長政党が存在感を増している。維新の勢いにおびえる民主、自民両党。橋下氏の取り込みを競い合う中小政党。国政を舞台に「大阪ショック」の第2幕が上がろうとしている。【高山祐、高橋恵子、念佛明奈】

    ◇
 大阪ダブル選挙の維新完勝は国政にどんな影響をもたらすのか。波紋の行方を随時、掲載する。

●民・自タッグでも惨敗…与野党早くも連携綱引き
大阪ダブル選挙

         スポニチ.[ 2011年11月28日 06:00 ]
 与野党では27日、大阪市長選と府知事選で橋下氏率いる「大阪維新の会」に民主、自民両党が支援した候補者が敗れたことで“橋下ショック”が広がった。国民新党の下地幹郎幹事長は「既成政党への期待が完全に失われている」と指摘。維新の会の国政進出を警戒する一方、早くも連携を意識した綱引きも始まった。

 民主党の高木義明選対委員長は「十分な政策議論が果たせず厳しい結果となった。党派を超えた首長に対する評価だ」と党本部で敗戦の弁。「有権者の意思を重く受け止め政権与党の責任を果たしたい」と語った。前原誠司政調会長は「効率的な行政組織を再構築する点で問題意識を共有している」と橋下氏に秋波を送った。

 自民党の石原伸晃幹事長は取材に「大阪府民、市民が大阪の将来を考えて決めたことだ」と述べ、「要請があれば、協力することも検討したい」と、橋下氏との連携を模索する考えを示した。

 公明党の山口那津男代表は「二重行政の克服、大阪の地盤沈下への危機感、発展への期待が民意に託された」と指摘。国政への影響は「よく見極めていく」と党本部で記者団に答えた。

●既成政党、対決か接近か 大阪ダブル選、維新圧勝
      朝日 2011年11月28日0時4分
 野田政権の最高意思決定機関である政府・民主三役会議メンバー6人のうち、藤村修官房長官、樽床伸二幹事長代行、平野博文国会対策委員長の3人は大阪府内の選出議員だが、政権として積極的に選挙に取り組むことはなかった。

 ただ、政権への批判は選挙戦に影響した。22日の政府・民主三役会議。平野氏が「新聞を広げたら増税、増税ばかり。大阪は大変なことになっている」と、野田佳彦首相を前にぼやいた。政権が年末の取りまとめを目指す消費増税をめぐる報道が続いたからだ。

 その平野氏は27日夜、党大阪府連で維新の勝利について「大阪府下は影響があるかもしれない」と記者団に述べたものの、国政への影響は否定した。

 だが、維新の国政進出は民主党には脅威だ。府選出議員は党幹部に「維新と本気でケンカしないように首相に言ってくれ」と嘆願。「ダブル選で応援する」と維新側にひそかに伝えた議員もいた。衆院当選1回の議員は「維新と民主はもう仲直りできない。俺たちは橋下を敵に回すことになった。次の選挙で大阪は大変なことになる」と話す。

 一方、自民、公明両党は維新との激突を回避しようと「守勢」に徹し、将来の連携も視野に入れる。政権奪取を狙ううえで、維新の国政進出は気になる。勢いづく橋下氏を刺激せずに、むしろその力を利用したいというわけだ。

●大阪新市長に橋下氏、関西電への株主提案権行使を表明
    ロイター 2011年 11月 28日 06:22 JST
 [大阪 27日 ロイター] 27日に投開票の大阪府知事・大阪市長ダブル選で、新市長に前大阪府知事の橋下徹氏の当選が確実になった。NHKなどが報じた。
 大阪市は関西電力の発行済み株式の8.9%を所有する筆頭株主で、橋下氏率いる地域政党「大阪維新の会」は、関西電の原発依存度低減に向け、同市が株主提案権を行使することなどを盛り込んだマニフェスト(選挙公約)を発表していた。

 橋下氏は同日夜の会見で、株主提案権の行使に意欲的な姿勢を改めて表明。
電力問題について「大阪市内だけで考える問題ではない」とした上で、「関西全体で原発依存度を下げるというところまでは、(関西2府5県で構成する広域行政組織の)関西広域連合でコンセンサスをとった。(同連合内の)エネルギー検討部会で、原発依存度を下げるにはどういうことをやらなければいけないのか、まずは案を考えてもらいたい」と述べた。

 その上で「改革派と言われている霞が関の官僚のみなさんの力を借りながら、今の電力供給体制をどのように変えていかなければいけないのか、案を作ってもらいながら、具体的に次の株主総会までには株主提案をしっかりやっていきたい」と話した。

 新府知事には、大阪維新の会幹事長で元大阪府議の松井一郎氏の当選が確実となった。橋下氏と松井氏は、今後、府と大阪市などを再編し二重行政解消につなげる「大阪都構想」の実現を目指す。

●橋下氏選挙勝利も大阪維新の会に“潜伏スパイ”いたとの証言
      ※週刊ポスト2011年12月9日号 2011.11.28 07:00
 24日に投開票された大阪市長選挙は、前大阪府知事・橋下徹氏の勝利で終わったが、最後の最後まで「橋下抹殺キャンペーン」の根深さと醜悪を見せつけた。

橋下氏は総務省、大阪府、大阪市のオール官僚連合から最も危険な男とみなされ、その官僚たちと手を組む民主、自民、共産というオール既存政党も敵に回した。

その既得権益集団に味方する大新聞、テレビは橋下バッシングに終始し、従来なら選挙中は中立を装ってきた不文律さえかなぐり捨て、例えば読売新聞は投票4日前に公開討論の様子を報じる記事で「震災がれき受け入れ、橋下氏『○』平松氏『×』」と見出しをつけ、読者に“橋下は危ないぞ”と訴えかけるネガティブ・キャンペーンを仕掛けた。

しかも今回は、そうした記者クラブ・メディアの反乱者潰しを批判すべき週刊誌までが、橋下氏の出自や親類の事件などをこれでもかと書き連ねるオールメディア体制まで構築された。

弁護士としての経験か、苦労した生い立ちから身に付けた能力か、あるいは元ラガーマンの闘争心かはわからないが、橋下氏は抹殺キャンペーンを逆手に取って選挙戦を優位に戦った。

「実の父が暴力団員、結構毛だらけ! 実の父がガス自殺、結構毛だらけ!」

マイクを握り、ネガキャン勢力への怒りと嘲弄をないまぜにした毒舌を吐く橋下氏に、大阪市民は各地で大喝采を送った。ただし、これだけ権力を敵に回した戦いは、そう簡単には決着しない。選挙戦後半、橋下陣営には「内部に潜むスパイ」への警戒でピリピリしたムードが満ちていた。選対スタッフは険しい表情でこう語った。

「有権者の反応は非常にいい。投票率が極端に低くなければ勝てる感触だ。ただ、不安の種は身内にある。恥を晒す話だが、大阪維新の会の内部に“隠れ反・橋下”が潜んでいる。例えば、ある市議は街宣カーを一日中乗り回して、わずか20回しか『橋下』の名前を口にしなかった。しかも、わざわざ人のいない所ばかり走っていた。市議のなかには、実は自民や民主と組みたい人たちや、関西電力など橋下嫌いの地元財界の支援を受けている者もいる」

橋下氏の本陣にまで、オール既得権派が入り込んでいたというわけだ。同氏を支援した「みんなの党」関係者の証言も興味深い。

「渡辺喜美・代表が応援に駆け付けたが、選対の人たちから“既存政党の支援は受けない”といわれ、わざわざ橋下氏と同席しないように配慮した。ところが、橋下氏本人はそんなことは気にしておらず、“どうぞ一緒に演台に上がってください”と直接いわれた」

実は、民主党内で地方改革を支援する「日本維新の会」の原口一博・元総務相にも橋下氏サイドから応援依頼があったが、「維新の会に聞くと“政党の応援は受けない”というので行かなかった」(民主党関係者)と、全く同じ構図があった。

やはり長く続いた権力構造は堅固だ。そこに戦いを挑むことがいかに困難かを物語る話だが、逆にいえば、その権力をもってしても有権者の巨大なうねりは抑えられないことも証明された。歴史は確実に変わり始めているのである。


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12:24 from web
注目度が高い大阪ダブル選の投票日。投票率は前回より増。どの候補者を好むかに関係なく投票率が高いことは良いこと。そこで府と市の選管の「投票率」のページにリンクしておく⇒◆ 午前11時現在の投票率は知事選は3ポイント増、市長選は2ポイント増 ⇒http://t.co/5neXlinV
by teramachitomo on Twitter

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 注目度が高い「大阪府知事選」と「大阪市長選」は、今日27日が投票日。
 投票率は、報道によれば午前11時現在で
 知事選が11・97%(前回同時刻比2・17ポイント増)、
 市長選が12・73%(同3・11ポイント増)、   という。

 有権者がどの候補者を好むかにかかわらず、投票率が高いことは良いこと。
 そこで、下記に、大阪府選管と大阪市選管の時間ごとに公表される「投票率」のページにリンクしておく。
 「開票率」のページは、当然ながら開票後にデータが載るもの。リンクはつけておく。

 (関連)  2011年11月14日ブログ ⇒◆大阪市長選告示/「反独裁」か「発信力」か/「維新」対「既成政党」/「都」構想、職員・教育条例案も

2011年11月25日ブログ ⇒ ◆大阪ダブル選挙2011 府知事選&市長選/「ネット選挙」野放し…公選法追いつかず

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●大阪府選管/公式ページにリンク

  ★ 大阪府知事選挙 開票速報

  ★大阪府知事選挙 投票速報



●大阪市選管/公式ページにリンク

  ★お知らせ
投票日当日はこのホームページで開票結果を公開します。


  ★平成23年11月27日 執行 大阪市長選挙における投票状況



●ダブル選、投票始まる=深夜までに大勢判明-大阪
          時事(2011/11/27-09:52)
 橋下徹前知事(42)の辞職に伴う大阪府知事選と、任期満了に伴う大阪市長選の投票が、27日午前始まった。いずれも午後8時に締め切られ、即日開票される。深夜までに大勢が判明する見通しだ。大阪府知事と大阪市長のダブル選が実施されるのは1971年4月以来、40年ぶり。
 午前9時現在の中間投票率は、知事選が2.98%(前回2.05%)、市長選が3.14%(同2.49%)となっている。

●大阪市長、知事選投票始まる 大勢判明は深夜に
          2011/11/27 09:26 【共同通信
 任期満了に伴う大阪市長選、橋下徹前知事(42)の任期途中での辞職に伴う府知事選の「大阪ダブル選」は27日午前7時から、府内1778カ所の投票所で一斉に投票が始まった。即日開票され、大勢判明はいずれも同日深夜になる見通し。

 市長選は無所属で現職の平松邦夫氏(63)と、知事を辞職しくら替え出馬した「大阪維新の会」代表の橋下氏の一騎打ち。知事選には、大阪府の前池田市長倉田薫氏(63)、弁護士梅田章二氏(61)=共産推薦、維新の会幹事長の元府議松井一郎氏(47)ら新人7人が立候補。

 両選挙とも橋下氏が提唱する「大阪都」構想など大都市制度の在り方が最大の争点。

●大阪ダブル選・27日投開票:熱き訴え最終章 府政どうなる、どうする市政 /大阪
          毎日新聞 2011年11月26日 
 知事・大阪市長のダブル選は27日投開票される。知事選には前池田市長、倉田薫氏(63)=民主府連支援、自民府連支持▽弁護士の梅田章二氏(61)=共産推薦▽大阪維新の会幹事長の松井一郎氏(47)--ら7人が立候補。市長選は現職の平松邦夫氏(63)=民主府連支援、自民府連支持=と前知事、橋下徹氏(42)の一騎打ちの構図。知事・同市長のダブル選は1971年以来40年ぶりで、府市再編のあり方などが争点となる。

 ◆知事選
 ◇有力3候補
 倉田氏は「市民、府民が主役の府政に立て直す」と主張。市町村を下支えするのが府の役割と位置づけ、景気浮揚、関空の活性化などを訴える。

 梅田氏は「大阪で独裁政治を許してはならない」と訴え、府民の暮らしの安定を優先課題とし医療・福祉の充実や中小企業支援、防災対策の整備を掲げる。

 松井氏は「大阪都構想を通じて、役所の姿と税金の使い道を変える。大阪から日本を変える」と主張。大阪の経済成長や住民サービスの向上を掲げる。

 ◆市長選
 平松氏は市債残高の減少など1期目の実績を前面に出し「安心安全の街づくりが人を呼びビジネスにつながる」と主張。大阪都構想に対して「大阪市をバラバラにしたら不利益を被るのは市民だ」と訴える。

 橋下氏は「大阪府庁と大阪市役所をつぶして、平成の世に合った新しい形に作り直す」と大阪都構想の実現を訴える。また、公務員制度や教育委員会制度の改革、地下鉄民営化や関西電力に対する株主権行使を掲げる。

    ◇
 投票は午前7時~午後8時。知事選、市長選の選挙人名簿登録者数はそれぞれ712万4577人(9日現在)、213万4060人(12日現在)。

 府選管は25日、知事選に関し「投票率が50%を下回る状況が続いており、棄権することなく、投票されるよう強く期待します」との角野武光委員長声明を発表した。知事選の前回投票率は48・95%。

==============

 ◇知事選立候補者(届け出順)
倉田薫(くらた・かおる) 63 諸新
 [元]池田市長▽市町村長連合と府民の会世話人代表[歴]市職員▽市議▽池田青年会議所理事長▽市議長▽府市長会長▽日本下水道協会長▽全国市長会副会長▽関大客員教授▽関大

中村勝(なかむら・まさる) 60 諸新
 二十一世紀日本維新会代表▽建設会社社長[歴]阪大事務職員▽立命館大

マック赤坂(あかさか) 63 諸新
 スマイル党総裁▽スマイルセラピー協会長[歴]伊藤忠商事社員▽京大

岸田修(きしだ・しゅう) 70 無新
 [元]府職員[歴]府立高校事務長▽関大院

梅田章二(うめだ・しょうじ) 61 無新
 弁護士▽大阪憲法会議幹事長▽日本国際法律家協会関西支部長▽非核の政府を求める大阪の会常任世話人▽日本ベトナム友好協会府連合会会長▽京大=[共]

松井一郎(まつい・いちろう) 47 維新
 党幹事長▽電気工事会社役員▽八尾市体育連盟理事[歴]会社員▽府議秘書▽府議▽自民党府青年局幹事長▽同党府議団政調会長▽大阪維新の会府議団幹事長▽福岡工大

高橋正明(たかはし・まさあき) 69 無新
 不動産賃貸業[歴]中学校教諭▽学習院大

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 ◇大阪市長選立候補者(届け出順)
平松邦夫(ひらまつ・くにお) 63 無現(1)
 [元]アナウンサー▽大阪府市長会顧問▽社団法人全国市有物件災害共済会理事長▽全国市長会相談役▽指定都市市長会市民生活・都市活力部会長[歴]毎日放送北米支局長・役員室長▽同志社大

橋下徹(はしもと・とおる) 42 維新
 [元]大阪府知事▽弁護士▽法律事務所代表▽地域主権戦略会議構成員▽党代表[歴]全国知事会総務常任委員会委員▽財団法人大阪府暴力追放推進センター会長▽関西広域連合国出先機関対策委員長▽早大

●市長選1.7倍、知事選1.6倍 期日前投票者数
        大阪日日 2011年11月27日
 大阪府選挙管理委員会と大阪市選挙管理委員会は26日、府知事選と市長選の25日現在の期日前・不在者投票者数をそれぞれ発表した。期日前と不在者を合わせた投票者数は、市長選が前回の1・7倍、知事選が1・6倍といずれも前回を大きく上回っている。

 知事選の投票者数は51万3151人で前回2008年1月(31万9824人)より19万3327人多かった。市長選は20万388人で前回2007年11月(11万5993人)を8万4395人上回った。

 知事選は全市町村、市長選もすべての区で前回を上回っている。前回知事選の投票率は48・95%、市長選は43・61%だった。

●..大阪ダブル選、期日前投票が大盛況 市長選は7割増大阪知事・市長選の投票率推移
      朝日 2011年11月26日14時18分
 大阪市長、大阪府知事の同日選は27日に投開票される。期日前・不在者投票者数はいずれも大幅に伸び、市長選は前回比7割増、知事選も同6割増となっている。ダブル選は有権者の高い関心を集めており、投票率はいずれも前回を上回る可能性が出てきた。

 市長選の期日前・不在者投票は告示翌日の14日に開始。市選管によると、25日までの投票者数は20万388人で、2007年の前回同時期(11万5993人)の約1.7倍に増え、前回の最終集計(14万6470人)も上回った。

 一方、11日から始まった知事選の期日前・不在者投票者数は、府選管の集計で25日までに51万3151人となり、08年の前回同時期(31万9824人)の約1.6倍。こちらも前回の最終集計(41万59人)をすでに超えている。

●ブル選模様:/中 選挙事務所 より親しみやすく /大阪
 ◇小ステージで演奏会 ガラス扉開けっ放し

         毎日新聞 2011年11月24日
 親しみやすい事務所を目指します--。27日投開票の知事・大阪市長のダブル選では、近づきがたいイメージのある選挙事務所に、気軽に有権者が入ってきてほしいと、各陣営が趣向を凝らしている。

 ある陣営では、スタッフが作業を行う事務室とは別に、ソファを置いたり、舞台を楽しめる小ステージ付きの来客者用スペースを用意。片隅には「大阪のええとこは?」などと記された質問に、自由に書き込めるメッセージボードが置かれている。

 告示後は、そのステージで、アマチュアバンドによる演奏会を開催。司会を落語家が務め、政治学者らが参加したトークセッションも開き、来場者から質問が飛ぶなど盛り上がった。陣営関係者は「用事がなくても、おしゃべりするために来たくなるような雰囲気にしたい」と話す。

 別の陣営では、事務所1階のガラス扉を午前8時から午後8時まで開けて、開放感をアピール。陣営関係者は「誰でも気軽に入ってもらえるようにするには、中がよく見えるようにしておくのがベスト」と話す。【津久井達、堀文彦】

●ダブル選模様:/下 運動方法 訴えにも一工夫 /大阪
 ◇候補“見える”選挙カー 選対ニュース毎日作成

          毎日新聞 2011年11月25日
 27日投開票の知事・大阪市長のダブル選では、各陣営は有権者へのアピールや、支援してくれる議員らへの情報提供の面で、さまざまな工夫を凝らしている。

 ある陣営では、候補者が乗り込む選挙カーがトラック形で、その荷台部分は両側面も後方も全面ガラス窓になっている。繁華街や住宅街を走る際は、候補者がその窓を開け放って通行人らに支援を呼びかけており、アピール度は抜群。「候補者がよく見え、親しみやすい」と好評だという。

 別の陣営は、応援する議員や団体向けに、「選対ニュース」を毎日作成。候補のその日の活動や演説内容、翌日の行動予定などを写真入りで紹介している。担当者が電車などで移動し、各地の演説を取材。原稿執筆から編集作業までを行う。関係者に配られるのは毎日深夜になるが、「頑張って活動しているのが分かった」との声が寄せられ、評判も上々だ。

 新しい運動方法が出ている一方で、やはり候補者が大事にしているのは有権者との握手や対話だ。各地の商店街での練り歩きや、若者と対話する集会などを頻繁に開催。陣営幹部は「双方向で有権者と語り合うことで候補の人柄や考えがより伝わる」と、効果に期待する。【佐藤慶、堀文彦】

●公立と私立“場外戦” 橋下教育改革
        大阪日日 2011年11月25日
 私立高授業料の無償化枠拡大や、高校で公私「7対3」としていた生徒の受け入れ比率撤廃など、橋下徹前知事が先導した大阪府の教育改革をきっかけに、公私間の駆け引きが激しくなっている。募集定員を抑えるなど定員割れを防ぐ方策の応酬が表面化。「公私間の切磋琢磨(せっさたくま)による教育力向上」という本来の狙いから外れた“場外戦”が活発だ。

公私関係者が集まって入試の在り方について議論した大阪教育会議=8月、大阪市中央区の大阪府公館

■公私の主張
 府は本年度から「学校に切磋琢磨してもらい、生徒のニーズに応えてもらう」(橋下徹前知事)ため、独自の私立高授業料無償化枠の拡大や「7対3」枠撤廃を実施。その結果、私立希望者が急増し、公立は府立高132校(全日制)のうち42校が定員割れとなった。

 府教委は、募集定員を大幅に超える合格者を出した一部の私立高を批判。定員より400人以上多く合格させた学校もあり、「調査の結果、大きな問題はなかった」(府私学・大学課)ものの、入学者の急増による教育の質の確保に懸念を示す。

 私立側は、私立と公立の併願者が「どの程度私学に入ってくるか読めず、各校の経営の観点から定員を超える場合はある」事情などを強調。実際、計95校(全日制)の今春の入学者は、46校が定員を超えたが、48校が定員割れだ。

 また府教委は、私立の入試日程が公立よりも早いため「早く進路先を決めたい生徒が私学に流れた」と分析。日程調整について公私間の協議を求めるが、私立側の反発は強い。

■異例の事態
 こうした背景の下、来春の募集定員をめぐって異例の事態が起きた。最終調整に向けた協議で、府教委は今春の実績を踏まえて数を減らし、私立側は前年並みで付き合わせた結果、府内進学予定者数を下回った。

 募集定員を発表する11月に入ってから、府教委が私立側に募集枠拡大を要請。私立側は「もっと早い段階で協議が必要」とくぎを刺し、「生徒が来れば受け入れられる収容可能人数」として後日各校の枠を提示することになった。

 どちらにとっても懸念材料となっているのが「定員割れ」だ。公立側にとっては、橋下前知事率いる大阪維新の会が府議会に提出している教育基本条例案で、3年連続定員割れの府立高は統廃合の検討対象になる点も影響。私立側が募集定員の大幅増に踏み切っていないのも「定員割れは避けたいという思いがある」(私学関係者)からだ。

■ニーズをつかむ
 本来の狙いである「公私間の切磋琢磨」はどうなっているのか。

 中西正人教育長は17日の定例会見で「学校の特色づくりに向けて努力し、それを中学校に伝えることに力が入ってきた」と強調する。しかし、どれだけ来春の結果に反映されるかは不透明だ。

 ただ、教育内容や周知方法の改善によって入学者を増やすことは可能で、私立でもこれまで入学者減少の時代、公務員試験や人生設計を重視したコースを開設するなど、教育内容で生徒のニーズをつかみ、現在根強い人気を誇る学校もある。

 制度変更時の子どもたちが憂き目に遭わないためにも、各校が教育力向上に集中できる枠組みやルールづくりなどについて、公私間の早期の歩み寄りが求められている。

●大阪市長選の投票率12・73%…午前11時
            (2011年11月27日11時37分 読売新聞)
 大阪府知事選と大阪市長選の投票は27日午前7時から行われている。府・市選挙管理委員会によると、午前11時現在の投票率は、知事選が11・97%(前回同時刻比2・17ポイント増)、市長選が12・73%(同3・11ポイント増)となっている。

 午後8時に締め切られ、即日開票される。同日深夜には大勢が判明する見通しだ。知事と市長を同時に選ぶダブル選は40年ぶり。

 市長選は、自民党府連が支持、民主党府連が支援する現職の平松邦夫氏(63)と、前知事で地域政党・大阪維新の会代表の橋下徹氏(42)の一騎打ち。

 知事選は新人7人が争っている。



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07:29 from web
原発事故で、放射性物質が空に上がり、飛んで、山にぶつかって方向を変え、あるいはその一帯に落ちる、当然のことといえば当然だけど、そこまで”普通の動き”をするとは、と改めて驚く。現実は、あまりにも単純だった。図とデータを整理⇒◆文科省発表から⇒http://t.co/FHApGPsz
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 原発事故で、放射性物質が、空に上がり、飛んで、山にぶつかって方向を変え、あるいはその一帯に落ちる、
 当然のことといえば当然だけど、放射性物質がそこまで”普通の汚染物質と同じ動き”をするとは、と改めて驚く。
 もうちょっと、違う動きをして世界中に拡散する方が先、何かそんなイメージがあった。
 それと、もっと上空のその時の風向きによって変わる、とイメージしていた。
 でも、現実は、あまりにも単純だった。
    「放射性物質も、飛んで、ぶつかって、落ちる」

 昨日文科省が発表したデータ。分かりやすい。
 夜のNHKニュースでイラスト図を流していた。 

 昨日の発表の大要は2件。
 1件は、
   「これまでに測定してきた範囲及び愛知県、青森県、石川県、及び福井県内の地表面におけるセシウム沈着量」

 もう1件には、次のコメント・考察がついている。
   測定結果を地形に着目して確認した結果、奥羽山脈、飯豊山脈、越後山脈、下野山地、関東山地に沿って、放射性セシウムが沈着していることが確認された。

 「文部科学省は『山脈で遮られた影響で、放射性セシウムの広がりは一定の範囲にとどまった可能性がある』」(NHK)

 公表された状況の解説は報道にまとまっている。
 詳しく見たい人は下記のリンク先を見て。
 ここでは、全体的なセシウム沈着量の図を記録して、
 次に、山脈で遮られ、方向を変えあるいは落ちたセシウムの図を記録しておく。

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●文部科学省による、愛知県、青森県、石川県、及び
福井県の航空機モニタリングの測定結果について

    平成23年11月25日 発表

文部科学省による愛知県、青森県、石川県、及び福井県の航空機モニタリング(愛知県:本年10 月13 日発表、青森県:本年10 月6 日発表、石川県:本年10 月14 日発表、福井県:本年10 月14 日発表)について本日、測定結果がまとまりましたので、お知らせします。

4.これまでの航空機モニタリングの結果から得られた考察
○これまでの航空機モニタリングの測定結果は、東日本全域(1 都21 県)について面的に放射線の影響を測定してきた結果であり、これまでの各地域における空間線量率や放射性セシウムの沈着量の分布状況について確認することができた。なお、本測定により、これまでに詳細な測定結果が存在していなかった、東日本における天然核種の影響も確認することができた。

○また、これまでの航空機モニタリングの測定結果を地形に着目して確認した結果、奥羽山脈、飯豊山脈、越後山脈、下野山地、関東山地に沿って、放射性セシウムが沈着していることが確認された。(参考5 参照)

○以上より、本結果は、被ばく線量評価、除染対策、放射性プルームの状況の検証、地表面への沈着経路の解明、及び今後の放射性物質の沈着量の経時変化の確認などに活用されることが期待される。


22ページ目(参考2) ●文部科学省がこれまでに測定してきた範囲(11月11日改訂版)及び
愛知県、青森県、石川県、及び福井県内の地表面におけるセシウム134、137の沈着量の合計



26ページ目(参考5) ●航空機モニタリングで測定された放射性セシウムの沈着量と地形の関係
○奥羽山脈、飯豊山脈、越後山脈、下野山地、関東山地等の地形に沿って、放射性セシウムが沈着している傾向が確認されている。







●放射性セシウム“山脈に沿い降る”
           NHK 11月25日 17時56分
東京電力福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性セシウムは、奥羽山脈や越後山脈など、山脈の地形に沿う形で地表に降り積もっていることが、文部科学省が行った航空機モニタリングの調査から分かりました。

事故で放出された放射性セシウムは、長期にわたって環境に影響を及ぼすことから、文部科学省が汚染状況をヘリコプターを使って上空から調べています。

これまでに青森県から愛知県にかけての22の都県の汚染状況を色分けした地図がまとまり、文部科学省が公表しました。それによりますと、福島第一原発から北西方向と一部南側に放射性セシウムの濃度が極めて高い1平方メートル当たり100万ベクレルを超える赤や黄色の地域が広がり、その広がりの外側に、北側は福島と宮城の県境まで、西側から南側は福島から栃木、群馬にかけて帯状に1平方メートル当たり3万ベクレルを超える高い濃度の青色の地域が伸びていました。

これを地形との関係で見ると、奥羽山脈や越後山脈など山脈に沿って放射性セシウムが地表に降り積もっており、北西方向に広がったルートでは、放射性物質を含む雲が奥羽山脈に当たったあと、風向きの変化とともに群馬と長野の県境にある関東山地まで山沿いに流れていったとみられます。

文部科学省は「山脈で遮られた影響で、放射性セシウムの広がりは一定の範囲にとどまった可能性がある」として、年明け以降、西日本や北海道についても調査を行い、汚染状況の全体像を把握するとともに、今後、除染対策や被ばく評価などに生かすことにしています。



●山沿いにセシウム蓄積 汚染地図を公表
            中日 2011年11月26日 02時23分
 福島第1原発事故で飛散した放射性セシウムの汚染状況を調べている文部科学省は25日、関東地方と福島県周辺の航空機モニタリングの測定結果を、立体的に表した汚染マップを公表した。山地に沿って蓄積量が多い状況があらためて浮かび上がった。

 また、文科省は同日、愛知、石川、福井、青森の4県の航空機モニタリング結果を公表。放射性のセシウム137と134は4県全域で最少レベルの1平方メートル当たり1万ベクレル以下だった。西日本や北海道は、さらに汚染は小さいとみられるが、文科省は確認のために航空機モニタリングを進める予定だ。

 この日で公表は東北、関東、中部、北陸地方の計22都県になった。放射性セシウムは奥羽山脈、越後山脈、関東山地などの高地にせき止められる形で分布。福島県と関東北部の山地に沿った平野や斜面に、汚染度のやや高い地域が連なっている。

(中日新聞)

●3ルートで拡散、山で止まる=セシウム沈着、岩手から長野-文科省
           時事 (2011/11/25-17:33)
 東京電力福島第1原発事故で、文部科学省は25日、新たに青森、石川、福井、愛知の4県で航空機モニタリング調査を行った結果、放射性セシウム(134、137)の地表への沈着は確認できなかったと発表した。これで青森から愛知まで1都21県の調査が完了。セシウムの沈着は岩手県南部から群馬・長野県境付近で確認されており、同省は来年3月末を目標に北海道や西日本でも調査を行う。
 これまでの調査で、福島第1原発から放出されたセシウムは風に運ばれて主に3ルートで拡散し、雨で沈着したことが判明した。中心の第1ルートは、まず北西に流れてから南西に向きを変え、群馬・長野県境付近までを汚染。第2ルートは原発から南へ流れ、いったん太平洋上に出て茨城県南部・千葉県北部に戻って霞ケ浦周辺を汚染。第3ルートは原発から北上して太平洋上を経て、岩手県南部や宮城県北部を汚染したと推定される。
 福島第1原発から各方向を見ると、セシウムの拡散は山脈・山地で止まっていた。北西は奥羽山脈、西は越後山脈、南西は上信越から軽井沢付近の山地の手前で雨が降り、沈着したと考えられる。

●西日本でもセシウム検出 文科省、汚染地図作製へ
           朝日 2011年11月26日1時37分
3~6月のセシウム134と137の降下物積算値
 東京電力福島第一原発の事故で大気中に放出された放射性物質が日本全土に降り注いだことが、25日に発表された文部科学省の調査で裏づけられた。第一原発から約1700キロも離れた沖縄県を含む45都道府県でセシウムが観測された。半減期が2年と短いセシウム134が全地域で見つかっていることから、文科省は「第一原発事故からの降下物」と判断している。

 事故前はほとんどの地域で検出されていなかった。しかし、微量でも西日本で見つかったことで、文科省は東日本で進めた土壌汚染マップ作製を西日本についても実施し、人体に影響ないレベルであることを確かめる方針も明らかにした。

 今回の調査は容器にたまったちりを測定した4カ月分の積算値。宮城県、福島県は東日本大震災で計測器が壊れるなどで測れなかった。放射性セシウム134と137の積算値が最も高かったのは茨城県の1平方メートルあたり4万801ベクレル。山形県2万2570ベクレル、東京都1万7354ベクレルと続いた。茨城県で測定している現時点の放射線量は毎時0.14マイクロシーベルトほどで年間では約1ミリになる。

 東京は放射能を帯びたちりが多く降ったが、別の調査では土壌のセシウムの蓄積量は比較的低い値が出ている。文科省は「東京は他県に比べて土壌が少ない一方で、沈着しにくい道路やコンクリートに落ちて風や雨で流されて拡散したためではないか」と説明する。

 第一原発から離れた中国や九州地方では格段に少なく、積算値の最低は熊本県の0.378ベクレルだった。



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09:18 from web
国の仕分けのことで、毎日そのことを見ていたこのブログ。その間に、大阪のダブル選挙は終盤になった。情勢調査なども見てみた。ふむふむと思った記事を記録⇒◆大阪ダブル選挙2011 府知事選&市長選/「ネット選挙」野放し…公選法追いつかず⇒http://t.co/2CEMgnRT
by teramachitomo on Twitter

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 国の仕分けのことで、毎日そのことを見ていたこのブログ。
 その間に、大阪のダブル選挙、大阪市長と大阪府知事の選挙が終盤になった。

 大阪市長選挙がどうなるか、大阪府と市が一体化するか、そのあたりがもっとも気になるところ。
 情勢調査とかも見てみた。

 中でも、もっともふむふむと思った記事を、ブログ末に記録。
 「・・・・だからと言って、無批判に事態の推移を見ていていいとは思わない。橋下氏よりも後の世代になった時に、本当の独裁者となりうる人物が現れないとも限らない。その時に独裁体制に移りやすいシステムが構築されている事態は避けなければならない。そういった意味では、『何かしてくれそうだからついていく』『どんどんシステムを変えてもらってかまわない』と、近視眼的にすべて任せるやり方をとらず、ひとつひとつ吟味しながら票を投じなければならない、という思いが強く湧いてくる。」
(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 - 12011/11/9 11:11)

 それから、選挙の専門のWebページである「ザ選挙」は「大阪ダブル選挙2011 府知事選&市長選」という特設ページもできている。
 そこの中の「立候補者一覧」では、候補者のHPやブログ、ツイッターにもリンクしている。
 編集長の高橋氏のコメントを下記に引用し、リンクしておく。

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 ●ザ選挙 | 選挙と政治の総合サイト
      ザ選挙  トップページ
 ★大阪ダブル選挙2011 府知事選&市長選

11月27日、大阪では府知事選挙と市長選挙が同時に行われます。『ザ選挙』では、市長選を中心に府知事選の動きも紹介しながら、この選挙の意味するものを考えます。


立候補者一覧

選挙解説
大阪以外から見ると、圧倒的に「橋下優位」と思われがちですが、独自調査によると意外と差がないことがわかります。平松市長もメディア出身者でトークには定評があるので、有権者へのアピールで大きく差がつくことは無さそうです。では、なぜ橋下氏の支持がそれほど伸びていないのか。
それは「大阪都構想」がまだ大阪市民に浸透していないのが理由です。その他、橋下氏に対する反発も多少はあるようです。逆に言うと、「大阪都構想」が多くの市民に理解されれば橋下氏が差を付けることになります。また、一部週刊誌による執拗なバッシングも橋下氏に優位に動くことが予想されます。
平松氏は民主・自民が両方とも支持しており、選挙戦術的には優位に見えますが、自民党は府連と国会議員の間でまだ調整が取れておらず、平松氏の政策が民主・自民の利害を考慮したものになる可能性もあり、相乗り候補の弊害が予想されます。
 ・・・・・・(略)・・・
(2011.10.30 『ザ選挙』編集長 高橋茂)


●大阪ダブル選、「ネット選挙」野放し…公選法追いつかず
          読売 (2011年11月22日 読売新聞)
 激戦の大阪ダブル選(27日投開票)で、インターネットに候補者の政見放送や街頭演説の様子が流出するなど、公職選挙法で想定していなかった事態が起きている。候補者がネット利用を控えても、陣営関係者が個人演説会の予定を書き込む例も。法整備が遅れるなか、じわじわと「ネット選挙」が進みつつある。

 「知事をやってほしい」「説得力がある」――。

 大阪府知事選の告示後、候補者7人の政見放送が動画サイトに投稿され、閲覧者の書き込みが相次ぐ。ある候補者の映像はネット上で話題を呼び、アクセス数が30万件を超えた。

 現行の公選法では、テレビの政見放送は1人5回と定められている。告示後に配布できる「文書図画」はビラやはがき、マニフェスト(公約)に限られ、ネットによる選挙運動は一切禁じられている。

 こうした状況について、府選管も「法律に照らせば違法」と認めつつも、「投稿者の特定は難しい」として野放し状態だ。ネット上では、大阪市長選の候補者の街頭演説の様子も複数投稿されている。

 ネット利用を自粛する候補者に代わり、議員らが発信する例も見られる。

 「○日○時より△△の個人演説会を実施します」

 ある大阪市議は、応援する候補者の演説会の予定を自身のホームページで告知。市選管は「特定候補への投票を呼びかける選挙運動にあたるとみなされれば、公選法違反」としているが、有権者が演説の感想などをネット上でつぶやくことは、選挙運動と見なされない限り摘発は難しく、線引きはあいまいだという。

 ネット選挙の実情に詳しい松原聡・東洋大教授(経済政策)は「与野党ともネット選挙の解禁で一致しているのに、政局の混乱で法改正が見送られ、現実とのズレが鮮明になっている。違法状態が続くのは政治の怠慢だ。ルール作りを急いでほしい」と話している。

●【ダブル選ライブ】「大阪市が狙われている」平松氏、夜のミナミで訴え
        産経 2011.11.22 21:25
 大阪市長選に立候補している現職の平松邦夫氏(63)は22日夜、大阪府知事選候補者の倉田薫氏(63)とともに、大阪・ミナミの南海難波駅前で街頭演説し、仕事帰りのサラリーマンらに訴えかけた。連合大阪の川口清一会長も駆けつけ、両候補について「着実に実績を積んできた」と評価。「本当に大阪の将来を託せる人を選んでほしい」と力を込めた。

 午後7時前、川口氏からマイクを受け取った平松氏は、大阪市の再編を伴う大阪都構想を掲げるライバルの前知事、橋下徹氏(43)を意識し、「皆さんの大阪市が狙われている」とアピール。街頭犯罪を減らした1期目の実績を挙げて「安心、安全の街に着実に近づいたことで、ええ値打ちが出てきたと思われている。この大阪の未来を、実態の見えない大阪都に託していいのでしょうか」と強い口調で呼びかけた。

 川口氏が駆けつけたこともあってか、聴衆には労働組合関係者の姿も目立った。ある男性は、橋下氏について「注目を集めるのがうまいだけで、中身がない」と批判していた。

●ダブル選 本社情勢・世論調査 
      朝日 2011年11月22日
 27日投開票の知事・大阪市長のダブル選を前に、朝日新聞社が19、20両日に実施した府内、大阪市内の有権者に対する電話調査で、各候補の支持層の違いが浮かび上がった。同時に実施した世論調査では、大阪都構想への賛否や、市長選に立候補している前知事の橋下徹氏の政治手法の評価について、世代間で異なる傾向があることも分かった。

 ●大阪市長選
 大阪市長選で、橋下氏は無党派層の支持が厚く、維新の会支持層もほぼ固めている。事務・技術者層や製造・サービス従事者層、主婦層などから幅広く支持を集めている。

 一方、平松邦夫氏は民主、自民支持層を橋下氏と分け合っている。年代別では70歳以上の6割近くから支持を集めており、4割程度にとどまる橋下氏を上回っている。

 ●知事選
 知事選では、松井一郎氏は30代の支持が他の候補より高く、倉田薫氏は20代の支持が高い。40代、50代、60代と70歳以上の支持は松井、倉田両氏が接近している。

 職業別では、松井氏が製造・サービス従事者層、自営業者層で倉田氏らに差をつけている。一方、倉田氏は事務・技術職層、その他・無職層で松井氏らを上回っている。

 市長選の候補者擁立を取りやめた共産の推薦を受ける梅田章二氏は、府北部、南部に比べて大阪市内で苦戦している。その他の4候補はいずれも苦しい。

 ●大阪都構想の賛否
 橋下氏、松井氏が争点に掲げる大阪都構想の賛否は、知事選の有権者は賛成37%、反対27%。市長選の有権者は賛成35%、反対23%。いずれも賛成が上回ったが3割台にとどまった。

 年代別では、いずれも30代の賛成が最も多く、5割近くを占めた。市長選調査では、70歳以上で反対が3割を超え、2割強の賛成を上回った。

 ●橋下氏の政治手法
 知事選の有権者に橋下氏の政治手法の評価を尋ねたところ、「評価する」は54%、「評価しない」が24%。30代は「評価する」が7割に達したが、70歳以上は4割程度にとどまり、「評価しない」が3割を超えた。

 支持政党別に見ると、民主支持層、自民支持層、無党派層でそれぞれ半数程度が「評価する」と答えたが、民主、自民各支持層では「評価しない」も3割を超えた。無党派層の「評価しない」は全体とほぼ同じ2割強だった。

 ●選挙の関心度
 「今回の選挙に大いに関心がある」と答えた大阪市長選の有権者は57%。2007年市長選(28%)の約2倍に増えた。

 年代別では50代以上で「大いに関心」が6割を超えた。また、大阪維新の会を含む各政党の支持層は「大いに関心」が7割に達したが、無党派層は5割程度と関心度に差があった。

 知事選の有権者は「大いに関心」が47%。08年知事選(38%)や04年知事選(28%)より高いが、無党派層の「大いに関心」は4割にとどまった。また、男性は55%が「大いに関心」と回答したが、女性は40%で、男女差が見られた。

 ◎調査方法 
 19、20の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、大阪市長選は市内、知事選は府内の別の有権者を対象に調査した。世帯用の電話と判明した番号と、有効回答、回答率はそれぞれ、市長選が1275件、938人、74%。知事選は1430件、1020人、71%。投票態度を明らかにしていない人が市長選で3割、知事選で5割おり、情勢が変わる可能性もある。

●大阪市長選橋下氏圧勝なのか 各紙「情勢調査」の裏読み
       j-cast 11/21 18:51
大阪ダブル選の世論調査と取材を総合した各紙の「情勢調査」が出そろった。大阪市長選をみると、朝日、毎日、読売の3大一般紙が、橋下徹・前府知事のリードを伝える一方、共同通信などは「大接戦」と報じている。

大阪市長選に立候補したのは、現職の平松邦夫氏と橋下氏の2人だけだ。投開票は2011年11月27日に迫っている。果たして現状は、「橋下氏リード」か「大接戦」なのか。

朝毎読など「橋下氏リード」が多数
どうなる大阪市長選。
11月21日付朝刊に載った情勢調査では、朝日「橋下氏が一歩リード」、毎日「橋下氏がリード」、読売「橋下氏が先行」と、3大一般紙がそろい踏みで橋下氏優位を伝えた。約450~約940人の大阪市内の有権者から回答を得た結果だ。

平松氏に関する表現をみると、毎日と読売が「(平松氏が)追う」、朝日は「懸命に追う」となっている。

ほかにも、記事からは大阪市内の有権者から得た回答数は不明だが、日経新聞(21日付)が「橋下氏が一歩リード」、時事通信(20日配信)は「橋下氏がやや先行」と伝えた。

「やや」とか「一歩」とか不鮮明な表現が並ぶのは、公職選挙法が禁じている「人気投票の公表禁止」にあたる可能性を避けるため、告示以降は「●●氏に投票すると答えた人は●%」といった「全体の生数字」は表に出さず、「取材結果も総合した」形にしているためだ。「生数字」は、「社外秘」扱いにする社もある。

参考で、読売新聞の過去の情勢調査記事と比べてみる。11年春の統一地方選で、いずれも現職の「圧勝」で終わった東京都と北海道の両知事選の際(投票約1週間前)の表現をみると、「石原(都知事)が頭一つ抜け出ている」、「高橋(道知事)が大きく先行」となっていた。

今回の市長選では、読売は「橋下氏が先行」としている。「頭一つ」「大きく」といった表現が欠けた形になっている。

「橋下氏リードは僅か3ポイント」?
一方、共同通信(20日付掲載用配信)は「大接戦を繰り広げている」と伝えた。名前の出てくる順番は「橋下氏と平松氏」と橋下氏の方が先になっている。

ちなみに届け出順は平松氏の方が先だ。ある全国紙OBによると、「少しでもポイントが上の候補の名前を先に記事に登場させるのが普通」だそうだ。

産経新聞も20日付朝刊で「橋下氏と平松氏が激しく競り合う」と分析した。

週刊誌はどうか。週刊現代が今週号(12月3日号)で、「橋下徹 本誌調査ではやっぱり『圧勝』なのだが」との見だしで報じている。

「大阪の繁華街で大阪市民100人」にきいたところ、橋下氏が「ダブルスコア」だった、と具体的な数字を示して紹介している。

一方で、「不安材料」も挙げた。たとえば、「大阪維新の会の関係者」の話として、維新の会メンバーが行った調査では「橋下のリードは僅か3ポイント差」しかなかったとしている。

他にも、橋下氏の支持率が高い若年層や無党派層は一般的に投票率が低いことや、投開票日に雨が降るなどして投票率が低くなれば「(橋下氏にとって)致命的」との「橋下陣営幹部」の声にも触れている。陣営内に「橋下氏の人気の上滑り」を警戒する声があるというわけだ。

大阪市長選の期日前投票(告示翌日から7日間)をした人は、07年の前回市長選のときより約8割増となり、関心の高さをうかがわせている。


●クローズアップ2011:大阪ダブル選・公約比較 主張の違い、くっきり
            毎日新聞 2011年11月24日 
 大阪府知事・大阪市長のダブル選は、27日の投開票に向けて終盤戦を迎えた。選挙戦では、最大の争点である「大阪都構想」の是非を巡り、有力5氏の考え方の違いが鮮明になっている。また、教育への政治関与を打ち出した教育基本条例案については、賛否が真っ二つに分かれる。市長選候補を中心に、公約や考え方を比較した。【小林慎、林由紀子、津久井達】

 ◆都構想
 ◇二重行政、連携VS再編
 「大阪維新の会」が掲げる都構想は、府と大阪、堺両市を解体し、「都」と「特別自治区」に再編する。都が政令市の主要な権限を吸収して広域行政を担い、特別自治区は住民サービスに特化する。

 人口267万人の大阪市の場合、人口30万人規模の8~9の特別自治区に分割される。公選区長や区議会を置き、教育委員会や児童相談所も独自に設置する。維新は2015年度の都制移行を掲げ、市長選で代表の橋下徹氏(42)、知事選で幹事長の松井一郎氏(47)が訴えている。

 これに対し、民主、自民の両党大阪府連が支援する市長選候補の現職、平松邦夫氏(63)と、知事選候補の前同府池田市長、倉田薫氏(63)は、府と市町村の連携や話し合いによって二重行政などの問題を解決しようという考え方だ。

 知事選候補の弁護士、梅田章二氏(61)=共産推薦=は都構想反対を明確にしている。

 平松氏は、都構想を「市の権限と財源をむしり取るもの」と批判し、対案として、府と市町村が連携する「大阪版広域連合(都市連合)構想」を掲げる。また、京都、神戸、堺の3政令市を中心に府外の自治体とも水平連携し、経済や観光、防災など共通する課題に取り組む考えも示す。

 区政については、住民代表に区の予算編成に関わってもらう仕組みを示した。ただ、予算編成権は「市の一体性を確保する」として、市が保持する方針だ。

 一方、橋下氏は、現在は知事と市長がそれぞれ持っている権限を一本化することが都構想の最大のメリットだと説明。都知事が統一的な経済成長戦略を描くことにより、「大阪市という枠を越えて、(府内)880万人で世界の大都市と勝負する」と意気込む。府と市が別々に運営する水道事業など、二重行政の解消にもつながると強調する。

 また、「大阪市役所は巨大過ぎて住民の声が届いていない」と批判し、特別自治区に予算編成権を与えて区政に民意を反映させるとしている。

 ◆教育基本条例
 ◇現場重視VS首長主導
 教育基本条例案は、首長が教育目標を設定、目標実現の責務を果たさない教育委員の罷免や、君が代起立斉唱を想定し職務命令違反の教員の分限免職を規定。3年連続定員割れの府立高校の統廃合、学力テストの学校別結果公表なども盛り込む。

 大阪維新の会が府議会と大阪市議会に提案し、市議会では否決された。堺市議会にも近く提案する。維新公認の橋下、松井両氏は条例案の成立を掲げ、平松、倉田、梅田の3氏は反対している。

 平松氏は「子どもに社会人としての適応力を身に着けさせ、次の世代につないでいくのが公教育の役目。トップが変わる度に方針も変わるのか。子どもはモルモットではない」と訴える。

 大阪市教委は今年3月、今後10年間の教育振興基本計画を作成した。その中で基本的な考え方とした「ええとこのばそ」は、平松氏の教育観でもある。定員割れの府立高校の統廃合などに対し、「効率性ばかりが追求され、子どもの姿が見えない。現場がギスギスするだけだ」と批判を強める。

 倉田氏は「自分の思いを実現してもらえる教育委員を任命することで十分」、梅田氏は「政治が教育に介入すべきでないという基本原則を破っている」と訴える。

 教育関係者の間でも賛否が分かれる同条例案。15日夜、JR天王寺駅前では、橋下氏の街頭演説直前に反対を唱えるビラがまかれた。

 選挙戦で同条例案に触れる場面があまりなかった橋下氏。ビラのことを知ると、約400人の聴衆を前に、20分にわたり条例案の必要性を強調。「(現場の抵抗は)狙い通りだ。ダメな教員には去ってもらう。これで皆さんの賛同が得られれば、教育現場に突きつける」と訴えた。松井氏も「教育現場に民意が届くようにする」と主張している。

 ◆自治体の役割
 ◇住民の裏方VS都市経営者
 平松、橋下両氏の違いが鮮明に表れているのは、自治体の役割についての考え方だ。平松氏が、地域住民のまちづくりを行政が裏方として支える「寄り添う市役所」を掲げるのに対し、橋下氏は経営感覚を前面に出した「稼ぐ大阪都」を目指す。人口減少社会、低成長時代を迎え、自治体モデルとしてどちらがふさわしいかが問われている。

 平松氏は、市が地域振興会(町内会)や社会福祉協議会、NPO、企業などと連携する「市民協働」の継続を掲げる。1期目の代表的な活動が街頭犯罪の防止だ。住民と防犯パトロールに取り組み、防犯カメラも増設。ひったくり発生件数は昨年、政令市ワースト1位を返上した。

 平松氏は「主役は地域住民。自治体の使命は自治・共助の取り組みを支援することだ」と主張。市営地下鉄は当面、公営企業として存続させ、病院や大学なども市の施設として維持する。

 橋下氏は「公務員が行う必要がない部門は民間に開放する」として、市営地下鉄を民営化し、上水道・病院・大学は独立行政法人などに一体経営させる方針だ。職員数を現在の約3割に当たる1万2000人以上削減し、徹底的なスリム化を図る。

 また、「大都市のトップは経営者でなければならない」と主張。大阪市内と関西国際空港を結ぶ「関空リニア」、阪神圏の高速道路の料金体系を一元化する「ハイウェイ・オーソリティ構想」など、都市基盤整備に力点を置き、実質成長率年平均2%以上を目指す。

 ◇大阪府知事選立候補者(届け出順)
倉田薫(くらた・かおる)   63 [元]池田市長=諸新
中村勝(なかむら・まさる)  60 政治団体代表=諸新
マック赤坂(あかさか)    63 政治団体代表=諸新
岸田修(きしだ・しゅう)   70 [元]大阪府職員=無新
梅田章二(うめだ・しょうじ) 61 弁護士=無新[共]
松井一郎(まつい・いちろう) 47 [元]府議=維新
高橋正明(たかはし・まさあき)69 不動産賃貸業=無新

 ◇大阪市長選立候補者(届け出順)
平松邦夫(ひらまつ・くにお) 63 [元]民放アナ=無現(1)
橋下徹(はしもと・とおる)  42 [元]大阪府知事=維新

●選挙:大阪ダブル選 市長選、橋下氏支持者に「都構想」浸透 教育基本条例も
      毎日新聞 2011年11月21日
 27日投開票の大阪府知事・大阪市長のダブル選は大阪を二分する激戦が続いている。毎日新聞とMBSの世論調査では、大阪維新の会が掲げる「大阪都構想」と「教育基本条例案」について、賛成が反対を大幅に上回った。情勢では、大阪維新の会が公認する橋下徹氏(42)と松井一郎氏(47)が維新支持層をほぼ固めているのに対し、民主、自民が支援する平松邦夫氏(63)と倉田薫氏(63)は両党支持層を固め切っておらず、終盤戦が焦点となりそうだ。【高山祐】

 維新の掲げる「大阪都構想」は、府と大阪、堺両市を解体して「都」と「特別自治区」に再編。大阪市は8~9の区に分割し、中核市並みの権限を持たせる。

 都構想の賛否をみると、知事選では、賛成派が51%と、反対派のほぼ2倍に上った。市長選の年代別では20代で賛成派が63%を占めた。

 都構想の賛否は、市長選、知事選ともに投票先と連動する傾向が浮き彫りになった。市長選で橋下氏に投票するとした人のうち、都構想について「賛成」「どちらかといえば賛成」は計73%だった。これに対し、平松氏に投票するとした人では、「反対」「どちらかといえば反対」が計64%を占めた。知事選でも、松井氏を支持する人の88%が賛成派、倉田氏を支持する人の51%が反対派だった。

 維新は、知事が教育目標を設定するなど、教育への政治介入を明確にした教育基本条例案も公約に掲げる。同条例案について「賛成」「どちらかといえば賛成」は、橋下氏を支持する人の計63%に上ったのに対し、平松氏は計18%にとどまった。知事選でも松井氏を支持する人は計77%、倉田氏は計29%だった。

 市長選の支持政党別で、同条例案の賛成派は維新、自民、民主、公明の各支持層で反対派を上回った。共産支持層は反対派が賛成派の倍以上を占めた。

 市長選で、橋下氏は20代の8割、30代の6割と、若い世代を中心に60代までの各年代で平松氏を上回った。平松氏は、40~70代以上の中高年層で4割の支持を集めた。

 40年ぶりのダブル選となった今回、市長選の投票に「既に行った」「必ず行く」と答えた人が計75%、知事選では計71%に上り、関心の高さをうかがわせた。

==============
 ◇調査の方法
 19、20日の2日間、コンピューターで無作為に作成した電話番号にかけるRDS法で実施。大阪府知事選、大阪市長選とも750人を目標に、府知事選は766人から、市長選は844人から回答を得た。

●震災がれき受け入れ、橋下氏「○」平松氏「×」
      (2011年11月23日08時57分 読売新聞)
 27日投開票の大阪市長選に立候補している現職の平松邦夫氏(63)と前大阪府知事の橋下徹氏(42)が22日、毎日放送のラジオ番組収録で討論し、東日本大震災で発生したがれきの受け入れについて、平松氏は「(放射線の)安全基準がなく、現時点では受け入れられない」、橋下氏は「安全性を確認した上で、原則受け入れる」と表明した。

 理由について、平松氏は「市には埋める場所がない。焼却灰を海洋に投棄する国の基準もない」と説明。橋下氏は「嫌だと言えば東北地方はどうなるのか。大丈夫なものは受けざるを得ない」と語った。

ダブル選挙近づく大阪―「都構想」で儲かって活性化するのか
   ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 - 12011/11/9 11:11.
きょうのWSJ日本版「金井啓子のメディア・ウオッチ」より
大阪府知事選と大阪市長選のダブル選挙が予定される11月27日まで半月余り。

市長選には、地域政党「大阪維新の会」を率いる橋下徹氏が知事職を辞して出馬を表明した。共産党推薦で出馬予定だった渡司考一氏が立候補断念を発表し、現職の平松邦夫市長と橋下氏の一騎打ちとなった。筆者が住む大阪は日に日に選挙の話題で盛り上がっている。告示日を過ぎれば、街はさらににぎやかになるだろう。

Bloomberg
橋下徹氏(8月)当コラムで書こうとしているのは選挙の行方ではない。それより、橋下氏が唱える「大阪都構想」や「独裁」について考えたい。

今回のダブル選挙は、橋下氏が3年9カ月務めた知事をやめてまで市長選に出ることや、知事の後釜に大阪維新の会の候補を据えることで両自治体のトップの座を手中に入れて自分のビジョンを実現しようとしていることで、注目を集めている。

この動きは大阪独特のものと捉える向きも多いかも知れないが、そうではない。選挙結果如何では、国内の地方自治の仕組みが大きく変わるきっかけとなる可能性があるのだ。

これまでの大阪の選挙報道などは、関西のローカル番組や全国紙の近畿版でのみ扱われることが多かった。だが、最近は取材現場に東京など関西以外の記者が目立つ。先日橋下氏が出席した公開討論会を筆者がのぞいてみると、北海道の新聞社からも記者が来ていた。単に大阪が盛り上がっているからではなく、自治体のあり方が今後どうなるのかという普遍的な問題をはらんでいると受け止めているから、とのことだった。

橋下氏が、市長選出馬の目玉として掲げているのが「大阪都構想」。これは、行政の無駄を削って業務の効率化を図るため、あるいは大阪の景気を浮揚するために大阪府、大阪市、堺市を再編統合する構想だと説明されている。「中身がよくわからない」と発言するマスコミや識者はことごとく、橋下氏に「勉強不足だ」とバッサリ斬り捨てられてしまう。筆者にもわからない部分が多い。それでも何とか見えてきたのは、「大阪都構想は結局のところ大型公共投資をやるのが主目的なのではないか」ということだ。大阪都構想に盛り込まれているのがカジノ開設、湾岸開発、交通インフラ整備であるのを見れば、その推測もあながちはずれではない。

ただ、「今どきなぜ大型公共投資なのか」という疑問も消えない。世界的な景気低迷の中、欧州財政危機も深刻化しているのが現状だ。そんな中で、本当に企業が大阪に来るのか。海外からカジノのために観光客が来るのか。

府と市の財布をひとつにすれば無駄がなくなり、大きくて効果的な投資ができるという考え方が根幹にあるのだろう。だが、それで本当に大阪が活性化するのかという点に関する詳しい分析がなされていないように感じる。「人、モノ、金を大阪に集めたい。そうすれば儲かって大阪が活性化する」という古典的なやり方が今さら通用するのか、きちんとした見通しを知りたい。

もうひとつ気になっているのが「独裁」。「政治には独裁が必要」との趣旨の橋下発言には一部の人が、特に否定的に反応している。過去に本当の独裁者になった人の中には、最初は民主的な選挙から選ばれた人もいたことを考え合わせ、橋下氏にそういった危険な匂いがあると懸念するのだろう。

橋下氏がいま本当の意味での独裁を目指しているとは思えない。府と市の2トップを大阪維新の会で占め、強いリーダーシップで公約を実行することを、比喩的に「独裁」と語ったのではないかと筆者は考えている。これほど警戒される中で、本当の意味での独裁を彼がやろうと真剣に企んでもうまくいかないことぐらい、彼は十分にわかっているのではないだろうか。

だからと言って、無批判に事態の推移を見ていていいとは思わない。橋下氏よりも後の世代になった時に、本当の独裁者となりうる人物が現れないとも限らない。その時に独裁体制に移りやすいシステムが構築されている事態は避けなければならない。そういった意味では、「何かしてくれそうだからついていく」「どんどんシステムを変えてもらってかまわない」と、近視眼的にすべて任せるやり方をとらず、ひとつひとつ吟味しながら票を投じなければならない、という思いが強く湧いてくる。
関連記事:橋下大阪府知事、秋のダブル選で「改革」さらに推進か

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10:08 from web
政府の行政刷新会議は23日に「提言型政策仕分け」が終わった。年金の減額とか、生活保護の在り方の議論もされた。ただ、議論の中身の方向性は、「小泉改革」のころと同じように映る。「政権交代で登場した民主党」というイメージがなくなっていく⇒http://t.co/kglIA4nJ
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 政府の行政刷新会議は23日に「提言型政策仕分け」が終わった。
 年金の減額とか、生活保護の在り方の議論もされた。 
 理屈や言い分はあるのだろうけど、
 
   「本来より高い年金支給の特例水準を2012年度から速やかに解消し、減額すべきだ」と提言。

 議論の中身の方向性は、「小泉改革」のころと同じように映る。
 「政権交代で登場した民主党」というイメージがなくなっていく。
 
 年金については、財務省は特例により累計約7兆円の「もらい過ぎ」が生じたと指摘。
 小宮山洋子厚生労働相は12年度から3年間かけて実現する意向を表明。

 もちろん、「年金減額には受給者のほか与党内からも反発が予想され、実施には不確実な要素も残っている。」
 その他も何となく後味の悪さが残る。

 そこで、「仕分けの評価」をする記事なども記録した。

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●提言型政策仕分け詳細と結果速報 - 2011年11月23日 水曜日
    提言型政策仕分け詳細と結果速報 - 2011年11月23日 水曜日

●提言型政策仕分け:年金、来年度から給付減 物価スライド反映、仕分け受け厚労相
          毎日新聞 2011年11月24日 
 政府の行政刷新会議(議長・野田佳彦首相)は23日、「提言型政策仕分け」の最終日の作業を行った。年金分野では、本来より高い「特例水準」での給付が続いていることへの批判が続出。「12年度から速やかに解消すべきだ」と提言した。仕分けに参加した小宮山洋子厚生労働相は記者団に、12年度から3年間で引き下げに取り組む考えを表明した。

 公的年金には、物価変動に応じて給付水準を増減する「物価スライド」の仕組みがある。しかし、政府は「高齢者に配慮する」として、00~02年度の物価下落(計1・7%)に伴う引き下げを見送った。その後も物価の低迷が続き、特例水準による上乗せは11年度で2・5%に拡大している。

 財務省は仕分けで「特例水準で膨らんだ給付額の累計約7兆円は、意図せざるもらいすぎ」と説明。現役世代の負担感を軽くし、年金制度の持続可能性を維持する必要があるとして、仕分け人9人全員が、本来の水準に戻すよう主張した。小宮山発言通り3年間で本来の水準に戻す場合、国民年金を満額(月約6万6000円)受け取る人で月600円程度の減額となる。ただ、給付減に対しては「年金生活者への影響が大きい」との意見が民主党内にあり、調整は難航しそうだ。

 生活保護については、医療費を全額公費負担する医療扶助に議論が集中。自治体が費用を直接、医療機関に払う仕組みを見直し、受給者による一部立て替え払いを導入するなどの検討を提言した。

 20~23日の仕分けの対象は、原子力政策、農業など10分野。高速増殖原型炉「もんじゅ」開発計画の抜本見直しや、通信事業者に入札で周波数を割り当てる「オークション制度」の導入などを提言した。【石川隆宣、光田宗義】

●年金特例解消の提言 調整難航も
          NHK 11月24日 4時11分
政府の行政刷新会議は、23日、過去の特例措置で本来より高くなっている年金の支給水準を、来年度から引き下げるべきだなどとする提言をまとめましたが、でに受け取っている人の年金を減額することになるだけに、民主党内には慎重な意見も根強く、調整は難航することも予想されます。

 政府の行政刷新会議による「政策仕分け」は、23日、物価の変動などに合わせて調整される年金の支給水準が、過去の特例措置の影響で、本来より2.5%高いままになっていることについて、「払い過ぎた額は累積で7兆円にも上り、若い世代の年金額に影響を与えてしまう」といった指摘も踏まえ、来年度から支給水準を引き下げるべきだなどとする提言をまとめました。

 特例水準を解消すると、基礎年金を満額で月額およそ6万6000円受給している人で月に1600円程度、夫婦2人分の標準的な額であるおよそ23万円の厚生年金を受給している場合、月に5700円程度減額されることになります。提言を受けて、厚生労働省は、特例水準の解消に向けて、今後、社会保障審議会の部会で検討するとともに、与党側とも調整することにしています。

 しかし、22日に開かれた民主党の会合で特例水準の解消を求める声が出た一方、「消費税率の引き上げとともに負担を求めることはできない」といった意見が出されるなど、党内には慎重な意見も根強く、調整は難航することも予想されます。

●来年度から年金減額 /政策仕分け提言
      共同 2011年11月23日
政府の行政刷新会議は23日の「提言型政策仕分け」で、年金制度に関し、本来より高い年金支給の特例水準を2012年度から速やかに解消し、減額すべきだと提言した。

財務省は特例により累計約7兆円の「もらい過ぎ」が生じたと指摘。
提言を受け小宮山洋子厚生労働相は12年度から3年間かけて実現する意向を記者団に表明した。ただ年金減額には受給者のほか与党内からも反発が予想され、実施には不確実な要素も残っている。

●仕分け人「社会保障サービスの重点化を」- 提言型政策仕分け、最終日
         ( 2011年11月24日 08:04 キャリアブレイン )
 政府の行政刷新会議(議長=野田佳彦首相)は23日、「提言型政策仕分け」の最終日を迎え、「持続可能な社会保障制度の在り方」について議論した。評価の結果、厳しい財政事情に配慮し、「社会保障サービスの重点化」のほか、制度改革のスピード感や、政策効果の検証を随時行うことなどを求めた。同日は小宮山洋子厚生労働相も出席した。

 この日の議論に先立ち小宮山厚労相が、政府・与党の社会保障・税の一体改革成案を基に厚労省で取りまとめた「社会保障改革で目指す将来像」について説明した。

 議論では、現在の厳しい財政の中で、国民にどのような社会保障サービスを提供できるかが主なテーマになった。これを受けて仕分け人の総意として、「限られた資源の中で、同じ負担をするのであれば、国民のニーズに合ったサービスに重点化し、同じ効果があるのであれば、より国民の負担の少ない方法を選択するなど、メリハリをつけた無駄のない制度を追求し続けること」と要望した。

 民間仕分け人の土居丈朗氏(慶大教授)は「2012年度は同時改定。診療報酬と介護報酬が有機的に連携し、質を落とさずに医療・介護給付を節約できるようにしてほしい」と述べた。参考人として出席した井伊雅子氏(一橋大大学院教授)は、小宮山厚労相に対し、「政権交代に関係なく、今後10年間のやるべき社会保障制度改革の道筋を示していただきたい」として、長期的な視点を持った改革に期待を寄せた。

●クローズアップ2011:提言型政策仕分け 識者の話
         毎日新聞 2011年11月24日 
 ◇正統性がない--新藤宗幸・東京市政調査会研究担当常務理事(元千葉大教授・行政学)の話
 年金制度や原子力政策、生活保護といった国の根幹に関わる問題を、政治的正統性のない政策仕分けで扱うのは、場違いな印象だ。正統性がないため、テーマによっては抽象的であいまいな提言にならざるを得ない部分がある。重要政策は、内閣が結論を出して、国会で議論するというのが筋だ。今回の仕分けによる提言が実効性を持つとは思えない。

 ◇可視化は進展--市川真一・クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジストの話
 タブー視されてきたテーマを公開の場での議論で可視化し、「何が問題か」を政府と国民が共有したのは大きな進展だ。実現可能性への批判が多いが、大事なのは説明責任で、100%実現することに意味があるのではない。仕分けの結果、「なぜできないのか」「いつまでにやるのか」について政府が明確に説明するようになれば、政治と国民との距離は縮まるだろう。

●クローズアップ2011:提言型政策仕分け 税と社会保障、改革へ露払い
        毎日新聞 2011年11月24日 
 政府の行政刷新会議は20~23日の4日間にわたる「提言型政策仕分け」の議論を終了した。野田佳彦首相は社会保障をはじめ、これまで民主党政権が切り込めなかった分野の提言を、「税と社会保障の一体改革」など国論が割れる重要政策の突破口にしようと狙う。しかし「国民が見ていることが最大の拘束力」(首相)という政策仕分けの先行きには不透明感もつきまとう。

 提言型政策仕分けでの社会保障制度に関する議論は、抑制を基調にしながらも、低所得者に対する給付充実にも目配りするなど政府・与党の「税と社会保障の一体改革案」に歩調を合わせる内容となった。一体改革による給付抑制には、民主党や関係団体から反発が出ていることから、公開の場での仕分けで「改革の正当性」を訴え、党内論議の「露払い」にしたいとの思惑も透けて見える。

 「『給付拡充一辺倒、リップサービスばかり言ってられないよ』と与党内、さらに野党と話し合う際も、この精神を貫いてほしい」。23日の議論で仕分け人の土居丈朗慶応大教授がエールを送ると、吉良州司衆院議員は「政治が決断すればできることが多かった」と「反省の弁」を述べた。

 社会保障給付費は100兆円に達し、その約7割は年金や医療・介護といった高齢者向け。
 一方、非正規雇用者の増加や格差拡大、少子化などの問題に直面する現役世代の負担能力は限界に近づいている。そこで一体改革案は、低所得者や若い世代向けを中心に3・8兆円分の充実を図る方針を打ち出した。ただ、消費税率を5%引き上げても、そのうち4%分は基礎年金の財源や社会保障費の自然増の穴埋めに回され、充実には1%分(約2・6兆円)しか使えない。そこで、医療や介護の負担見直しなどで1・2兆円を捻出することにした。

 仕分けでは、この方針に沿った議論が目立った。小宮山洋子厚生労働相が表明した年金の特例水準解消のほか40~64歳の介護保険料の負担割合を所得に応じて決める方式に変更▽市販の類似品がある薬の患者負担引き上げ--などの提言は一体改革と同じ内容だ。

 だが、民主党内では負担増への警戒感が広がっている。22日の党年金ワーキングチーム(WT)では「(負担増案を)今決めたら、次の選挙で自民党に利用されるだけ」など国民に痛みを強いることへの批判の声が上がった。医療・介護WTでも、70~74歳の病院窓口での自己負担引き上げに反対姿勢を示している。

 蓮舫行政刷新担当相は「社会保障を取り上げたのは一体改革をサポートするため」と語っているものの仕分けが党内の異論を抑える援軍になる保証はない。【鈴木直、山田夢留】

 ◇閣議決定なく実効性課題
 政策仕分けに先立って野田佳彦首相は、10月中旬、原子力と社会保障の「2本柱」を政策仕分けで取り上げるよう蓮舫行政刷新担当相らに指示した。首相の悲願である税と社会保障の一体改革に加え、国民の関心が高い原子力分野でも歳出削減・行財政改革の成果を見せ、今後の増税による負担増への批判に備える狙いだった。

 首相と足並みをそろえる財務省も、半ば聖域だった社会保障などに切り込む構えで仕分けに臨んだ。

 「負担が将来世代に先送りされている」。23日の仕分けでは、財務省の担当者が年金の特例水準を「もらいすぎ」と指摘。仕分け人が「特例の速やかな解消」と提言に盛り込むことにつながった。22日の提言でも診療報酬の「据え置きまたは減額」を勝ち取り、同省が「何とか風穴を開けたい」(幹部)テーマで一定の成果を上げた。

 しかし、具体的な方向性を示せずに終わったテーマも多かった。地方交付税をめぐっては、地方公務員給与の削減などの議論が深まらず「自立を促す」などの一般論止まり。原子力政策では、高速増殖原型炉「もんじゅ」の「存廃も含めた抜本見直し」としたが、検討は政府のエネルギー・環境会議の議論に持ち越された。民主党の政権公約である農家への戸別所得補償は「与野党協議の対象で仕分けになじまない」と聖域扱いされた。

 さらに今後、仕分け提言を具体的な政策にどう反映させるかという宿題も残っている。政府は過去の事業仕分けと同様、閣議決定などは行わない方針で、提言は法的拘束力がない「言いっぱなし」になる恐れもある。首相は22日に仕分け会場を視察後、「(政策仕分けは)私が名付け親。政府全体で(提言の)方向性の実現を図りたい」と述べ、蓮舫氏も「首相が指示を出す」と力説した。安住淳財務相は過去の事業仕分け結果で手つかずの案件についても12年度予算編成で厳しく対応し、首相を支える構えだ。

 しかし「痛み」を伴う提言に業界団体や自治体の反発が強まれば、政府・与党内の議論が難航するのは必至。既に消費増税をめぐる駆け引きが始まった民主党、さらに仕分けに「パフォーマンスだ」などと批判を強める野党との協議の糸口も見いだせていない。「方向性の実現を図る」首相の決意が問われている。【坂井隆之、赤間清広、中島和哉】

●“仕分け人”蓮舫のトホホな実像…財務省に洗脳された情けない女性
              zakzak 2011.11.22
 ★鈴木哲夫の核心リポート

 蓮舫行政刷新相が差配する「提言型政策仕分け」が20日から始まっている。初日の「原子力・エネルギー分野」を皮切りに、4日間で計10分野25項目が取り上げられる。ただ、2年前の清新なイメージはほぼ皆無で、「単なる政治ショーだ」と冷めた意見も。狡猾な財務官僚に籠絡され、洗脳されてしまった蓮舫氏の実像に、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が迫った。

 この人のパフォーマンスには、ある意味、「そこまでやるのか」と頭が下がる。10月19日、自民党の河野太郎衆院議員のパーティーが都内で開かれ、蓮舫氏が現れた。

 野党議員のパーティーに、現職閣僚が駆け付けるのは異例。会場はざわついたが、蓮舫氏がマイクを握った途端、真意が分かった。

 「河野さんは河野さんの立場で、無駄の洗い出しに頑張っていただきたい。私も頑張ります」

 河野氏は、自民党の「無駄撲滅プロジェクト」で先頭に立ち、容赦ない事業仕分けをやっていた。

 「11月再開の事業仕分け前に『一緒に頑張りましょう』と余裕のエールを送り、『仕分けの女王』ぶりを見せに来た。『仕分けをしっかりやりますよ』とアピールするためだったんだろう」(自民党中堅議員)

 蓮舫氏の持ち味は「舌鋒鋭く相手を論破すること」だが、野田佳彦政権は低空飛行でも大過なく過ごし、政権に居座ろうとしている。蓮舫氏もそれに従って、おとなしくしてきたが、事業仕分けを前に自己PRに舵を切ったのだ。

 経産省OBは話す。

 「今回の提言型事業仕分けは、完全に『仕組まれているなぁ』と思いました。増税をするには、とにかく無駄撲滅を一生懸命やっているというアリバイが必要。やっても意味のない内容でした。要するに単なるパフォーマンスですよ」

 これまでの仕分けは、事業を1つひとつ検証して「予算付けが適正だったか」を検証してきた。だが、野田首相は「仕分けを深化させる」と政策自体を検証する役目にシフトした。そこには、ある狙いが潜む。冒頭のOBが続ける。

 「野田首相や財務省は『消費税増税』に猛進しているが、党内や世論の抵抗が強い。無駄撲滅のポーズをしなければならないが、これまでと同様では『これだけの削減額か』と批判が生じる。ならば、政策仕分けにしようということだ」

 こうした意図は、議論の中身を見れば明白。原子力行政や社会保障などについて、会議の結論は、政策そのものを「抜本的に見直すべきだ」のオンパレードだった。

 「抜本的に見直す-という言葉は、審議会などの常套句。霞が関言語では『何もやらない』という意味と同じ。確かに『やったフリ』といえる」(現役官僚)


 そして、この会議が、いまだに何の強制力もないことも大問題だ。

 「民主党が最初に掲げた予算編成は、国家戦略が鳥の目で国の形を描き、予算の大枠を定める。そして、行政刷新が虫の目で、底辺から無駄を徹底的に暴く。両者の意をくんで、首相と財務相が予算編成する。つまり、財務省主導の予算編成を政治主導にするものだった」(鳩山政権時代の官邸スタッフ)

 ところが、野田首相は消極的だという。

 「財務省はあくまでも予算編成を主導するため、この仕組みに抵抗している。野田首相は財務省と一心同体。仕組みを作る法案をたなざらしにしたまま行くつもりだろう」(同スタッフ)

 財務省は、菅直人前首相、野田首相という歴代財務相を取り込み、事業仕分けを無意味なものにしようと介入してきた。

 「菅政権時代、仕分けのテーブルに乗せる事業を選んだのは財務官僚。削減されても影響がないものをメニューにした。今回も、行政刷新会議の事務局長は旧大蔵省OB。勝栄二郎財務次官と相談しておぜん立てした」(現官邸スタッフ)

 こうした財務省に対し、蓮舫氏は怒鳴り込んでもいいはずだが、完全に財務省色に染まっているという。

 「勝次官が、野田首相から人事の相談を受け、蓮舫氏の秘書官に部下の財務省課長クラスを送り込んでいる。そもそも、行政刷新は財務省と敵対して、切り込むところ。それが、財務省から秘書官が来ているのだから滅茶苦茶な話。しかも、蓮舫氏は、ボスの野田首相と同じく財務省ベッタリ。洗脳されて、秘書官を頼り切っているというから、情けない」(同スタッフ)

 無駄を削減するために徹底的に議論しました。政策も提言しました。さあ、次は増税です-。

 そんな野田・財務省ラインのシナリオに使われた政策仕分け。そのお先棒を担いだ蓮舫氏。「仕分けの女王」の名を即刻返上してもらいたい。

 ■すずき・てつお 1958年生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部などを経て、現在、日本BS放送報道局長。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「汚れ役」(講談社)など。

●「仕分け」自体を仕分けしろ!・・・蓮舫大臣の失業対策
    BLOGOS ブロゴス /2011年11月23日14時39分
     江田憲司
今日まで四日間、「提言型政策仕分け」という、またまた、わけのわからない「政治ショー」「パフォーマンス」が繰り広げられた。野田首相が命名者だそうだ。

 こんな、何ら法的位置付けもない行政刷新会議が行う、その結論について、各省庁への勧告権限もない、「最大限尊重」という閣議決定もない、いわば「たわごと」のようなものを行う意味がどこにあるのだろうか?以前は、第二臨調や地方分権に関わる報告も、私が携わった中央省庁再編のための行革会議の報告も、ちゃんと閣議決定で「政府として最大限尊重する」という決定をしている。その本気度が違うのだ。

 これまで3回の「事業仕分け」をみても、朝霞の公務員宿舎やスーパー堤防、ジョブカード等にみられるように、予算編成段階でことごとくくつがえされ続けてきた。その事実を知っている国民からすれば、期待しろという方が無理だろう。いくら今度は「どじょう宰相現る」といっても、「柳の下にどじょうは四匹もいない」のだ。

 特に今回は、個別の「事務や事業の予算」ではなく「制度」「政策」ものということで、官邸内、政府内での権限をめぐる衝突がより一層懸念される。なぜなら、既に、そうした制度や政策を論議する場は別にあり、そちらの方がよほど本格的だからだ。

 本来、「社会保障」とか「科学技術」といった大きな課題とその方向づけは、自民党政権時代でいえば「経済財政諮問会議」、民主党政権下では「国家戦略室(局)」等で腰を落ち着けてじっくり検討すべき対象だろう。こんな四日間、一政策あたり数時間程度の「やっつけ仕事」でできるものではない。
 
 特に、「社会保障」や、その一部である生活保護の問題は、現在、政府与党の「社会保障と税の一体改革調査会」で、消費増税を見据えた議論が本格化しており、こうした「仕分け」が意味を有するとは思えない。

 もう、こんな、わざわざ池袋のサンシャインシティーの会場を、高い税金払って借りてやるパフォーマンスはやめにして、行政刷新会議のある役所の建物内で、毎日、地道に、これまでの「事務事業の仕分け」のフォローアップをしっかりやって、少しでもムダ遣いの解消につとめていくべきではないのか。本当にこの「仕分け」自体がムダだ、「仕分け」自体を仕分けしろ!と言いたい。

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07:38 from web
昨日の政府の仕分け。公共事業は「現状では持続可能性がない。新規投資は厳しく抑制」「選択と集中をより厳格に」とした。いずれにしても、この結論がどう反映されるかがカギ。総理は「閣僚に指示したい」⇒◆仕分けも最終日/先発医薬品の価格引き下げを⇒http://t.co/2oScr4mQ
by teramachitomo on Twitter

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 昨日の政府の仕分け。
 「中長期的な公共事業のあり方」に関しては、「現状では持続可能性がない。新規投資は厳しく抑制」「選択と集中をより厳格に」「民間資金の一層の活用を図る」とした。
 いずれにしても、この結論がどう反映されるかがカギ。

 昨日の会議を視察した野田総理は、
  「特に予算編成などでしっかりと反映をしていくということを改めて私は各閣僚に指示をしたい」と述べたという。
 国民としては、そこに期待するしかない。

 頭の体操のためにも、一通りの報道などを見ておいた。
 ともかく、今日は「提言型政策仕分け」の最終日になる。

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●提言型政策仕分け詳細と結果速報 - 2011年11月22日 火曜日
    ホーム提言型政策仕分け詳細と結果速報 - 2011年11月22日 火曜日

●A4-1 : 公共事業:中長期的な公共事業のあり方
評価結果概要 :
(論点①②)
公共事業について、現状では持続可能性がない。新規投資は厳しく抑制していき、選択と集中の考え方をより厳格に進めるべき。また、民間資金の一層の活用を図るべき。この前提として、公共投資の全体像について一層の説明責任を果たすべき。

(論点③)
既存ストックの維持管理・更新については、民間資金の一層の活用を図るとともに、重点化や長寿命化を図りつつ、見通しを立てた計画的な更新を行うべき。

●A4-2 : 公共事業:災害に強い国土づくり
評価結果概要 :
(論点①)
防災の取組は、なお不十分である。国は自治体への「技術的な支援」を一層強化するべき。また、国と自治体との検討の場を設けるなど、相互連携を進める中で、既存施策にとらわれない新たなソフト施策を検討していくべき。

(論点②)
(災害に強い国土づくりの議論にあっても、港湾事業については、)平時における事業効果や、「選択と集中」の考え方を踏まえて取り組むべき。

●B5-2 : 社会保障:医療サービスの機能強化と効率化・重点化
評価結果概要 :
国民・地域のニーズを具体的に把握して、診療報酬の改定を行うべき。その中で、勤務医と開業医、また診療科目間について、リスクや勤務時間に応じて報酬配分を大胆に見直す。また、医師不足改善のため、勤務医と開業医とのアンバランスや地域別・診療科別の医師不足の状況を踏まえて、メリハリの利いた診療報酬改定を早急に行うべき。また、中長期的には、開業医と勤務医の収入をバランスさせることを目指し、開業医・勤務医の平準化を進める。
また、医療サービスの価格全体の前提となる診療報酬本体(医師の人件費等)については、「据え置く」6名、「抑制」3名という意見があったことを重く受け止めて対応されたい。
加えて、中長期的な検討課題として提案された地域・診療科目間の偏在の解消など、医師不足の問題に対応する医療供給体制の在り方について、社会保障審議会で検討の上、行政刷新会議に報告されたい。
また、診療報酬の加算が効果的に待遇改善につながるよう、勤務条件が厳しい診療科を中心に待遇改善につながる条件付けを行うべき。

●B5-3 : 社会保障:後発医薬品の使用促進など薬の有効な使用策
評価結果概要 :
先発品の薬価は後発医薬品(ジェネリック)の薬価を目指して大幅に引き下げ、医療費の支出と国民の負担を最小限にすべき。併せて、先発品薬価と後発品薬価の差額の一部を自己負担とすることについて検討すべき。加えて、医師・薬剤師から主な先発品・後発品のリストを患者に提示する義務を課すことについても検討すべき。後発医薬品の推進のロードマップを作成し、行政刷新会議に報告すること。
ビタミン剤など市販品類似薬については、自己負担割合の引き上げを試行するべき。さらに、一部医療保険の対象から外すことについても検討すること。

●B5-4 : 社会保障:介護サービスの機能強化と効率化・重点化
評価結果概要 :
現役並みの所得がある者については、世代内の公平な支え合いの観点、医療保険とのバランスを考慮し、負担割合を見直すべき。あわせて、65歳以上の低所得者に対する保険料軽減策を強化すべき。また、軽度の対象者に対する生活支援については、自立を促す観点で保険給付のあり方を見直すべき。その際、重度化を予防する他の有効な手段の拡充についても合わせて検討すること。介護サービスについては、基本的には、施設中心から住宅介護中心に移行すべき。そのために、介護保険サービスとしっかり連携した良質な高齢者住宅を普及させるべき。
介護職員の処遇改善については、一時的な交付金よりも、介護報酬の中で対応すべき。あわせて、事業者の内部留保がある場合にはその活用を行うべき。これに関し、事業者の内部留保のデータやそれが適切な水準であるかどうかについて、介護報酬改定前までに行政刷新会議に報告すること。なお、処遇改善のために介護報酬を加算する場合には、現に処遇改善につながる仕組みを整備すること。
サラリーマン(40~64歳)の介護保険料については、世代内の公平な支え合いの観点から、所得に応じた拠出(総報酬割)を医療保険と同様にまずは一部導入すべき。
さらに今後、高齢者の介護保険料を軽減し、所得に応じた拠出(総報酬割)を全部導入することについて検討すべき。
・・


 今日23日のの仕分け
  
 ●提言型政策仕分けラテ欄 - 2011年11月23日 水曜日

 ★提言型政策仕分け詳細と結果速報 - 2011年11月23日 水曜日
 11月23日(水・祝)分の資料を掲載しました。


●総理が政策仕分けに乗り込み 実効性に疑問受け
           テレ朝 (11/22 18:14)

 野田総理大臣:「国民の皆さんの前で議論したこと出てきた方向性は政府がしっかり受け止めて、特に予算編成などでしっかりと反映をしていくということを改めて私は各閣僚に指示をしたい」

 また、仕分けの実効性に疑問符が打たれていることについて、「最大の拘束力は国民が見ていることだ」と強調しました。


3日目の22日は社会保障政策がテーマで、仕分け人からは「高齢者と若い世代の間で受け取る額に不公平がある」といった声や、「今は医療費増大戒厳令が必要な時」との指摘が出ました。医療費削減の手段として、通常の薬の値段を後発のジェネリック薬品のレベルまで下げることなどが提言されました。

●新規投資、厳しく抑制を=公共事業で要請―政策仕分け
            朝日 2011年11月22日14時6分
 政府の行政刷新会議(議長・野田佳彦首相)は22日午前、「提言型政策仕分け」の3日目の作業に入った。
 中長期的な公共事業の在り方では、新規投資を厳しく抑制し、「選択と集中」を進めるよう要請。老朽化が課題の既存インフラに関しては、定期的な補修・更新作業を通じて長持ちさせたり、費用を圧縮したりするよう努め、計画的に更新することを求めた。 
[時事通信社]

●選択と集中を厳格に 公共事業で仕分け
          中国 '11/11/22
 政府の行政刷新会議は22日午前の「提言型政策仕分け」で、中長期的な公共事業について「新規投資は厳しく抑制し、選択と集中の考え方を厳格に進めるべきだ」と提言した。既存の社会資本の維持管理や更新についても民間資金を一層活用し計画的に進めるよう求めた。
 社会保障分野では医療サービスの在り方を議論した。

 国土交通省は既存の社会資本の維持管理や更新が2037年度には難しくなる状況を説明。仕分け人からは「新規投資に対し否定的ではないが、高度成長期には何も考えずにつくったものが多い」との指摘が出た。

 社会保障は最終日の23日と2日かけて持続可能な医療、介護、年金制度、雇用について検討する。仕分け人は負担と給付の世代間バランスが欠けていると指摘し「負担増の前に給付を抑制できないかと思っている若い世代のために、この場で議論する意味がある」と強調した。

 社会保障と税の一体改革で消費税増税に向け作業を進める中、どれだけ社会保障に切り込めるかが焦点だ。

 この日の仕分けに先立ち、蓮舫行政刷新担当相は記者会見で「社会保障は国民の関心がとても高い。生活にどう反映されるか議論を通じて一緒に考えてほしい」と述べた。

 社会保障は午後にはジェネリック医薬品(後発薬)の利用促進や介護サービスの効率化を、公共事業では災害に強い国土づくりをテーマとする。

●提言型政策仕分け:診療報酬、本体部分「据え置き」 厚労相主張と対立
           毎日新聞 2011年11月23日
 政府の行政刷新会議は22日、重要政策をめぐる「提言型政策仕分け」の3日目の作業を行った。医療分野では、来年度の診療報酬改定で手術料など本体部分について仕分け人9人のうち6人が「据え置き」を求め、3人が「引き下げ」を主張。厚生労働省に「重く受け止めて対応を」と求めた。

 診療報酬は本体と薬価からなる。前回10年度改定では本体1・55%増に対して薬価は1・36%減で全体は0・19%増だった。薬価の市場価格は下がっており、今回も前回と同程度のマイナス幅が見込まれる。「本体据え置き」は事実上、マイナス改定となり、プラス改定を目指す小宮山洋子厚労相の主張と対立する内容となった。

 一方、医師不足の改善のため、労働条件の厳しい病院の勤務医と開業医のバランスを考えた報酬改定も要求。厚労省は前回改定から勤務医に厚く配分する方針を明確にしている。ただ、提言は中長期的課題として「勤務医と開業医の収入のバランスを目指しつつ平準化を進める」とも求めたが、開業医の多い日本医師会の強い抵抗が予想される。

 介護分野では、現役並み所得の高齢者の負担増を求めたほか、軽度者の在宅生活を支える生活支援の見直し、40~64歳の保険料の負担割合を所得に応じて決める「総報酬割り」の導入といった負担増も提言。介護職員の待遇改善では「介護報酬で対応すべきだ」として、現在の交付金方式の廃止を求めた。交付金継続には年間1900億円がかかる。介護報酬で対応すると国費は500億円で済むが、利用者の負担増につながるため、民主党内には反対意見が根強い。

 公共事業分野では「中長期的な公共事業のあり方」を議論。国の財政事情が厳しい中、老朽化した道路や橋などの社会資本の維持管理・更新費用が今後、急増する見通しであるため、仕分け人全員が現在の公共事業は「持続可能性がない」と判定。「新規投資は厳しく抑制し、『選択と集中』の考え方をより厳格に進める」ことを要請した。【三島健二、中島和哉、光田宗義】

●仕分け 医師の人件費など議論
         NHK 11月22日 19時49分
政府の行政刷新会議による「政策仕分け」は、22日から社会保障制度についての議論に入り、来年度改定される診療報酬のうち、医師の人件費などに当たる本体部分について、仕分け人から、据え置きや引き下げを訴える意見が相次ぎ、来月の改定率の決定を前に、厚生労働省にも、これを重く受け止めて対応するよう求める提言をまとめました。

3日目を迎えた行政刷新会議の「政策仕分け」は、22日から社会保障制度の検証作業に入り、医療機関に支払われる診療報酬などを巡って議論しました。診療報酬は2年ごとに見直されますが、来年度は、介護報酬と合わせた同時の改定となります。厚生労働省は「前回の改定で診療報酬を引き上げたことで、多くの医療機関から効果があったという声が出ているが、まだ改善は必要だ」と説明しました。

これに対して財務省は、診療報酬を1%引き上げると医療費がおよそ3600億円増加すると指摘したうえで、「デフレや、民間企業の賃金の状況を踏まえれば、医師の人件費などに当たる診療報酬の本体部分の引き上げは国民の理解を得られない」と主張しました。また、仕分け人からも「この10年間で、国民の所得は10%近く下がっている一方、医師全体の収入は増えている。診療報酬が増え続けるのは問題だ」などという意見が出されました。

そして、診療報酬のうち、医師の人件費などに当たる本体部分について、9人の仕分け人のうち6人が「据え置くべき」としたほか、「引き下げるべき」が3人で、「引き上げるべき」という意見は出されず、来月の改定率の決定を前に、厚生労働省にも、これを重く受け止めて対応するよう求める提言をまとめました。

さらに、病院へ診療報酬を配分する際には、勤務医の処遇を改善することを条件にすべきだという提言も取りまとめました。

また、価格の安い「後発医薬品」について、仕分け人からは「利用率が目標に届いておらず、患者に理解を求める取り組みが足りない」とか、「医療費の抑制を目指すなか、効果も安全性も同じなら、価格が安いものを使うのが当然だ」などという意見が出されました。そして、先発医薬品の価格を後発医薬品の価格に近づけるよう、大幅に引き下げるとともに、差額の一部を自己負担とすることを検討すべきだとする提言をまとめました。

また、医師や薬剤師から、先発医薬品と後発医薬品のリストを患者に提示する義務を課すことができないか、検討すべきだという提言も、併せて取りまとめました。

●「提言型政策仕分け」3日目 「開業医と勤務医の収入を平準化すべき」との提言
         FNN 11/22 20:1>
 政府の行政刷新会議による「提言型政策仕分け」の3日目の議論が行われ、医師不足を改善する方策に関連し、「開業医と勤務医の収入を平準化すべき」との提言がまとめられた。

仕分け人・民主党の玉木議員は「同じお医者さんなのに、なんでそもそも診療方針が違うんですか」と述べた。

また、民間仕分け人は「実態把握はちゃんとできているんですかということだと思うんですよ。診療報酬改定にかかる実態調査にしても、サンプリング数があまりにも少ない」と述べた。

これに対し、説明人・厚労省の担当者は「今のご意見は今後、中医協で反映させていただきたい」と述べた。
民間仕分け人から「なぜこんなにスピード感がないのかというところを先ほどから議論されているんだと思うんです」との意見も出た。

議論では、救急外来や産婦人科の勤務医は負担が多いにもかかわらず、開業医に比べて給与が低く離職率が高いため、医師不足につながっている問題が取り上げられた。

また、この中では外科や内科の開業医の年収が平均1,900万円であるのに対し、眼科が3,500万円であるなど、診療科目ごとの収入格差や、医師の数が偏っている実態も指摘された。

22日の議論では結果として、「勤務医と開業医、診療科目間での報酬配分を大胆に見直す」との提言がまとめられた。
また、後発医薬品の使用促進をめぐる議論も行われ、「先発品薬価は後発品薬価を目指して大幅に引き下げるべき」とする提言や、「後発品リストの患者への提示義務付けを検討する」との提言もまとめられた。

一方、22日午後、仕分け会場を視察した野田首相は、提言の実現に向け、議論の内容を予算措置に反映させると強調した。
野田首相は「最大の拘束力は、国民の皆さんが見ているということ。これは最大の拘束力ではないでしょうか。この国民の皆さんの前で議論したこと、出てきた方向性は、政府がしっかり受け止めて、特に予算編成にしっかりと反映していくということはあらためて私は各閣僚には指示をしたいと思います」と述べた。

●先発薬の自己負担も、刷新会議 社会保障で仕分け
        2011/11/22 20:08 【共同通信】
 政府の行政刷新会議は22日の「提言型政策仕分け」で、ジェネリック医薬品(後発薬)の利用促進について「先発品の薬価は後発薬を目指して大幅に引き下げ、国民の医療費負担を最小限にすべきだ」と提言した。

 災害に強い国土づくりでは、国は自治体への技術的支援を強化し、協議の場を設けるなど相互連携を進めるよう求めた。

 薬価をめぐっては「先発薬と後発薬の差額の一部を自己負担することも検討すべきだ」とも指摘。先発品の価格引き下げが国民の負担減につながるのに加え、後発薬よりも高価な先発薬を使用する患者が差額を負担すれば、その分、医療費の増大を抑制できる。

●先発医薬品の価格引き下げを提言
            TBS(22日18:23)


 政府の行政刷新会議は、「提言型政策仕分け」で医療費の削減のため、後発医薬品=ジェネリックが存在する薬について、価格を大幅に引き下げるよう提言を行いました。

 「特許が切れて、全く同じ効能があり、そしてそれが安全だということで厚生労働省も認めたものの、先発品と後発品、同じものの値段がなぜ違うのか」(仕分け人)

 「安定供給と情報提供面では残念ながら差があって、それが実勢価格の差に反映されているのではないか」(厚生労働省)

 「持続可能な医療」をテーマに行われた議論では、仕分け人から厚生労働省は後発医薬品=ジェネリックの普及推進を十分に行っていないという意見が相次ぎました。

 医療費削減の手段としては、「先発医薬品の価格をジェネリックの薬価を目指して大幅に引き下げ、国民の医療費の支出負担を最小限にすべき」と提言しました。そのうえで、厚生労働省に対して、ジェネリック推進についてのロードマップを作成し、行政刷新会議に報告するよう求めています。

●【社説】政策仕分け 無駄削る仕組み確立を
             中日 2011年11月23日
 政府の行政刷新会議が「提言型政策仕分け」を行っている。主要政策の問題点を洗い出し、改善の方向性を示すとしているが、提言には強制力がなく、無駄を確実に削る仕組みづくりが必要だ。

 行政刷新会議が行う仕分けは四回目だ。「廃止」「凍結」「予算縮減」などを判断した過去三回の仕分けとは異なり、政策や制度の在り方に踏み込んで見直しの方向性を提言するのが特徴だという。

 仕分けは二十三日まで。初日の二十日には福島第一原発事故を受けて原子力・エネルギー分野が対象となり、高速増殖原型炉「もんじゅ」存廃を含む計画の抜本的見直しが提言された。

 仕分けは一般に公開され、インターネットでも中継される。多くの国民の眼前で主要政策の是非が議論されることは評価したいが、これで十分とは言えない。

 蓮舫行政刷新担当相は冒頭「結果は首相のもとで取りまとめ、政府一体で進めたい」と述べたものの、これまでの仕分けをみると、骨抜きとなる例が相次いでいる。

 例えば、二〇〇九年の事業仕分けで凍結とされた埼玉県朝霞市の公務員宿舎建設は昨年、財務省が事業再開を決め、工事が再開された(現在は再び凍結)。

 同じく〇九年の仕分けで研究開発予算が百十億円削られた次世代スーパーコンピューターは、毎年の運営費が四十億円増えた。

 ほとぼりが冷めたころに予算を復活させたり、別の費目で計上するのは、官僚の常とう手段だ。

 こうしたことが頻発するのは仕分け結果に法的拘束力がないからにほかならない。いくら華々しくやり玉に挙げても、実際に予算が削減されなければ意味がない。

 この点、政府の仕分けに刺激され、衆院決算行政監視委員会で十六、十七両日行われた「国会版事業仕分け」に注目したい。

 国会版では公務員宿舎や、原子力施設の検査を担う独立行政法人の予算縮減を求める意見が多数を占めた。政府に見直しの勧告や決議を出すかどうかは今後、理事会で判断するが、政府の仕分けと異なる点は、国会版の決定は法律に基づく権限を持つことだ。

 もし、政府が仕分け結果を無視する予算を提出したら、否決したり、修正を求めることもできる。

 この際、会計検査院や行政評価局を巻き込み、行政の無駄を確実に削る仕組みを、国会主導でつくってはどうか。税金の無駄遣いに目を光らせ、事業の要不要を判断するのは立法府の役割だ。



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