車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

芝山仁王尊 観音教寺~其の三 in 千葉県芝山町

2019年07月27日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・千葉県

境内「三重塔」に向かって進むと、小高い丘状の地に、寛政8年(1796)造立の「山王社」があります。 古来より天台宗寺院において『山王大権現』は「比叡山・天台宗」の鎮守神とされているそうです。

山王とは、比叡山に鎮まる神を指したもので、比叡山麓の日吉大社より生じた神道の信仰。 比叡山に延暦寺が創建された時、『最澄』によって地主神を「比叡社」に祀ったのが始めとします。

文化年間、かって天神山と呼ばれる山上に、当地の名主が建立したと伝えられる「芝山天神」。 昭和57年(1982)に、当寺境内に遷座されました。成人の日に行われる天神祭には合格祈願を願う親子連れで賑わうそうです。

「天神様」というと神様というイメージですが、ここではよい意味で神仏が混在しています。 神も仏も共に人の心の内にある・・宗教の名の下、神の名の下に争い、命を奪うことを聖なると叫ぶ・・他を排する一神教には存在しない、そのおおらかさが好きです。

「観音堂」が、神の依り代とされる鳥居の向こうに祀られているのも、ここでは当たり前の光景に見えてきます。

扉の格子から拝観させていただいた内側には、幼い赤子を抱く「慈母観音」のお姿がありました。

芝山天神社と絵馬架けの間に祀られているお堂には扁額が無く、したがってお堂の名は不明。

堂内には、右手に「金剛杵(こんごうしょ)」を持つ僧の姿があります。思い当たる御方はいますが、実際にどなたを現されているのかわかりません。

ともすれば見落としそうな小さな祠の中に佇むのは、多分「魚籃(ぎょらん)観音」。 そう思った理由は単純に「観音様が魚を持たれているから」ですが、意外と当たっていそうです。

「杉家歴代句碑」、杉家始祖から四代飛鳥園までの七つの句が刻まれています。【散りしあと さかぬさきこそ花恋し:杉家始祖採茶庵杉風】【人知らぬ 杉ももみじも年の坂:杉家二祖白兎園宗瑞】【なかぬ日は 啼かぬでさびし閑古鳥:初代飛鳥園一叟】【空の事 いはぬ日はなし子規:五世飛鳥園(天老坊)貞哉】【夕立や 雨にあめうつ石の上:二代飛鳥園南無坊寂阿】【はるの雪 昨日は雨の降りにけり:三代飛鳥園天随坊貞翁】【名月や 月ともいはず一しきり:四代飛鳥園再生坊天堂】

境内には、奉納時期も奉納の趣旨も判読できない多くの碑や石仏が、整然と建立されています。 その一基ごとに、当時を物語る人の想いが籠められている気がして、つい立ち止まってしまいます。

明治維新以降、幾度かの戦争や事変に出征し戦死された方たちの為に建立された「忠魂碑」。 その前に立った時、きまって胸をよぎるのは鎮魂と感謝の想いと・・ある種の申し訳なさです。私たちはただ頭を垂れ「今日の日を有難うございます」と伝えます。

参拝日:2014年5月19日&2019年3月11日


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