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ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか を読んだ

2008年01月21日 21時37分47秒 | 読書評
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)
梅田 望夫
筑摩書房

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ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか を読んだ。

タイトルのとおり、Webの進化に伴い、どうやって働く場を得、お金にしていくか
働く局面を作るため、ウェブでどのように知を活用していくかということが書かれている。

本書のなかで、群衆の叡智と称されているウェブのなかに取り込まれた多くの人の
知恵、知識を、学習の高速道路と称するネットというツールに反映し有効に活用す
る手段をどう体得していくのか。自分にとっても課題という印象である。

リアル社会とウェブの世界でビジネスををマージし、お金の出所、その収益源を
考えたくなるところであるが、筆者の提言は、ほんとうに好きなこと、没頭できる
ことを実現し、そこで成果、賞賛、信用などを築き、お金を生む仕組み、サイクル
を導きだせればという提言でもある。

現実の社会では、実業を踏まえたビジネスの展開があり、そこにビジネスという括
りで、一部強制のもと成果を出すというスタンスで事が成立する。強制というと
一方的な書き方になってしまうが、現実にはビジネスの選択に個の志向を尊重
できる局面は少ない。

かたや、ウェブの可能性としては、個の志向を最大限尊重しつつ自身の本当に好き
なものの取り組みのなから、コミュニティや繫がりをとおしてオープンソースに象
徴されるような自由な意思のもと、自身の可能性の実現や他社からの賞賛を糧とし
て成果を作りあげていくエネルギーが期待できる。

ウェブの世界は、自由な意思、志向を知として提供したり、吸収したりする場で
もあるが、まだまだビジネスの柱とするには、実業とは乖離している面も多々
あり、商売の主軸と考えるのは、一部のビジネスであるのが実態だと思う。

では、そういうリアル経済に対し、ウェブというツールを使ってビジネスを成立
させるために、そのスタンス、自身のポジション、姿勢を切り替え、新しい職業
として提供できないかという問題提起の本でもある。

7つの習慣やユダヤ大富豪の提言の内容に一部通ずるものがあるが、自身の好きなこ
とを追求するにしたがって、ウェブでスモールビジネスを得るチャンスを得られな
いかという思考錯誤の姿勢は共感できることがある。

ウェブという叡智を活用し、自身の好きなこと、没頭できること、著者曰く、「人生
をうずめている人」というレベルの自身の志向を追及できる場がウェブにはあり、
その場を利用してスモールビジネスを展開する場に広げていく。能動的なアクショ
ンを重ねていくなかでビジネスの展望を得ることができないかなど考えたりする。

ただ、個の反映の為にリアルな世界からの逃避という一面をもった者の回避場所と
なる危険性もあり、そういう意味では、新しい職業というものを悪い方向に勘違い
する志向についても懸念される。

ウェブに対し積極的な姿勢で、ウェブリテラシーという道具を使い、個の知を作
り、提供し、共有するなかで、小さな資本、エネルギーで事を作りあげていくスタ
ンスは、自分でもある面、意識しながら模索はしていきたいと思う。

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