守田です(20221021 23:30)
岸田政権の原発推進政策批判の続きとして、関連する映画をご紹介します。大飯原発の運転を認めない判決(2014年)を出された、元裁判長、樋口英明さんが中心に描かれた映画です。
● 各地で上映中!ぜひご覧下さい
まずこの映画のサイトをご紹介します。
https://saibancho-movie.com/
10月から11月のスケジュール一覧が載せられているのでご確認を。
2022年10月中旬時点で全国25館。さらに拡大中だそうです。
サイトには載せられた説明文を抜粋します。
「2014年。関西電力大飯原発の運転停止命令を下した樋口英明・福井地裁元裁判長は、日本の全原発に共通する危険性を社会に広める活動をはじめた。原発が頻発する地震に耐えられないことを指摘する“樋口理論”の啓発である。
一方、福島では放射能汚染によって廃業した農業者・近藤恵が農地上で太陽光発電をするソーラーシェアリングに復活の道を見出す。・・・原発をとめるために!」
● 樋口理論が見事に描かれている
僕がこの映画を強くお勧めするのは、「樋口理論」が分かりやすく描かれているからです。映画のパンフレットから樋口さんの言葉を引用します。
『原発事故は被害が大きいので原発は強い地震に備えているはずだ』『原発訴訟は専門的で難しいに違いない』とほとんどの人が思い込んでいます。これらの思い込みを解くために講演活動を始めました。」
ここに原発批判の大きな要点があります。一つに原発が事故を起こしたら被害が大きいのは常識。だから原発の耐震性は強くされているだろうと思いがちですが、実はそうではない。原発はハウスメーカーが作る家よりもはるかに地震に弱いのです。
二つ目に原発裁判には難しい技術論争は必要ありません。強い地震に耐えられるかどうかなら、技術論争になりますが、日本のほとんどの原発は、耐震性をかなり低く見積もって作ってしまった。だからアウト!なのです。
これが映画で見事に表されています。ぜひご覧になり、多くの人に「樋口理論」を伝えましょう。原発を動かしてはならない確かな理由がそこにあります。
京都での上映の際の舞台挨拶から 左 小原浩靖監督 右 樋口英明さん 守田撮影
● 被曝地で営農することの意味について
ただこの映画の「そして原発をとめる農家たち」の部分には、複雑な感想を持ちました。福島県二本松市で、太陽光パネルの欠点を克服した、ソーラーシェアリングというシステムを使った営農の様子が描かれています。
パネルは日陰になる土地から光と熱を奪い、ダメにするのですが、パネルを細長く高めに設置し、適度な間隔をあけて土や動植物に日陰もあるほどよい状態を作り出し、この点を克服しているのです。素晴らしい。
以下のサイトでソーラーシェアリングが説明されていたのでご紹介します。写真もこのサイトからです。
https://www.energy-democracy.jp/788
また映画では、作物には土から放射能をそれほど吸い上げないものもあり、被曝地で安全な生産が可能であるとも示唆されています。担っているのは事故の被害を受けた方たち。子どもの頃に避難移住した若者が頑張っており、胸を打たれました。
でも、それでも僕は未だに営農も暮らしも、危険が伴っていると思います。仮に生産物は安全でも農作業に危険性がある。やはりこの点に触れたい。福島だけでなく、残念ながら東日本の多くが同じ状態です。
広島・長崎での原爆による大虐殺以降、放射能の危険性は極端に小さく扱われ、新たな被曝が強制されてきました。福島原発事故でもその後でもそうです。僕はこの点への警戒を心から訴えます。心身を守る、あらゆることをしていただきたいです。
これも踏まえた上で、ぜひ映画をご覧になり、樋口理論を広めて下さい!また東日本にいかなる可能性があるのか、全国からどう支えるのかの話の輪も広げたいです。
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