明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(619)国や東電を相手取った裁判を応援しよう!

2013年02月09日 23時00分00秒 | 明日に向けて(601)~(700)

守田です。(20130209 23:00)

福島第一原発事故について、国と東電の責任を鋭く追求する2つの提訴が進行中です!ぜひ全国から応援の声を集めましょう!福島原発告訴団からの署名要請も。こちらもよろしくお願いします!
訴訟の一つ目は、福島・宮城・山形・栃木・茨城各県の被災者350人が国と東電に損害賠償を請求するもので、3月11日に福島地裁に提訴されようとしています。提訴者は、最終的に500人になる見込みだそうです。
2月8日に東京で記者会見が行われました。映像を以下からみることができます。ともにNHKニュースですが、二つ目は英語放送です。(英語圏の知人に知らせてください)

原発事故で国相手に集団提訴
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6055363451.html?t=1360377891332

Fukushima people to sue govt., TEPCO
NHK World Feb. 8, 2013 - Updated 11:23 UTC (20:23 JST)
http://www3.nhk.or.jp/daily/english/20130208_40.html

この記者会見に、ジャーナリストの津田大介さんが参加され、提訴に立ち上がった方たちの声を連続ツイートしてくださいました。ぜひお読み下さい。できるだけたくさんでシェアしましょう。
なおこの情報は以下からコピーさせていただいています。
http://togetter.com/li/452360

***

米沢のたけださん「米沢は生活困窮度が高い。健康問題でいうと、福島にいかないとホールボディカウンターが受けられない。日本中どこでもHBCと尿検査を受けられるようにしてほしい。福島への通勤の支援も必要。新潟はそうした通勤の支援がある」。

南相馬の金子さん「3.11の時、爆発したその夜に80近い兄夫婦を連れて相馬に避難した。私たちは、原発を後世に残しておきたくない。子ども達は東京にいるが、彼らはふるさとに帰って来られない。それは賠償、お金で済まされることではない。私たちの子ども達が南相馬で普通の暮らしをできるように戻してもらいたい。そのために私はこの原告団に参加した」。

浪江町の今野さん「今福島市に住んでるが、そこまで4つ避難所を変えながら移動した。今のところは5つ目。心の底から言えば賠償金より、相双地区を返してもらいたいという思いが強い。避難区域の解除を国はしようとしているが、それはイコール賠償打ち切りじゃないの。放射性物質の問題でいうと、放射能と人間は共存できない。一日も早く原発をゼロにして元の暮らしができる地域を作ってもらいたい」。

福島から米沢に避難中の新関さん「原発事故で私の家の中は1.2マイクロシーベルト毎時になった。高校はもっと高い放射線量になった。しかし国は安全だといって普通に高校生に部活をやらせていた。その状況を見て子供は自分で守らなければならないと思い、米沢に避難して、40kmかけて通勤してる。元の福島を返してほしいという思いから原告団に参加した。福島に残って悩んでいる人たちがたくさんいる。避難した人も悩みながら残っている人が一緒になって国や東電に訴えていきたいと思う」。

栃木の佐藤さん「事故以降、営業損害の請求を続けている。野田政権の冷温停止状態、収束宣言や国からの支援が決まって以降、東京電力は何かと理由を付けて賠償金の金額を削る方向に態度が変わった。特に風評被害については審査も厳しくなり、賠償金が削られている。風評被害については時効が成立してしまう可能性がある。それをさせないためにこの訴訟に参加している。栃木の黒磯が実家だが、雨どいの下は15マイクロシーベルト毎時あった。
那須塩原や黒磯は山菜がまったくダメになった。山菜採りができなくなったことがとてもくやしい。栃木は福島の隣だが、線量が高い地域もある。黒磯が寂れた町になってしまった。住んでいる高齢者の人も放射性物質に対して意識が麻痺してきている状況もある。マスコミの皆さんもこの問題をもっともっと取り上げてほしい。被害はまだ広がっている」。

茨城から沖縄に避難しているくぼたさん「沖縄には避難してきている人が多い。補償も何もないので大変なことも多い。避難してきた人が自主的に健康診断すると9割の人が何かしら異常な結果が出る。生活を根こそぎ失った人がいるのに誰も責任を取らないことが腹が立つし、加害者が誰なのか明確にしたい。言いたいことは山ほどある。許せないし、おかしいことだと思ってる。東電が起こした事故なのに普通の人たちが苦しまなきゃいけないか、分断されなきゃいけないのか。
原発も中で危険な作業をしている人たちがいるから私たちがこうして生活できている。敵は大きいが、みんなで一緒に立ち向かってこの状況を変えていきたい。皆さん力を貸してください」。

相馬新地のなかじまさん「事故以来漁業や農業が停止され、商品の仕入れが思うようにできなくなった。20km圏内で漁業も農業もできなくなった人たちは生活の基盤を根こそぎ奪われた。安心して水も飲めない。ことごとく前の生活がなくなった。沖縄に移住したくぼたさんの娘さんは検査をしたら甲状腺に異常が見つかった。しかし、旦那さんからは『生活も厳しいのになぜお前は沖縄に住み続けるんだ』と言われ夫婦の危機にもなっている。
首相官邸前デモが起きたとき、とても勇気づけられた反面、自分の生活を何とかしなければいけないという思いから福島から声をあげられないことに対して後ろめたい思いも生まれた。再稼働問題を見ていて、政府のやり方はおかしいと思った。我々は自分の生活基盤を作るのに必死だったが、それだけではダメだ。福島から声を上げないといけないと思った。提訴した今日をきっかけに福島県人としての責任を果たし、元の生活を勝ち取るために活動していきたい」。

この訴訟の弁護団は約70名。個別の事件の救済にも当たっている。事件の大きさに見合った大変な裁判であるし、国を相手にしたのは原発が国策で進められたという判断から被告にしているとのこと。.

***

二つ目は、東京、千葉、福島の被災者によるもので、やはり3月11日に、千葉地裁を中心に、幾つかの地方裁判所への提訴がなれようとしています。幾つかというのは、福島県から都内に避難してきた住民は東京地裁に、千葉県内に避難してきた住民は千葉地裁に、このほか別の弁護団が担当して、福島地裁と同地裁いわき支部にそれぞれ提訴するということです。
福島から千葉県に避難している人は現在約3000人おり、その中から数十世帯が参加するとのことです。
この2つの裁判はともに国を相手に原状回復を求めた初めての裁判になります。是非、応援しましょう!


一方で、こうした損害賠償請求裁判に先んじて、福島原発事故の責任者を刑事告発した、福島原発告訴団から、捜査当局に厳正な捜査を求める署名運動の要請が発せられています。捜査当局が、早くも「立件は困難」などの言葉を匂わせていることを牽制するものです。以下から署名できますので、ぜひご協力ください!

福島原発事故に関し、厳正な捜査・起訴を求める署名
https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dG1JOE5UbUtFNHBIY3dVQndVS1NvRGc6MQ&theme=0AX42CRMsmRFbUy0zODZjNDJiNy03M2Q4LTRmYWItYTNiMy05OTM4NDgwYmM3MTY&ifq

告訴団は2月22日には、東京地方検察署の包囲行動も準備中です。可能な方はぜひご参加を!詳しくは以下をご覧下さい。
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/

国も東電も、あれほどの事故を起こし、もの凄くたくさんの人を苦しみのどん底に突き落としていながら、まだただの一人も逮捕もされていません。
損害賠償も信じられないほどの少額しか行っておらず、その対象も著しく限定されています。
責任者の告発と、損害賠償の請求は、こうしたあまりにひどい状態に対して投げかけられた正義の訴えです。ぜひ多くの声でバックアップしていきましょう!そのことが私たち一人一人の安全と尊厳を守るのです。ここが大事なポイントです。けして他人ごとではありません。

以下、2つの提訴の動きを報じた記事を紹介しておきます。海外の方々にも知っていただくため、英文も加えておきます。

************

東日本大震災:福島第1原発事故 福島などの350人、東電と併せ国提訴へ 賠償、原状回復求め
毎日新聞 2013年02月08日 東京夕刊
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130208dde041040042000c.html

東京電力福島第1原発事故で避難を余儀なくされ精神的苦痛を受けたなどとして、福島県と近隣県の住民約350人が東日本大震災発生から2年となる3月11日、国と東電を相手取り、放射能汚染の原状回復などを求める集団訴訟を福島地裁に起こす。
弁護団が8日、福島市で記者会見し、原状回復に加え、慰謝料1人当たり月額5万円を求めることなどを明らかにした。原発事故で国を相手に原状回復の集団訴訟を起こすのは初めてという。
弁護団によると、国と東電には、原発事故による放射能汚染で奪われた暮らしや地域を除染や健康不安を取り除く措置により原状に回復させる義務があるとしている。福島地裁への提訴には現在約350人が参加し、最終的に500人以上を見込む。福島県内では、別の原告団530人が3月11日に、同地裁いわき支部に提訴する動きもあり、1月下旬に結団式を行っている。【蓬田正志、三村泰揮】

****

Fukushima people to sue govt., TEPCO
NHK World Feb. 8, 2013 - Updated 11:23 UTC (20:23 JST)
http://www3.nhk.or.jp/daily/english/20130208_40.html

People in northern Japan will file a class action lawsuit next month against the government and the operator of the accident-stricken Fukushima Daiichi nuclear plant.
About 350 residents of Fukushima, Miyagi, Ibaraki and other prefectures will participate in the action against the national government and Tokyo Electric Power Company.
At a news conference on Friday in Fukushima City, their representatives said they will demand that the defendants reduce the radiation levels of the areas where they have homes to those before the nuclear accident in March 2011.
They will also seek some 550 dollars per plaintiff per month in compensation for health concerns and indirect damage to their businesses.
They will file the lawsuit with the Fukushima district court on March 11, the second anniversary of the massive earthquake and tsunami.
The counsel team for the plaintiffs says this will be the country's first such a class action suit asking the defendants to restore living conditions to a pre-disaster state.
A Soma City man in his 50s plans to join the plaintiffs. He says he needs to show that current Japanese politics in which people's lives are measured against corporate profits is wrong.
Izutaro Managi, one of the counsel members, says he wants to clarify at the trial the government's responsibility, as it had been pushing atomic energy as a national policy.

*****

原発事故 国を提訴へ 東京への避難者ら
東京新聞 2013年2月8日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2013020802100003.html
 
東京電力福島第一原発事故で避難するなど被害を受けた東京、千葉、福島の被災者が、東日本大震災から二年を迎える三月十一日に、国と東電を相手に損害賠償を求める集団訴訟をそれぞれ各地裁に起こすことが七日、関係する弁護団への取材で分かった。弁護団によると、原発事故で国を相手に集団訴訟を起こすのは初めてとみられる。
福島原発被害首都圏弁護団や原発被害救済千葉県弁護団によると、福島県から都内に避難してきた住民は東京地裁に、千葉県内に避難してきた住民は千葉地裁に提訴する方針。このほか別の弁護団が担当して、福島地裁と同地裁いわき支部にそれぞれ提訴するという。

福島県から千葉県内に避難して、生活を続ける被災者は約三千人に上る。
千葉の弁護団が訴訟準備のために一月に開いた説明会には数十人が参加し、少なくとも十数世帯が原告に加わる意思を示しているという。
 
賠償額は算定中だが、一人当たり一千万円を超える可能性が高い。
都内への避難者は少なくとも五世帯が提訴する見込みで、さらに増える可能性があるという。
 
千葉の弁護団は、国を訴訟相手に含める理由について「国が過去に必要な規制をしていれば、事故はある程度防げた。国の責任を明らかにしたい」と説明。その上で「原発事業は国策民営の関係で、民法上の共同不法行為にあたる」と主張している。
原発事故をめぐっては、避難生活を強いられている被災者が各地で、東電に慰謝料などを求める訴訟を起こしている。

<共同不法行為> 複数の加害者が共同して不法行為を行い、他人に損害を与えること。民法719条では、共同不法行為が成立した場合、加害者たちは連帯して損害を賠償する責任を負うと規定されている。不法行為をそそのかした者や、手助けした者も損害賠償責任を負う。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする