10月2日(金)
金木犀の香りが漂い、朝から合唱コンクールの課題曲・自由曲の歌声が流れる季節になった。
1年生の課題曲は『夢の世界』。A組は『虹』、B組は『今日から明日へ』
どの歌もいい歌だ。
3学年とも2クラスずつしかない中での合唱コンクール。
それぞれのクラスの持ち味を生かしながらの選曲と取り組みをしているわけだが・・・・。
1年生は、他学年とはちょっと違った事情がある。
A組は担任が音楽の先生のクラス。
先日、担任に
「勝っても、『音楽の先生のクラスだから当たり前。』と言われる。負けたら『音楽の先生のクラスのくせに』と言われる。そう言われたくなければ、時間を有効に使って、『あれだけ頑張っていたのだから、勝って当たり前』と言われるように必死で練習しろ!」
と檄を飛ばされていた。
A組はA組なりに恵まれた環境とそれ故のプレッシャーを抱えてがんばるしかない。また、そのプレッシャーに負けない、プライドをかけた取り組みが彼らを成長させ、いい歌を歌ってくれることだろう。
B組は、そのA組の歌声を聴きながら、だんだん
『俺たち、勝ち目なくね?』
と言う、戦う前から負けを決め込んでいるような雰囲気が漂い始めた。
『今までも、音楽の先生のクラスは優勝し続けて、隣のクラスは1回も勝ったことがないんだって。今年も無理じゃない』
『最初っから負けることになってるんだ』
と言う声が囁かれ始めた。
『今日から明日へ』と言う、底抜けに明るく、元気が出るような歌なのに、歌うみんなの表情は暗く、まるでお経を唱えているような歌い方になってきた。
たとえ、最初から負けることがわかっっているような戦いだとしても、それを理由にして逃げ腰になってはいけない。
相手にとって不足はないのだ。それに対して、いかに持てる力のすべてを出し切って、ベストを尽くせるか。
一人ひとりがベストを尽くし、みんなで歌うことを心から楽しんで、聴いてくれている会場の人たちにその心を伝えることができたら・・・それが『合唱』の素晴らしさだと思う。
勝ち負けはそれに対しての単なる結果でしかない。
昨日の部活動のとき、2年生たちが、今年度たった一人入部してきた1年B組の後輩のために、いろいろとアドバイスをしてくれた。
2年生たちは全員昨年の同級生で、『今日から明日へ』を歌ったのだと言う。
「まず、笑顔!無理してでも笑顔で歌うこと!」
「ノってうたうこと!」
「口は大きく開けて、歌詞をはっきり歌うこと!」
などなど・・・。
「去年、優勝こそ逃したけれど、審査員の方に『優勝してもおかしくないぐらい、いい歌だった』と言ってもらえたんですよ!」
みんな、そのときの悔しさや、うれしさを思い出したのか、『今日から明日へ』の歌が大好きで、だからこそ、それを歌うかわいい後輩にはぜひがんばってほしいと思うのか、熱心にアドバイスしてくれていた。
「ね、この歌やB組にはこんなに素敵な応援団がついているんだよ。
この間、B組の前の廊下にいたら、明日の教科連絡を聴きに来た2年生が、あなたたちの歌が始まったとたん、一緒に歌いながら、廊下で踊りだしたの。
みんな、この歌が好きで、後輩がまた歌ってくれるのを喜んで、楽しみにしてくれているんだんなぁって思ったんだ。
当日は、会場中が一緒に歌って、手拍子してもれえるくらい、みんなでノリノリで歌ってね!」
1年生は
「私がみんなに言うんですか?」
と、自信なさげだったが、
「まずは、あなたが、笑顔で、楽しそうに元気に歌ってごらん。それがソプラノのみんなに伝わって、アルトに伝わって、男子に伝わっていけばいいんだから。
勝っても負けても、あなたちのために毎日遅くまでがんばっている担任の先生を泣かせるくらい、頑張っていい歌歌ってあげて!」
来週は『中間発表会』。
勝敗を意識するのも大切なのだろうが、まずは、この歌で何を伝えたいか、どんな思いを込めて歌うのかのほうが大事なのだ。
がんばれ、A組*(びっくり2)**(音符)*
がんばれ、B組*(びっくり2)**(音符)*
金木犀の香りが漂い、朝から合唱コンクールの課題曲・自由曲の歌声が流れる季節になった。
1年生の課題曲は『夢の世界』。A組は『虹』、B組は『今日から明日へ』
どの歌もいい歌だ。
3学年とも2クラスずつしかない中での合唱コンクール。
それぞれのクラスの持ち味を生かしながらの選曲と取り組みをしているわけだが・・・・。
1年生は、他学年とはちょっと違った事情がある。
A組は担任が音楽の先生のクラス。
先日、担任に
「勝っても、『音楽の先生のクラスだから当たり前。』と言われる。負けたら『音楽の先生のクラスのくせに』と言われる。そう言われたくなければ、時間を有効に使って、『あれだけ頑張っていたのだから、勝って当たり前』と言われるように必死で練習しろ!」
と檄を飛ばされていた。
A組はA組なりに恵まれた環境とそれ故のプレッシャーを抱えてがんばるしかない。また、そのプレッシャーに負けない、プライドをかけた取り組みが彼らを成長させ、いい歌を歌ってくれることだろう。
B組は、そのA組の歌声を聴きながら、だんだん
『俺たち、勝ち目なくね?』
と言う、戦う前から負けを決め込んでいるような雰囲気が漂い始めた。
『今までも、音楽の先生のクラスは優勝し続けて、隣のクラスは1回も勝ったことがないんだって。今年も無理じゃない』
『最初っから負けることになってるんだ』
と言う声が囁かれ始めた。
『今日から明日へ』と言う、底抜けに明るく、元気が出るような歌なのに、歌うみんなの表情は暗く、まるでお経を唱えているような歌い方になってきた。
たとえ、最初から負けることがわかっっているような戦いだとしても、それを理由にして逃げ腰になってはいけない。
相手にとって不足はないのだ。それに対して、いかに持てる力のすべてを出し切って、ベストを尽くせるか。
一人ひとりがベストを尽くし、みんなで歌うことを心から楽しんで、聴いてくれている会場の人たちにその心を伝えることができたら・・・それが『合唱』の素晴らしさだと思う。
勝ち負けはそれに対しての単なる結果でしかない。
昨日の部活動のとき、2年生たちが、今年度たった一人入部してきた1年B組の後輩のために、いろいろとアドバイスをしてくれた。
2年生たちは全員昨年の同級生で、『今日から明日へ』を歌ったのだと言う。
「まず、笑顔!無理してでも笑顔で歌うこと!」
「ノってうたうこと!」
「口は大きく開けて、歌詞をはっきり歌うこと!」
などなど・・・。
「去年、優勝こそ逃したけれど、審査員の方に『優勝してもおかしくないぐらい、いい歌だった』と言ってもらえたんですよ!」
みんな、そのときの悔しさや、うれしさを思い出したのか、『今日から明日へ』の歌が大好きで、だからこそ、それを歌うかわいい後輩にはぜひがんばってほしいと思うのか、熱心にアドバイスしてくれていた。
「ね、この歌やB組にはこんなに素敵な応援団がついているんだよ。
この間、B組の前の廊下にいたら、明日の教科連絡を聴きに来た2年生が、あなたたちの歌が始まったとたん、一緒に歌いながら、廊下で踊りだしたの。
みんな、この歌が好きで、後輩がまた歌ってくれるのを喜んで、楽しみにしてくれているんだんなぁって思ったんだ。
当日は、会場中が一緒に歌って、手拍子してもれえるくらい、みんなでノリノリで歌ってね!」
1年生は
「私がみんなに言うんですか?」
と、自信なさげだったが、
「まずは、あなたが、笑顔で、楽しそうに元気に歌ってごらん。それがソプラノのみんなに伝わって、アルトに伝わって、男子に伝わっていけばいいんだから。
勝っても負けても、あなたちのために毎日遅くまでがんばっている担任の先生を泣かせるくらい、頑張っていい歌歌ってあげて!」
来週は『中間発表会』。
勝敗を意識するのも大切なのだろうが、まずは、この歌で何を伝えたいか、どんな思いを込めて歌うのかのほうが大事なのだ。
がんばれ、A組*(びっくり2)**(音符)*
がんばれ、B組*(びっくり2)**(音符)*