江津市都野津町に鎮座される「式内社:大年(おおとし)神社」。御祭神は『大年神(おおとしのかみ)・稻倉魂命(うかのみたまのみこと)』
社伝に「神亀二年六月、伊勢神宮別宮より、都濃郷大年免に勧請。正徳元年、現在地へ遷座。」
石段参道正面、一対の狛犬に護られて石州瓦の拝殿
本殿左に鎮座される境内社。奉られるのは「金刀比羅神社・大元神社・厳島神社」。
大黒様と恵比寿神が並ぶ社殿
社殿の前には大きさも素材も様々な恵比須・大黒天やお狐様の置物が奉納されています。おそらく・・引っ越しや建て替えなどで置けなくなった神棚の主役たちがこちらで余生を過ごされているのでしょう。
境内社が並ぶ石垣の端にも、瓦材でできた一体だけの狛犬さん。もしかしたらどこかの屋根にいたのかも・・姿も構図もとても素晴らしいのに・・
参拝を終え、急な石段を降りた正面に「矢立の松跡」。「この矢立の行事は弘安年間蒙古軍の侵入を見張るために築かれた 大年免の砦を守る武将が戦勝を占うための行事といわれているが、 その後は農作の占いや五穀豊穣、天下泰平を祈願して正月九日に社前から神主職によって矢を射られていたもので、江戸時代には神主 大崎(大前)家によっておこなわれた。明和七年(1770)の「万書上帳」 には矢立の松、毎年八月大前極人的射とある。当村の矢立の神事が 弘安の昔に創始されたものとすると当時の矢立の松は元の大年神社付近にあったものと思われる。然し正徳元年(1711)現代の都ノ山に遷座の際に矢立の松も位置を換え現在の松(二世松)に選定されたものと思われる、 全国的にも例が少なく石見では当社のみで貴重な神事です。」現地案内
訪問日:2011年5月15日
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます