明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2252)岸田政権の原発推進政策はものすごく危険!再稼働反対の大合唱を!(岸田原発推進路線批判―その1)

2022年10月15日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20221015 23:30)

岸田政権が原発推進路線に転換

この夏より自公政権が原発への依存を減らしていく道から、原発推進路線への大きな転換を図り始めました。
まず8月24日に岸田首相が、福島原発事故以降に停止している原発の再稼働を進めると表明。さらに、次世代原発の開発、建設を検討する方針をも明らかにしました。

これを受けて経産省・資源エネルギー庁が原発の運転期間を延長させると言い出し、原子力規制委員会がこれを認めてしまいました。
福島原発事故後に、「原発の運転を40年とし、1回に限り20年を越えない期間延長することができる」としたルールを撤廃しようというのです。とにかくもう余りに危険です!


J-CASTニュース 20221014より


東日本壊滅が偶然に回避された

私たちが何度も思い起こさなけれがならないことは、福島原発事故の際、私たちは東日本壊滅の危機に直面していたことです。
3つの原子炉がメルトダウンし、4号機の燃料プールが干上がり始め、どの危機が深刻化しても、半径250キロ、いやそれを上回る地域の避難が必要でした。

しかもこれらの危機は、偶然の重なりによって回避されました。それぞれ格納容器の爆発を恐れて、「ベント」で放射能を外に吹きだしましたが、2号機はできず爆発寸前に。どこかに裂け目ができて放射能が漏れたため回避されたのでした。
4号機の燃料プールも、たまたま原子炉内の部品交換のために、炉の上まで水をはった状態にあったため、燃料プールにその水がなだれ込んで干上がり=膨大な放射能の放出が回避されたのでした。


守田講演スライドより


重大事故(過酷事故)発生を前提に運転がなされている

肝心なことは、これらの事故がどのような過程を辿ったのか、原子炉からどのように放射能が飛び出していったのか、ほとんどが未解明だということです。
だから肝心なのは、40年までの運転どころか、すべての原発の再稼働そのものがものすごく危険だということです。福島原発事故そのものが未解明なのです。それでどうして事故対策などできるのでしょうか。

実はこのことは2013年に出された「新規制基準」でも酷い形で触れられています。原子力規制委員会は「重大事故を発生させないことを重視し、重大事故の起きた後の対応が十分にできていなかった」と語ったのでした。
つまり「重大事故を発生させないことを重視し」たてきたのに、福島原発事故が起きたから、原発はもう終わりなのに、「これからは重大事故が発生しうると考えてあらかじめ可能な限り対策をとって運転する」と開き直って再稼働を進めているのです。


守田講演スライドより


再稼働促進は国を亡ぼす道

原発は何か深刻な事故が起きたときに、「格納容器内に放射能を閉じ込めることで社会に害を及ばさない」との考えで設計されました。ところが重大事故=格納容器の崩壊が起きて、設計そのものがダメだったことが突きつけられました。
だから原発はもう終わっているのです!いやそもそもその前に、いざとなったら放射能を外に噴き出して格納容器を守る「ベント」を付けた段階でもうアウト。ところが新規制基準は、ベントどころか、重大事故発生まで容認してしまいました。

「重大事故」はもともと「過酷事故」と呼ばれたもの。過酷事故は、格納容器など設計段階で想定された安全装置が突破された状態で想定外のもの。だから本来、対策など立てられない。想定外を想定することなどできないからです。
だからこのまま稼働を続けているだけでもすごく危ないのに、さらに再稼働を進めれば、必ず再び深刻な事故が起こり、日本の半分が壊滅することにつながります。

今こそ、再稼働反対!すべての原発を即時止めよ!という大合唱を起こしましょう!
「岸田原発推進路線批判」の連載で、この点の深掘りを続けます。


最後は水鉄砲がたより こんなものは事故対策とは呼べない 関西電力HPより

#岸田原発推進路線 #原発再稼働反対 #新規制基準は重大事故発生が前提 #東日本壊滅の危機 #格納容器ベント #原発はもう終わっている #原発はオワコン #次世代原発 #40年ルール撤廃

注目動画
そのときあなたはどうしますか 「原発事故からのいのちの守り方」を考える 美浜町にて 2022年4月24日

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