大阪府千早赤阪村水分に鎮座される「建水分(たけみくまり)神社」、御祭神は中殿に『天御中主神』。左殿に『天水分神(あめのみくまりのかみ)・罔象女神(みずはのめのかみ)』、右殿に『国水分神(くにのみくまりのかみ)・瀬織津姫神』。
通称「水分(すいぶん)神社」「水分大明神」「上水分社(うえのすいぶんのやしろ)」とも称し、式内社で、旧社格は府社。古来より金剛山鎮守として、また楠木氏の氏神として崇敬されてきました。
神仏混淆の霊峰「金剛山道標」
社伝によれば「崇神天皇5年(紀元前92年)、諸国が飢饉となったとき、各地に溜池や溝を作ることが勧められたが、このときに金剛葛城の山麓に水分神が祀られたのに始まる。元の鎮座地は現在地より北約100mの水越川のほとりにあったが、南北朝時代に兵火にかかり、荒廃。このため建武元年(1334)、後醍醐天皇の勅命を受けた楠木正成が、現在地に本殿、拝殿、鐘楼などを再建し遷座した。」
社殿鳥居の前より神域を守護されるのは、何か悪戯をたくらんだ子供のような・・・・無邪気と悪魔が同居した顔立ちの狛犬さん一対(^^;)
実は本殿も拝殿も、一瞬尻込みをしたくなる急な石段を登っていかなければならないのです・・・・。狛犬さんの顔がニヤニヤ顔なのは、実は頑張れの意味を込めたエールなのかも。
重要文化財の本殿は三殿で構成され、中殿は一間社春日造、左右両殿は二間社流造。各殿を渡廊(わたどの)で連結するという、全国でも唯一の珍しい様式で「水分造」と呼ばれています・・が、拝殿からでは石段がわずかに見えるのみ。(通常参拝は本殿下の拝殿迄。)
拝殿近くに鎮座される「末社:金峯神社」。御祭神『天照大御神』。
本殿参道石段から見る「旧絵馬殿」と左奥に「神輿庫」
旧宝物庫
実りの秋の収穫を建水分大神の恩恵として感謝祝慶する「秋祭(御神輿渡御祭)」。富田林市、河南町、千早赤阪村の各氏子地区より20台近くの地車(だんじり)が宮入りし、神輿を中心に全地車が参集した風景は河内随一と謳われるそうです。
参拝日:2008年6月7日&2015年10月9日
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御神名一口メモ
『天水分神』、伊邪那岐神と伊邪那美神の御子神。山頂の水の分配をつかさどる神。
『国水分神』、伊邪那岐神と伊邪那美神の御子神。河口や港をつかさどる神。
『罔象女神』、水の神、水神。福井県越前市に鎮座する大滝神社の摂社・「岡田神社」では、村人に紙漉を教えた神と伝えられる。
『瀬織津姫神』、祓戸四神の一柱で祓い浄めの女神。「人の穢れを早川の瀬で浄める」とされる。
〈祓戸四神・・・瀬織津比売・速開都比売(はやあきつひめ)・気吹戸主(いぶきどぬし)・速佐須良比売(はやさすらひめ)〉