大垣市赤坂、金生山(標高217.1m)の山頂付近に境内を構える真言宗寺院「金生山:明星輪寺」。西美濃三十三霊場第三十一札場、地元の人からは「赤坂の虚空蔵さん」と親しまれています。
本尊は、岩屋の中に奉られる『虚空蔵菩薩』。役小角が彫刻したものと伝えられ、「伊勢の朝虚空蔵」「京都の昼虚空蔵」と並び、日本三大虚空蔵の一つ「宵虚空蔵」として有名です。
縁起に「持統天皇の勅願により鎮護国家の道場として朱鳥元年(686)、役の小角の創立にかかり七堂伽藍をはじめ一山五坊を創建し本尊虚空蔵菩薩を安置す。その後衰退していたが空海(弘法大師)来山し諸堂を再建修復す。久安四年雷火の為に伽藍残らずに焼失したが時の住僧は八方に手を尽くし復興を図って本堂その他諸堂は再建されたが、塔は再建出来なかった。その後、慶長十四年美濃高須の城主徳永法院壽昌公は本堂はじめ諸堂を再建された。江戸時代に入って大垣藩主戸田家は代々祈祷所と定め帰依し保護する。」
文久3年(1863)再建の本堂は、大垣藩藩主『戸田氏彬』によるもので、大垣市重要文化財の指定。
こちらでは内陣の参拝ができるとの事、御朱印を待つ間にご亭主殿と二人、早速靴を脱いで・・😲・・・😲 。
何と言って形容したら良いのか、圧倒的な「気」に二人とも言葉を失い、ただ立ち尽くすだけ。この画像は公式サイトよりお借りしたものですが、実際に見るともっと強大な質感に圧倒されます。
興奮状態で本堂を出ると、柔らかな朝の空気が心地よく肺に流れ込んで、思わず深呼吸😊。特別高い山ではありませんが、本堂の横からは濃尾平野が一望でき、とても美しい眺めです。
本堂の向かって左手には「金生山岩巣公園」に至る階段が設けられており、早速行ってみる事に。 群立する無数の奇岩が生み出す造形の妙は、果てしない年月が生み出した自然界の奇跡といっても過言では有りません。
『虚空蔵菩薩』は『丑寅虚空蔵』とも言われ、牛年・虎年生まれの「守護佛」とされています。この石灰岩の上に置かれた「牛」は、少しずつ廻りの岩と一体化しつつあるようにも見えます。
岩肌にへばりつくように咆哮する虎像は、彫刻師『清水金峯翁』がおおよそ七年の歳月をかけて、手彫りで彫り上げたもの。 車で来るのさえ、その勾配の急さに恐れをなした坂道も含めて、八キロの道を徒歩で、しかも七年間も・・その姿を想像すると胸が締め付けられるような・・言葉に出来ない何かがこみ上げてきます。
磐座のさらに上には、衆生救済のため菩薩の身となった『聖(しょう)観音』が彫られています。誰がどのようにして彫り上げたものか分かりませんが、美しい姿でそこに座しておられます。
古生代二畳紀石炭紀の造成になる自然岩石園は、太古の昔、一帯が海底にあった事を示しています。この一帯が海の底であった・・想像するだけで圧倒されます。朝の日差しを避けるかのように、えぐられた岩の隙間にひっそりと納められた仏様。 時間が止まったような、もしくは超速力で時間が過ぎ去るような、そこは不思議な世界なのです。
参拝日:2018年10月10日