明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(472)仙台市、県南訪問を終えて

2012年05月23日 09時30分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120523 9:30)

東北訪問の旅を続けています。5月20日は仙台市で矢ヶ崎さんとのジョイント
講演会に出席しました。この講演会は、仙台と県南の4つの市民測定室・・・
小さき花- 市民の放射能測定室仙台、 市民の放射能検査室かぜのたに、 みんなの
放射線測定室「てとてと」、 仙台・いわき食品放射能計測所「いのり」の主催に
よって行われたものです。

5 年後10 年後こどもたちが健やかに育つ会 せんだいみやぎhttp://d.hatena.ne.jp/sukoyakasendaimiyagi/
せんだいコミュニティカフェ準備室http://sendaicommucafe.blogspot.jp/をはじめ
とする、たくさんのお母さん方の会や、市民活動をしているグループも企画を
サポートしてくださいました。
参加者は250名ほどだったでしょうか。用意した椅子が埋まりきり、立ち見の方も
いる大盛況で、質疑応答まで実に活発なやりとりが行われました。

仙台での討論で特徴的なのは、西日本での講演会と比べて、やはり放射能汚染と
向き合う切実さが格段に高いことです。現に非常に深刻な汚染がある中で、人々が
日々、それといかに立ち向かうかを検討し、行動している。
もちろん、この地域の全ての人がそうだというわけではありません。仙台の中でも、
宮城県の中でも多くの人々はまだまだ政府の安全宣言にとらわれてしまっています。
しかしその中でこの問題と立ち上がろうとする人々の懸命な取り組みがたくさんあります。今、詳しく紹介する余裕がありませんが、僕自身、学ぶことが多くありました。
企画を担ってくださったみなさま。どうもありがとうございました。

その後の二日間で、市民測定所の、小さき花と、てとてとを訪問し、それぞれで蓄積
したいろいろな実践に学ぶ機会を持たせていただきました。もちろん矢ヶ崎さんも一緒で、
測定器をめぐるあれやこれやの討論も行いました。とくにてとてとでは、これまで計測に
訪れていた人々の中でも、とくに強い問題意識を持った方たちが集ってくださり、
矢ヶ崎さんへのいろいろな質問が飛び交いました。

中でも重要だったのは、尿検査の結果をどうみるか、どう考えるかの内容です。これに
矢ヶ崎さんが詳しい解説をしてくださいました。これについては、京都に戻ってから
詳しくここで紹介させていただきます。

矢ヶ崎さんと僕はまた、放射線の計測だけでなく、健康被害の調査もそれぞれで進めて
欲しいと問いかけました。
とくに僕は、国連の公衆衛生調査でも、人々の聞き取り情報が重視されていること、
お母さんが子どもをみていて感じる直感や、地域の人々が感じる、その地域の変化などの
情報が、非常に価値が高い内容が含まれていることが多く、疫学的方法に縛られない、
個別聞き取りの積み重ねによる調査が重視されていることなどを説明し、ぜひ、自分が
見聞きした情報を教えて欲しいと話しました。

すると、どこでもかなり劇的なほどに、女性たちが集まってきて、次々と健康被害情報を
教えてくださいました。
まだまとめている段階ですが、仙台ないし県南で、死亡情報も含めて、たくさんの被害に
多くの人々が直面していることが見えてきました。お年寄りの葬儀が続いている、親が
突然死してしまった、ガンの手術を受けた、子どもの視力が急に下がった、連れ合いが
不整脈で倒れた、心臓が痛いといい続けている・・・などなどですがそれが居合わせた
人々の中から、次々と出てくること自身に特徴がありました。

こうした調査を今後も続けていきたいと思います。まだ統計のような形で、健康被害が
起こっていることを示すだけのデータが集まっているわけではありませんが、とにかく
こうした聞き取りを今、かなりの努力を傾けて進めていくべきだということが見えて
きました。

時間がないので、このぐらいで報告を閉じますが、いずれにせよ、今回、めぐまれた多く
の方たちとの出会いを放射線防護のネットワークへと形作り、情報交換を進めていきたい
と思います。
宮城県で出迎えてくださった方々に感謝して、宮城県を離れ、福島市に向かいます。
今日と明日の企画を最後に貼り付けておきます。

*******

内部被曝を考えるシンポジウム

2012年5月23日(水),13:00~
於:福島大学 L4教室
参加自由、申込不要

第1部 パネルディスカッション
「内部被曝を考える」(13:00~15:00)

★パネリスト
矢ヶ崎 克馬(琉球大学名誉教授)
守田 敏也(ジャーナリスト)
塩谷 弘康(福島大学)
後藤 忍(福島大学)

第2部 討論会
「福島大学における学生生活環境を考える」
(15:15 ~ 16:45)
~主な論点~
◆ 低線量被曝の健康影響については専
門家のあいだでも意見が異なってい
る状況下において、福島大学の取り
組みは適切か?
◆ 内部被曝の危険性は、学生に認識さ
れているか?
◆ 内部被曝を防護するための手立ては
十分に講じられているか?
など

パネリストご紹介
矢ヶ崎 克馬 氏
理学博士。琉球大学理学部教授を経て、現在は琉球大学名誉教授。2003年よ
り、原爆症認定集団訴訟で「内部被曝」について証言をする。東日本大震災以
後は、福島ほか、全国各地で講演をしている。著書に『隠された被曝』(新日
本出版社)、『力学入門(6版)』(裳華房)などがある。

守田 敏也 氏
同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、フリーラ
イターとして取材活動を続け、社会的共通資本に関する研究を進めている。ナ
ラ枯れ問題に深く関わり、京都の大文字山などで害虫防除も実施。東日本大震
災以後は、関西をはじめ東北・関東でも取材・講演を続けている。


主催:福島大学放射線副読本研究会

★福島大学
〒960-1296 福島市金谷川1
JR東北本線 金谷川駅から徒歩8分

★お問い合わせ先
メール:arakida@ads.fukushima-u.ac.jp
電話/Fax:024-548-8305
荒木田

5月24日福島市「矢ヶ崎克馬プラス守田敏也」講演会のお知らせ。

副題  怒りを胸に、楽天性を保って、最大防御を!!

◆5月24日  主催 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 
◆場所 A・O・Z(アオウゼ) 多目的ホ-ル TEL024-533-2344
◆時間     17時より20時40分
◆式次第予定 17時準備17時30分会場17時45分開演。
    司会   初澤智子

    17時45分主催者挨拶 
    子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 
     副代表辺見妙子
    
    18時矢ヶ崎克馬講演会(前半)18時40分守田敏也 
    ミニ解説と質疑応答19時まで予定
    
    19時矢ヶ崎克馬講演会(後半)19時40分守田敏也 
    ミニ解説と質疑応答20時まで予定
    
    20時全体質疑応答 
    
    20時20分より各団体からのアピ-ル 
    福島原発告訴団 武藤類子さん   
    福島ぽかぽかプロジェクト 菅野吉広さん
    ふくしま集団疎開裁判   駒崎ゆき子さん
    
    20時45分終了予定。

◆講演内容 内部被曝を徹底的に学ぼう 参加費無料です。

◆◇講演の区切りの所で 内部被曝研の守田氏にミニ解説、質疑応答、等を担当して
いただき理解の促進を目指します。

★守田さんブログ

明日に向けて(469)仙台市・福島市・南相馬市に矢ヶさんと一緒に訪問します!
(5月20日~25日) - 明日に向けて
http://bit.ly/KlI8G4

資料等は、用意いたしますが、書籍の販売は、出来ませんので「岩波書店」から矢ヶ崎
さん守田さんの共著 岩波ブックレット『内部被曝』が発行されており別途購入を
お薦めいたします。

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