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てらまち・ねっと



 昨日26日のブログでは、一昨日のNHKのETV特集の放送と再放送のことを記録した。
   ⇒ ◆ETV特集「おひとりさま 笑って生きて、笑って死にたい」 小笠原文雄医師 /現在65歳以上の単独世帯はおよそ700万。/ 再放送 日時:6月30日(木)午前0:00

 いろんな病気や癌などでの最後の「看取り」がテーマ。
 今日は、ネットニュースを見ていたら、ヤフーニュースで、「プレジデント」の記事を紹介していた。
 
 あまりに昨日のNHKのETV特集の放送の内容と近いスタンス。いわば、共通項。
 かつ、
 私にとってはもろに当事者である「癌のスーテジ4宣告されての最後の抗がん剤治療の真っ最中」という共通項。

 前記の筆者である山崎氏は20年近く前からの緩和ケア医をしつつの「癌のスーテジ4宣告」と経過、「抗がん剤治療」の拒否、是非などのほか、日本の公的医療保険の患者側からはわかない医師としての見解など・・・

 とても印象的だったので、今日は、リンクし、一部を抜粋させてもらった。

●「抗がん剤で延命できても、副作用で縮命する恐れ」そしてステージ4のホスピス医は抗がん剤治療をやめた
        ヤフー/プレジデント 山崎 章郎 6/27
ステージ4の大腸がんと診断されたホスピス医の山崎章郎さんは、抗がん剤治療でひどい副作用に苦しんだ結果、抗がん剤治療をやめた。山崎さんは「標準治療を選択しないという選択肢があっていい。それは決して生きることの放棄ではなく、自分らしく生きる時間を大切にしたいという意思表示だ」という――。(第1回)
 ※本稿は、山崎章郎『ステージ4の緩和ケア医が実践する がんを悪化させない試み』(新潮選書)の一部を再編集したものです。

■抗がん剤治療をやめた途端元気になる患者もいる
 延命目的の治療の継続もできないぐらい体力が低下した患者さんに残された時間はあまりない。

 私の17年にわたる在宅緩和ケアの経験から言えることは、通院が困難になるほど病状が悪化し、抗がん剤治療は終了と言われて在宅療養を開始した患者さんの約4分の1は2週間以内に、約半数は、1カ月以内に最期を迎えている。治療によって延命できたとしても、延命された時間のほとんどは、まさに抗がん剤治療に費やしたことになる。

 だが、残りの半数の患者さんたちの中には、在宅療養開始後、だんだん元気になる人も稀ではなくいる。吐き気やだるさが改善し、食欲も出て、体力が回復してくる患者さんたちだ。


 治療医から、治療はもはや限界です、と言われ、抗がん剤治療を中止したことで、結果的に、副作用が軽減したのである。このような患者さんたちの多くは抗がん剤の副作用による症状で、衰弱していたことが分かる。そして、日常を取り戻す。治療の中止を恐れ、そのまま抗がん剤治療を続けていれば、その後短期間で副作用死していた可能性もあるのである。

 もちろん、進行したがんの存在は変わらずあり、副作用から解放されても、がんそのものの悪化によって、いずれは死に直面する。


・・・(略)・・・だが、ステージ4の大腸がんに対する標準治療である抗がん剤治療を選択しないことにした私は、今後どうすれば良いのか、それが問題だった。
 この時点で、24時間対応の在宅緩和ケアの仕事には、いつもと変わらぬペースで取り組めていた。

 ゼローダの効果がなかったことが分かり8クール目は中止になったので、結果的に副作用であった、手足症候群や慢性的な吐き気や下痢、食欲低下も少しずつ改善し、体調は、通常に戻りつつあったからだ。
・・・(略)・・・
■「抗がん剤治療こそ最善」はあくまで医師からの視点
 さて、ステージ4の固形がんと診断された時の、最優先課題とは何だろう。ステージ4と診断されれば、私もそうであったが、冷静ではいられない。どうして良いか分からない、いわばパニック状態のまま、治療医から提示される抗がん剤治療を開始してしまう患者さんも、少なくないだろう。
・・・(略)・・・
 しかしながら、ステージ4の固形がんに対して、ほとんどのがん治療医は、エビデンスに基づいた抗がん剤治療こそが最善の医療だと言うだろう。だが、それは治療を提供する医師から見た場合の最善という意味であり、上述してきた抗がん剤治療の現実をみれば、限られた時間を生きる患者さんにとって最善とは限らないのである。

■希望する生き方や医療を身近な人にあらかじめ伝えておく
 以上を踏まえれば、最優先課題は、治癒が難しい以上、いずれ確実に来る死までの限られた時間を、どう生きるのか、ということになるだろう。
・・・(略)・・・

■通院目的で不本意ながら抗がん剤治療を選択する患者もいる
 ・・・(略)・・・つまり、公的医療保険を使ってステージ4の固形がんの治療を受けようとすると、抗がん剤治療にならざるを得ない、ということなのだ。

 この抗がん剤治療は病院への通院が難しくなるぐらい体力が低下している患者さんは対象にはならない。しかし、ステージ4の固形がんと診断された時点では、私もそうであるが、少なからぬ患者さんは、まだまだ普通の生活が可能な状態だ。

 それら、まだ普通の生活は可能だが、抗がん剤治療の実状を踏まえた上で、抗がん剤治療は選択したくない患者さんは、治療を受けないのであれば来院する意味がないからと、通院そのものを断られてしまうことも稀ではない。結果として、不本意ながらも、抗がん剤治療を選択せざるを得ない患者さんもいるだろう。

 ・・・(略)・・・私もそうであったが、高額な免疫療法などを自費で受ける人々も出現してくる。
 このように、標準治療と公的医療保険の現実の前で途方に暮れながら、拠り所を探し求める患者さんたちは、「がん難民」ともいわれるのだ。

■日本の公的医療保険の不条理
・・・(略)・・・ もとより、公的医療保険制度は、必要な医療を受けようとする人々の互助的・公助的制度であり、わが国は世界に誇れる国民皆保険制度を持っている。それゆえに公的医療保険を使うことのできる医療は、その公平性・正当性を担保する意味からも、その効果がエビデンスに基づいたものであるものに限られている。これは、真っ当なことである。

 その論理は良く分かるのだけれど、同じ公的医療保険の加入者であり、ステージ4というスタートも同じ、いずれは死に直面する可能性が高いというゴールも同じ、であるにもかかわらず、抗がん剤治療を選択したくない人にとって、恩恵の少ない現状の公的医療保険は何だか不条理であると、思ってしまうのだ。この不条理は、抗がん剤治療こそ最善の標準治療であるとする考えの下に、冷たく放置されている。
--------- 山崎 章郎(やまざき・ふみお) 緩和ケア医/   1947年、福島県出身。千葉大学医学部卒業、同大学病院第一外科などを経て、91年聖ヨハネ会桜町病院ホスピス科部長。2005年に在宅診療専門診療所(現・在宅療養支援診療所)ケアタウン小平クリニックを開設し、訪問診療に従事している。著書に『病院で死ぬということ』(文春文庫)、『続 病院で死ぬということ』(主婦の友社)、『「在宅ホスピス」という仕組み』(新潮選書)などがある。


 なお、昨6月26日の私のブログへのアクセスは「閲覧数2,326 訪問者数818」。

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