明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1802)「検査」「検査」と叫んできた渋谷健司氏は、その戦略が不可能であることを認めて欲しい-新型コロナの影響を民主主義的に越えるために(19)

2020年04月25日 13時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20200425 13:30)

大事な時ですから、連投をお許しください。

ニューヨーク州では7人に1人、抗体確認とされている・・・

各国の抗体検査の結果が次々と報告されだしています。ただしこの検査、精度がよくないと言われており、なおかつどれぐらいの感度と特異度があるのかも出されていません。
このため、どこまで実態を反映しているか、まだ分からない面もあります。
しかし今回も、マスコミは「断定」調で書いてしまっています。こうした報道の仕方では、人々が振り回されてしまう。あくまでもいまは、精度が悪い中での数値であることを踏まえておく必要があります。

しかも、すでに何十と言う製品が出ているようですが、相当にひどい感度・特異度のものも見つけられているという報道もありました。
人々の不安を材料に儲けようとしている、火事場泥棒みたいな人々も、うごめいているのかも知れません。気を付けなくてはです。

ただそれでも人口の多いニューヨーク州内40カ所で、3000人を対象にした検査で、13.9%に抗体ありと出ているのですから、感染者数がこれまで思っていたよりもかなり多いと捉えることは、できるのではないでしょうか。
13.9%を州の人口にあてはめてみると、なんと感染していた方は270万人と推定されます。
ニューヨークは積極的にPCR検査を拡大しましたが、陽性者は約26万3千人。あくまで抗体検査の数値が正しければですが、見つけて隔離できたのはやっと10%に過ぎなかった。255万人が見つけられていなかったことになります。
数値が上下にかなり動くとしても、やはり感染者が、PCR陽性者をかなり大きく上回っているとは言えそうです。

NY州住民の7人に1人、抗体確認 コロナ検査
日経新聞 20200424
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58434040U0A420C2000000/


抗体検査について報じる日経新聞


感染者が何十倍もいるとすると

今後、世界各地からさらにデータがあがってくるでしょう。その中で、検査の精度や限界ももっと明らかになるのではと思えます。
ただそれでも、仮に、明日に向けて(1801)で紹介した、カリフォルニア州での28~55倍、50~80倍という幅のある値が、現実と大きくかけ離れていないとすれば、これまで推計されてきた「致死率」は、相当に下がることになります。
ただしこのことは「致死率」=「感染症の怖さ」とは言えないことも示しています。例えばSARS(重症急性呼吸器症候群)は、致死率が11%もありましたが、感染者が8,422人で亡くなった方は916人でした。新型コロナ死者数は現段階でも桁違いです。

つまり社会的には、すでにSARSよりも致死率のずっと低い新型コロナの方が、圧倒的な脅威を与えています。しかし自分が罹患した場合の、重症化や死亡リスクは、いま語られているよりずっと小さい可能性が浮上しています。
もちろん、それでもたくさんの方がかかれば、その分、死者は増えるのですから、感染を拡大させないための努力を、頑張って継続する必要があります。
とくに、医療や介護などに関わっておられる方は、自分が感染するリスクと、誰かを感染させてしまうリスクの中で、精神的緊張感をいっぱい背負ってくださっているのですから、その奮闘に感謝し、苦労をみんなでシェアして支え抜きたいです。

同時に率直に言って、各国政府がとってきた「どんどん検査を拡大して、感染者を見つけ、隔離して感染拡大を食い止める」戦略には、あまりに無理があることを、もはや認識すべきではないでしょうか。
カリフォルニア州では、検査を積極的に増やしてきたと思うのですが、今回の検査からは、感染者の28分の1から80分の1しか見つけられていないことになります。見つけられた割合は3.6%から1.2%になるのです。
とにかくもっと抗体検査の精度を確かめる必要はありますが、それでもいま見えているのは、PCR検査で感染者のすべて、ないしかなりの部分を見つけ、隔離するのは、あまりに無理な戦略だということです。


「検査の拡大」こそが、病院をクラスター化した可能性が高い

むしろPCR検査をすればするだけ、隔離しなければならない人が増えていきました。
韓国などをのぞき、各国とも軽症者や無症状者用の、代替施設を設ける前に、検査を拡大してしまったので、見つけた陽性者を病院に集めてしまうことになりました。
つまり3密を、自ら病院の場で作りだしてしまったのではないか。町をバラバラに歩いていた人々を、病院に集めてしまいました。だから病院がクラスター化してしまい、医療者にも感染し、胸が痛くなるような医療崩壊を招いたと思えます。

私たちがいま捉えるべき大事なポイントは、カリフォルニア州で見つけられていなかったとされる、残りの96.4%から98.8%とカウントされた人々のほとんどが、知らない間にかかり、なおかつ知らない間に治っていた可能性があることです。
だからこの方たちに貴重な医療資源を振り向けることなく、かつまた病院のクラスター化を避け、重症者治療に力を注ぎ続ける戦略が、やはり正しい選択だと思います。
ただし、重症化する方のケアにおいても、PCR検査が追いつかなくなりだした日本の現状は、もちろん越える必要がある。その点で、感染症対策の戦略としてではなく、重症者対策として、検査能力をアップする必要があります。

これに対し、PCR検査を戦略の軸にしてどんどん拡大する方針のもとで、かえって病院のクラスター化が起こりました。
それは「町の中にどれだけの感染者がいるか分からない」という不安が掻き立てられ、なおかつ渋谷健司氏のように、恐ろしさをあおり続ける人々がいたからこそ、よけいに広がってしまいました。
そして、そうするべきではなかったのに、感染者を病院に一気に集めてしまったのです。だからこそ、致死率はけして高くはないのに、どんどん医療崩壊がおき、死者が拡大してしまいました。とても悲しいです。


ニューヨークで検査のために病院におしかけた人々 クローズアップ現代より

しかしまだ、転換は可能だと思います。これ以上、やたらと死者を拡大させないために、各国政府に気づいて欲しい。いや十分に調べ切れていないのですが、すでにけっこう各国とも気づきだしているようにも見えます。
その点で、「検査抑制の限界を認めよ」と、日本の医療界に、ロンドンから圧力をかけ続けてきた渋谷健司氏にも、ぜひとも捉え返して欲しいです。
「検査の拡大による感染症拡大の阻止」という戦略のあやまりを認め、「これ以上、PCR検査をやたらと拡大して病院をクラスター化すべきではない」とのメッセージを、責任を持って発して欲しいです。

続く

抗体検査で、実は町の中に、想像以上に感染した方がおられることが見えつつあります。しかし実は、こうした状態に、もっとも見事に対応してきたのがクラスター潰し戦略でした。次回はこの核心的な点を書きます。

***

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明日に向けて(1801)抗体検査が進行中!感染者はPCR検査陽性者のなんと28~80倍?渋谷健司氏の論拠は大きく崩れだした!-新型コロナの影響を民主主義的に越えるために(18)

2020年04月25日 10時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20200425 10:30)

(1799)(1980)で、渋谷健司氏が、WHO事務総長の感染症対策における側近とは言えないこと、また福島原発事故後は、人々を「怖がらせない」ための活動をしてきたことを紹介しました。
今回は「東京は手遅れに近い」「検査抑制の限界を認めよ」という主張についての考察を明らかにします。実は事実によって「検査を拡大し感染者を囲い込むことで、感染拡大を防ぐ」戦略が誤っていたことが、見えてきています。
このことを明らかにしつつあるのが、各国で進む「抗体検査」の結果です。


各国で進む抗体検査

抗体検査とは、感染症にすでにかかって、「抗体」(そのウイルスを排除しようとするもの)ができているかどうかを調べる検査です。これを多数の人に行えば、感染拡大の様子もつかめる。すでに各国・各地で行い出しています。
抗体は二つあります。感染初期にはIgM抗体ができますが一月ぐらいで消えていきます。これに対して少し遅れてIgG抗体ができますが、こちらは長く持続します。
抗体が獲得した人が多くなれば、もう感染しない人が増えて、その分、感染症に立ち向かう力が増えるのではとも期待されています。「抗体ができていることを、自由に活動してよい証明書にしよう」との動きすら出ています。

同時にこの検査は、PCR検査よりも時間が早くすみ、検査時の感染リスクも少ない。PCR検査は、鼻に綿棒を入れてウイルスを採るため、採取者が感染するリスクがあります。判定までも時間と労力がかかります。
さらに抗体検査は血液の中の抗体の有無を調べるため、採血が必要ですが、鼻の奥に綿棒を突っ込むことに比べて、感染リスクがずっと低い。また判定もすぐに出るし、労力も少ない。
いま各国がロックダウンを続けるのが無理になり、解除に向かいつつありますが、その際の目安の一つになることが、強く期待されています。

しかし、「まだ抗体検査に期待をかけてはいけない」という意見も、多数あります。
すべての検査には、正しく判定されない「誤差」がありますが、この抗体検査、かなり精度が悪いらしい。さまざまなキットが売り出されていますが、どれも、精度の低さが問題視されているPCR検査よりも、さらに悪いようです。
また抗体ができたら、確実に感染しなくなるとのエビデンスも、まだ十分には得られていない。「検査」「検査」と叫んできたWHOは、いまは「抗体検査に期待してはならない」と連呼しています。

15分で検査結果が出る「新型コロナウイルス抗体検査キット」とは?
2020年3月22日 ヤフーニュース 柳田絵美衣  | 臨床検査技師(ゲノム・病理検査)、国際細胞検査士
https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagitaemmy/20200322-00168970/



二つの抗体について示した図 ヤフーニュースより


幾つかの検査から見えつつあること

このように、抗体検査は、まだ使われだしたばかりですから、そこで得られた情報がどれだけ確かなのかも未定です。
しかしそれでも抗体検査で、新型コロナの感染の、ざっくりとした広がり方、またこれに対する対抗戦略の良し悪しの、判断の一つの目安を得ることは可能なのではないでしょうか。
そしてその点で、いくつか出てきた結果を見ると、驚くべき可能性が見えてきています。

一つはカリフォルニア州サンタクララ群で、試験的に行われた抗体検査の結果です。3,300人が受けましたが、抗体反応があったのは2.8%~4.2%だったそうです。
これに群の実際の人口をあてはめてみると、48,000人から81,000人が、すでに感染していたと推定されます。
郡内のPCR検査陽性者は1,000人程度。そうすると、実際の感染者数は、PCR検査陽性者の、なんと約50倍から80倍にもなります。ただし検査の精度がどう低いのかも見えてないので、数値は大きく変わることもありえます。

カリフォルニアで抗体検査、予想より遥かに多い罹患率が判明
WEDGE 2020年4月19日
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/19372


抗体検査について報じるWEDGE
ロサンゼルスのお隣のオレンジ郡ハンティントンビーチで行われた自宅待機命令への抗議デモの様子が添えられていた

もう一つは同じくカリフォルニア州の、ロサンゼルス群と南カリフォルニア大学の研究チームが行った調査で、863人を対象に行われました。
結果は2.8%~5.6%。これに実際の人口にあてはめると、22万人から44万人が、すでに新型コロナウイルスに感染し、抗体を持っているとみられるそうです。
ロサンゼルス郡のPCR陽性者は、約8,000人なので、これまた実際の感染者は、28倍から55倍であった可能性があります。

新型コロナの感染者数 実際は数十倍か 米の大学など調査
2020年4月21日 14時35分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200421/k10012398421000.html?fbclid=IwAR3SVRJqscq7NtRpn1YcnSWdotAfb40d-QmOBkfMo-TQH5rRsFaMXRZqLkw

端的に言って、こんな膨大な数の人々を、検査で見つけて、隔離し続けることなど可能でしょうか?不可能です!
この点で、渋谷健司氏の論拠は、大きく崩れ出しています。

続く

次回は、感染者が予想を大きく上回って、膨大にいることの意味についてさらに掘り下げます。

***

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明日に向けて(1800)原子力ムラにつながる人々にご用心!(渋谷健司氏と上昌広氏について)―新型コロナの影響を民主主義的に越えるために(17)

2020年04月25日 03時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20200425 03:00)

とても重要な局面なので、深夜の連投をお許しください。

渋谷健司氏と上昌広氏は福島原発事故後に、相馬市で放射能安全教育をしていた!

前回、渋谷健司氏の肩書のことについて触れました。
どのマスコミも「WHO事務局長上級顧問」として彼を紹介しています。残念なことに、しんぶん赤旗でもです。DIAMOND onlineにいたっては、「事務局長側近」と書いていました。
しかし側近ならなぜジュネーブで奮闘していないのか。ロンドンから日本のマスコミに何度も登場する余裕はどこにあるのかという疑問をひもとき、少なくとも彼が「保健指標とデータにおけるスーパーアドバイザー」に過ぎないことが分かりました。

さらにリサーチを進めた結果、渋谷健司氏が、福島原発事故以降に相馬市に入り込み、放射線安全教育などを司ってきたことが分かりました。
一緒になって活動していたのが、上昌広東大特任教授、坪倉正治医師、早野龍五東大教授です。坪倉医師は、もともと上昌広氏の指導を受けてきて、上氏に促されて相馬市で医療活動をしています。
この方たちは、相馬市の「健康対策専門部会」に参加されています。相馬市長のパワーポイントからご紹介します。


相馬市長
作成の資料から

放射線安全教育とは、「福島が危険だというのは風評だ。実際にはもう安全なのだ。避難など間違っている」と言わんがためのもので、文科省が作った『放射線副読本』にもまとめられています。

このための一つの軸をなしてきたのが、ホールボディカウンターで市民をどんどん測定して、「ほら、内部被曝の影響などないでしょう?安全ですよ」と示すことでした。しかしこれには大きなカラクリがあります。
ホールボディカウンターは、どれだけの被曝を受けてきたかを測る装置ではないのです。いま、体内にあるセシウムからのγ線を測っているにすぎません。


ホールボディカウンター詐欺

福島原発事故では放射性ヨウ素がいっぱい飛び出し、人々を襲いました。またセシウム以外にストロンチウムやプルトニウムなどの放射性物質もたくさん漏れ出しました。
このうちヨウ素は半減期(原子の塊の数が半分になるまでの時間)が8日と短い。このため80日目には約1000分の1、160日目には約100万分の1になってしまい、すぐに測定できなくなるのです。
ストロンチウムとプルトニウムはどうかというと、それぞれβ線とα線という放射線しか出さない。これらは細胞の分子をどんどん破壊し、体内でエネルギーを費やして、ホールボディカウンターまで出てくることはありません。測れないのです。


ホールボディカウンターは、事故後の被曝量を測る装置ではない!相馬市長作成のスライドより

このため事故から少し経ってホールボディカウンターで測って、「安全だ」というのは詐欺なのです!少なくとも、半減期の短い放射性物質からの被曝影響は計れないこと。ストロンチウムやプルトニウムなどからの被曝も測れない告げなければ完璧な詐欺です。
しかし相馬市長が作られたパワポを見ても、そうした真実がきちんと告げられていたとは到底思えません。
このことをここで持ちだしたのは、福島の人々を騙し続けてきた渋谷氏や上氏は、「リスクコミュニケーション」という、人が「危険だ」と思っていることを「安全だ」と思わせるテクニックを持っている方たちだからです。反対に怖がらせるのもかなりうまい。

「福島は安全 正しく怖がれ」=怖がるな!と講演する坪倉医師

とくに今回は、安倍政権批判に見せかけつつ、医療界への不信をあおりまくっている。もちろん人々の不安をあおりながらです。
僕が見る限り、多くの左派に属する方たちが、これにやられてしまっている。その中軸が「死亡者がごまかされている」論です。なぜなのか。実はこの指標をグレーにしてしまうと、人々はどんなに頑張っても、自分たちの成果を確認できない。
命を守ろうと思って努力しても、「死者数がごまかされている」のだとしたら、努力の成果が永遠に見えなくなってしまう。だから努力すればするほど不安になる。そして不安になればなるほど、安倍政権と医療界を串刺しに見てしまうことになるのです。

今回、実は僕はあえて「裏技」を使いました!渋谷氏の語っていることを論破する前に、この方がWHO事務総長の側近かのようにふるまっているけれども、そうではないことを明らかにし、さらに福島で安全教育を行い続けた方であることを明らかにしました。
なぜかと言えば、避難を決行した方たちの一部までもが、渋谷氏や上氏の語る政府批判と見せかけた医療界批判に、乗せられてしまっている面があるからです。
しかし、放射線防護でともに奮闘してきたみなさん、被曝から命を守ってきたみなさん。渋谷氏と上氏は、被曝を強制する側に居続けた人物です。信用してはいけない!ぜひこのことを知って欲しい。原子力ムラにつながる人々に騙されてはダメです。


渋谷氏が「原子力ムラ」につながっていると考えるわけ

原子力ムラとは、原発や核兵器をめぐる産官学によって構成される、特殊なムラ社会のことです。原発推進派、核戦略推進派であるとも言えます。
実は今回の調査で、渋谷氏と原子力ムラとの直接的なつながりが、すぐには見えませんでした。しかし繰り返しリサーチを行う中ではっきりとしたことが見えてきました。
福島で行われたパネルディスカッションで、Gerry Thomasというインペリアルカレッジ・ロンドンの教授と、Peter JohnstonというIAEA核物質保全管理部門長が参加していたからです。この他、WHOの日本人スタッフも参加している。

このうちのGerry Thomas教授は、2013年11月に英外務省首席科学顧問ロビン・グライムス教授と、共同声明を発表しています。長いけれど重要なので、在日イギリス大使館から発せられた声明を引用します。

「我々は、原子力規制委員会による、避難住民の早期帰還に向けた、東京電力福島第1原発事故に伴う追加の被曝線量の見直しを提案する報告書(案)を歓迎します。
チェルノブイリや福島第1原発事故後の、健康への影響に関する研究では、避難の結果として、落ち込み、孤独感、絶望感などの問題が確認されています。
つまり放射線を「恐れること」自体が重大な問題で、放射線量が低い場所では、より大きな懸念材料になりうるのです。
10月に福島を訪れた専門家チームは、年間1~20ミリシーベルトの被曝線量の許容範囲は、国際基準に沿っており、国際放射線防護委員会(ICRP)や国際原子力機関(IAEA)、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)、世界保健機関(WHO)などの国際機関の指針に沿っていると述べました。」
https://www.gov.uk/government/news/uk-nuclear-experts-welcome-proposal-to-amend-japans-radiation-exposure-criteria.ja

「年間1~20ミリシーベルトの被曝を許容することこそ、国際基準に適っているんだ、ICRP,IAEA,UNSCEAR,WHOの指針に沿っている!」と書かれている。これらの国際機関による被曝強制へと、原子力規制委員会がすり寄ったことへの称賛なのです。
そしてこの声明を発したGerry Thomas教授とともに渋谷氏らはシンポジウムを行っています。
このように渋谷氏は、「放射線を恐れること自体が重大な問題」と言ってきた原子力村につながり、被曝強制の側に立ってきたのです。その方が今回は「恐れろ!東京は手遅れ!」と叫んでいます。けして信用してはいけない!


福島で行われた原子力ムラを招いたシンポジウム コーディネーターは渋谷健司氏

続く

渋谷氏が、原子力ムラにつながっているからといって、「東京は手遅れ」「検査抑制の限界を認めよ」という論を、うちやぶったことにはならないことは、百も承知です。次回はこの点を書きます。

#新型コロナウイルス #パンデミック #医療崩壊 #渋谷健司 #WHO事務局長上級顧問 #上昌広 @安倍晋三

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