『戦争がなかったら』、子どもたちに戦争が何をもたらしたかを伝えている
今年いただいた年賀状に、「戦後ではなく、戦前の時代のよう」と書かれたものがいくつかあった。私も今の動きを見ていると、まさに「戦前の暗黒時代」に逆戻りしているように感じている。それは、いささかの恐怖を感じながら、だ。
そんなこともあって、高橋邦典著『戦争がなかったら 3人の子どもたち10年の物語』(ポプラ社刊)を読んだ。写真家の高橋邦典が内戦中のリベリア共和国で出会った三人の子どもたちの内戦中、そして内戦が終了して10年が経過する中での子どもたちの姿を描いている。
その三人の子どもたちとは、13歳の兵士モモ、右手を失った少女ムス、そして「クイック・トゥー・キル(早殺し)」と呼ばれたファヤだ。その三人の子どもたちは、内戦中に兵士として戦場で戦い少女はその内戦によって右手を失う。その三人の10年と合わせて書くことで、「内戦(=戦争)」がもたらすものが明確に見えてくる。まさに、「戦争がなかったら」だ。
著者は書いている。「彼らと出会い、その人生に関わった以上、戦争が彼らから何を奪ってしまったのかを、ぼくは忘れてはいけないと思っている。そしていつも想像していたい。もし自分のまわりで戦争が起こったら、家族や友人、そしい今当たりまえだと思っているくらしがどう変わってしまうのかということを」。
「戦争をする国づくり」が急ピッチで進められている今、戦争が起こったらどうなるのか、この本は明確に伝えてくれている。児童書ではあるものの、大人も読むべき本と考える。
私は、北朝鮮からの引き揚げ者だ。誕生間もない私を、よくぞ両親が日本に連れて帰ってくれたと心から感謝している。そしてその感謝の気持ちは、「再び戦争を起こさせないこと」で表したいと、深く胸に刻んでいる。それ故もあるのだが、高橋邦典著『戦争がなかったら』に心揺さぶられた。
「富士フイルム」のCMの松たか子、私の抱くイメージとは違うのだが…
松たか子の出演している「富士フイルム」のCM「お正月を写そう♪2014」が、昨年末・12月31日から放送されている。このCMには、松たか子以外に、笑福亭鶴瓶、大久保佳代子、壇蜜、そしてふなっしーが共演している。
しかし、このCM少しだけ気に入らない。ま、私が気に入ろうが入るまいが、格別の問題はないのだが・・・。鶴瓶とべたべたする松たか子は、私が松たか子に抱いているイメージではない。もう少し魅力的な役にして欲しいと願ったりもする。それでも、松たか子の笑顔と出会えるのは嬉しい。
その点で、今月25日から公開される山田洋次監督作品「小さいおうち」ではどうだろうかと、期待感と少しだけの不安感がない交ぜになって、その映画を観ることのできる日を楽しみに待っている。