昨日の記事と同じく、松江城跡内に鎮座される「城山(じょうざん)稲荷神社」。御祭神は『宇迦之御魂大神』。
由緒に【創建は寛永15年(1638)、徳川家康の孫にあたる『松平直正』が藩主として入国した翌年に、藩内の安穏と繁栄を祈念して「稲荷神社」を創建。この地にあった「若宮八幡宮」を合祀して「御城内稲荷八幡両社」と称した。】
朱塗りの鳥居を潜って一番最初に出迎えてくれるのは、慶應三年(1867)奉納の出雲構え型狛犬さん一対。 阿形さんはすでに顔が欠けはじめており、向かい合う吽形さんもそこかしこに崩れが見られています。
名工『小林如泥』作の木彫りの狐を神宝とし、境内には今も1000体以上もの神狐が奉納されています。
神狐たちが行儀よく並ぶ参道を進み、石の鳥居を潜った先に見えてくる長い石段。
石段の下の左右より神域を守護されるのは文政七年(1824)十一月吉日建立の、出雲丹後の狛犬さん一対。 過ぎていった年月は、本来ならいかつい筈の狛犬さんを丸く優しく変えていきます。
狛犬さんの手前に奉納された来待石の石灯籠、その下にも小さなも狛犬さんが大切に納められています。
参道の端に並び、まるで儀仗兵のように私たちを出迎えてくれる神狐さんたち。本当は全部紹介したいのだけど、とてもとても・・
石段途中の随神門には、それぞれの守護神像と、色鮮やかな獅子が神域を守護されています。 位置的に、画像に捉えられたのは獅子の顔だけですが、これがすこぶる楽しい(笑)
松平家城内に鎮座されている稲荷の拝殿。拝殿幕には通常の稲穂紋ではなく葵紋が染め抜かれています。
向拝には定番の龍。稲荷の社には雲を駆ける白狐が定番ですが・・・波頭を駆ける龍です(笑)
境内に整然と並ぶ神狐たち、かってこの社の境内には2000体以上もの神狐があったと言います。 人の願いがこめられた神狐たち、その願いは奉納された神狐の数以上にあった筈。
時の流れは何時の間にか狐の姿を曖昧にさせて、すでに元の土塊に戻りかけたものもいました。 それでも、その表情は見るものの気持ち一つで様々に変化し、実に多くの事を語りかけてきます。
境内に展示されていた日本三大船神事の一つ「ホーランエンヤ」の仔細。正式には「城山稲荷神社式年神幸祭」。城山稲荷神社のご神霊を約10キロ離れた東出雲町の「阿太加夜(あだかや)神社」まで船で運び、1週間にわたって五穀豊穣などを祈り、再び稲荷神社へ帰ってくる船渡御祭ですが、その仔細が説明されています。
明日は『小泉八雲』が愛した狐と共に、境内を埋め尽くす沢山の奉納狐の紹介です。
参拝日:2011年5月19日
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