中国地方では最大とされる一級水系の本流「江の川(ごうのかわ)」、別名「江川(ごうがわ)」とも呼ばれます。この江の川の河口から約2キロの位置に、かって「天領のまち」として栄えた、江津本町があります。
石州瓦の赤い屋根が続く町並みには、舟運と海運の要所として栄えた往時の面影が今も色濃く残り、それを生かした町づくりが地域の人々によって推進され「天領江津本町甍街道」として完成。2003年度に、夢街道ルネサンス推進会議により「モデル地区」に認定されています。
まちの中心を山陰道が貫き、陸路、海路、川の道の交通接点として経済的な発展を見せた江津本町。2011年、2019年と二度に渡って歩いた「夢街道ルネサンス~天領江津本町甍街道」。スタートは大正15年(1926)に江津町役場本庁舎として建てられ、1962年まで江津市役所として使用された「旧江津町役場(国登録有形文化財)」から。
「鉄筋コンクリート造及び木造2階建、金属板葺。正面は中央と左右に二層分の柱型を配して頂部を段状のパラペットとし、その間に縦長窓や幾何学的な図柄を配しており、左右相称で上昇感のある立面構成をもつ。」文化財データーベースより
本町川沿いに残る白壁・黒板塀のいかにも旧家を思わせるお屋敷、初夏の日差しに輝く石州瓦の赤が続く町並は、夢街道の名にしっくりと馴染んで足並みも軽やか。
観光地によくある人混みもなく、私たちの他に人影は無し。この美しい空間を二人占めしているような、何とも不思議で贅沢な気分。
細い路地の先、天領の町並みから唐突に姿を現す、白とブルーの洒落た建物は「旧江津郵便局(国登録有形文化財)」。明治前期に建てられた擬洋風建築物で、郵便制度が始まって間もないころの貴重な建物です。
「通りに南面して建つ、建築面積38㎡の木造2階建。寄棟造妻入桟瓦葺。正面1階をポーチとし、2階にバルコニーを設ける。外壁は白漆喰仕上げで、隅には鼠漆喰でコーナーストーンを模し、柱や窓枠を青色に塗装する。川港町の伝統的な家並みに彩りを添える。」文化遺産オンラインより
かつて廻船問屋が軒を並べていた本町川沿い。川べりに面白いものを見つけました。 それなりに色々な名所旧跡を見てきた私たち、一応それが何であるかすぐに分かります(笑)
川べりにずらりと並んだ「鼻ぐり石」。荷を運んできた牛や馬をつなぐために作られた設備ですが、その数の多さが往時の繁栄を今に伝えています。
まだまだ続く「天領江津甍街道」の町歩き、明日は目に付いた「素敵」をランダムに紹介。
訪問日:2011年5月15日&2019年4月16日
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