癌がわかって、現代の標準療法で順調に対処できている人もいる(はず)。
他方で、すっとうまくいかないとか・・・困惑する人も少ないない(はず)。困惑どころでなく「恐れ、恐怖」というべきなのかもしれない、がんは。
私の場合、昨年2月に発見され、すぐ治療を開始したが、一時は良い方向に行っても、また短期間に悪い方に転換したのが3度。
11か月目の今年1月4日には、主治医から、保険適用でできること、つまり標準療法としては、「2種のうちの最後の抗がん剤1種」を残すだけになった旨を告げられた。他の人より悪くなるのが早いだけで、何とかなるさと思ってしっかりやってきたつもり、自分としてはやってきたはずなのに、非情な話だった。
もろちん、その日、突然ではなく12月28日に「もう、最後の一つのところしかない可能性」があることは分かった。なぜなら、12月1日に第一回の抗がん剤投与をしたけれど、12月28日の腫瘍マーカー PSAの数値は、きわめて悪化していたから。
それで冬休み中にいろいろと調べた。その結果、遺伝子検査をして、自分の癌に対する新薬の適用がないかの可能性に期待するしかないと考えた。
前記の1月4日の主治医の診察時刻の前に名大病院の「遺伝検査」担当の窓口に行き、相談した。
ゲノムカウンセラーはとても親切で、すぐに同病院のゲノム担当医と話を進めてくれた。
いわく「(そのあとの)主治医の診察の時に、主治医に『(ゲノム担当)医師に話が通っているから、電話してください』と頼んでもらって、主治医がゲノム担当医が電話してくれたら、すべて手続きが流れていくようにしておいた」とのこと。
ということで、10日ほどで検査結果が判明。
私は「前年12月25日に前立腺がんでは初めて保険適用になった分子標的薬リムパーザが使える」はずのゲノム結果だという認定。
なんと、標準療法では実質、もう最後といわれたばかりなのに、ほぼ間違いなく最新治療が受けられるという新展開になった。
癌のゲノム医療、個別化医療とはこんなに劇的なことかと心から思った。
自分で言うのもなんだけど、「どん底からの逆転劇」か・・・
「今の癌治療は情報戦だ」、という人もいるくらいの進み方。
標準療法ですっと治療がうまくいっている人はともかく、悩む患者は自らゲノム医療を理解して可能性を開拓していくことも大事だという観点で、今日は、一つの市民講座のご案内。
主催は製薬会社だし、私はなんの関係もないけど、次の情報があったので、紹介しておく。詳しくは、ブログ後半でリンクしておく。
★≪Web市民公開講座のご案内■ 「知っておきたいがん治療 ~がんゲノム医療とがん免疫療法」 配信日時:2021年04月24日(土) 14:00~15:00 登壇者:<ご講演>後藤 悌 先生 国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科≫
ネット配信なので自宅のパソコンやスマホで視聴可能。ただし、事前申し込み制。
あと、国立がん研究センターの★≪もっと詳しく:ゲノムとは、遺伝子とは≫ の文字データにもリンク、抜粋しておく。
なお、昨日4月5日の私のブログへのアクセスは「閲覧数1,977 訪問者数1,118」。
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4月24日(土)「知っておきたいがん治療 ~がんゲノム医療とがん免疫療法」Web市民公開講座
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【参加無料/事前予約登録制】4月24日(土)「知っておきたいがん治療 ~がんゲノム医療とがん免疫療法」Web市民公開講座のご案内
中外製薬株式会社からのお知らせです。
■Web市民公開講座のご案内■
「知っておきたいがん治療 ~がんゲノム医療とがん免疫療法」をテーマにWeb市民公開講座を開催いたします。
本講座は、専門分野の医師による、「がんゲノム医療」や「がん免疫療法」のいまと今後の展望についての講演です。
がん患者さんやそのご家族だけでなく、本テーマにご関心のある方なら、どなたでもお気軽にご参加ください。
配信日時:2021年04月24日(土) 14:00~15:00
登壇者:<ご講演>後藤 悌 先生 国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科
主催:中外製薬株式会社 協力:株式会社QLife
市民公開講座の詳細・お申し込みはこちらから-+-+
https://www.qlife.jp/lp/gan_genome2021/
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※視聴には事前の視聴予約登録が必要です。申し込み期日までに余裕をもってお申し込みください。
■プログラム■
テーマ1 「がんゲノム医療とは? ~遺伝子パネル検査の現状と展望~」
テーマ2 「がん免疫療法とは? ~現状と展望について~ 」 |
●5.もっと詳しく:ゲノムとは、遺伝子とは
国立がん研究センター がん情報サービス
1)ゲノムとは
●ゲノムとは、遺伝子をはじめとした遺伝情報の全体を意味します。
私たちの体は、約37兆個もの細胞からなっています。細胞の中には「核」と呼ばれる大切な部分があり、その中に遺伝子を乗せた「染色体」が入っています(図3)。ゲノムとは、染色体に含まれるすべての遺伝子と遺伝情報のことです。
染色体を構成する重要な成分が「DNA」で、DNAは4種類の「塩基」と呼ばれる分子のブロックが一列に並んでできている長い分子です。この4種類の塩基の並び(「配列」といいます)が、単語や文章のように決められた意味をもっていて、私たちの「遺伝子」の情報(遺伝情報)を構成しています。
図3 ゲノムと遺伝子
2)遺伝子とは
●遺伝子は体をつくるための情報の1単位です。たくさんの遺伝子があり、それぞれ遺伝子の機能は異なります。
遺伝子は、染色体の一部です。1人のゲノムには約2万~3万種類の遺伝子が含まれているといわれており、遺伝子ごとに、体をつくるためのさまざまな機能があります。
ヒトのゲノムは両親から受け継いだ62億個もの塩基が並ぶ、塩基配列で表されます。一部の塩基配列が異なることで、一人一人の個性が生まれます。これにより外見や性格、病気のなりやすさ、薬の効き方、副作用などが人によって違ってくると考えられています。
こういった塩基配列の違いは、「生殖細胞(精子、卵子)」を介して親から子に伝わります。
一方、環境や生活習慣や加齢などによって体細胞(体をつくる細胞)の一部に塩基配列の違いが起こることもあります。
3)がんとゲノム・遺伝子
●がんは、ゲノムの変化によって起こる病気です。
がんは、ゲノムの変化に伴って塩基配列の違いなどが生じ、遺伝子が正常に機能しなくなった結果、起こる病気です。
ほとんどのがんは、喫煙や生活習慣、加齢などが原因となり、正常な細胞内の特定の「体細胞」の遺伝子が後天的に変化(変異)することによって、がん細胞が発生します。がんが進行していく際には、がん細胞においてのみ生じたこの遺伝子変異が、進行・増殖のもととなると考えられています。このようながん細胞にだけ起きた遺伝子変異は、次の世代に遺伝するものではありません。
一方で、がん細胞以外の、全身の正常細胞に含まれている遺伝子に、生まれつき存在する変異が主な原因となって発病するがんもあります。これらは、がん全体の5%程度といわれる遺伝性腫瘍(家族性腫瘍)と呼ばれます。精子や卵子の生殖細胞の遺伝子にも存在する変異なので、親から子へ遺伝する可能性があります。
6.よく使われる専門用語
ゲノム :遺伝子をはじめとした遺伝情報の全体に対する総称。
遺伝子変異 :遺伝子がなんらかの原因で後天的に変化することや、生まれもった遺伝子の違いのこと。バリアントと呼ばれることもある。
がんゲノム医療 :主にがんの組織を用いて、遺伝子を網羅的に調べ、一人一人の体質や病状に合わせて治療などを行う医療。
クリニカルシークエンス :診断や治療方針決定などを行うために、がんの組織などを用いて、一定規模以上の塩基配列(シークエンス)解析を行うこと。
リキッドバイオプシー :血漿(けっしょう)や尿、唾液などの体液に含まれる遺伝子を解析すること。
がん遺伝子検査 :1回の検査で、がんに関連する1つまたはいくつかの遺伝子を調べる検査。一部のがんでは保険診療となっている。
がん遺伝子パネル検査 :主にがんの組織を用いて、1回の検査でがんに関連する多数(100以上)の遺伝子を同時に調べる検査。がんゲノムプロファイリング検査とも言う。一部は保険診療となっている。
コンパニオン診断薬 :最適な治療薬を選ぶために、がん組織などを用いて、特定の医薬品が効きそうであるかや、安全であるかを確認して、その医薬品を使用するかどうかを判断する。薬とセットで使うため、英語で「対(つい)の一方」を意味するコンパニオン診断薬と呼ばれる。
生殖細胞系列変異 :生殖細胞(卵子または精子)に生じた遺伝子の変化で、生まれてくる子のすべての細胞のDNAに受け継がれる。
遺伝性腫瘍発生の要因となる。
体細胞変異 :生殖細胞(卵子または精子)以外の細胞を体細胞といい、正常な体細胞が後天的に変異することを体細胞変異という。
体細胞変異は子孫に受け継がれることはない。
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