郡山市片平町にある「山ノ井農村公園」。
今から千三百年前の「うねめ伝説」の地として語り伝えられており、「うねめ公園」の別名でも知られます。
語り継がれる「采女伝説」。それは冷害続きの為に年貢が納められなかった安積の里に、奈良の都より派遣された葛城王の巡察から始まります。里人は王をもてなす宴を開き、年貢の免除を申し出ますが王は聞き入れません。機嫌の悪い葛城王に対し里長の娘「春姫」は、里人の想いを込めた歌を献上します。【安積山 影さえ見ゆる山の井の あさき心をわが思わなくに】(訳:安積山の麓の山の井の清水は山影を映し浅く見えますが、とても深い清水です。そのように私たちが王を思う気持ちはとても深いのです。)
これを聞いた王は里の窮状を察し、三年間の税の免除と引き換えに春姫を「采女」として仕えさせる事にしました。都へ上がり帝の寵愛を受ける春姫ですが、故郷には次郎という思い人が・・中秋の名月の日、春姫は猿沢の池畔の柳に衣をかけ、入水したようにみせかけて安積の里へ向かいます。けれどそこで次郎が山の井の清水に身を投じた事を知り、雪の降る夜、あとを追って同じ清水に身を投じてしまいました。
想い合う二人がそれぞれに身を投じた山の井公園の清水のそばには、春姫の詠んだ【安積山 影さえ見ゆる・・・」の歌碑が建立されています。碑には「御即位記念」の篆額、揮毫は御歌所参候(さんこう)『源英一』。碑陰に「大正4年霜月 片平青年会」の刻。
「うねめ春姫の塚」と「春姫の像」
春姫の霊を慰めるため、昭和32年(1957)に建立された「采女神社」。
「采女供養記念碑」
東北自動車道安積PA記念スタンプ「采女伝説」と「花かつみ」
公園内に建立されていた「片平村 青年團 奉耕神饌田」碑。仔細不明。
訪問日:2015年6月26日