若者の言葉で表現、塚田薫著『日本国憲法を口語訳してみたら』を読んだ
「俺たちはみんなで選んだトップを通じて、俺たちと俺たちのガキと、そのまたガキのために、世界中の人たちと仲よくして、みんなが好きなことできるようにするよ。また戦争みたいなひどいことを起こさないって決めて、国の主権は国民にあることを、声を大にしていうぜ。それがこの憲法だ」(憲法前文より)
「憲法を専門に扱うゼミに入ったばかり」の学生が、ネット「2チャンネル」に書き込んだ「日本国憲法を口語訳してみた」。それに加筆して手直しをして一冊の本になったのが、塚田薫著『日本国憲法を口語訳してみたら』だ。
この本は、若い人の言葉で憲法がわかりやすく口語訳している。「大事なことだから釘さしておくよ」「横着すんなよ」「できることをちゃんとやれよ」など、憲法にこうした言葉が登場することは驚きだし、とても新鮮だ。
加えて、監修者の長峰信彦愛知大学法学部教授が、とてもていねいに言葉を選び憲法の大切な言葉はキチッと入れている。例えば憲法第9条の「永久に」「戦争放棄」等の言葉は残されている。
私は、蜷川京都府知事の「憲法を暮らしに生かす」を、我が仕事や生活の「根本」に据えて生きてきた(本人はそのつもり)。それ故、憲法はとても大切に考えいる。今、「改正」(=改悪)の必要などないと考えている。
ところで、著者は結構の苦労人だ。この本の「あとがき」に、次のように書いている。「中学もろくに行かなかったし、高校も中退している。そうした定時制に入り直して、24歳でいまだに大学生をやっている」と。こうした頑張りに、心からのエールを送る。
今改めて思う。憲法の大切さを。そして声を大にして言う、「平和を守れ、憲法を暮らしに生かせ」と。みなさんも『日本国憲法を口語訳してみたら』を読んでみられることをオススメする。