石川県七尾市中島町宮前に鎮座される式内社「久麻加夫都阿良加志比古(くまかぶとあらかしひこ)神社」。思わず舌を噛みそうな長い難しい社名ですが、一般的には『おくまかぶと』の称で親しまています。御祭神は『阿良加志比古神(あらかしひこのかみ)・都努加阿羅斯止神(つぬかあらしとのかみ)』。
由緒に【当社は久麻加夫都阿良加志比古神社、一般的には『おくまかぶと』の称で親しまれ古来より氏子・崇敬者らに親しまれております。御祭神は、久麻加夫都阿良加志比古神・都奴加阿良斯止神の二柱の神をお祀りしてあります。 この神々は意富加羅国の王族で阿良加志比古神については地神とも、三~四世紀頃の阿羅(あら)国の王族とも言われており、その後、現在の鎮座地方を平定され守護神としてお祀りしてあります。】
新緑に生える赤瓦の拝殿
覆い屋の内に鎮まる御本殿
越前鳥居の内より神域を守護されるのは、いわゆる「岡崎型」と呼ばれる大型の狛犬さん一対。祭り会館で狛犬の話が出た時、こちらの神社には凄い狛犬がいると教えられて楽しみにしていたのですが・・凄い=大きいなんですね(-"-)
境内社「薬師社」。『おくまかぶと』さんの本地仏は『薬師如来』とされています。
「薬師社」の横に、校倉造りの「宝物庫」
神社入り口の御神木
境内に建立されていた万葉歌人:大伴家持「能登国の歌」
「はしたての 熊来のやらに 新羅斧(しゃらきとの) 落し入れわし 懸けて懸けて 勿泣(な)かしそね 浮き出づるやと 見むわし
はしたての 熊来酒屋に 真罵(まぬ)らるる奴わし 誘ひ立て 率(ゐ)て来なましを真罵らる奴わし
香島嶺(かしまね)の 机の島の 小螺(しただみ)を い拾(ひり)ひ持ち来て 石以(いしも)ち 突き破り 早川に洗ひ濯(すす)ぎ辛塩(からしお)に こごと揉み 高杯(たかつき)に盛り 机に立てて 母に奉(まつ)りや 愛(め)づ児の刀(と)自(じ) 父に献(まつ)りつや 愛(め)づ児刀自」
神社の入り口にあった「枠旗祭」のパネル。「枠旗祭」は「熊甲神社」秋の例大祭で、毎年9月20日に行われることから”熊甲二十日祭”とも呼ばれ、国重要無形民俗文化財に指定されています。
枠旗行事は、神輿をはじめに、長大な枠旗をかつぎ、鉦・太鼓・猿田彦を従えた祭礼の行列が本社へくり込むものです。「能登中島祭り開館」近くの柵のレリーフにその壮大な祭りの様子が紹介されています。
こちらは、2011年に「道の駅・なかじまロマン峠」の近くで見た柵のレリーフ。 四年たって、やっとこれが「枠旗」である事がわかり、ああ、そうなんだと納得。
参拝日:2015年5月20日
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『都努加阿羅斯止神(つぬかあらしとのかみ)』、福井県の敦賀市駅前に銅像が建立されている。
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