こちら山県市の環境問題、前から議会で問題にしていた。
会社は、倒産して”逃げた”。
先日、読売新聞が全国版で採りあげた。リサイクルという名の現在の思索と現状の問題、そして展望をさぐる視点。
2年半前、私が気がついて、すぐに、環境省に聞いたら、「廃材をチップにしても、有価物として利用していると認められる限りは問題ない。『放置』されたら、その時点で産廃になる」
当時、私は、状況と彼らの意図からすれば、明らかに「産廃」と主張した。
しかし、行政は違った。
・・・今は、ほとんど誰が見ても、「放置」=産廃。
「ほとんど」というのは、一部にそう見ない人たちがいるから。
倒産後、市は、管財人の方針が決まらないと何もできないという。
今回、この放置チップこから、基準を超える鉛が検出された。100を越えるサンプルの平均でも基準を超えた。
一番心配しているのひとつは、アスベスト。
何しろ、建設廃材ということ、アスベストが放任されていた時代の物がたくさん入っている可能性もある。
私は直感を大事にする。行政の多くは、慣例や習慣によりかかる。
記事の後には、現地の写真や議会の一般質問の記録を載せておく。
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● 環境ルネッサンス 揺らぐリサイクル No.2
「堆肥原料」の建設廃材 撤去も進まぬゴミの山
2007年2月21日 (水) 読売新聞全国版
休耕田に、高さ1メートル近くまで、幅数センチ、長さ十数センチの木片が盛り上がる。木くずの″山″をよく見ると、赤や黄に塗ったベニヤ板、プラスチック片、緑やオレンジの被覆電線、白い電気コードも交じる。
岐阜県山県市内の4か所、計2万8820平方メートル。
岐阜市の造園業者「緑化保全」が地権者から土地を借り、2002年ごろから、堆肥を作る「高熱成堆肥ヤード」とした。ところが同社は05年1月、岐阜地裁に破直を申し立て、木くずの山は放置さたままになっている。
近所の女性(83)は、「うちは井戸水を飲んでいるから、何が入っているか心配」とため息をつく。女性の娘は、「業者が堆肥の見本を持ってきた時、『お花に使って下さい。お野菜にはやめてね』と言うので、不安を感じた」と言う。
木くずは、産業廃棄物処理業の許可を持つ緑化保全の関連会社が建設廃材や伐採木から作り、緑化保全が購入した。
このため、山県市は「木くずの山は、破産管財人が所有する財産で、有価物。破産管財人に早く撤去してほしい、とお願いしてきた」という。
しかし、最近になって、「財産」が一転、「ゴミ」になる可能性が高まっている。昨年11月に破産管財人が行った調査で、「堆肥ヤード」から、環境基準を超える鉛が検出されたからだ。92検体を採取・分析したところ、最高で1リットル当たり0.035ミリグラム増と、基準の0.01ミリグラム増の3倍を超え、平均でも0.011ミリグラムと基準を上回った。
破産管財人の山田徹弁護士に、木くずの山は「財産か、廃棄物か」と聞くと、「今は過渡期。どうするかは、検討中」と話す。関係者によると、同弁護士は「売却はあきらめざるを得ない」と県や市に伝え、撤去や費用負担の方法をめぐり、3者で協議が続く。
04年12月、山県市議会の一股質問で、木<ずの山が取り上げられた。「堆肥作りという名目を掲げているが、形を変えた産廃の投棄ではないのか」との疑問を抱いた寺町知正・市議(53)の質問。市助役は「産廃ではなく有価物」としながら、「農地転用の手続きがとられておらず、農地法に触れる。市は手続きは不要としてきたが、誤りだった。撤去するよう業者に求める」と答弁した。
「寝耳に水だった。撤去費用が6000万~1億円かかる。みなやる気をなくした。議会答弁から1週間後の破産申し立ての背景を、緑化保全の関連会社役員は、こう証言する。
岐阜市内で04年3月、岐阜県警の捜索により、産廃処理業者「善商」による全国最大規模の産廃不法投棄事件が明るみに出た。
関連会社が木くずをつくる破砕場に搬入された木くずの原料は、04年4月~9月の半年間で、建設廃材1万8468立法メートル、伐採木9234立方メートルと、廃材が生木の2倍に膨らんだ。事件摘発で行き場を失った建設廃材も運び込まれたという。
緑化保全に堆肥生産を軌道に乗せる意思、そして可能性はあったのか。
木くずからの堆肥製造に詳しい業者は、「その方法では、堆肥製造は絶対に無理」と断言する。堆肥を作る場合に必要な県への届出は、なかった。山県市の木くずの山から堆肥が作られ、販売された形跡はない。
● 建築廃材をチップにして、農地に放置して「堆肥だから有価物」?? アスベストは大丈夫?
現地の当時の写真にリンクしているページ
2007年2月の現場の様子
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当時の上の写真の最後のダンプから投棄している場所。
比較あれ
当時の議会報告の2005.1.25日 新しい風ニュース164号
● 事業者が倒産 !! 緑化保全が 自己破産へ 負債3億1000万円
帝国データバンク岐阜支店は25日、造園・のり面工事業の緑化保全(本社岐阜市香取町、田畑友彦代表)が24日事業を停止し、岐阜地裁に自己破産を申請する準備に入った、と発表した。負債額は約三億一千万円。
同社は1974年創業。公園・緑地の自然回復、グラウンド芝生造成管理、住宅の庭園施工などを手掛けていた。01年9月には産業廃棄物処理、堆肥(たいひ)製造の関連会社を設立、03年5月期には売上高4億9200万円まで拡大していたが、近年は公共投資の削減などで受注減少が続き、金融負担も大きく資金繰りが悪化していた(2005年1月26日岐阜新聞朝刊)。
● 2004年12月議会 建築廃材(木くず)の処理に係るチップの大量堆積問題について
《問・寺町》 産業廃棄物の中で「木くず」に分類されるところの建築廃材等を細かく砕いてチップにし、それを堆肥として再生するという事業がある。
この「堆肥づくり」ということで、伊自良地区の大森地内3カ所に大量に堆積されている。新しい住宅地に隣接していることから、私には、不安や苦情も寄せられた。この元の破砕場では、善商事件後の5月頃から入荷物が急増しているのが外部からも目視できる。
今年9月ころからは、藤倉の農地にも大量に運び込まれている。その様子は、どうみても、廃材のチップで農地を埋め立てている、というしかない。しかも、最近では、チップにしたら即そのままダンプで運んできて水田にあける、というやり方だ。水田の面から80㎝から1m位の高さで重機で圧し固めている。
この経過をみると、今後、伊自良や梅原のいたるところがこの建築廃材のチップ堆積場になる可能性を秘めている。
建築廃材を柱や板の形のそのままで農地に入れたら、善商の「不法投棄事件」「野積み産廃」と同じになる。では、建築廃材を分別して「木部分」だけをチップにして農地に大量に敷き詰めたら、一体どう評価されるのか? そういう素朴な疑問がわく。
そこで、早めに問題を整理する必要がある。複数部署にわたるので助役に質問する。
論点を整理し状況を理解しやすくするために、搬入したチップを、地上部にある「堆肥用」部分と平らな作業場を作るためにいれた「造成用」に分ける。
大森地区の堆肥用は約60の山がある。こういった状況はHPにのせている。
《問・寺町》
以下について、事業者に聞き取り(必要なら現地調査)しての回答を求める。
(1) 許可の破砕場での日入荷量に関して、今年3月までの平均量と5月以降の平均量。 大森地区の上の部分の「堆肥用」、
(2) 現在積んである総量、 (3) 堆肥の総搬出量、
(4) 搬入チップは自社分だけか、それとも他社分もあるのか。
《答・助役》
チップを有価物として購入し、土壌改良剤を製造している事業者と、その事業者の子会社で建築廃材や伐採木をチップに加工している許可業者に調査をしたので、その回答をさせていただく。
(1)の許可の破砕湯での建築廃材の日平均入荷量は、今年3月までは71立方米、5月以降は100立方米だ。
(2)の現在積まれている総量は8826立方米、
(3)の総搬出量は4674立方米。
(4)の搬入チップはすべて自社分。
《問・寺町》 大森地区の下の部分である「造成用」について、
(5) 堆積しているおおよその深さ。
藤倉地区の「造成用」について、
(6) 予定地の面積と運び込んだ総量、
(7) 堆積しているおおよその深さ、
(8) 破砕程度をあまくしていることは適正と認識しているのか。
《答・助役》
(5)の堆積している深さは約80センチ。なお、造成用は、3カ所約9300平方米に7500立方米ある。
(6)の藤倉の面積は6488平方米で、運び込まれた総量は4500立方米。
(7)の堆積している深さは約70センチ。
(8)の破砕程度を甘くしていることについて事業者は、「適正と認識している」とのことだ。
《問・寺町》
次に、廃掃法を所管する環境省に照会しての回答を求める。
上の「堆肥用」について。
(1) 「木くず破砕処理施設」の許可というのは、「破砕をすればよく、あとのチップはどのように扱ってもよい」ということか、それとも、「チップを最終的にどのように扱っているか」までを包含する許可か。
(2) 事業者は160トン/日・8時間の許可である。許可場所でのチップの保管上限はどれだけか。本件のような移動先でのチップの保管上限はどれだけか。
(3) では、破砕後のチップの管理に関して、「許可場所」及び「本件移動先」それぞれについて、不適正保管と認識される「量」及び「期間」はそれぞれどの程度か。
《答・助役》
廃掃法を所管する環境省に照会しての回答とのことだが、チップを堆積している場所は山県市だ。山県市の産業廃棄物を管轄しているのは県なので、県に照会して回答をする。
(1)の許可にかかる基準等として、技術上の基準及び維持管理上の基準などは規定されているが、製造された有価のチップの取り扱いの方法及び形状についての規定はない。
(2)のチップの保管量及び期限の規定だが、許可場所及び山県市における破砕した後のチップについて、保管上限め規定はない。
(3)許可場所におけるチップの保管量についての容量及び期間等の制限はない。また、山県市に保管されているのは、許可業者と異なる事業者が行っており、この事業者は許可業者からチップを購入し、半年で土壌改良剤を製造しており、廃棄物処理法の適用を受けない。
《問・寺町》 下の「造成用」について。
(4) 農地等に造成用に大量に運び込んで実質的に土地を造成している現況は、チップの移動及び使途として許容されるのか。
(5) 「木」以外のプラスチックや金属が混入していることは許容されるのか。
(6) 「木」であるから、長年造成用として存在すれば、おのずから朽ちていく。これが適正なら、建築廃材の木くずは「分別して、破砕して広げて踏み固めておけばよい」ことになる。こういう疑問と不安にどう回答するのか。
(7) 本件に関して、「不法投棄」との認定も有り得るのか。事業者ら関係者の意図と搬入の方法及び現地の態様からして、撤去・除去すべき事案と段階ではないのか。
《答・助役》
下の造成用ついての(4)点目から(7)点目については同じ回答になるので一括して答える。
山県市内で行われている行為は、チップを利用した土壌改良剤を製造するものであり、廃棄物処理法上の「不法投棄」又は「不適正処分」ではないと判断でき、問題はない。
ただし、チップをそのまま放置した場合は、廃棄物処理法の違反となる。
《問・寺町》
山県市としての見解を問う。
浸出物、浸透水、周辺の大気などや堆積場の拡大に関する住民の不安や懸念に対して、市はどう応えるのか。
《答・助役》
住民の不安や懸念に対してだが、今までに許可場所内の貯水池と放流水の水質検査を実施され、「異常はない。」と聞いているが、堆積している近くでの井戸水検査を実施し、市へ報告するよう事業者に指導した。今後、市は不適正処理等がされないよう、県とともに定期的なパトロールを実施し、監視していく。
《問・寺町》
では、藤倉の農地の現場について、「市農業委員会との調整」及び「市土地開発指導要綱との整合」に問題は無いのか。同じく大森地区分はどうか。
《答・助役》 14年度から旧伊自良村において、大森地区の農地を借り受けて土壌改良剤の製造が行われているが、当時から農地転用許可に該当しないとの見解を示してきたが、この判断は誤りだった。深くおわび申し上げる。
今後、大森地区、藤倉地区ともに市農業委員会との調整のもとに、農地法による適切な指導に努める。
また、開発指導についても農地転用許可申請が提出された段階で、事業内容をよく精査し、適切な指導に努める。ご理解のほどよろしくお願いする。
◆《再質問・寺町》 産業廃棄物の中でも、コンクリート、廃プラスチックというような安定5品目は、シートを敷いただけの安定型処分場でいい。これに対して木くずというのはもう一つランクが上、基準が厳しい。そういうものなので慎重に考える必要がある。今の回答で、持ってきた物は「すべて自社だ」、ということだ。が、私は何度も現地にいっている。たまたま、ある日、大型トラックが2台いた。運転手に聞いたら、「一車で10トン、52立方米」、「自分は運搬だけ」で、「ここの会社ではない京都の会社にたのまれて運んできた」といって、大型トラック2杯、どんとおいていった。本当に「全て自社」か確認していただきたい。
2点目として、農地法5条違反という訳だが、今後、4カ所のチップについて今後どのようにしていくのか。
《再答弁・助役》
自社分の問題だが、考えられるのは、その業者が京都から買い取っている分であれば自社分だと思うが、再度調査する。
2点目、農地法の関係だが、現在既に山積みしてあり、これを速やかに元の原形に復していただいて、農地法の申請をしていただきたいと指導していく。
● 2005年3月議会 建設廃材チップの大量堆積の問題について (時間切れで再質問もできず)
《問・寺町》 昨年12月議会で、建設廃材である木くずをチップにする事業の問題について、私は市の答弁を求めた。その後、今年1月末に同社が自己破産した。今後の成り行きは誰しも気になるところである。
12月議会で答弁されなかった業者、県、市の対応や動きはどのようか。
《答・産業経済部長》 農地法に抵触していることから、岐阜県農林商工事務所と連携をとり、業者に対し6カ月を目処に農地への役元を行い、農地転用申請をするよう市から業者に対し強く指導を行いました。
業者も市の指導に対して違法性を認め、積極的に農地復元に向け努力していく姿勢を示しておりました。
《問・寺町》 議会答弁後の県の見解や対応、市の対応、業者の対応はどのようであったか。
《答・同》 県は市に対して業者に早期段階での農地役元計画を提出させ、計画の妥当性を検討した後、一刻も早い農地の復元を指導するようにとのことでありました。
また農地復元に際して、伊自良地域に堆積する土壌改良材を、他の場所に移動させる農地の一時転用申請は、農地転用違反を拡大する恐れがあるため、許可しないとのことでしたので、市はこれを受けて3回にわたり業者に指導を行いました。
市の指導に対し、業者からの農地復元計画は、1年を要する計画であったり、3つのエリアに堆積する土壌改良材をエリア内で移動し、農地復元をした後に農地転用申請を行っていくという軽微なものでしたので、3回目の1月19日は社長、専務、部長の3名を呼び、文書で昨年1月以降の土壌改良材の総量と販売計画による残量を示す農地復旧計画書と、製造計画による必要面積を明確に示すことの出来る資料を提出するよう指導したところです。業者も早急に提出するとのことでしたが、1月24日に裁判所に自己破産申請が提出されました。
《問・寺町》 現在の状況をどのように市は認識しているか。
《答・同》 業者が自己破産した以上、堆積する土壌改良材の所有者がいないため、撤去させるにも法的根拠がないので、裁判所において破産管財人が選任されるのを待つしかないと認識しております。
《問・寺町》今回事業者が自己破産した理由と計画性についてどのように考えているのか。
《答・同》 自己破産申請書に明記されており、関係者以外の閲覧は禁じられているため、答弁は出来ません。
《問・寺町》 市は、今でも、本当に、廃材である木くずチップから「6カ月で堆肥」ができると考えているのか。
《答・同》 伐採木である生木は発酵が早いことから6カ月でのたい肥化は可能であると考えますが、乾物である建築廃材につきましては、発酵がしにくいことから6カ月でのたい肥化は無理であると考えます。
《問・寺町》6, 伐採木の堆肥はともかく、廃材である木くずチップの堆肥に関して、その投下労力・資金に価する需要があると本当に考えるのか。
《答・同》 造成用に敷かれております建築廃材につきましては、土壌改良材の原料となる伐採木のチップを搬入する際にトラックの車輪が、土壌にめり込んでしまうため、この対策として使用されたものであり、土壌改良材としての需要は低いと考えています。
《問・寺町》 今後、業者及びチップはどうなると予想するのか。
《答・同》 現在のところ予想はつきませんが、破産管財人の意向によって様々なケースが考えられますので、県とより連携を密にして、対応策を講じて参りたいと考えております。
以上
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