厚木基地騒音訴訟で、高裁が自衛隊機の夜間の飛行停止を命じた。損害賠償も、過去分はもちろん、将来分についても支払えと認めた、という明確な判決。
だから要点を確認するためにいくつか調べてみた。
特に次。時事通信は、
★《米軍空母艦載機が17年ごろに岩国基地(山口県)に移転することが見込まれるとして、差し止め期限を16年末に定めた。》
★《将来分の賠償を認めた理由について「騒音は約40年にわたって継続しており、16年末までに状況が変化する可能性は相当低い」と説明》
毎日新聞は、
★◇控訴審判決・骨子◇
・防衛相は2016年末まで、午後10時から翌日午前6時まで、自衛隊機を飛行させてはならない。
・16年末までの将来分も含め、原告約7000人に対し、国に約94億円の賠償を命じる。
さらに、訴訟の歴史や概要について、毎日は、
★◇厚木基地騒音訴訟◇ 厚木基地周辺の住民92人が1976年、米軍機・自衛隊機の飛行差し止めと損害賠償を求め、民事訴訟で1次訴訟を起こした。最高裁は93年、差し止め請求を退ける一方、賠償は認めた。賠償額は、1次訴訟は69人に約1億600万円、2次訴訟(99年確定)は134人に約1億7000万円、3次訴訟(2006年確定)は約4900人に約40億4000万円。4次訴訟は周辺8市の約7000人が07年12月、民事訴訟と行政訴訟で提訴。横浜地裁は14年5月、行政訴訟で自衛隊機の飛行差し止めを初めて認め、民事訴訟で約70億円の賠償を命じた。
ということで、「厚木航空基地の公式サイトのトップ」にリンクし、他は次を記録しておいた。
●厚木基地騒音訴訟 高裁で初 自衛隊機差し止め/テレビ東京 7月30日
●二審も自衛隊機差し止め=夜間早朝、16年末まで-厚木基地騒音訴訟・東京高裁/時事 2015/07/30
●厚木騒音訴訟:自衛隊機2審も夜間停止…将来の賠償初認定/毎日新聞 7月30日
●飛行差し止め「厳しい内容」=厚木基地判決で自衛隊トップ/wsj日本版 7月30日
●公益性より被害救済 厚木基地訴訟、二審も自衛隊機差し止め /日経 7/31
●【厚木自衛隊機差し止め】防衛相「受け入れがたい、上告を検討」官房長官「大変厳しい判断」7.30
●厚木基地騒音訴訟、自衛隊機の飛行差し止め判決で「防衛力に穴があく」「抑止力の危機」は被害妄想/本と雑誌のニュースサイトリテラより 7.30
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●厚木基地騒音訴訟 高裁で初 自衛隊機差し止め
テレビ東京 7月30日
基地の騒音をめぐる重要な判決が出ました。自衛隊とアメリカ軍が使用する神奈川県・厚木基地の周辺住民が、騒音の被害を訴えた裁判で、東京高裁はきょう、自衛隊機の夜間と早朝の飛行差し止めを、高裁として初めて命じました。
●二審も自衛隊機差し止め=夜間早朝、16年末まで-厚木基地騒音訴訟・東京高裁
時事 (2015/07/30-13:05)
米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和、綾瀬両市)の周辺住民6900人余りが、国に航空機の夜間・早朝の飛行差し止めや損害賠償などを求めた第4次騒音訴訟の控訴審判決が30日、東京高裁であり、斎藤隆裁判長は一審横浜地裁判決に続き、午後10時~午前6時の自衛隊機の飛行差し止めを認めた。その上で、「2016年末までは現在と同程度の騒音が継続する」と述べ、差し止め期間は同年末までとした。
また、過去の騒音被害に対する賠償とともに、同年末までの将来分の被害に対する賠償も命じた。賠償総額は約94億円。米軍機については一審と同様に飛行差し止めを認めなかった。基地騒音訴訟で判決後の将来分について賠償を認めたのは初めてとみられる。
中谷元防衛相は同日、記者団に「一部でも差し止めの判断は受け入れがたい」と述べ、最高裁への上告を検討する方針を表明した。
差し止めについて、斎藤裁判長は「住民の睡眠妨害の程度は深刻で、賠償のみでは損害を回復できない」と指摘。「住民に与える被害は運航の目的に対して過大で違法だ」と判断した。その上で、米軍空母艦載機が17年ごろに岩国基地(山口県)に移転することが見込まれるとして、差し止め期限を16年末に定めた。
また、将来分の賠償を認めた理由について「騒音は約40年にわたって継続しており、16年末までに状況が変化する可能性は相当低い」と説明。騒音被害の月額慰謝料は、一審と同じく騒音の程度に応じて1人当たり2万~4000円とした。
●厚木騒音訴訟:自衛隊機2審も夜間停止…将来の賠償初認定
毎日新聞 2015年07月30日
米海軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市)の周辺住民約7000人が、米軍機と自衛隊機の夜間・早朝の飛行差し止めと、騒音被害に対する損害賠償を国に求めた「第4次厚木基地騒音訴訟」の控訴審判決で、東京高裁は30日、1審・横浜地裁判決に続き自衛隊機の飛行差し止めを命じ、国側の控訴を棄却した。斎藤隆裁判長は「睡眠妨害は相当深刻で、健康被害に直接結び付き得る」と指摘した。差し止めを命じた判断は高裁レベルでは初めて。各地の基地騒音訴訟に影響する可能性が強まった。
また、騒音被害に対する賠償について判決は、米空母艦載機が2017年までに厚木基地から岩国基地(山口県岩国市)に移転される在日米軍再編計画があることを踏まえ、「騒音被害の違法性が少なくとも40年は続いており、今後も継続が見込まれる。艦載機移転予定の16年末までに限って将来分の請求は認められる」と指摘。16年末までの賠償金12億円を新たに認めた。過去の被害に対する82億円を加え、賠償額は過去最高の約94億円とした。騒音訴訟で判決後にわたって将来分の損害賠償が認められるのは初めて。
住民側は4次訴訟で、賠償を求める民事訴訟と同時に、行政処分や公権力行使の適法性を争う行政訴訟を起こした。1審は「自衛隊機運航は住民に騒音などの我慢を義務付けるもので、防衛相による公権力の行使に当たる」と判断。基地騒音訴訟で初めて自衛隊機の飛行差し止めを命じた。
高裁は、自衛隊機の差し止めが行政訴訟の対象となるかを改めて検討し、「睡眠妨害は賠償金による補填(ほてん)では回復できない」として対象になると判断。その上で「夜間・早朝の自衛隊機の運航は、防衛相に与えられた権限の範囲を逸脱し違法」と国の対応を批判し、1審と同様に午後10時から午前6時までは、やむを得ない場合を除いて、自衛隊機の飛行差し止めを認めた。ただ、岩国基地への米空母艦載機移転が予定されていることから「艦載機が騒音の大きな比重を占めており、17年1月以降は騒音状況が大きく変わる可能性がある」と時期を16年末までに区切った。
一方、米軍機の差し止め請求は「防衛相に米軍機の運航を統括する権限はない」として1審に続いて退けた。米軍機は自衛隊機よりも騒音が大きく、離着陸回数も多いため、判決が確定しても基地周辺の騒音被害は継続することになる。
原告は航空機の1日の騒音を表す基準「うるささ指数」(W値)が75以上の地域の住民。環境省の環境基準は、住宅地を中心とする地域はW値70以下と定めており、W値75は午後10時〜午前7時に75デシベル(地下鉄の車内程度)の騒音を50回聞いた計算になる。
判決を受け中谷元防衛相は「関係機関と十分調整の上、(最高裁に)上訴することを検討していく」と記者団に語った。ただ、海自は緊急時を除いて深夜・早朝の飛行を自主規制しており、判決は部隊の運用に直ちに大きな影響は与えないとの見方もある。【島田信幸】
◇控訴審判決・骨子◇
・防衛相は2016年末までの間、やむを得ない場合を除き、午後10時から翌日午前6時までの間、厚木基地で自衛隊機を飛行させてはならない。
・米軍機の飛行差し止めの訴えは退ける。
・16年末までの将来分も含め、原告約7000人に対し、国に約94億円の賠償を命じる。
◇厚木基地騒音訴訟◇
厚木基地周辺の住民92人が1976年、米軍機・自衛隊機の飛行差し止めと損害賠償を求め、民事訴訟で1次訴訟を起こした。最高裁は93年、差し止め請求を退ける一方、賠償は認めた。賠償額は、1次訴訟は69人に約1億600万円、2次訴訟(99年確定)は134人に約1億7000万円、3次訴訟(2006年確定)は約4900人に約40億4000万円。4次訴訟は周辺8市の約7000人が07年12月、民事訴訟と行政訴訟で提訴。横浜地裁は14年5月、行政訴訟で自衛隊機の飛行差し止めを初めて認め、民事訴訟で約70億円の賠償を命じた。 |
●飛行差し止め「厳しい内容」=厚木基地判決で自衛隊トップ
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2015 年 7 月 30 日 [時事通信社]
米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和、綾瀬両市)で、自衛隊機の夜間・早朝の飛行差し止めが認められた東京高裁の控訴審判決について、自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長は30日の記者会見で「われわれにとって非常に厳しい内容」と話した。
河野統幕長は今後の運用や対応について、「判決内容を精査して、適切に対処する」と述べるにとどめた。一方で、判決が確定すれば「運用に大きな支障が出る可能性はある」と述べた。
●公益性より被害救済 厚木基地訴訟、二審も自衛隊機差し止め
日経 2015/7/31
米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和、綾瀬両市)の騒音被害を巡り、30日の東京高裁判決は一審に続いて、自衛隊機の夜間早朝の飛行差し止めを命じた。防衛政策の重要性を認めつつ、住民の健康被害救済をより重視した判断だ。影響は国内の他の基地にも広がる可能性がある。一方、米軍機の差し止めは再び却下され、司法による救済の限界も改めて示された。
飛行差し止めを認めるかどうかは、自衛隊機運航の公…
●【厚木自衛隊機差し止め】防衛相「受け入れがたい、上告を検討」官房長官「大変厳しい判断」
産経 2015.7.30
中谷元・防衛相は30日、東京高裁が第4次厚木基地騒音訴訟の控訴審判決で自衛隊機の飛行差し止めを認めたことに関し「判決は受け入れがたい。関係機関と調整の上で上告を検討する」と表明した。
同時に「国の主張に裁判所の理解を得られず、厳しい判断が示された。非常に残念だ」と強調。今後の夜間・早朝の自衛隊機の飛行については「判決内容を慎重に検討する必要があり、現時点での答えは差し控えたい」と述べるにとどめた。
菅義偉官房長官は記者会見で「大変厳しい判断が示された。関係省庁が調整して対処する」と話した。自衛隊機の運用への影響に関しては「詳細は防衛省で確認してほしい」とコメントを避けた。
●厚木基地騒音訴訟、自衛隊機の飛行差し止め判決で「防衛力に穴があく」「抑止力の危機」は被害妄想
本と雑誌のニュースサイトリテラより 2015.07.30野尻民夫
今日、東京高裁で厚木基地の騒音訴訟をめぐり注目すべき判決が出た。一審・横浜地裁判決に続いて、自衛隊機の深夜と早朝(午後10時〜午前6時)の飛行差し止めと、将来の被害も含めた94億円の賠償が国に命じられたのだ。
高裁で自衛隊機の飛行差し止め判決が出るのは初めてで、さっそく、ネトウヨや保守メディアから「住民エゴで日本の安全が損なわれる」という原告団批判、そして「深夜の緊急発進ができなくなって、日本の防衛力に穴が開く」「中国の海洋進出への監視強化が必要な時に抑止力が失われる」「緊急時の災害対応もできなくなる」といった安全保障の危機を訴える声が広がっている。
しかし、これらの主張は防衛の現実を知らない人間の被害妄想か、防衛利権に群がるタカ派の煽りとしか思えない。
まず、厚木基地の海自航空機の主力は哨戒機であり、潜水艦や不審船の監視にあたっているが、中国との摩擦が懸
念される尖閣諸島などを担当する のは那覇基地、鹿屋基地の哨戒機で厚木基地はメインでない。また、厚木には他にも飛行試験部隊や空輸部隊がいるが、これは基本夜間は飛行しない。
しかも、夜間に不審船情報などがあっても本格対応は翌日朝からになるためほとんど関係がない。夜間飛行差し止めで影響を受けるのは、偵察・監視等の緊急対応のケースだけだが、厚木基地ではスクランブル用はもともと1R・2R(ワンレディ・ツーレディ)の2機しかなく、判決が確定しても、この2機ぶんなら十分カバーする方法はある。
海上自衛隊出身の軍事ライター・文谷数重氏はこう語る。
「たとえば、スクランブル用の1R・2Rを昼間、厚木基地で整備した上、夜間だけ羽田か百里におくという方法があります。長時間任務が終わり、着陸が深夜に及んだ機体の着陸も同じで、一旦、羽田か百里において、翌日、厚木に戻せばいい。
実はこのやり方には前例があって、滑走路夜間工事で厚木が使えなくなった時期に、厚木の1R、2Rを海自下総基地(千葉県柏市)に展開しています。確か2週間ほど続けていますね」
・・・・・・・・・リテラで続きを読む
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最低賃金が引き上げられる、と報道された。
厚生労働省の公式Webページなどを見た。「中央最低賃金審議会」の「目安に関する小委員会」が内定したようだ。今日30日に審議会が正式に「答申」するらしい。(ブログで関連ページにリンク)
最高の引き上げの背景については毎日新聞から。
★《今回は、審議会とは別に、安倍晋三首相が大幅引き上げの意向を表明。安全保障関連法案を巡る内閣支持率の低下に、「経済の好循環」で歯止めをかける思惑がうかがえる。》
今回の結果が悪いとは思わないけれど、「諮問」した側(形式的には厚労大臣)が「答申」する側に「結論を要求」するよくあるパターン。
審議の傾向については読売新聞から。
★《小委員会は、経済の状況が良い順に各都道府県を全国4グループに分けて引き上げの目安を示しており、東京、千葉など5都府県が19円で、鳥取、沖縄など31道県が16円だった。》
とはいえ、同紙は、
《地域差は拡大しており、最低賃金が最も高い東京都と、最も低い鳥取や沖縄など7県の差は214円で、02年度の104円に比べて倍増する。》
東海三県では、
引き上げの目安額は、『Aランクの愛知 19円』 「Bランクの三重 18円」 「Cランクの岐阜 16円」。
現在の最低賃金額は、『Aランクの愛知 800円』「Bランクの三重 753円」「Cランクの岐阜 738円」。
確かに、地域格差も拡大している。
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厚生労働省の公式Webページ
●中央最低賃金審議会 平成27年7月30日(木) 第44回中央最低賃金審議会の開催
平成27年7月29日(水)照会先 労働基準局労働条件政策課賃金時間室
第44回中央最低賃金審議会の開催について
標記について、以下のとおり開催いたしますのでお知らせいたします。
記
1.日時 平成27年7月30日(木)10:00~
2.場所 厚生労働省 9階 省議室
3.議題 平成27年度地域別最低賃金額改定の目安について(答申)
●同 (目安に関する小委員会) ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 中央最低賃金審議会(目安に関する小委員会)
★平成27年7月28日(火) 平成27年度中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(第4回
平成27年7月23日(木)(照会先)労働基準局労働条件政策課賃金時間室
平成27年度中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(第4回)の開催について
標記について、以下のとおり開催いたしますのでお知らせします。
記
1.日時 平成27年7月28日(火)15:00~
2.場所 中野サンプラザ15階エトワールルーム
3.議題 平成27年度地域別最低賃金額改定の目安について
5.非公開の理由 本会議は、公開することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるため非公開とする。
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●最低賃金 最大の18円上げ
テレビ東京 7月29日
今年度の最低賃金の引き上げ額の目安を決める厚生労働省の審議会は引き上げ額を全国平均で過去最大の18円とすることを決めました。
労使の代表と有識者が協議する厚労省の中央最低賃金審議会は今年度の最低賃金の引き上げ額の目安を全国平均で時給18円としました。目安を時給で示すようになった2002年度以降、最大の引き上げ幅です。この通りに引き上げれば、最低賃金は、平均で時給798円となります。
これをうけて、経済界からは、人材の流動化が進むと期待の声が上がりました。また、労働側も「引き上げ率の高さは率直に評価したい」としてより大幅な引き上げを求める考えを示しました。
●最低賃金、最大上げ幅平均18円…地域差は拡大
読売 2015年07月29日
都道府県別の最低賃金(時給)について、労使代表や有識者が議論する厚生労働相の諮問機関・中央最低賃金審議会の小委員会は29日、今年度の引き上げ額の目安を16~19円とすることを決めた。
全国平均は18円で、目安を時給で示すようになった2002年度以降、最大の上げ幅となった。
目安通りに引き上げられれば、最低賃金の全国平均は、現在の780円から798円に上がる見通しだ。目安を受け、各都道府県の最低賃金審議会が地域の実情を加味して引き上げ額を最終決定し、10月頃から適用される。
最低賃金は、労働者の生計費や賃金状況、企業の支払い能力から総合的に決められる。小委員会は、経済の状況が良い順に各都道府県を全国4グループに分けて引き上げの目安を示しており、東京、千葉など5都府県が19円で、鳥取、沖縄など31道県が16円だった。
地域差は拡大しており、最低賃金が最も高い東京都と、最も低い鳥取や沖縄など7県の差は214円で、02年度の104円に比べて倍増する。
内閣府は、最低賃金に近い額で働く労働者は約300万人で、最低賃金が10円上がると、その所得が300億~400億円程度、20円上がると700億~900億円程度増えると試算している。さらに賃金底上げの効果が労働者全体にも波及するとしている。
●最低賃金18円引き上げ 15年度見通し 全国平均798円
東京 2015年7月29日
厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会は二十九日、二〇一五年度の地域別最低賃金の改定について全国平均の時給で十八円引き上げ七百九十八円とする目安をまとめた。目安通り引き上げられれば、一四年度の十六円増を二円上回り、〇二年度に現在の方式になって以来、最大の引き上げ幅となる。
景気の回復傾向を反映したことなどが影響。二桁の引き上げは四年連続で、東京、神奈川では初めて九百円台となる。
最低賃金は都道府県ごとに決められ、小委員会が示した各地の上げ幅の目安は十六~十九円とした。三十日に審議会を開き、正式に答申。その後、各地の地方審議会で協議し、十月ごろから適用される見通しだ。
最低賃金は全ての働く人が企業から受け取る賃金の下限額で、パートやアルバイトら非正規労働者の時給に影響する。
労使代表らが参加する小委員会は二十八日午後から取りまとめに向けた審議を開始。徹夜の協議の結果、都道府県を経済規模などに応じてA~Dの四ランクに分類して示す引き上げ額の目安は、東京、神奈川などのAは十九円、静岡などBは十八円、岡山などCと青森などDはともに十六円となった。B、C、Dの上げ幅は、〇二年度以降で最大。この結果、最も高い東京の九百七円と最も低い沖縄などの六百九十三円との差は二百十四円に広がった。
最低賃金で働いた場合の収入が、生活保護の給付水準を下回る逆転現象は勤労意欲をそぐとして課題となってきたが、一四年度改定に続き、今回も逆転は生じない見通し。
小委員会では労使が対立。物価の上昇が続き、一五年春闘では大企業の賃上げ率が2%を超えたとして、労働側は二十円を超える増額を要求した。経営側は、大幅な引き上げは地方の中小企業などの経営を圧迫するとけん制し、昨年度の十六円を超える増額に反対した。両者の意見は一致せず、最終的に公益委員が見解を示し決着した。
六月に閣議決定した成長戦略に政府は、過去二年と同じく最低賃金の引き上げ方針を明記。安倍晋三首相は、大幅増に向けた環境整備を急ぐよう閣僚に指示していた。
◆生活安定程遠く
<解説> 二〇一五年度の地域別最低賃金は、全国平均で時給十八円増の目安がまとまった。上げ幅は一四年度の十六円増を超えたものの、非正規労働者らを含めた賃金全体の底上げには今後も引き上げの継続が不可欠だ。
経団連や連合の集計による一五年春闘での大企業の賃上げ率は、2%を超える高水準だった。今回の引き上げは2・3%のアップに相当し、同程度の賃上げが実現する格好だ。景気回復の波及効果が最低賃金やそれに近い時給で働く人たちに届くことが期待される。
だが時給で見ると七百九十八円。東京、神奈川では時給九百円を超えるとはいえ、十六県では七百円に満たない。これらの水準で働く労働者にとっては生活を安定させるには程遠い金額だ。
消費税増税の影響は一段落したが物価は上昇傾向が続いている。物価上昇を上回らなければ、最低賃金の実質的な改善にはつながらず、政権が掲げる「経済の好循環」の実現には今後も増額が欠かせない。
政府は一〇年に、二〇年までのできるだけ早期に「最低八百円を確保し、全国平均千円を目指す」との目標を掲げた。達成への道は険しいが、政府や労使の努力が求められる。特に中小企業には人件費の増加が重荷となるため、効果的な支援策を実施し着実な引き上げにつなげるべきだ。 (共同・水内友靖)
●最低賃金:首相が主導 過去最大の18円増
毎日新聞 2015年07月29日
最低賃金の全国平均と前年度からの伸びの推移(時給方式に変更以降)
厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」(会長、仁田道夫・国士舘大教授)の小委員会は29日、2015年度の最低賃金(時給)の目安額に関し、全国平均で18円引き上げることを決めた。3年連続で2桁の引き上げで、上げ幅は日額から時給に変更した02年度以降最大。今回は、審議会とは別に、安倍晋三首相が大幅引き上げの意向を表明。安全保障関連法案を巡る内閣支持率の低下に、「経済の好循環」で歯止めをかける思惑がうかがえる。
審議会は労働と経営双方の代表者と、学者ら有識者の3者で構成する。所得や物価などによって全国を4区分。A=19円▽B=18円▽C、D=いずれも16円−−の目安を示した。人口を加味した加重平均が18円になる。Aは過去最高だった前年度と同じ、B〜Dも過去最高。一方、最高と最低の格差は214円となり、前年度から3円広がった。
今後、各都道府県の最低賃金審議会が目安を参考に地域別の新賃金を決定し、10月をめどに順次、適用される。目安通りなら全国平均は780円から798円になる。菅義偉官房長官は29日の記者会見で「(安倍政権になって)3年間で約50円の大幅引き上げだ。今後、小規模事業者の環境整備などに政府として全力を挙げて取り組む」と述べた。
今回は、物価上昇に加え、今年の春闘が17年ぶりの高水準で妥結したことを踏まえ、労働側は大幅引き上げを主張。経営側は中小企業の支払い能力などから消極姿勢を見せていた。
だが、審議会の議論と並行して政府が大幅引き上げへの地ならしを進めていた。安倍首相は16日の経済財政諮問会議で大幅引き上げの検討を指示。23日の諮問会議では宮沢洋一経済産業相が引き上げの環境整備のため、中小企業支援策を提示した。最低賃金が審議会の「外側」で議論されたことには厚労省内からも「聞いたことがない」と驚きの声が上がった。ある同省幹部は「支持率対策だ」との見方を示す。【東海林智、阿部亮介】
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教職員の勤務時間が長いことの指摘がされて久しい。実態を見ないようにしている雰囲気も感じた。
そのことについて、初の公式な調査結果が公表された。文部科学省は昨日27日、「公立小中学校の教職員の在校時間や業務負担」の調査結果を発表した。
そこで、見てみた。
例えば、「副校長・教頭の従事率が 50%以上の業務に対する負担感率」に関して、文部科学省は次のようにまとめている。
★《調査結果によると、国や教育委員会からの調査やアンケートへの対応に関する業務の負担感率は小・中学校ともに、80%を超える状況であるほか、保護者・地域からの要望・苦情対応、給食費や学校徴収金に関する未納者への対応等の業務、文書管理等に関する業務が挙がっている》
しかし、グラフを見ると「給食費や学校徴収金に関する業務」が全体の「1/3」と読める。
「給食費は無料に」と提案している私としては、公務員の負担軽減のためにも説得力のあるデータ、とも映る。
それはともかく、ブログで資料にリンクしておく。
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●公立小中学校の教員、平日の在校時間12時間超
読売 2015年07月27日
文部科学省は27日、公立小中学校の教職員の在校時間や業務負担に関する初の調査結果を発表した。
平日の在校時間は中学校の副校長・教頭が平均12時間53分で最も長かった。国や教育委員会が行う調査や保護者の苦情への対応に負担感が大きいことも判明。文科省は教職員の負担軽減に向けた指針を作成し、同日付で各教委に配布した。
経済協力開発機構(OECD)が昨年6月に公表した国際調査結果では、日本の中学教員の勤務時間は1週間あたり平均53・9時間で、33か国・地域の中で最長だった。今回の調査はこれを受けて行われ、昨年11月時点で、全国の公立小中学校計451校の校長や副校長・教頭、教員、事務職員ら計9848人を抽出して実施。出退勤時刻などのほか、どのような業務を担当し、どの程度負担に感じているかなどを尋ねた。
それによると、平日の平均在校時間が長かったのは、中学校の副校長・教頭(12時間53分)、小学校の副校長・教頭(12時間50分)、中学校の教員(12時間6分)。自宅で仕事をする教職員の割合も約4割に上り、校長から事務職員まで、いずれも平均1時間30分を超えた。
負担感が最も大きかったのは「国や教委の調査への対応」で、小中学校の副校長・教頭、教員とも8割以上が「負担」と回答した。「保護者・地域からの要望・苦情への対応」も教員の7割に上り、教員は「研修のレポート作成」、副校長・教頭では修学旅行費などの「未納者への対応」といった回答も多かった。
●小中の教員、在校11時間超 副校長・教頭はさらに長く
日経 2015/7/27
全国の公立小中学校の教諭の1日平均在校時間は、小学校で11時間35分、中学校で12時間6分に上ることが27日、文部科学省の調査で分かった。管理職に当たる副校長・教頭はさらに在校時間が長く、多岐にわたる業務を抱えている実態も明らかになった。文科省は業務改善に向けたガイドラインを全国の教育委員会に通知した。
調査は2014年11月、全国の公立小中学校451校の「校長」や「副校長・教頭」、「教諭」、「事務職員」など11職種の計9848人に聞いた。
副校長・教頭の平均在校時間は小学校が12時間50分、中学校が12時間53分で、小中学校とも校長や教諭より1時間前後長くなっていた。
報告書の作成や授業の準備、試験の採点など、自宅に持ち帰る仕事の時間は、小学校の副校長・教頭で1時間52分、中学校で1時間32分。教諭は小学校1時間36分、中学校1時間44分だった。
成績評価や部活動など「児童生徒の指導に関する業務」と、会議や地域連携など「学校の運営に関する業務」の計71項目の業務のうち、小中学校の副校長・教頭の半数以上が「従事している」と答えた業務は45項目に上った。教諭の場合は32項目だった。
負担に感じている業務としては、副校長・教頭、教諭の8割以上が「国や教育委員会からの調査やアンケートへの対応」と回答。他に「保護者・地域からの要望、苦情への対応」も目立った。
経済協力開発機構(OECD)の2012~13年の調査によると、日本の中学教員の平均勤務時間は週53.9時間で、参加34カ国・地域の中で最も長かった。
文科省のガイドラインでは、パソコンを使って成績を一元管理したり、部活動の指導を外部に委託したりして、教諭らの負担を軽減した各地の取り組みを紹介。同省の担当者は「参考にして業務の効率化を進めてほしい」とする一方、調査やアンケートについては「今後、削減の検討を進めたい」としている。
●副校長、1日13時間弱在校 1人で多数の業務抱える
東京 2015年7月27日
公立小中学校の副校長・教頭の1日平均在校時間は、小学校で12時間50分、中学校で12時間53分に上ることが27日、文部科学省の調査で分かった。教諭は小学校11時間35分、中学校12時間6分。副校長・教頭、教諭ともに自宅で仕事を1時間以上していた。国際的な調査で指摘されていた日本の教員の長時間労働が、同省調査でも裏付けされた形になった。
1人で多くの学校業務を抱えていることも分かり、文科省は「現場任せでなく、教育委員会主導で業務を見直すことが必要だ」としている。
調査は昨年11月時点で、抽出した全国451校に実施。(共同)
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「インターネットは、なくてはならない者」の一人となってしまった。
とはいえ、車までインターネット・・・は想像していない。
・・・でも、車のシステムはコンピュター、ナビもコントルール下か・・・
ところで、クライスラーが、ネット接続車の大量リコールを発表。
便利なのか便利でないのかよくわからない事態になった。そこで少し調べてみた。
リコール発表前の指摘だった(ギズモード・ジャパン 2015.07.22)(「ネタ元のWiredにて」とある)には、
★《セキュリティを調査した研究員のデモンストレーションでは、ハッキングして、車のコントロールを奪うことに成功。車はハイウェイを走行中だったので、ハッカーの姿は記者の視界にはありません。つまり、いきなり車の制御がきかなくなったという状態なわけです。》
★《いろいろなモノがシステムと繋がりデータのやりとりをする機会が増えるということは、ハッキングの可能性も広がるということです。今回のリサーチで、システムの弱点が明らかになったものの、まだ事件は起きていません。何か起きる前に対処すべきなのですが…。》とあった。
メーカーは「ソフトウェアのアップデートを無料で提供」というけれど、会社や団体・組織や家庭のパソコン・ネットでのハッキングと違って「即・いのち」にかかわる問題。ネットと多用な機器はしんちょうに、ということの予告か・・・・
でも、各種のホームセキュリティもネットでという話も聞くけど、遠慮したいところ。
なお、「クライスラー」とは「欧米自動車連合フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)」らしい。
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●クライスラー社の車、システムハッキングで遠隔操作される危険性が明らかに
ギズモード・ジャパン 2015.07.22
ハッキングで、車が危険に晒されるなんて…。
クライスラー社の車に関するセキュリティ調査で、重大なことがわかりました。47万1000台もの車に影響すると思われるこのセキュリティ問題は、なんとハッカーが遠隔操作して車のコントロールを奪うことができるという恐ろしいものなのです。
セキュリティを調査した研究員のCharlie Miller氏とChris Valasek氏が、ネタ元のWiredにて、クライスラー車におけるハッキングの危険性を語り、デモンストレーションまでしてみせました。デモでは、WiredのGreenberg記者が運転するジープチェロキー(クライスラー社の四輪駆動車)をハッキングして、車のコントロールを奪うことに成功してしまいました。車はセントルイス郊外のハイウェイを走行中だったので、ハッカーの姿はGreenberg記者の視界にはありません。つまり、いきなり車の制御がきかなくなったという状態なわけです。
ハッキングは、ジープに搭載されているUconnectシステム(セルラーネットワークに繋がる仕組み)を使うことで、車のエンタメシステムのコントロールを掴み、そこからファームウェアを書き、その他のシステムにコマンドを送るという方法。この他のシステムというのが、例えばブレーキだったり、ステアリングだったりするのが車ハックの何より恐ろしいところ。何百キロも離れたところにいるハッカーが、自分の車のハンドルを勝手に握るということなのです。
車でのハッキング体験をしたGreenberg記者は、「エアコン、ラジオ、ワイパーが勝手に動いたと思ったら、次は急に車が減速しはじめた。これは笑いごとじゃない」とコメント。ハッキングのデモとわかっていても、自分の乗っている車の制御を失うのはかなり恐ろしい体験だったのではないでしょうか。
このシステムの脆弱性の恐ろしさはもちろんですが、最も恐ろしいのはクライスラーはこれを知っていて適切な対処をしていないということです。もちろん、対応用パッチはクライスラーから配布されています。が、パッチはディーラーで入れてもらうか、USBドライブ経由で自分で入れなければなりません(Uconnectのソフトウェアアップデートはこちらから)。あまりに危険で恐ろしいハッキングの可能性があるというわりに、この対応では十分とは言えないと思います。
いろいろなモノがシステムと繋がりデータのやりとりをする機会が増えるということは、ハッキングの可能性も広がるということです。今回のリサーチで、システムの弱点が明らかになったものの、まだ事件は起きていません。何か起きる前に対処すべきなのですが…。
このセキュリティ問題に関しては、近日中に研究員がさらなる詳細を発表予定。
●クライスラーが140万台のリコールを発表。ハッキングによる遠隔操作に対処
ギズモード・ジャパン 2015.07.25
笑いながら遠隔操作するハッカーの姿は衝撃でしたよね。
フィアット・クライスラー社が、ジープ・グランドチェロキーなどをふくむ140万台のリコールを発表しました。これは、Wiredの動画によって明らかになった、UConnectシステムの脆弱性に対処するためのもの。ちなみに、ハッキングが原因で実際に事故が起きたケースなどは報告されていないとのことです。
クライスラー社は、UConnectシステムを搭載した車の所有者に対してUSBスティックで新しいバージョンのソフトウェアを配布すると決定。ウェブページではリコール対象となる車の一覧が確認できます。また、ソフトウェアアップデートが必要かどうかを確認できるページも用意されています。
対象となるのは以下の車種のなかで、8.4インチのタッチスクリーンを搭載している場合です:
・・・・・・(略)・・・
クライスラー社の車が2人のハッカーによって、いとも簡単にハッキングされてしまう動画。すでに見たよ! という人も多いはず。ハンドルが勝手に操作されたり、音楽が爆音で再生されてしまったり。もし自分がドライバーだったら、と想像しただけで怖くなっちゃいます。
それにしても更新プログラムをUSBスティックで配布っていうのも、なんだか頼りなく思えてしまいますよね。IoTに取り組む自動車メーカーが、こういった危険性にどう対処していくのか。今回の動画をきっかけに、より多くの人々が関心をもつようになったのは間違いなさそうです。
●ネット通信車に遠隔操作の危険性、140万台リコール
TBS 動画ニュース(25日16:27)
インターネット通信機能を備えた車がハッカー攻撃で遠隔操作される危険性が明らかになり、アメリカで対象の車140万台がリコールされることになりました。
手を放してもハンドルが勝手に動きます。車が遠隔操作されているのです。ドアもロックが外されました。これはアメリカの専門誌「ワイアード」が公開した動画で、サイバーセキュリティの専門家が遠く離れた車のシステムをハッキングし、実際に車を操っている様子です。
「エンジン切るよ」(専門家)
「加速できない。表示は時速およそ40マイル(64キロ)だが、スピードが出ない」(運転手)
運転手は駐車をしようとしてみますが・・・車のブレーキが利かないよう遠隔操作され、そのまま道から外れてしまいました。ここがもしも崖などの危険な場所だったら大惨事です。
遠隔操作されたのはFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)の「ジープ・チェロキー」で、インターネットの通信機能を備えたものだということです。
「コンピューターがハッキングされて写真が盗まれるのは不快だけど、車のブレーキが利かなくなるのは全く別次元の話で本当に怖いです」(車を遠隔操作したチャーリー・ミラー氏)
動画の公開はインターネット接続機能が付いた車のセキュリティに警鐘を鳴らした形で、FCAは24日、対象となる車種およそ140万台をソフトウェア更新のためリコールすると発表しました。対象となるのは、2014~2015年製の「ジープ・チェロキー」や「ジープ・グランドチェロキー」など、インターネット接続機能を備えた7車種です。
サイバーセキュリティの問題で車がリコールされるのは初めてだということです。
●ネット接続機能車、乗っ取られる危険 米で140万台リコール
中日 2015年7月25日
【ニューヨーク=東條仁史】米自動車大手「FCA US」(旧クライスラー)は二十四日、インターネットに接続できる機能を備えた車種約百四十万台を米国でリコール(無料の回収・修理)すると発表した。運転手の意図にかかわらず遠隔操作で急に動いたり、停止するなど乗っ取られるおそれがあることが分かったため。ネットと接続し、情報を入手したり運転の支援をする次世代カーの弱点を狙った攻撃を防ぐため、無線通信用のソフトウエアを更新する。
ネットにつながる車は、日本の大手メーカーも技術の開発や導入に力を入れている。トヨタ自動車はカーナビの画面でスマートフォンのアプリを使える米フォード・モーターの技術を導入する方向で合意。今回、米国で乗っ取りの危険性が具体的に明らかになったことで、日本でも安全対策の議論が活発になりそうだ。
日系自動車メーカー関係者は米国で起きた問題について「ネットと接続し道路情報などを入手できる機能は最新車種の多くに搭載されている。クライスラーのシステムの仕組みが分からないので、ハッカーがどう侵入できたかなどの解析を進めている」と、関心を示している。
遠隔操作の問題は、今月二十一日にIT関連の米専門誌が掲載したことで分かった。公開された動画では、二人の著名なハッカーが実験で、車から離れた場所からパソコンを使いクライスラー車のネット接続システムに侵入。運転手が何もしていないのにエンジンは切られ突然、減速した。運転手がエンジンをかけようとしても、車は反応しなかった。エアコンやラジオなども遠隔操作で動いた。
動画は米国で大きな反響を呼び、同誌は車がネットにつながることで起きる課題を広く知らせることが目的と説明した。FCAによると、今回のリコールに関連したけが人などは出ていないという。
リコールの対象は、二〇一四~一五年型の「ジープ・グランドチェロキー」や「ダッジ・デュランゴ」などで、タッチパネル式の通信機器が備えられた車種。
●フィアットがハッキング懸念受けリコール、米当局は調査開始
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2015 年 7 月 25 日
欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は24日、サイバーセキュリティー上の問題が報道された一部のタッチスクリーン式カーステレオを搭載した車両140万台をリコールし、ステレオのソフトウエアを更新すると発表した。
リコール対象車の年式は2013〜15年で、ピックアップトラック「ラム」からジープ「グランド・チェロキー」および「チェロキー」、クライスラーのセダンまで幅広い車種が含まれる。対象車のオーナーにはソフトを更新するUSBデバイスが配布される。同社によると、このソフトの問題に関連する負傷、苦情、保証請求、事故は報告されていない。
フィアットは、対象車の安全性に落ち度はなく、リコールはあくまでも予防措置だと強調した。
米運輸省の道路交通安全局(NHTSA)は24日、このリコールについての調査を開始した。フィアットは、顧客は自分で何もする必要がないソフトへのパッチとネットワークレベルの措置を適用するとしている。セキュリティー面の脆弱(ぜいじゃく)性に対するこうした対処法がNHTSAの調査対象になる。
NHTSAのローズカインド局長は、NHTSAのセキュリティー専門家がリコールを取り調べ、同社の対応について「より踏み込んだ評価」ができるようにすると述べた。ローズカインド局長は声明で、NHTSAがフィアットにこのリコールの実施を「勧めた」ことを認めた。
フィアットの広報担当者は、当局の調査に同社は協力しており、同社製品は全て米国の安全基準を上回っていると述べた。
今週発行された米誌ワイアードには、セキュリティー研究者2人が無線通信システムを通じて走行中のチェロキーの空調やカーステレオ、エンジンを遠隔地から制御するのに成功したとの記事が掲載され、サイバーセキュリティー面の弱点が明るみに出た。これについてフィアットは24日、車両の制御を遠隔で行うには何層ものセキュリティーをクリアする必要があるとして、懸念の解消に努めた。
同社は声明で「今回のリコールで対応したソフトウエア操作は、独自の膨大な専門知識、長期にわたる対象車両への実際のアクセス、また膨大な時間を費やしたコードを書く行為が伴い、それなしでは行えない」と説明した。
●走行中のジープ、ハッキングで乗っ取り成功修正プログラム配布
時事 〔AFP=時事〕(2015/07/24-14:05)
【サンフランシスコAFP=時事】欧米自動車連合フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は22日、ネット接続機能を備えた車種の一部を対象に、ソフトウェアの修正プログラムを提供すると発表した。これに先立ち、米誌ワイヤードは、走行中の同社製「ジープ・チェロキー」2014年モデルがハッキングにより遠隔操作される様子を伝えていた。
21日に掲載されたアンディ・グリーンバーグ記者によるワイヤード誌の記事は、システムの脆弱性を示すための実験として、コンピューターセキュリティー専門家のチャーリー・ミラー氏とクリス・バラセク氏が、チェロキーを遠隔操作する様子を伝えている。
記事では、ハッカーらが自宅からノートPCを使って、チェロキーのハンドルやブレーキ、ラジオ、ワイパーなどを遠隔操作できることを指摘していた。
一方のFCAは、自社の車がハッキングされたという情報は直接入手していないと主張。プレスリリースの中では、ソフトウェアのアップデートは「自動車システムに無許可で不法にアクセスする潜在的なリスクを減らすためのセキュリティー対策の強化のために」時に必要となると説明している。
FCAは、ネット接続機能「UConnect」を備えた車種で、2013~2014年に製造された「クライスラー」、「ダッジ」、「ジープ」、「ラム」と、今年製造された「クライスラー200」の一部に関して、ソフトウェアのアップデートを無料で提供している。
●「FCA US」、ハッキングのおそれがあるとして140万台リコール
FNN 07/25
アメリカの自動車メーカー大手「FCA US」は24日、ハッキングにより、車の運転機能が外部から操作されるおそれがあるとして、140万台をリコールすると発表した。
リコールされたのは、「ジープ」ブランドの「チェロキー」など、あわせて140万台。
外部からのハッキングで、エンジンやステアリングなど、運転に関わる機能が、外部から操作されるおそれがあるとして、「FCA US」は、ソフトウエアを更新する。
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松阪市で市議会解散のリコール運動が続いていて、先日、署名簿の提出がされた。最終は今日までの様子。
直接請求の署名は「署名簿」の審査がされるので、提出した時の人数より減る。理由は、「無効」とか「重複」とか。
全国の様子を見ると、きわどい争点によっては、あるいは、自治体(職員)の姿勢によっては、審査が厳しくなる傾向があると感じる。
私たちは何度も直接請求をしてきた。署名の審査の前には、無用・過剰な審査や「無効判断」をさせないように、「過去の判例や行政実例などの見解の集成」(4ページ)を渡して、働きかけてきた。署名した人の気持ちを少しでも汲むため、あるいは、「職員の過剰な審査による徒労」をなくすため(自治体によっては、議員のОBが「選挙管理委員」を担っている例があるけれど、このような場合など、時に恣意的に「職員に厳しい審査基準を示す」こともあるらしい)。
例えば、よくある錯誤として、「押印」=「印鑑を押す」ことだけど、この「印」は「指印」でも良い。
他にも、「署名は、名が自署である以上、その姓を書かなくても有効」
「ひらがな、カタカナ、ローマ字による署名も有効」
「自署であれば、誤字脱字であっても、選挙人名簿の氏名と異なる場合でも有効である」
「戸籍どおり書かなくても、本人の署名と認められる限りは有効」
「署名の意味が不明のままで直接請求の署名簿に署名した署名であっても所定の方法により取り消されない限り有効」
などなど・・・
そこで、今日のブログには、松坂の署名の関係のこと、「住民投票」についてのある意見、そして私の作った「過去の判例や見解の集成」を載せておく。
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●リコール署名4万5千人を超える 三重・松阪市
名古屋テレビ 2015年7月21日
三重県松阪市の山中光茂市長が計画した市立図書館の改革案を議会が否決したのを受け、市民団体は松阪市議会のリコールに向けた署名が、4万5千人を超えたと発表しました。
署名はリコールの成立に必要な有権者数の3分の1を超えていて市民団体は市に提出するとしています。
●署名の判断基準は? 市議会リコールで松阪市選管
中日 2015年7月23日
松阪市議会の解散を求める直接請求(リコール)を目指す「市議会改革リコール市民の会」は二十四日、リコールに必要な有権者の三分の一(六月二日現在で四万五千四十二人)を超える署名を市選管に提出する見込みとなった。市選管は審査、縦覧などをへて有効署名の数を確定するが、審査次第では有効署名が法定数を下回る可能性もある。有効、無効を判断する基準は何なのか。市選管に聞いた。
署名簿は、市民の会の代表者が署名集めを担った受任者に交付した委任状、二十人の署名が集められる用紙が一冊にとじられている。委任状は署名簿それぞれに必要となる。
二十四日に署名簿が市選管に提出されると、二十五日から八月十三日までの二十日間、市選管は署名簿を審査する。審査は選挙人名簿を基に、署名者と受任者が実在するのか、一人一人手作業で照らし合わせる。市は職員三十人に加え、アルバイトを雇うことも視野に入れ、休日返上で審査する。
委任状には受任者の名前、住所、生年月日、性別の記入欄がある。性別を除き、一つでも記載に不備があったり、選挙人名簿に登録されていない名前が使われていたりした場合は、その署名簿の全署名は原則無効となる。
署名は、リコール賛同者が自署した名前と住所、生年月日、署名年月日に加え、印鑑または母印がそろって初めて有効になる。筆跡から明らかに同一人物が書いたと思われる署名や、達筆すぎて読めない署名は無効になる。同一人物が自分の名前を何度も書いた場合は、一筆を除いて無効になる。
誤字、脱字などで、市選管が判断に迷うケースもあり得る。選挙人名簿に電話番号は載っておらず、実際に電話確認すらできない。市選管は「審査時間に余裕があれば、署名者の自宅に郵送して確認したい」と話す。
市選管は審査を済ませた署名の横に有効、無効のはんこを押す。審査を終えると、八月十四日から二十日まで、審査を終えた署名簿を市役所で公開する「縦覧」がある。期間中は全市民が署名簿を閲覧できる。誤字、脱字で無効とされた署名を直せる一方、身に覚えのない署名に対しては無効を主張できる。
一般にリコールの無効署名は、署名総数のどのくらいを占めるのか。二〇一〇年の鹿児島県阿久根市長リコールは1・6%、同年の名古屋市議会リコールは20・7%、一一年の岐阜県中津川市長リコールは5・2%とばらつきがあり、一概に言えない。名古屋市議会リコールのように、異議申し立てで一万五千人分(3・2%)の無効署名が一転、有効となった例もある。
市民の会は無効署名を2~3%と予想する。市選管は「いずれにしても慎重に審査したい」と話している。 (吉野淳一)
●山中市長 辞任先延ばし
読売 2015年07月22日
昨年12月に辞任の意向を表明した松阪市の山中光茂市長は21日、同市役所で記者会見を開き、市民団体が行っている市議会の解散請求(リコール)に向けた活動の推移を見極めたいとして、同日付で予定していた辞表の提出を先延ばしする考えを明らかにした。
山中市長を支援する市民団体は同日、市議会のリコールに向けた署名活動で、住民投票に必要な4万5000人を超える署名(重複を含む)を集めたと発表。山中市長はこの結果について、「議会に対する長年の不信感の象徴だ」などと述べ、リコール運動の推移を見て、自らの進退を判断するとした。
同団体は24日、市選挙管理委員会に署名簿を提出する予定で、20日間の署名審査と縦覧を経て、8月下旬頃には有効署名数が確定する。本請求が提出され、住民投票で過半数を獲得すれば、リコールが成立する。
同市の選挙人名簿登録者数は6月2日現在、13万5125人。住民投票を実施するには、この3分の1(4万5042人)以上の有効署名が必要となる。
山中市長は昨年12月、市立図書館改修計画の関連予算案が議会で2度目の否決になったことを受けて、辞任する意向を表明した。今年の2月議会でも関連予算が再び否決され、PFI(民間資金活用)による改修計画を断念。現行と同じ指定管理者制度による運営方針に変えている。
●住民投票を盛り上げる3要素
地方議会ニュース 2015.06.27 解説委員 山本洋一
全国で相次ぐ住民投票。5月に行われた大阪都構想の住民投票は多くの注目を集め、投票率は直近の国政選挙や地方選を大きく上回った。一方、関心が高まらず、開票すらされなかった例もある。有権者を引き付ける住民投票、有権者不在の住民投票の違いとは。
「都構想」に市民が高い関心
大阪都構想の住民投票では大阪市の有権者210万人のうち、140万人超が投票。投票率は66.8%に達した。この数字は昨年末に行われた衆院選の57.4%(小選挙区)、今年4月の市議選の48.6%を上回り、投票率の低い都市部としては異例の高さとなった。
関心が高まった最大の理由は、テーマが大阪市を解体し、5つの特別区に再編するという都市制度の抜本改革だったこと。投票には法的拘束力があり、賛成票が一票でも多ければ都構想が実現、反対票が多ければ白紙に戻るという重要な投票だった。
しかも、マスコミの世論調査では「接戦」との予測が出ており、自分の一票が勝敗を左右するかもしれない、そんな緊張感もあった。
マスコミやインターネットでは有識者から一般市民まで、あらゆる論者が都構想のメリットやデメリットについて熱心に議論。大阪市が事前に開いたタウンミーティングにも連日、多くの市民が駆け付け、橋下徹大阪市長らの説明に耳を傾けた。
賛成派を率いる橋下市長や大阪維新の会、反対派の急先鋒に立った自民党や共産党の「アピール合戦」が熱を帯びたのも関心を高めた要因の一つ。住民投票は一般の選挙と異なり「選挙運動」の規制が緩く、テレビでは連日、コマーシャルが流れ、街中には賛否双方のチラシやポスターが溢れかえった。
大通りではひっきりなしに街宣車が大音量を鳴らしながら走り、主要な交差点では賛否両派の議員や運動員が道行く市民に呼びかけた。普段は投票に行かない無党派層も、否が応でも関心を持たざるを得ない状況だった。
最近、盛り上がった住民投票といえば、英国スコットランドの独立運動が思い浮かぶ。昨年9月に実施された、スコットランドが英国から独立するか否かを決める住民投票。賛否両派の論戦は過熱し、スコットランドだけでなく全世界の注目が集まった。
結果は賛成44.7%、反対55.3%で英国残留が決まったが、投票率は84.6%に達した。今年5月の英国総選挙の投票率が66.1%だったことと比較しても、独立の是非を問うた住民投票への関心の高さがうかがい知れる。
日本国内では名古屋市の河村たかし市長が主導し、自らの政策に反発する市議会の解散を目指した2011年の住民投票、埼玉県北本市でJR新駅建設の是非を問うた住民投票などで多くの有権者が投票所に足を運び、通常の選挙より高い投票率となった。
開票すらされなかった住民投票も
もちろん成功例ばかりではない。2013年に東京都小平市で道路建設計画の見直しを巡って実施された住民投票は投票率が35.2%にとどまり、規定の50%に届かなかったため「不成立」に。住民の投票用紙は開票もされないまま、破棄されることとなった。
今年2月に埼玉県所沢市で行われた小中学校へのエアコン設置を巡る住民投票も投票率は31.5%にとどまった。結果はエアコン設置に「賛成」とする票が上回ったが、市の条例で「結果の重みをしん酌しなければならない」とした基準(賛成、反対のいずれかが有権者の3分の1に達した場合)には届かなかった。
今年5月に愛知県新城市で行われた新庁舎建設を巡る住民投票は投票率が5割を超えたが、直近の市議選に比べると約15ポイント低かった。
明暗を分ける3要素
これらの事例を踏まえて分析すると、有権者の関心を決める最大の要因は、投票にかけられたテーマの中身自体といえる。過去にも米軍基地や原発の建設など、わかりやすくて大きなテーマの住民投票は総じて投票率が高かった。
逆に争点がわかりにくかったり、テーマが矮小だったりすると有権者の足投票所から遠ざかりがち。投票の実施には多額のコストがかかるため「そこまでして住民に問うべきなのか」と冷めた目で見る有権者も増える。「本来は選挙で決めるべきだ」という意見もあるだろう。
二つ目は投票結果の「拘束力」の問題だ。住民投票の大半は議会の解散や首長の解任を決めるもの、もしくは特定のテーマについて住民の意見を求めるもののどちらか。前者は法的拘束力を持つが、後者は拘束力がないため諮問的な位置づけとなる。
後者の場合は投票結果が即、現実の政策に結びつかない可能性があり、住民の「他人事」ととらえやすい。ちなみに大阪市の場合は国政政党に呼びかけて特別法を制定してもらい、法的拘束力のある住民投票を実現させた。
三つ目は政治家の関与だ。名古屋市では河村市長と自民党など既成政党が激しく対立し、双方とも住民に自らの正当性をアピール。大阪でも推進派の維新の会、反対派の自民党や共産党双方が所属議員総出で街角に繰り出し、市民の取り込みを図った。 スコットランドの独立運動でも地域政党であるスコットランド民族党が主導的な役割を果たし、その後の総選挙で支持を急速に伸ばした。政治に不慣れな一般市民が主導するより、言葉巧みで影響力の大きい政治家が中心となった方が関心も高まりやすいといえる。
茨城県つくば市が運動公園の基本計画を巡って今年8月に住民投票を実施するなど、住民投票は今後も全国で相次ぐとみられる。三重県松阪市では市長と対立する市議会の解散を問う住民投票を目指し、リコールの署名集めが始まっている。
民主主義の手段の一つとして住民投票をうまく活用できるかどうかは、今後の地方自治にとって重要な課題。憲法改正の国民投票が現実味を増す国政も、またしかりである。
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●《直接請求における署名の住民側から見た注意事項などのまとめ》
(転記等作成/寺町知正/2010.8.14最終記載)
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1. 【「直接請求制度の解説」(ぎょうせい・刊)】・・自治体側も住民側も参考書とする唯一と思
われる文献のページのこと。絶版。 ※ページとは、当該書籍のページのこと。
◎署名簿の形式審査
◆委任日の記載が全く欠けている署名収集の委任状を添付した署名簿により収集された署名の
効力は、当該署名が委任後になされたものであることが明らかである限りは、当然無効とはなら
ない(昭和30,12,1行政実例、昭和33,1,29行政実例)(以下、137ページ)
◆委任届に記載された委任年月日と委任状に記載された年月日か相違する場合、一般的には
委任状の年月日を基準として署名の審査をすべきである(昭和33,1,11行政実例)。
◆表紙に付した一連番号に欠号のものがあっても、そのことのみでは無効とはならない(昭和28,
11,11行政実例)。(以下、138ページ)
◆署名簿の様式が、有効無効欄、備考欄を欠いていたとしても、そのような軽微な瑕疵は
署名簿の効力になんら影響を及ぼさない(昭和28,6,12最高裁判決)。
◆ある署名簿中に、署名年月日が相前後して記載されている場合も、個々の署名が有効になさ
れている限り、当該署名簿は、無効とはならない(昭和28,11,11行政実例)。
◆改編された署名簿の効力について、本来独立の署名簿であったことが確認され、各分冊とも
適法に署名収集がなされたものと認められる限り有効と解する(昭和28,11,11行政実例)。
◆署名簿に添付すべき書類が正規の場所に綴り込まれていない場合は、それによって必ずしも
署名簿の署名が無効となるものではない(昭和28,11,11行政実例)。
◆請求書、代表者証明書以外の余分の書類が添付してあった署名簿でも、そのことによってた
だちに無効とされるものではない(昭和23,10,31行政実例)(以下、140ページ)
◆署名収集受任者の住所の記載が不完全な署名収集委任状を添付して当該受任者が収集した
署名は、有効である(昭和37,7,11行政実例)
◆受任者が審査前に死亡したことにより選挙人名簿から抹消された場合も、当該受任者の収集
した署名は有効と解すべき(昭和42,12,27行政実例)(以下、140ページ)
◎実質審査
◆ただし、(住所の記載を欠く場合も、)署名の記載順序等から同一の住所と推定できるときは有
効である(昭和28,8,25行政実例)(以下、142ページ)。
2/4
◆署名年月日の判然としない場合も、法定期間中に署名したものであることが前後の状況によ
って明らかに認められるときは有効(昭和32,1,22行政実例)。(以下、142ページ)。
◆署名年月日、住所、生年月日等の記載は、署名と異なり、自署することは要件でない(昭和23,
8,9行政実例ほか多数)。
◆氏名、住所、生年月日の記載が誤記と認められる場合、氏名、住所、生年月日が選挙人名簿
と異なっている場合でも、本人を指すものと確認できるときは有効である(昭和27,11,15行政
実例ほか。昭和28,6,22福島地裁判決)。
◆署名者が転居のため選挙人名簿の住所と異なる場合も有効であり、住所、生年月日等を書き
換かえて訂正印を押していない場合も、本人が書き換えたと明白に認められる限り有効である
(昭和23,12,15行政実例)
◆署名年月日が相前後して記載してされていても、単にそれのみでは無効ではない(昭和28,1
1,11行政実例)
◆同一署名年月日又は同一住所であることを示す意味で「〃」と記載したものは有効である(昭
和23,8,22行政実例)。(以下、142ページ)
◆署名後に転出、失権しても有効である(昭和29,2,26最高裁判決)。
◆署名は、名が自署である以上、その姓を書かなくても有効(昭和30,2,7盛岡地裁判決)。
◆鉛筆による署名は有効である(昭和23,10,31行政実例)。
◆書き損じのため紙片を貼付して氏名を記載したもの有効である(昭和23,10,31行政実例)。
◆住所、生年月日、氏名を書き換えた場合に、訂正印を施さなくても、本人が書き換えたことが
明白であると認められる限り有効である(昭和27,11,15行政実例)。
◆同一家族が引き続いて署名する場合、姓が同一であるという意味で「〃」「同」として名のみ記
載しても、ひらがな、カタカナ、ローマ字による署名も有効である。
(昭和24,1,20行政実例)。(以下、146ページ)
◆自署であれば、誤字脱字であっても、選挙人名簿の氏名と異なる場合でも有効である(昭和2
3,12,1行政実例)。
◆戸籍どおり書かなくても、本人の署名と認められる限りは有効(昭和23,10,31行政実例)。
◆指の印は差し支えない。
3/4
2. その資料からまとめ
● 委任届出書の提出時期の委任(・・今は不要・・)
●押印は、署名者を特定し、その意思に基づいて署名がなされたことを明らかにするため
のもの。署名者を特定できる以上は、拇印によることも許される(行実s23.4.12、行実s
23.8.13 神戸地判s29.9.30 等)が、他の指印との異同が識別できる程度に顕出されてい
なければならない(佐賀地判s37.3.20)。
●同一家族の者が同一の印を用いる場合でも、本人の意思に基づく限りその者の印として
取り扱われる(行実s23.7.12)が、同一姓でない家族の捺印は無効で、世帯主の名のみの
印を使用した場合は無効(行実s27.8.19)。
●署名は自書しなければならないが、押印は、自己の意思に基づき他人を機関として押捺
させる場合には有効である(広島高判s25.12.23)。しかし、拇印は別で、同一家族がその
うちの1人によって全部の署名に拇印を押した場合、本人の分のみが有効(行実s28.8.25)。
●委任状のみ表紙の次に綴り込み、請求書及び請求代表者証明書(又はその写し)は署名
用紙の次(裏表紙の前)に綴り込んだ署名簿は、瑕疵のあるものではあるが、これによ
って必ずしも無効となるものではない(行実s28.11.11)。
●請求代表者の氏名は記名で足り、自書を要しない(東京地判s37.6.7)。
●委任状及び委任届の委任年月日が請求書写及び代表者証明書写しの日付の前であっても、
請求代表者証明書交付後に署名収集している場合には署名は有効(行実s33.1.29)。(・・今は不要・・)
●署名年月日も自署でなければならないが、もし自署でない場合、氏名が自署であれば有
効(行実s27.2.13)。
●個々の署名の署名年月日が前後してその一連番号の順序と一致しない点があるとして
もこれをもって直ちに署名の連続性を欠くものということはできない(新潟地判s
28.12.24、行実s28.11.11)。
● 署名年月日欄に前欄署名者と同日に署名した場合「〃」の記載のあるものは有効(行実
s32.1.22)。
● 氏名、署名年月日は自署でなければならないが、それ以外の事項については、請求代表
者において記載して差し支えない(行実s25.12.11)。
4/4
●住所、生年月日の記載していない署名は無効(行実s25.12.11,行実s29.5.14)。
●住所・生年月日のない署名は無効。ただし、署名の記載順序から同一住所と推定される
場合は有効。また、記載内容が選挙人名簿と相違しても、単に誤字脱字であって本人で
あることが確認できる場合は有効(行実s28.8.25)。生年月日の誤記について同趣旨(福
島地判s28.6.22)。
●戸籍どおりに記載されていなくても本人の署名と認められる限り有効(行実s23.10.31)。
●署名中の氏名が誤字脱字等により選挙人名簿に登載された氏名と異なる場合でも無効
ではないが、付箋でその旨表示するのが適当(行実s23.12.1)。
●名のみを自書し、氏の記載が自筆でなくても有効な署名である(盛岡地判s30.2.7、新
潟地判s28.12.24)。
●印はやむを得ない場合は拇印でも差し支えない(行実s23.4.12)。
●拇印も有効である(行実s23.8.13)。
●数人の家族が連名する場合、同一認印を用いた場合有効(行実s23.8.13)。
●同一家族が2、3人おきに署名押印し、印が同一姓で同一印であると判断できる場合、
本人の意思に基づく押印である限り有効。(行実s23.7.12)。
●押印は必ずしも自分の手で押捺することを必要とするものではなく、自己の意思に基づ
き他人を機関として同人をして押捺させても無効ではない(広島高判s25.12.23)。
●押印がなされたというためには、印影の場合は判読可能であることを要し、指印の場合
はそれが他の指印との異同が識別できる程度に顕出されていることを必要とする(佐賀
地判s37.3.20)。
●署名者の生年月日や署名が所定の欄外にはみ出して他の欄に及んでいてもその署名は
無効とならない(福島地判 28.6.22)。
●法は、直接請求に関する署名について厳格な形式を要求する一方、(同一)請求代表者が
選挙管理委員会に署名簿を提出するまでという期間を区切って署名押印の取消ができるこ
ととしていることから、詐偽又は強迫という不法な手段がとられた場合以外は、内心的効
果意思について、いちいち問わない表示主義を取っている(水戸地判s28.7.31)。
したがって、署名の意味が不明のままで直接請求の署名簿に署名した署名であっても所定
の方法により取り消されない限り有効(最判s29.2.26)。
以上
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政府与党の子育て支援が後退している。長年の日本の子育て支援・若者支援の停滞、後退が日本の少子化の原因の一つ、との指摘がある中、政権交代して、安泰政権になったとみてか、長期政策などは無視される。以前の自民党政治にもどった印象。
例えば、幼児教育無償化についても、来年度予算の概算要求に向け、3人以上の子どもを持つ世帯や所得の低い世帯への支援策を拡充する方針を確認した、という。昨日22日のこと。
多子・低所得世帯の負担軽減というそれ自体が悪いことではないけど、全体の無償化からみれば著しい後退。
日本の少子化はさらに進む方向、とみるしかないだろう。
ところで、ここ山県市は、今年9月からの「3歳児から5歳児の保育料の無料化」を決定。
ネットにも掲載し始めた。しかし、パッとしない宣伝。
独自で象徴的な政策なのだから、宣伝が大事と思うけど、そういうことが苦手なんだろう・・・か。
ともかく、今日のブログには、山県市の保育料の無料化の情報にリンクし、政府与党の昨日の会議の関係のデータや報道、あと、半年から一年ほどの前の民間の「政府の幼児教育無償化の政策への期待」に関するページなどをリンクしておいた。
★山県市/3歳児から5歳児の利用者負担額(保育料)の無料化/福祉課 2015年07月21日更新
★山県市/幼稚園の保育料助成事業/学校教育課 2015年07月17日更新
●幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議/内閣府
●幼児教育無償化、多子・低所得世帯を優先 政府・与党が確認/日経 2015/7/22
●「多子世帯への支援を」幼児教育無償化の拡充検討/日テレ 07/22
●幼児教育無償化 子ども多い世帯など優先/NHK 7月22日
●多子・低所得世帯の負担軽減強化=幼児教育無償化で-政府・与党/時事2015/07/22
●子供多い世帯の支援優先 幼児教育無償化で関係閣僚会議/産経 015.7.22
●幼児教育無償化&幼稚園無償化 最新情報/児童手当ニュース
●賛否両論の幼児教育無償化…どうなる?今後の幼児教育/保育のお仕事レポート 2014/07/22 保育ニュース
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◆ 山県市 公式Web トップ
★3歳児から5歳児の利用者負担額(保育料)の無料化
福祉課 2015年07月21日更新
3歳から5歳の子どもを、保育所等に預ける市内在住の保護者の保育料を、9月利用分から無料とします。
★ 幼稚園の保育料助成事業
学校教育課 2015年07月17日更新
幼稚園に在園し、山県市に住民登録がある3歳児(年少児)から5歳児(年長児)までの園児の保護者に対し、私立幼稚園就園奨励費の基準額(308,000円)を限度として、保育料の助成事業を実施します。
幼稚園の保育料助成 (Word:46.59 KB )
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●幼児教育無償化、多子・低所得世帯を優先 政府・与党が確認
日経 2015/7/22
政府・与党は22日、幼児教育の無償化に関する連絡会議を開き、3人以上の子どもがいる多子世帯と低所得世帯を優先して教育費の負担軽減を進める方針を確認した。保育所や幼稚園に通う際の費用を無償にする対象範囲などについて2016年度の予算編成で検討する。
多子世帯の支援は3月に政府が5年ぶりに改定した「少子化社会対策大綱」に基づく措置。現行では一定の条件で3人目の幼児教育費を無償にしているが、支援の対象者を広げる方向だ。低所得世帯については現在は生活保護を受ける世帯は第1子から無償としており、一定の所得の基準を設けて同様の支援ができないか検討する。
会議には政府側から有村治子少子化相、下村博文文部科学相、塩崎恭久厚生労働相らが出席。与党側から自民党の高鳥修一厚生労働部会長、公明党の浮島智子文部科学部会長らが参加した。
●「多子世帯への支援を」幼児教育無償化の拡充検討
日テレ 07/22
政府・与党は2016年度予算の概算要求に向け、幼児教育の無償化について、3人以上の子どもを持つ世帯や所得の低い世帯への支援策を拡充する方針を確認しました。
有村少子化担当大臣:「この春に策定した少子化社会対策大綱に基づいて、多子世帯、3子目以降ということの多子世帯への支援にも目を向けていきたい」
会議には、下村文科大臣や塩崎厚労大臣らのほか、自民党、公明党の担当者も出席しました。今年3月に決定した少子化社会対策大綱で、3人以上の子どもを持つ世帯への配慮を掲げていることを踏まえ、子どもが多い家庭の負担軽減を優先する方針です。合わせて、4月からスタートした子ども・子育て支援の新たな制度の充実に向けて、1兆円を上回る財源の確保を目指すことも確認しました。
●幼児教育無償化 子ども多い世帯など優先
NHK 7月22日
幼児教育の無償化に関する政府・与党の連絡会議が開かれ、幼稚園や保育所の保育料を段階的に無償化する方針を改めて確認したうえで、来年度の予算編成では、子どもの多い世帯と所得の低い世帯への支援に優先的に取り組むことを決めました。
22日開かれた政府・与党の連絡会議には、下村文部科学大臣、塩崎厚生労働大臣、有村少子化担当大臣、それに自民・公明両党の関係する部会の部会長らが出席しました。
会議では、幼児教育の充実に向けて、引き続き、幼稚園や保育所に通う際の保育料を段階的に無償化していく方針を改めて確認しました。そのうえで、来年度の予算編成では、少子化対策と貧困対策の観点から、子どもの多い世帯と所得の低い世帯への支援に優先的に取り組むことを決め、具体的な対象や支援の内容などを検討していくことになりました。
会議のあと、有村少子化担当大臣は、「環境整備と財源確保の両方を図りつつ、段階的な幼児教育の無償化に向けて、引き続き政府・与党一体となって取り組みを進めていきたい」と述べました。
●多子・低所得世帯の負担軽減強化=幼児教育無償化で-政府・与党
時事 2015/07/22
政府・与党は22日、幼児教育の無償化に関する連絡会議を開き、子どもが3人以上いる多子世帯や低所得世帯への負担軽減策を段階的に強化していく方針を確認した。政府は今後、2016年度の予算編成に向け具体策の検討に入る。
有村治子少子化担当相は会議後、「(16年度は)少子化対策を主軸にしつつ、(子どもの)貧困対策も加味した取り組みを政府と与党一体で進めたい」と記者団に話した。
幼児教育の無償化は段階的に進めており、14年度は第3子以降や生活保護世帯の子どもについて実施。ただ、15年度は財源が確保できず、無償化の対象拡大は見送り、低所得世帯への負担軽減などを行っている。
政府は、3月に策定した少子化社会対策大綱に多子世帯の子育ての負担軽減を盛り込んだ。4月には安倍晋三首相が、親から子への「貧困の連鎖」の防止策を打ち出す方針を示している。こうした状況も踏まえ政府は、無償化対象の拡大や、負担が軽減される所得層の拡大に着手する方向だ。
●子供多い世帯の支援優先 幼児教育無償化で関係閣僚会議
産経 2015.7.22
幼児教育無償化を議論する関係閣僚・与党実務者連絡会議で、あいさつする有村少子化相。左は塩崎厚労相、右は下村文科相=22日午後、内閣府
幼児教育無償化を議論する関係閣僚・与党実務者連絡会議が22日、内閣府で開かれた。3月に閣議決定した「少子化社会対策大綱」を踏まえ、平成28年度は子供が多い世帯や低所得の世帯への支援に優先的に取り組む方針を確認した。具体的な対象範囲などは年末に向けた予算編成過程で検討する。
●幼児教育無償化&幼稚園無償化 最新情報
児童手当ニュース
ここでは幼児教育無償化の最新情報をお届けします。
政府により幼児教育の無償化の話し合いが行われています。
幼稚園に通う2人目以降の子どもの保育料を半額や無償(無料)とする話し合いが進んでいたのですが、どうやら2015年度は先送りとなりました。
下でニュースを引用していますが幼児教育無償化対象の拡大は先送りされ、幼稚園に通う3~5歳児を持つ低所得世帯への負担軽減などにとどめることに決まりました。
じゃあ先送りっていつになったら実現するの?
といったことなんですが、2020年までの実現を目指すということで、先は長そうです。。。
・・・・(略)・・・
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●賛否両論の幼児教育無償化…どうなる?今後の幼児教育
保育のお仕事レポート 2014/07/22 保育ニュース
政府が2020年度までの実現を目指す、3~5歳の幼児教育無償化。先日5歳児の一部無償化が見送られ、話題となっています。幼児教育無償化については意見も賛否さまざま。本日はその取り組みについて今一度整理し、そのメリットやデメリットについて、また今後の展望について考えていきましょう。
もくじ
1 【1分でわかる!】5歳児の幼児教育無償化って?
1.1 20年度までの実現を目指して…3~5歳児教育の無償化
1.2 15年度の保育料引き下げ…所得制限の理由とは?
2 賛成?反対?それぞれの声を聞いてみよう!
2.1 【賛成派の声】
2.2 【反対派の声】
3 【今後の展望】無償化で幼児教育はどう変わる?
3.1 幼保一元化や義務教育化も合わせ、高質な幼児教育を目指す
3.2 働く上での変化はあるの?
4 幼児教育無償化のメリットとは?
4.1 国のメリット
4.2 保護者のメリット
4.3 保育士・幼稚園教諭のメリット
5 幼児教育無償化の課題とは?
5.1 財源確保の問題
5.2 入園・入所希望に対する施設と人材不足
5.3 認可外保育施設が対象外になっている点
5.4 施設のサービス変化が無ければ選択肢が変わらない点
5.5 保護者の不公平感
5.6 働く人の負担の増大
6 編集者より
6.1 参考資料
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【1分でわかる!】5歳児の幼児教育無償化って?
まずは幼児教育の無償化の流れについて簡単におさらいしておきましょう!
・・・・・(略)・・・
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インターネットを使う以上、いつも、「悪意のいたずら」や「サイバー攻撃」を気にしていなければいけない時代。今年は、年金機構問題がクローズアップされた。しかも、同種の原因による被害が多数でているらしい。
その警告が改めて、言われている。
そこで現状を認識しておくために、少し調べてみた。
それと、個人レベルの問題への指摘もある。
★東洋経済オンライン《最も重要なことは、目の前の技術を「選択しながら戦略的に使いこなす」ことだ。技術が進んだ世の中で必要なこと》
●44組織にサイバー攻撃 年金機構と同ウイルス感染 標的型、同一グループ?/共同通信 2015/07/19
●JPCERT コーディネーションセンター/講演資料一覧 2015-07-03「標的型攻撃への対応-
●日本企業は、サイバー攻撃で汚染されている 年金情報流出事件でも企業の対応に遅れ/東洋経済オンライン 7月18日
●日本人は「スマホの危険性」をわかっていない 米国防総省現役のサイバー専門家が警告/東洋経済オンライン 6月13日
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●44組織にサイバー攻撃 年金機構と同ウイルス感染 標的型、同一グループ?
(共同通信)2015/07/19
日本年金機構がサイバー攻撃を受けて感染した同型のコンピューターウイルスに、国内の44組織も感染していた恐れがあることが18日、情報セキュリティー対策組織などへの取材で分かった。いずれもウイルス付きメールを送り付ける「標的型攻撃」による感染で、年金機構以外にも多くの組織が 攻撃の対象となり、個人情報などが流出した可能性もある。
セキュリティーの専門家は「感染後の迅速な対応が重要だ」と指摘。日本をターゲットにした、同一グループによる犯行ではないかとする分析も出ている。
サイバー攻撃やウイルス感染の手口を分析し対策を支援している一般社団法人「JPCERTコーディネーションセンター」(東京)によると、今年4~6月、標的型攻撃に遭ったとみられる66組織を確認した。このうち44組織は、ウイルスの一種で年金機構が被害に遭った「エンディビ」に感染したとみられることも判明した。
関係者によると、エンディビは、添付ファイルを開いたり、記載されていたURLにアクセスしたりすると感染する。組織内のサーバーに侵入し、保存されている個人情報や機密情報を盗み出し、特定のサーバーにひそかに送信してしまう。
JPCERTは44組織の具体的な名称を公表していないが、年金機構と同様の被害は相次いで明らかになっている。
九州歯科大(北九州市)は6月にエンディビ感染した。「学会のお知らせ」という件名のメールに添付されていたファイルを職員が開いたのが原因で、職員数十人の名前や連絡先などが流出した可能性がある。
ほかにも専門家がエンディビ感染を指摘している組織は、長野県上田市や環境省の外郭団体「中間貯蔵・環境安全事業」、東京商工会議所、石油連盟、防衛省共済組合が運営する「ホテルグランドヒル市ケ谷」など数多くある。
◆標的型メール攻撃◆
特定の政府機関や企業を標的にし、機密情報や個人情報を盗み出すサイバー攻撃。メールに添付されたファイルや記載されたサイトからコンピューターウイルスに感染する。感染すると知らないうちに外部のサーバーなどに接続され、情報が盗み取られる。メールで何度もやりとりを繰り返したり、新種のウイルスを使用したりするため、既存のウイルスを検知する対策ソフトでは防ぐことが難しいとされる。
●一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンター
講演資料一覧 公開日 2015-07-03
●標的型攻撃への対応 - JPCERT/CC -インシデントレスポンスグループ 久保 啓司
・・・・・・
5ページ 被害組織で発生していること
(図をクリックすると拡大。図右下あたりのクリックでさらに拡大)
10ページ 一次対応
インターネット遮断の判断
事業継続(必要な通信はなにか)
C2サーバ通信の把握状況(限定して遮断できないか)
侵害の範囲(ex. AD管理者権限は奪取されていないか)
関連組織への連絡、エスカレーション
関連会社
監督官庁
警察
アナウンス、プレスリリース等の検討
セキュリティ専門業者への協力依頼の判断
保全した証拠の調査分析
マルウエア感染状況
流出した可能性のある情報の確認特定
通信状況の継続監視による感染端末のあぶり出し
パスワード変更などの対応 |
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●日本企業は、サイバー攻撃で汚染されている 年金情報流出事件でも企業の対応に遅れ
東洋経済オンライン 山内 哲夫 :東洋経済 編集局記者 2015年07月18日
今年6月に発生した日本年金機構からの個人情報流出事件で、サイバー攻撃への注目がにわかに高まっている。巧妙化が進むサイバー攻撃の中でも、足元で急激に存在感を増しているのが「標的型攻撃」と呼ばれるもの。社員などの個人アドレスに直接メールを送りつけ、遠隔操作ウイルスを感染させ、長期間にわたり潜伏して情報を抜き取る攻撃だ。年金機構でも同様の手口でハッカーからの侵入を許した。
大手情報セキュリティ会社のトレンドマイクロによれば、同社が解析を依頼された案件のうち、遠隔操作ウイルスが検知された顧客の割合は2014年10~12月時点では54.2%に達した。半分以上が汚染されていたのだ。2013年7~9月には4.2%だったのと比較すると、いかに急増したかが分かる。
また、サイバー攻撃に対する監視サービスを行っているラックが契約する850の組織で、明らかに攻撃が成功するか、もしくは確認できた重要インシデントは、2014年4月には1日当たり10~20件だったが、2015年4月には同20~30件に増えている。
ネットバンキングを狙った攻撃、PCやファイルを利用不能にすることで人質に取るランサム(身代金)ウエアなどの手口に比べ、こうした標的型攻撃は直接の金銭奪取には向かない攻撃とされる。しかし、クレジットカード番号でなくても、ユーザーIDやパスワードなどが入手できれば、海外の闇市場で売買され、カネになる。
企業側の取り組みに差
「健康保険組合」を名乗って送られてきたメール
標的型攻撃の特徴は、従来型のウイルス除去ソフトが効かないことを試したうえで、特定個人にメールを送りつけてくること。
それも例えば、「健康保険組合」といった公的機関など怪しさを感じさせないような送信元を装い、送って来るうえ、添付ファイルを開くには別メールで案内されるパスワードが必要であるとするなど、手が込んでいる。しかも該当ファイルを開けても感染したことに気づかない。
このため、セキュリティ対策が遅れている企業や組織では、被害があった取引先などからの連絡があって初めて感染に気づくことが多い。感染も被害も見えにくい標的型攻撃。ただ、汚染は水面下で着実に広がっているとみられ、対策の遅れた企業からは知らない間に情報が流出しているのが実情といわれる。
→次ページ大胆な手口 1 2 3 次のページ→
●日本人は「スマホの危険性」をわかっていない 米国防総省現役のサイバー専門家が警告
東洋経済オンライン カイゾン・コーテ :米国国防総省キャリア 2015年06月13日
米国において、初めてモトローラ社から「手にもって移動できる」とされる巨大な電話が発表されたのは、1973年。以来、携帯電話は日々進歩を続けてきた。
そして2007年、iPhoneが発売になると、携帯電話とコンピュータの処理能力の差異はほとんどなくなった。スマートフォンの普及拡大により起こったこと、それこそが、私たちがサイバー空間で過ごす時間の拡大である。今やスマートフォンでアプリを開く光景は、世界共通だ。「ひとときも、手放すことができない」――そんな人も少なくないはずだ。
米国では、人が何らかの形でスマホを含む携帯電話を利用する回数が、1日平均、110回にものぼるといわれている。スマホ普及により、この回数は増加の一途を辿る。
だが、SNSで望めばすぐに誰かに繋がることができる便利な世の中だが、こうした「繋がり」は私たちを振り回し続ける。
有力調査機関であるPew Research Centerによると、40代以下の8割の米国人はベッドサイドにスマートフォンをおき、4割の人間がトイレの中でもそれをチェックするとされる。
シャワーを浴びている間も電話を手から離せないという人は12%、さらに驚くべきことに、20%の成人男女が、セックスの最中ですらスマートフォンを利用しているというデータさえある。これを異常事態と言わず、なんと言おうか。スマホ利用は、もはや人々の「習慣」にプログラミング化されてしまったに等しい。
そしてそれが生活を便利にする習慣ならなおさら、簡単に手放せないのが人間の性だ。しかし一度習慣化されると、人はそこに警戒心を持たなくなる傾向がある。たとえ知るべき危険が潜んでいたとしても。
一般的に携帯電話は、スパイウイルス等に代表される、いわゆる「マルウェア」に対し、PCよりも一般的には安全とされてきた。だがすでにスマホ時代、この考えは必ずしも正しくない。むしろ日常的にスマホに依存する現代人の行動を考えるとき、PCよりはるかにマルウェアに接触する確率は上がる可能性は否めない。
アンドロイド向け不正アプリはなんと260万種
事実、特にアンドロイドをターゲットにしたウイルス数は深刻だ。マイクロトレンド社によると、アンドロイド向け不正アプリの数は、実に260万種とも言われ、たった1年でその数は3倍にも増えてしまった(2014年6月現在)。iPhoneよりも、アンドロイドのウイルス数が圧倒的な理由は、アプリの公開審査基準が緩やかであるためだ。ウイルスの数は増え続けており、危険はますます深刻になることが予想できる。
なぜスマホはここまで危険なのか。自宅や会社で使うコンピュータは、特定のネットワークを通じてサイバー空間に接続されることが多い。だがスマホの「いつでも、どこでも」を実現するには、電波や「Wi-Fi」(Wireless Fidelity、無線LANの一種)が当然必要だ。そしてこれら「電波の基地」(アンテナ)やWi-Fiのアクセスポイントを不特定ユーザーが共有するために、危険度が増すことになるのだ。
ハイテクハッカーたちにとっては、「ニセの携帯基地」を作って情報を傍受することなど「朝飯前」である。こうしたニセの携帯基地を使えば、会話などは簡単に盗聴され、携帯やスマホに蓄積されたデータなども、いとも簡単に盗まれてしまう。
Wi-Fiのアクセスポイントについても同様だ。たとえば、通信速度が速くなるからなどといって「無料Wi-Fi」の場所でむやみにネットに接続することは到底勧められない。安全の保障が絶対的に信頼できるネットワーク以外は、どれも接続すべきではないのだ。
接続場所でいうなら、空港などは危険地域の筆頭だ。さまざまな国籍の人々が万人単位で入り乱れる施設であり、誰がどこで何を傍受しようとしているか、わからない。
空港は通称「ハッキングの海」とも言われており、米国において国のサイバーセキュリティに携わるような仕事をしている人間なら、絶対に利用を避ける場所である。
エグゼクティブは「ガラケー」しか持たない
スマホを使っていると、便利なアプリをフル活用したくなる。だがスマホをお財布代わりにしたり、個人情報につながるデータをすべていれて持ち歩くことは、可能な限り避けるほうが安全だ。
「そんなことは言っていられない」というかもしれない。だが、米国ではリスクを考慮して、通話機能以外ほとんど何も付属していない「フィーチャーフォン」(日本で言うところのガラパゴス携帯)しか持たないエグゼクティブの数も増えている。
それだけではない。知らないうちに携帯電話がハッキングされ、自分の携帯が引き金となって、大規模なサイバー攻撃が仕掛けられる――そんなことも可能な世の中なのだ。
利便性だけを追求すればそれでよい時代は、とうに通り過ぎ去った。しかし、サイバーという見えない空間での出来事ゆえ、私たちはあまりに危機意識が足りない。
最も重要なことは、目の前の技術を「選択しながら戦略的に使いこなす」ことだ。技術が進んだ世の中で必要なこと、それは当たり前すぎることのように聞こえるかもしれないが、「サイバー空間に対する『ユーザーとしての知識』を蓄えること」に他ならない。
第1回目は身近な場所にある「サイバー空間の脅威」について述べた。次回はさらに専門的に、サイバーセキュリティをグローバルな観点から考察する。
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新国立競技場問題をあっさりと転換した安倍氏。
安保法制への批判をかわす策なのかと「真意が気になる」と7月13日のブログで書いた。
⇒◆新国立競技場/為政者の真意は
《・・そうなのに、なぜこんにあきれたことを推進するのか・・・・今の安倍政権の安保法制邁進の批判の勢いをずらす別の争点を作るとか、マスコミの目先を散らすとか、・・・何か、為政者の真意が気になるところ。》
衆議院での15日の委員会強行採決、16日の本会議強行採決に続けて17日は「新国立競技場問題の転換」。
まさに、社会の争点をぼかし、世論を鎮静化し、報道の目先を変えさせる題材を提供するという予定通りの流れだろう。
マスコミ操作、世論操作は権力者のとる上等手段。
こんなことを肝に銘じつつ、ブログには以下を記録した。
●自民党「安倍一極」に不協和音 安保法案採決めぐり党内からも異論/j-cast 2015/7/17
●安保法案、「与党分裂参院」で波乱は起こるか /「強行採決」の代償は小さくない/東洋経済オンライン 7月16日
●社説 民主主義の岐路に立って 安保法案、衆院通過 /中日 7月17日
●社説:法案 参院へ―怒りと疑問にこたえよ /7月17日 朝日
●社説:安保転換を問う 衆院本会議可決/毎日 7月17日
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●自民党「安倍一極」に不協和音 安保法案採決めぐり党内からも異論
j-cast 2015/7/17
2015年7月16日に衆院本会議で行われた安保法案の採決は、直前に野党が会議場を退出したこともあって、淡々と行われたように見えた。だが、委員会の採決直前に複数の閣僚から「理解が進んでいない」という声が出たり、採決後も、様々なトラブルは「自民党の責任」だと執行部批判も飛び出すなど、党や閣内の不協和音も目立ち始めた。
今後、「60日ルール」が発動されるまでは参議院での審議が続くが、野党からは早くも自民党内の「厭戦気分」を指摘する声すら出ている。
石破氏の発言は民主党に攻撃材料与える「オウンゴール」?
委員会での採決を翌日に控えていた7月14日の閣議後会見では、2人の大臣が異論を唱えた。
「説明が十分だという理解はまだ進んでいないというふうに思う」(塩崎恭久厚労相)
「あの(世論調査の)数字を見て、国民の理解が進んだと言い切る自信はない」(石破茂地方創生担当相)
特に石破氏の発言については、民主党の枝野幸男幹事長が
「政治家なら(採決を)止めるべき」
と反応。結果的に民主党側に攻撃の材料を与える「オウンゴール」になってしまった。
本会議で法案が可決された7月16日にも異論は出た。採決後、小泉進次郎衆院議員(復興政務官)は法案審議について「反省点だらけじゃないですか」と憤った。
「憲法審査会で自民党自身がお招きをした学者の方が憲法違反と言ったことも、自民党自身のやったことですよね?そして、自民党の若手懇談会といわれるああいった場での(「マスコミをこらしめたい」といった)発言のさまざまな影響というのも、自民党自身の責任ですよね」
「昔の自民党のよくない部分の一端が垣間見えるような気がして、結果として法律の理解も進んでいないという状況につながっているのではないか」
共産党議員に「このやり方はしんどい」とぼやく議員も...
村上誠一郎、若狭勝両衆院議員が体調不良を理由に本会議を欠席した。以前から安保法案に反対していた村上氏については事実上の造反だとの見方もあるが、谷垣禎一幹事長は
「腰痛だということで診断書も出てきている。事情を聴く必要など私は何も感じていない」
と不問に付す考えだ。
こういった異論は、今の自民党ではあくまでも例外だ。TBSのニュース23が7月15日の放送で明らかにしたところによると、番組が自民党議員を対象に行ったアンケートに回答したのは402人中わずか5人。党内で明示的な箝口令が出ているかは必ずしもはっきりしないが、議員が党外に向けて発言しにくくなっているのは確かだ。
それでも、中には執行部への疑問を他党の議員に漏らす人もいるようだ。共産党の大門実紀史参院議員は、廊下やエレベーターで与党議員と会った時に聞いた「ぼやき」の内容をフェイスブックで明かしている。
「自民党H議員( 大臣経験者 )は『ほんとは正面突破(憲法『改正』)すべき。このやり方はしんどいねえ』といい、 若手のK議員(1期目、官僚出身)は『もっと地元にほめられることをやりたいです』という」
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●安保法案、「与党分裂参院」で波乱は起こるか /「強行採決」の代償は小さくない
| 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト 2015年07月16日 安積 明子 :ジャーナリスト
「強行採決反対!!」などと書いた紙を掲げた民主党の議員たちが、浜田靖一衆院平和安全法制特別委員会委員長を取り囲んだ。そして「反対、反対」と叫びながら、浜田委員長の採決を阻もうとした。議事進行を書いたペーパーをむしり取られた浜田委員長が政府案の採決を取ると、与党の委員たちがそれに応じるように一斉に立ち上がった。
5月15日に国会に提出された安全保障関連法案は、2カ月の審議を経て7月15日午後、混乱の中で自民・公明両党の賛成多数で委員会可決された。この法案、今後、どのような運命をたどるのだろうか。
55年前の7月15日は祖父が首相を退陣した日
そもそも集団的自衛権を限定容認する同法案は、安倍晋三首相の悲願といえる。4月に訪米した際に米議会で演説し、「この夏までに安保関連法案を成就させる」と「公約」した。「60日ルール」の適用が確実になった今、その公約は100%果たされることになる。
そういえば、55年前の7月15日は安倍首相の祖父である故・岸信介元首相が退陣した日だ。日米安保改正と引き換えに政権を去らざるをえなかった祖父と一歩ずつ祖父の夢を果たしつつある現在の自分の立場の違いに、安倍首相はどのような思いを馳せたのだろうか。
だがその代償はじわじわときているようだ。7月の毎日新聞による調査では内閣支持率が42%、不支持率が43%で、第二次安倍内閣発足後初めて、支持と不支持が逆転した。NNNやNHKなど他のメディアの調査でも同じ傾向を示しており、支持率下降は確定的だ。
そこで最近出始めたのが、早期解散説だ。
支持率下落の主原因は安保関連法案だが、これを諦めるわけにはいかない。しかしこのままずるずると支持率を下げてしまうと、9月に予定されている自民党総裁選で波乱が起りかねない。圧倒的な強さで無投票に持ち込みたい安倍首相としては、ここでなんらかの手を打つ必要があるわけだ。
その手段として考えられるのが解散総選挙だ。世論は移ろいやすいので、選挙というイベントを立ち上げることで安保関連法案の悪いイメージを忘れさせようという魂胆だ。さらに野党の支持率が極めて低い「1強多弱」という現状では自民党は負けようがないという点も、解散説の根拠となる。
つい直近には、見事な実証例もある。たとえば朝日新聞の調査によると、前回の衆院選直前の2014年11月には内閣不支持率が内閣支持率を上回っていたが、それでも安倍自民党は絶対安定多数を越す291議席を獲得しているのだ。
「国民の理解が進んでいない」
だが何度も幸運が訪れる保証はない。実際に安保関連法案が審議不足との声が野党のみならず与党にも広がっている。石破茂地方創生担当相が14日の記者会見で、「国民の理解が進んできたという自信は私にはない」と発言。安倍首相も15日の同委員会で、「残念ながら、まだ国民の理解は進んでいる状況ではない」と認めている。
15日午後1時半から開かれた衆院議院運営委員会理事会。民主党の理事を務める笠浩史氏は、「総理自身が国民の理解が進んでいないことを認めている」と述べ、法案の差し戻しを求めた。さらに少数政党も議論に参加できるように自民党の議席を一部譲る話が立ち消えたこと、安保関連法案はもともと11本の法案であるため、113時間の審議を尽くしても1本あたりの審議時間が少ないなど数々の問題点を挙げている。
しかし午後2時半に再開された同理事会で、林幹雄委員長は職権で16日に本会議を開き、法案採決することを決定。これに反発した民主・維新・共産・社民・生活の野党5党は午後3時に党首会談を開き、政府案の採決については「不参加」で合意した。
ただし民主・共産・社民の3党は採決時に退席し、維新の党は単独提出法案の採決後に退席。生活の党は討論・採決ともに欠席するなど、それぞれの行動に各党の思惑がにじみ出る。「少数会派にもいろんな意見がある」と、その直後のぶら下がりで岡田克也民主党代表が述べたように、野党だからという理由だけで一枚岩になれるわけではない。
法案が参院に送られてからは、どうなるのだろうか。
参院は「選挙制度改革問題」を抱えており、10合区12増12減案を提唱する公明党に民主党が相乗りしている。合区について党内の反対が強い自民党は、2合区10増10減案の維新の党から、「こちら側に乗らないと、公明・民主側に付く」と言われてやむなく同調している。つまり、与党が分裂しているのだ。
さらに、11合区案を提示していた脇雅史前参院自民党幹事長が「憲法違反になるような法案を作るわけにはいかない」と会派を離脱するなど、混乱の要素がある。
さらに2016年の参院選を控えて存在感を出すために、衆院と同様の100時間の審議を求める声も出ている。「60日ルール(参議院に送付された法案が60日以内に議決されない場合、衆議院は再議決により法案を成立させることができる憲法の規定)」の適用を目指して、時間が過ぎ去るのを待つだけ、とはいかない可能性もある。
安倍首相が7月9日の夜に次世代の党の全議員と会食したのは、こうしたことへの懸念からだろう。6名の参院議員を擁する同党はもともと安保関連法案について賛成を表明していたが、さらに安倍首相が直接に協力要請することで、確実なものにする必要があったのだ。
衆院に戻って来た時が「戦いの本番」
一方、野党側は「60日ルール」の適用によって法案が衆院に戻ってきた場合の対抗策を考えている。たとえば委員長の不信任決議案。特別委員会委員長には法律上の解任規定がなく、不信任決議案を可決されても法的拘束力があるわけではないが、委員長は自らの進退を決するなど政治的・道義的責任を負うことになる。
「手持ちのカードは限られているんだから、何も最初からカードを切ることはない」。枝野幸男民主党幹事長はこう言う。要するに野党は「60日ルール」で安保関連法案が衆院に戻って来た時が「戦いの本番」と見ているわけだ。15日夜に都内で開かれた民主党の近藤洋介衆院議員のパーティーで、岡田代表は次のように述べた。「審議すれば審議するほど、内閣支持率が下がっていく。6割の反対が8、9割までになれば、法案を撤回させられる」。
16日の衆院本会議で法案が通れば、「60日ルール」が適用されるのは9月14日。会期末の9月27日までは約2週間ある。しかし、審議をできる時間はほとんどないだろう。連休中は審議できない上、安倍首相が国連総会に出席するなど公務が入っている。さらに自民党総裁選の予定もある。
安保関連法案は成立する可能性が高いものの、波乱要素がないわけではないのである。
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●社説 民主主義の岐路に立って 安保法案、衆院通過
中日 2015年7月17日
主権者である国民の多数が反対する法案がなぜ、衆院を通過してしまうのか。戦後七十年の節目の今年、私たち日本の民主主義は岐路に立たされている。
憲法学者の多くが「憲法違反」と指摘する安全保障法制関連法案が衆院特別委で強行可決された十五日夜、国会正門前は法案に反対する人たちで埋め尽くされた。
人の波は深夜になっても途絶えず、主催者発表の参加者数は十万人にまで膨れ上がった。法案が衆院を通過したきのう夜も、国会周辺には多くの人が集まり、安保法案反対の声が響いた。
法案に反対する集まりは、名古屋、札幌など日本全国に広がる。
反対の大きなうねり
石破茂地方創生担当相はかつて自民党幹事長時代、国会周辺で繰り広げられた、特定秘密保護法や原発再稼働に反対するデモ活動を「テロ行為」と同一視して、批判したことがある。
その石破氏ですら、全国で反対デモが続く安保法案について「国民の理解は、まだ進んでいるとは言えない」と認めざるを得ないほど、この法案は異常さが際立つ。
デモで示された安保法案への反対は、民意の巨大なうねりの一端にすぎない。
共同通信社が六月下旬に実施した全国電話世論調査によると、安保法案に「反対」との回答は58・7%で、五月の前回調査から11・1ポイント上昇した。法案の今国会成立に「反対」との答えも63・1%で、前回より8ポイントも増えている。
安保法案は、審議を重ねれば重ねるほど矛盾や欠陥が露呈した。衆院憲法審査会で参考人の憲法学者全員が「違憲」と主張したことを契機に、法案の合憲性に対する国民の疑念も一気に膨らんだ。
時がたつにつれ、法案そのものや、今国会での成立に反対する意見が増えるのも当然だろう。
「白紙委任」ではない
しかし、安倍晋三首相や法案を提出した安倍内閣、今国会成立を急ぐ自民、公明両党はいずれも、そうした国民の声を聞き入れようとせず、野党が反対する中、特別委や本会議で採決に踏み切った。
自民、公明両党は二〇一二、一四年衆院選と一三年参院選で勝利した。その数の力を背景に、反対論を封じ、選挙で選ばれた自分たちの判断こそ、正しいと言わんばかりの態度だ。
確かに、有権者にとって選挙は政治家や政党、政策を選択する最大の機会ではある。国民の負託をより多く受けた与党の国会議員が政策決定の主導権を握るのは、議会制民主主義としては当然だ。
とはいえ、有権者は選挙で「白紙委任」をしたわけではない。それぞれが政治家や政党を選びながらも、熟議を通じてよりよい政策をつくり上げてほしい、というのが国民の率直な願いのはずだ。
選挙ですべてが決まるのなら、議会で議論する意味はなくなり、議員は多数決マシンと化す。
ましてや、憲法九条に基づく平和主義、専守防衛など戦後日本が守り抜いてきた憲法の理念や、憲法が権力を律する立憲主義に関わる問題では慎重な議論が必要だ。
国民が、政府や国会の振る舞いをおかしいと思えば声を上げるのは当然であり、政治家が謙虚に耳を傾けることこそが、健全な民主主義の在り方ではないのか。
にもかかわらず、自民党から聞こえてくるのは、安保法案を批判する報道機関の広告料収入をなくして「懲らしめる」などという威圧的な発言であり、沖縄県の地元新聞社をつぶせという作家に反論しない議員たちの姿である。
言論の自由を定めた憲法を守れない自民党議員に、憲法や法律を語る資格はない。
より深刻なことは、首相自身に戦後日本の平和主義や専守防衛、立憲主義を深刻な危機に陥れている、との自覚がないことだろう。
海外での武力の行使に道を開く集団的自衛権の行使を認めたにもかかわらず、平和国家の歩みや専守防衛に変わりないと言い放ち、最高法規である憲法の解釈を恣意(しい)的に変更しても、立憲主義に反しないと強弁する。
それは、戦後日本が目指してきた民主主義のあるべき姿や指導者像とは程遠いのではないか。
声を出し続ける覚悟
安保法案の衆院通過を受けて、論戦の舞台は参院に移る。法案をこのまま成立させれば、安倍政権の誤った民主主義観を追認することにもなる。重大な岐路である。
日本の民主主義が誤った方向に進まないようにするのは、主権者である国民の崇高な役割だ。おかしいと思ったことには国民自身が覚悟を持って声を出し続けなければ、権力は暴走を自ら止めることはないだろう。
政治の決定権を、国民から遊離した権力から、国民自身に取り戻す。戦後七十年。正念場である。
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●社説:法案 参院へ―怒りと疑問にこたえよ
2015年7月17日 朝日新聞
「勝手に決めるな」
「国民なめるな」
世代や党派を超えた重層的な抗議のコールが連日、国会周辺の空気を震わせている。
「これが民主主義か」という疑問。「主権者は私たちだ」という怒り。それらを大いに喚起しつつ傲然(ごうぜん)と振り払い、自民、公明の与党はきのう、安全保障関連法案を衆院通過させた。強行しても「国民は忘れる」。安倍政権のこの侮りを、主権者は決して忘れないだろう。
論戦の舞台は参院に移る。
「良識の府」「再考の府」。参院はまがりなりにもそう称されてきた。衆院の「数の政治」に対して「理の政治」。国会をより慎重に動かす。そんな役割を本来は担っている。
解散がなく、6年という長い任期が保障されているのも、衆院議員とは異なる目線と射程の長さで、ものごとを多元的に検討することが企図されている。様々な価値観や異なる意見のせめぎ合いから導かれた結論の方が、間違いが少ないからだ。
ところが安倍政権下、まさにその多元性が押しつぶされそうになっている。
集団的自衛権は行使できないとしてきた内閣法制局を、人事を通じて我がものとする。首相の「お仲間」で固めた私的懇談会が「行使容認」の報告書を出す。メディアを威圧しようとする自民党の動きも続く。
多元性の確保が存在意義のひとつである参院であればこそ、安倍政権の「数の政治」に追従すれば、自殺行為になる。くすぶる不要論にまた根拠が加わるだろう。
議論すべきことは山ほどある。大多数の憲法学者の「違憲」の指摘に、政府は全く反論できていない。どんな場合に集団的自衛権を行使できるのか、安倍首相は「総合的判断」と繰り返すばかりで、要は時の政権に白紙委任しろということかと、不安は高まる一方だ。
学者、学生、法曹界、無党派市民。各界各層、各地に抗議の動きが広がり続ける背景には、安保法案への賛否を超えて、この国の民主主義、立憲主義がこのままでは壊されてしまうとの危機感がある。
そもそも、この違憲の可能性が極めて高い法案を審議するのは、最高裁に「違憲状態」と指摘された選挙制度によって選ばれ、その是正にすらまごついている人たちなのだ。
あなたたちは何を代表しているのか? この問いに少しでも答えたいなら「理の政治」を打ち立てるしかない。主権者は注意深く、疑いの目で見ている。
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●社説:安保転換を問う 衆院本会議可決
毎日新聞 2015年07月17日
◇国民は納得していない
民意と国会との隔たりはここに極まった感がある。
国民の反対は強まっているのに、国民の代表で構成しているはずの衆院は、与党の賛成多数で安全保障関連法案を可決した。
衆院本会議場には、7カ月前に安倍晋三首相自身の命名による「アベノミクス選挙」で当選してきた圧倒的多数の与党議員がいた。票に色はついていないのだから、国民からもらった力を何に使おうと勝手という理屈なのだろう。
◇自衛隊の基盤は信頼だ
人間に特有の人柄があるのと同じように、国家にも歩んできた歴史に基づく国柄と呼ぶべきものがある。防衛政策の面で見れば、戦後日本の国柄とは、国際協調を重んじ、軍事的には極めて抑制的に振る舞うことであった。
安保関連法案には、こうした国柄の抜本的な変更を迫る内容が数多く盛り込まれている。集団的自衛権の行使容認と、対米軍支援の世界的拡大がその中核だ。
政府は「日本を取り巻く安全保障環境の悪化に対応する必要がある」と繰り返す。「もはや一国だけでは平和を守れない」とも言う。
国際情勢の変化には無論注意を払わなければならない。多国間のネットワークで自国の安全保障を考えていく姿勢も大事だろう。
しかし、防衛政策の実行にあたる自衛隊は物理的に強大な力を持つ。判断を誤った場合にもたらされる国内外への悪影響は、一般の政策とはレベルが違う。したがって、自衛隊の活動は民主的に統制され、かつ国民の幅広い同意に基づいている必要がある。
国民の信頼なくして防衛政策は成り立たない。これが70年前、無謀な戦争に負けて、平和国家として再出発した日本の基本であろう。
ところが、安倍首相はその柱である憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権を「行使可」に切り替えた。過去40年以上も「行使不可」の見解を維持してきた内閣法制局の長官人事にまで手を突っ込む、強引なやり方だった。
集団的自衛権とは、他国防衛を意味する。他国を防衛することによって間接的に自国防衛に資することを期待する。国連憲章で認められている考え方だが、同時に日本が国際紛争の当事国になるリスクを招き寄せてしまう可能性もある。
だからこそ、憲法9条の下で集団的自衛権の行使は容認できない、という従来の政府見解は、国民の常識的な感覚に合致したものだった。
もしも、行使に道をひらきたいのであれば、憲法の条文改正で解決されるべきテーマである。
その意味で、安倍内閣が採用した憲法解釈の変更は、行政の裁量権を逸脱している。内閣が超法規的な存在であってはならない。
一時の多数派の意向で安易に変えるべきではないのが国柄であろう。安保法案に対して多くの国民が納得できない原因もここにある。
◇憲法の安心感取り戻せ
内閣府が今年1月に実施した「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」によると、自衛隊に対して「良い印象を持っている」との回答は、「どちらかといえば」を含めて92.2%に上った。
1991年に67.5%だったプラス印象の回答割合は、ほぼ一貫して上向いてきた。国の組織としては異例の高さだ。災害出動などを通して自衛隊員の献身的な姿を国民が見ていることに加え、自衛隊の抑制的な姿勢が支持されているからだろう。
自衛隊の活動は民主的に選ばれた政府が責任を負う。しかし、政府の判断に国民の多くが同意できないのであれば、自衛隊の活動基盤は弱まる。安倍政権の性急で独善的な姿勢が、基盤を弱める方向に作用していることを認識すべきだ。
国民の信頼をつなぎ留めるには、まず憲法に示された原則が守られているという安心感を回復させることが必要だ。憲法違反が濃厚な法案を成立させてはならない。
そのうえで成立させるべき法案を、主要な与野党間で共有でき、かつ多くの国民が納得できるものに絞り込むべきだ。
「切れ目のない対応」を旗印に、安倍政権が多くの内容を詰め込んだ結果、衆院の法案審議は完全に消化不良に陥った。日本有事から地球規模での対米支援、国際貢献まで広範囲に及ぶ11本もの法案を束ねて審議するのは乱暴過ぎる。
安保法案は参院に送られた。安倍政権は仮に参院が採決しない場合でも、60日たてば否決したとみなして衆院で再議決する「60日ルール」の適用を視野に入れている。
しかし、参院の役割とは本来、衆院段階での行き過ぎを改め、足らざる部分を補うことにある。
衆院の与党議員が力任せに可決した法案を追認するだけなら、参院の存在意義に疑問符がつく。今こそ独自性を発揮すべきである。
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あまりに当然だけど、法律の範囲を超えれば違法となる。
今まで、裁判所から違法と認定されたとき、政府、行政は、実態を改善してきた。
とはいえ、ときには 法律改正して《争点の課題》を「適法」とする対応すらあった。
ところで、安倍首相がよく使う言葉に「法の支配」がある。今回、完全に力で押し切ったやり方は、安倍氏の本心に、「法の支配」とは「私が支配」「強いものが支配して当然」 ということのよう。
★ j-cast 2015/7/16
《「60日ルール」が成立するのは9月14日。会期は9月27日までだから余裕だ。すべては安倍首相の思惑通り。ひとつ違ったのは内閣支持率の低下、不支持が逆転くらいか。》
そんな思いでネットのニュースを見ながら、ブログに次を記録。
●安保法制「9月14日」成立!参院60日ルールで安倍首相思惑通り/j-cast 2015/7/16
●安全保障関連法案が衆院本会議で可決 「9条はずっとゆるく解釈されてきた」/ライブドアニュース 2015年7月16日
●<社説>安保法案衆院可決 国民の危機感無視するな/琉球 2015年7月17日
● 社説 「1強政治」と憲法―「法の支配」を揺るがすな/2014年1月3日 朝日
なお、今日は台風の影響の点検と作業。
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●安保法制「9月14日」成立!参院60日ルールで安倍首相思惑通り
j-cast 2015/7/16
衆院平和安全法制特別委はきのう15日(2015年7月)、集団的自衛権行使を含む安全保障関連法改正案など11件を一括採決した。野党が一斉に反対するな か、自民党と公明党の数による強行採決で、きょうにも衆院本会議で可決。60日ルールによって、参院での結果にかかわらず、本国会で成立することが決まった。
「国民の皆様のご理解が進んでいない」と答弁しながら強行採決
安保法制の審議時間は100時間を超えているが、採決された法案・改正案は11本もあって、1法案あたりは10時間ということになる。安倍首相にとっては内容審議なぞどうでもよかったのだろう。この日、「国民の皆様のご理解が進んでいないのも事実であります」と答弁しながら、採決だけは強行した。採決後に「判りやすく説明していきたい」なんて話が逆だ。今後はただのセレモニーになる。
審議十分ですか?
そもそも、法案すら出ていない段階でアメリカ議会で「安保法案を成立させます」と明言したのもふざけた話だ。その後、委員会で憲法学者3人からそろって「憲法違反」とされたが、安倍首相は一顧だにしなかった。数があれば何でもできる。理屈なんかどうでもなる。
きのうの委員会は午後0時過ぎ、まず野党が審議継続の動議を出したが否決。野党議員が「強行採決反対」などと書いたプラカードをテレビカメラに向かって一斉にかざしてアピールするなか、安倍首相は退席。そのあと、維新の党の対案を否決し、維新の議員は退席した。
直後の0時24分、浜田靖一委員長が採決した。親父さんの幸一氏(ハマコー)の時代と違って、野党議員は議長をとりまいていたが「だめですよ、委員長」などとおとなしいものだった。
司会の小倉智昭「野党もプラカードしか手がなかったのかね」
フジテレビの石原正人・政治部長が民主党と維新の党の食い違いを説明したが、たとえまとまったところで結果は同じ。数の多数にはかなわない。
反発強い世論「内閣支持率急落で支持・不支持逆転」
小倉「わかりにくい論議だった。外では戦争はいやだ、憲法違反だという風に要約されていたが」
国会周辺は終日、法案反対の市民がとりまいていたが、「とくダネ!」はこの映像は撮っていなかった。コメンテーターの為末大(元プロアスリート)は委員会の状況を「特殊な状況」と驚いていた。法案にたいする危機感はあまりないらしい。
小倉「昔はもっとはげしかった」
宋美玄(産婦人科医)も「国民に理解をえられる自信がなかったのだろう」などといったが、それだけ。
小倉「100時間審議したというが」
石原「政府は具体例を示さなかった」
小倉「たとえ話でしょ。友だちの麻生君がどうとか。質問も堂々巡り」
「60日ルール」が成立するのは9月14日。会期は9月27日までだから余裕だ。すべては安倍首相の思惑通り。ひとつ違ったのは内閣支持率の低下、不支持が逆転くらいか。
ただ、国会外の声の広がりは意外に大きいようだ。「賛成した議員は次の選挙で落とす」などというのが公然と聞かれる。それまで覚えていればの話とはいえ(日本人は忘れっぽい)、18歳選挙権も考え合わせると、意外な結果を生むような気がしないでもない。
●安全保障関連法案が衆院本会議で可決 ゆるく解釈されてきたと指摘も 安保法制:「9条はずっとゆるく解釈されてきた」と英誌、自衛隊の存在を指摘
ライブドアニュース 2015年7月16日
ざっくり言うと
安全保障関連法案が15日、衆院平和安全法制特別委員会で可決された
「ずっと以前から9条はゆるく解釈されてきた」とエコノミスト誌は指摘
9条は戦力の不保持を定めているが、日本には自衛隊が存在していると述べた
安保法制:「9条はずっとゆるく解釈されてきた」と英誌、自衛隊の存在を指摘
安全保障関連法案が15日、衆院平和安全法制特別委員会で可決された。自民・公明の与党単独での強行採決だった。16日に衆院本会議でも可決されれば、9月27日までの今国会での法案成立がほぼ確実となる。多くの海外メディアは、国内報道各社の世論調査の結果を踏まえ、国民の過半数が反対する中での可決となったと報じた。
◆世論調査が示す安倍政権と国民との温度差
ロイター、ブルームバーグ、AFPは、国民と安倍政権の間のギャップが拡大していることに注目したようだ。AFPは、国民と国会議員の反対が高まっているにもかかわらず、安倍首相は法案を可決させた、と報じた。ロイターは、一般有権者の過半数が反対しているにもかかわらず、日本の安保政策の劇的な変更を求める法案が可決された、と報じた。
ロイターが記事で引用しているのが、朝日新聞が13日に発表した世論調査だ。それによると、安倍内閣の支持率は39%、不支持率は42%、また安保法案への反対が56%だった。ブルームバーグは、法案をめぐる何週間もの論争によって、首相への支持が損なわれた、と語る。報道機関の世論調査では、有権者の過半数が集団的自衛権の行使容認などの変更に反対しており、いまや内閣への不支持率が支持率を上回っている、と伝えた。
また、ロイターとブルームバーグは、安保法制のみならず、安倍首相にはこれからも、原発再稼働や終戦70年談話の発表、新国立競技場の建設費用高騰など、難しい課題が待ち受けている点に注意を向けている。
早稲田大学の田中愛治教授(政治学)はロイターに、「首相の支持率は、法案の可決後、当然下降するでしょう」、「安倍内閣は、その後に支持を回復させるため、ニュースバリューのあるなんらかの政策を考慮していると思います」と語っている。
果たして、15日の可決後には、政府が新国立競技場の計画を見直す検討に入ったことが明らかになった。
◆安保法案は憲法9条の平和主義に背くものと見なす世論
AFPは、安保法案について、70年間に及ぶ日本の平和主義に背くものだと多くの日本国民が語っており、国民の間で不安が広がっているにもかかわらず、安倍首相にとってはかなり特別なプロジェクトだ、とし、そのギャップを浮き彫りにした。
AFPは、強固なナショナリストの安倍首相は、日本の軍事態勢の正常化と呼ぶものを強く主張している、と語る。一方、安倍首相の安保政策に反対する国民らは、平和主義の方針に深く執着している、としている。
エコノミスト誌は、法案可決前の11日の記事で、安倍首相は日本をもっと普通の軍事国にしたいと思っているが、多くの国民にその必要性を納得させられていない、と語っている。平和憲法の束縛を外すという安倍首相が長く大切にしてきた目標は、国内で不評であることが判明しつつある、と、同誌もまたギャップに注目している。
安保法案をめぐる議論の多くは、憲法、特に9条に関連したもので、多くの日本人は9条を重んじている、と同誌は語る。けれども、安倍首相が9条に違反していると責める人たちは、ずっと以前から9条はゆるく解釈されてきたという事実を無視している、と指摘。例えば、9条は戦力の不保持を定めているが、日本には1950年代から自衛隊が存在している、と同誌は語る。
◆中国を刺激しないよう気遣い?国民を納得させる説明が安倍首相の責務
ブルームバーグのオピニオンサイト「ブルームバーグ・ビュー」の可決前の論説は、特に安倍首相による説明が不十分だという点を重視している。安倍首相は安保法案は日本の安全保障に必要不可欠だと語っているが記事は、それは正しい、と首相に賛意を示している。しかしそれでも、混乱し怒っている一般国民に、自分の主張の正しさをしっかりと述べることは、安倍首相の責務だ、と断じている。
ブルームバーグ・ビューは、首相は現在から9月末までの時間を、新法案はほのめかされているよりもはるかに穏当なものだということを、国民にはっきり分からせるために使うことができる、と語っている。一方で、首相が法案が関わってくるかもしれない場面についてあいまいでいるせいで、まさに国民の最悪の懸念を助長している、とも指摘している。
このあたりの説明はエコノミスト誌が詳しい。集団的自衛権の行使を必要とするかもしれない具体的状況を、安倍首相が説明するのを嫌がっていることが、首相が法案を受け入れさせるのに困難を抱えている理由の一つである、と同誌は指摘する。もし首相が、中国の振る舞いが日本の懸念の原因かもしれないとほのめかすだけでも、中国は激怒するだろう、と同誌は語る。今のところ安倍首相は可能性のある例をたった一つしか示していない、同盟国と協力して(機雷除去により)ホルムズ海峡の封鎖を解除することだ、と語っている。
◆「安倍首相の真の問題は国民の信頼の欠如」
ブルームバーグ・ビューは、安保法案への国民の反対について、より根底的な原因とその対処法を示している。つまるところ、安倍首相の真の問題は、国民の信頼の欠如である、と記事は断言する。首相は強硬路線のナショナリストだという評判のせいで、有権者は新法案が首相に与える権力を首相が拡大解釈するだろうと予想している、というのだ。
この流れを変える絶好の機会が8月の終戦70周年談話だ、としている。安倍首相からの心からの悔恨を示すメッセージは、北東アジアの国際関係を長らく悩ませてきた歴史的緊張を緩和することに大いに役立つかもしれず、また、首相のタカ派路線に対する日本国民の懸念も軽減するだろう、とブルームバーグ・ビューは語っている。
●<社説>安保法案衆院可決 国民の危機感無視するな
琉球 2015年7月17日
議場における数の力で民主主義を破壊する蛮行だ。国の将来を憂い、危機感を募らせる国民を無視することは断じて許されない。
安全保障関連法案が衆院本会議で可決された。野党5党は採決に加わらなかった。前日の平和安全法制特別委員会での強行採決に続く異常事態だ。法案が国民の支持を得ていないことの証左である。
最近の各報道機関の世論調査を見ると、法案に「反対」する声が多数を占めている。安倍内閣の支持率は「支持しない」が「支持する」を上回るか、拮抗(きっこう)するようになった。支持率の低落傾向が顕著になっている。
国民の意思は明確だ。安全保障関連法案の成立を拒否しているのであり、それを強行する安倍内閣にノーを突き付けているのだ。
安倍晋三首相自身も特別委員会の中で「国民の理解が十分に得られていない」と述べ、国民の反対の多さを認めた。その自覚があるならば、当然採決を見送るべきであった。安倍首相は「理解が進むよう努力を重ねていきたい」とも述べたが、順序が逆だ。法案が可決成立してからでは遅いのである。
国民は安保関連法案の本質を見抜き、平和憲法をなし崩しにする安倍政権に異議を申し立てているのである。国民世論と真正面から向き合うことなく、法案成立を強行する行為は民主主義にもとる。国会周辺のデモに代表される国民の声を軽んじてはならない。
与党は「審議は尽くした」と説明す
るが、到底納得できない。確かに特別委員会は審議に116時間を費やしたが、国民の疑問に答えるような議論の深まりはない。
集団的自衛権行使をめぐる憲法論争は決着していない。行使要件となる「存立危機」の定義も不明確だ。自衛隊員のリスクについても安倍内閣と野党の主張はかみ合わなかった。採決に踏み切るような環境にはなかったのだ。
舞台は参議院に移る。憲法問題などを論点に徹底審議すべきだ。国民を置き去りにし、強行採決をするような行為を繰り返してはならない。「60日ルール」による逃げ切りなど、もっての外だ。
戦後70年の間に築かれた「国のかたち」を強引に葬ろうとする安倍内閣と現国会に、私たちは国の将来の全てを委ねてはいない。国民が拒否する安保関連法案は廃案にすべきだ。さもなくば衆議院を解散し、国民の信を問うべきだ。
● 社説 「1強政治」と憲法―「法の支配」を揺るがすな
2014年1月3日 朝日新聞
安倍首相が最近よく使う言葉に、「法の支配」がある。
中国の海洋進出を念頭に「力による現状変更ではなく、法の支配によって自由で繁栄していく海を守る」という具合だ。
「法の支配」とは何か。米国の政治学者フランシス・フクヤマ氏は、近著「政治の起源」でこう説明している。
「政治権力者が、自分は法の拘束を受けていると感じるときにのみ、法の支配があるといえる」
この「法」は、立法府がつくった制定法とは違う。近代以前は、神のような権威によって定められたルールと考えられていた。法と制定法の違いは、現代でいえば憲法と普通の法律の違いにあたるという。
今年、安倍首相は「憲法9条改正」に挑もうとしている。
ただし、憲法96条の改正手続きによってではない。解釈の変更によるのだという。
最高法規の根幹を、政府内の手続きにすぎない解釈によって変える。これは「法の支配」に反するのではないか。
■決める政治はき違え
衆参のねじれを解消した安倍首相は、「決められない政治」からの脱却を進める。
先の国会では、内閣提出法案の9割近くを成立させた。
私たちは社説で、ここ数年の日本政治を特徴づけてきた「決められない政治」を克服するよう、政治家に求めてきた。
それは、国民の負担増が避けられない時代に、政治には厳しい現実を直視した決断が必要なことを指摘したものだ。
安倍政権は消費税率の引き上げを決めた。だがそれ以外の分野ではどうか。やりたいことをやりたいように決める。こんな乱暴さが際だってきた。
三権分立どこ吹く風。一票の格差を司法に断罪されても、選挙無効でなければ受け流す。婚外子の相続差別への違憲判断を受けた民法改正の党内手続きには、猛烈に抵抗した。
自民党も賛成した憲法改正の国民投票を18歳以上に確定する法改正すら先送り。改憲手続きに従った改正を遠のかせることになろうと、お構いなしだ。
「いまの力はつかの間のことなのに、我々は何でもできるという自民至上主義が生まれている」。党内のベテラン議員の目には、こう映る。
■力ずくに異議もなく
極めつきは、特定秘密保護法採決の強行に次ぐ強行だ。
かつて自民党は、勢力が強まるほどに自制した。
生前、哲人政治家と評された大平正芳元首相は、若手にことあるごとに老子の言葉を説いて聞かせた。
「大国を治むるは、小鮮(しょうせん)を烹(に)るがごとし」
小魚を煮る時は、形を崩さぬよう、つついてはいけない。政治も同じという意味だ。
反対を力ずくで押し切ったあの採決への過程は、保守本来の知恵ともいうべき戒めとは対極の荒々しさだった。
大平の薫陶を受けたリベラル派は、ほぼ姿を消した。政権中枢のやり方に違和感を覚えても、表だって異議申し立てをする重鎮もいない。
一方で、予算の大盤振る舞いに群がる族議員の行動は「完全復活」した。
「官邸しか見ないヒラメ議員の集まりか」。長年、党を見てきた官僚からため息が漏れる。
■歴史の教訓はどこに
今年、安倍政権がいよいよ手をつけようとしているのが、集団的自衛権の行使容認だ。歴代政権は憲法解釈上、行使できないと封印し続けてきた。
布石は打たれている。慣例を破り、行使容認派を内閣法制局長官に起用した。政治の暴走から法の支配を守る政府内の防護壁は格段に低くなった。
特定秘密法のように、憲法が保障した国民の権利を法律によって制限する。今度は法律よりも軽い解釈変更によって、戦後の平和主義を支えてきた9条を変質させようとする。
いずれも、国民の手が届かないところでの出来事だ。
安倍首相は昨春、憲法改正の発議要件を両院の3分の2の賛成から過半数に下げる96条改正を掲げ、「憲法を国民の手に取り戻す」と訴えていた。
いまやろうとしているのは正反対のことではないのか。それともこれが、麻生副総理がナチスを引き合いに語った「誰も気づかないうちに」憲法を変えるということなのか。
昨秋の衆院憲法審査会の議員団によるドイツ視察。改憲の発議要件を緩めることをどう思うかという質問に、独連邦議会の議員がこう答えた。
「ヒトラーがその全権を掌握するなどということは、3分の2という条項が(厳格に)あればできなかったはずだ」
歴史の教訓である。
自民党の1強体制が、2度の選挙によって生まれたのは確かだ。しかし、そのことをもって法の支配に挑むのなら、民意への悪乗りというほかない。 |
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