tonto's blog

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2回目

2011-10-25 | weblog

 この「草枕」は1906年に「新小説」で発表されたそうです(もっともその新小説がどのようなものかも知りませんけど)

 そしてこの作品が、現在になって、このようなイラストのカバーがつけられた文庫本となって、新版となり発売されるとは、作者本人も思ってもみなかったことでしょう。

 「草枕」を読もうと思うようになったのは、以前にこちらのブログで説明したとおり。

・・・ 山路を上りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくにこの世は住みにくい ・・・。

 誰もが知っている有名な書き出しですが、その後はもう大変。この時には、全く理解出来ず、難解な文字の羅列にただ目でなぞっているだけ。苦痛でもありました。漢文や英語の方がまだ。
 でも、もう一回読んでみようと思わせる何かがあったのです。

 そして、先週から13章からなる本編を毎日1章ずつ、気負わずに読むと、前回とは違い、なにやらほんの少しですが解るような気がしました。そして先ほど2回目を読み終えました。

 今は今後も、この文庫本を再び開く時があるように思えています。解説者も漱石本人も書いているように、最初から読むのじゃなく、気まぐれに開いたページにある無数とも思える言葉、いたるところに光を放つ特異で絢爛で、かつ音律豊かな言葉の饗宴に身をゆだねれば、心に淀んだ何物かを押し流し、風通しをよくしてくれるのだそうです。

本当か?

 

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