明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(471)富士吉田の訪問を終えて

2012年05月19日 22時30分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120519 22:30)

富士吉田で夜を過ごしています。今宵は、この地で講演をさせていただ
きました。60名近くの参加でした。

ここにきたのは昨日のお昼前。槙田きこり担人さんに迎えていただき、
そのまま、富士山麓の「胎内樹型」に連れて行っていただきました。

ここは、平安時代末期に、富士山の大噴火で、溶岩流が流れたところ。
それがそのころにあった巨木を薙ぎ倒し、その上に流れました。
溶岩の下敷きになった巨木はあるものは表面が激しく燃えながら、また
あるものはそのまましずかに、溶岩の下で朽ちていったのですが、その
ため、溶岩の下に「樹型」が残ったのです。そこに入ると、内部が
燃えたところ、そうでないところで、それぞれ個性的な跡を残しており、
どこか人間の体内や、女性の乳房を連想させるようなところがあります。
それでつけられたのが「胎内樹型」という名で、信仰などから、この
「胎内」をくぐることが古来より行われてきたのです。

ここに、きこりさんと、地元の女性と3人でおもむき、幾つかの樹型の
中を案内してもらいました。洞窟、沖縄のがまを思わせるようなその
中に入り、きこりさんが、次々と、ここはどうしてこうなったのか、
ここにあった樹木はなんだったのかの推論をめぐらせていきます。
しばし我を忘れて、平安時代末期に起こった溶岩流の怒涛のような流れ
のことを思い続けました。次々と溶岩が頭の中を流れていきました。
悠久のときの流れを感じ、私たちの住まう世界の奥行きの深さを久々に
感慨深く、垣間見た思いがしました。

それが、今の僕の活動にとってどうつながるのか、にわかに答えは
出せないのですが、何かとてもリフレッシュする思いがしました。
体から疲れが染み出すように抜けて、富士の霊気が体に入ってきて
くれることを感じました。案内していただいきこりさんに感謝です。


さてその後に、この地域を車で回っていて、本当にたくさんの「水」
の会社があることを知りました。きこりさんが、日本で売られている
ミネラルウォーターの三分の一ぐらいが、富士の水ではないかと教えて
くれました。非常に残念なことに、この地域も、放射性物質の降下と
まったく無縁ではありませんが、しかしそれでも地下水はまだまだ
全体的にきれいです。今なら、この水を守り、全国に供給し続ける
ことができます。

そんな富士吉田にも、「がれき」の押しつけの魔の手が迫ってきてい
ます。今日の講演で、僕は、福島が非常に線量が高い状態にありながら
事実上、政府によって放置されていること。危険地帯でありながら
たくさんの人々が動けずにいること、だからその人々をなんとか助ける
ことを一緒に行って欲しいと訴えました。

とくに富士山麓の水はまだまだきれいで、絶対にこれを守って欲しい。
そうしてこの水をぜひとも、とんどん東北・関東に送って欲しいと強く
訴えました。同時に僕の持論である被曝の激しい地域の人々こそが、
そうでない地域の人々の救い手になっており、だから一緒に手を携えて
放射線防護を進め、この苦しみを越えていきましょうとも語りました。

講演会は、幾人かの市議の方々も参加されていました。また福島市から
避難してきている女性もいました。質疑応答も非常に活発で、企画が
終わってからもその場で、30分以上も質問にお答えしていました。
富士吉田のみなさんの、このまだまだきれいな場、そして豊かで、おい
しく尊い水を守ろうという気持ちが温かく伝わってきました。今後、
ぜひこの地域の方々との結びつきを強めて、放射線防護活動をさらに
一歩前に進めていきたいと思います。

今日の催しを企画してくださった浜岡原発の廃炉を願う市民の会の
みなさまに、深く感謝を申し上げます。
簡単ですが、富士吉田滞在はそんな風に過ぎていきました。

明日は仙台です。東京で矢ヶ崎さんと朝方に合流し、一緒の新幹線で
向かう予定です。午後1時半より、学校法人支倉学園ドレメファッション
芸術専門学校6階ホールで矢ヶ崎さんとジョイント講演です。
(メインは矢ヶ崎さんです)

明日も精一杯がんばります!
コメント (2)
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