tonto's blog

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5円10銭のマジック

2018-04-18 | weblog

 2年に一度の診療報酬改定に伴い、薬価(薬の定価)も4月1日から変わりました。

  明るみに出ないような、すごい厚労省のたくらみに最近気づきました。きっと知らない医療機関(院外処方の医療機関は関係なし)も多いと思います。

 診療報酬は点数(1点が10円)制で、5円10銭で区別され、15.0円の薬は切り捨てられ1点10円となります。25.0円のそれは2点の20円点です。もちろん15.1円以上の薬、例えば16.3円の薬は2点の20円となり、増減(損得)は一見打ち消されるように見えます。

 でも今回の改定は、薬価が5円10銭未満(特に15円近く)の設定が非常に多いのです。つまり切り上げになるものが少なく、切り捨てが目立ちます。このことに狙いをつけて薬価を決めたかのように。さらに薬価自体の引き下げ幅も多くて、4月に初めて再診した患者さんは「あれ?今日は安いな」って窓口で話すのを何度も聞きました。

 ところで薬の卸さんの医療機関・処方箋薬局への納入には、消費税を加えてその薬価以下に抑えた(薬価差益ほぼゼロ)納入価格にしています。しかし、医療機関が保険収入として得るのは、薬価じゃなく上記の点数のマジックにより切り捨てられた金額なのです。つまりしっかり「逆ザヤ」になってしまっています。

 些細な金額のようにも見えますが、患者さんの病状を考え、それに対する薬を出せば出すほど「損益」となる事実。あからさまな医療抑制(というかハラスメントだ)のように思います。医療機関は「もう薬を出さないで院外処方に切り替える」とかの対応もできますが、医師の処方どおり調剤しないといけない薬局さんはどうしようもなく大変だと思います。

 このさいですから…、患者さんは薬代の消費税は払っていません。医療機関も薬の卸も消費税を支払っています。消費税は最終消費者が支払うものです。なぜ医療機関と調剤薬局が消費税を吸収してしまう仕組みになっているのか?消費税が10%になったら…。