作家石原慎太郎が「膵臓ガンで余命3ヶ月」と宣告された直後に書いた絶筆「死への道程 『いつかは沈む太陽だから・・・』余命宣告を受けて」が、昨日発売の雑誌「文藝春秋」に掲載されている。なので、やはりと買いに行き、いつもの「読書ルーム」で読んだ。
この絶筆は、書いた直後に文藝春秋に掲載するよう家族に渡されたが、その反響の大きさを考え、死後に発表することとしたそうだ。慎太郎本人はそのことを知らないとのこと。にしても、石原慎太郎らしい文章だった。私は、同じように宣告を受けた場合にどうするだろうか等も考えた。
この雑誌には「青嵐会」で一緒に政治活動した亀井静香が「三途の川で待ってろよ」を寄稿している。とても面白く読んだ。
その文章を読んでいて、石原慎太郎のタカシマヤ岡山店の前での出来事を思い出した。石原慎太郎が車の上で、平沼赳夫の応援演説していた際に、演説を終えていた平沼赳夫に「何をしているんだ。早くみなさんのところに行き、握手しなさい」とマイクを通して叱った。その光景は、今でも鮮烈に思い出す。
さてその「文藝春秋」には芥川賞受賞作「太陽の季節」が、受賞当時のままに掲載されていて、それは何だか嬉しかった。選評も含めて、後日読み返えそう。
そして、もう少しだけ石原慎太郎を偲びたいと思い、昨日丸善で江藤淳著『石原慎太郎 大江健三郎』を購入した。江藤淳と大江家三郎の論争なども思い出しなからも、とりあえず今は石原慎太郎だ、読み始めている。