守田です。(20110616 00:00)
福島市で「放射能除染・回復プロジェクト」が行われています。
福島大学准教授の中里見博さん、京都精華大学教授の山田国廣さん、
細川弘明さんらをはじめ、多くの方たちが関わっているようです。
非常に重要な活動です。ぜひ全国から支援を寄せていただきたいと思います。
とくに目を引くのは、子どもの通学路付近のホットスポットの放射能を除去する
ために草刈りなどの実効性のあることを行っていることや、山田さんの発案で、
洗濯のりをつけたシートで放射性物質を除去する方法などを採っていることです。
放射能で汚染されたものを高圧放水などで洗浄しても、放射性物質は水で流されて
別の場所に行くだけ。かえって汚染を拡大してしまうことにもなります。そこで、のりを
つけたシートに吸着させ、除去しようというのです。
同プロジェクトは、こうした手軽だけれども効果の高い方法を開発・実行中で、これを
はじめ、活動に対する意見も求めています。
僕自身は、こうした実効性ある放射能除染方法を考案し、実践することは
素晴らしいことだと思います。
後に紹介する細川さんからのメールには、「「除染活動をすること」は必ずしも
「避難しなくてもなんとかなる」という考え方を前提にしたものではありません」と
あります。僕も、やはり除染しなければならない放射線物質がある場所、そうした
物質が多い地域からは、出来るかぎり避難を進めた方が良いと思います。
しかしさまざまな事情から離れられない現実があるのならば、徹底して除染を
進め、少しでも放射線被ばくを少なくすることが大切です。
その場合にできること、とくにローテクでできるアイデアを重ねて実効していく
ことはとても重要だと思います。
またすでにこの「明日に向けて」の中で配信したように、現在、全国16の都道府県
の汚泥処理施設から、高濃度の放射能が検出されており、その周辺地域の
放射能汚染が強まってしまっています。このことにより、除染が必要な地域もまた
急速に拡大しつつあります。
ここで紹介してきた、気仙沼のアビスさん宅、正確には岩手県一関ですが、福島
原発から170キロ離れていても、毎時0.4マイクロシーベルトという高い値の
放射線が計測されています。この例からも、今後、ますますあちこちから汚染が
見つかる可能性があります。
そのために、私たちが自ら実践できる汚染の除去方法、可能性もまた広げて
いく必要があると思います。その意味で、同プロジェクトの実践に注目し、応援
していきたいと思います。
プロジェクトの一員である京都精華大学の細川弘明さんより、緊急で内容を
紹介するメールが届きましたのでここに転載します。
メールの中で、この活動を伝える「ニュースJAPAN」の6月13日の報道内容が、
FNNのサイトで、本日木曜日まで見れると報告されていますが、ネット上にも
アップされたので、以下のアドレスからも見ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=M_z_P8jrZ-w
みなさん。是非、ご覧下さい。
また同番組の内容が、文字起こしされていますでの、これも細川さんからの
メールの下に貼り付けておきます。
僕もこのプロジェクトに何らかのお手伝いをしたいと思っています。
みんなで放射能汚染に立ち向かっていきましょう!
***************************
こんにちは、京都)細川弘明です。
Bccで失礼します。
一部内容既報、ツイッター既報
また、複数のMLにも配信しますので、重複してご覧になる方、ごめんなさい。
----------------------------------------------
6月13日(月曜)放映の「ニュースJAPAN」(FNN全国ネット、首都圏ではフジテレビ、
近畿では関西テレビ、ほか)で、小生も参加しておこなわれた福島市での「放射能
除染・回復プロジェクト」の作業のようすが紹介されました。
FNNのサイトで(3日間限定、木曜まで)録画を御覧いただけます。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00201382.html
前回(5月26日と27日)の放送の録画は、下記で御覧いただけます。
http://bit.Ly/josen526
http://bit.Ly/josen527
ぜひ御覧いただき、お気づきの点やご感想などお知らせください。
現地の皆さん(とりわけ、小さいお子さんをお持ちの若いお母さん・お父さんたち)
へのメッセージもありましたら、ぜひどうぞ!
プロジェクトでは、5月と6月の実験をふまえ、市民のための放射能除染マニュアル
DVD(+資料)を作成し、多くの方に呼びかけていく予定です。類似の活動・実践を
すすめている他の市民グループとの連携もとっていきます。
もちろん、一方で、避難・学童疎開の必要性・緊急性についても、認識をひろめて
いきたいと考えています。「除染活動をすること」は必ずしも「避難しなくてもなんとか
なる」という考え方を前提にしたものではありません。
現在のところ、「放射能除染・回復プロジェクト」は全くの手弁当でおこなっている
プロジェクトです(とりわけ山田國廣先生個人の金銭的負担が多大! 福島市民
の皆さんの時間と労力の貢献も多大!!)。今後、なんらかの助成金なり補助金を
得ていく必要がありますが、仮に得られなくても、継続していく所存です。カンパは
もちろん大歓迎ですが、受け入れ口座などまだ整っていませんので、また
あらためて呼びかけをさせて下さい。
所要経費としては、交通費、宿泊費、放射線測定器の購入費、除染用資材(PVA液、
不織布、防護服、はしご、脚立、土嚢袋、ビニール袋類などなど)の購入費、土壌
サンプルの郵送費、撮影費用、通信費などなど。
放射線測定データや土壌汚染濃度のデータについては、個人宅・私有地での計測
ということもあり、不特定多数への情報公開はいたしませんが、お問い合わせ
いただければ、プライバシーに配慮する措置をとったうえで、適宜、提供いたします。
皆さまの応援・ご支援をよろしくお願いします。ご助言、アイデアもぜひ!
細川 弘明 拝 <(_ _)>
http://twilog.org/ngalyak
<<被災地救援 ↓ 活動展開中☆応援よろしく>>
http://bit.ly/999parcic
(PARCの緊急物資調達の取り組みは4/23をもって終了しました。
姉妹組織 PARCIC の現地支援は、中長期モードに組み直して、継続中。)
***********
ニュースJAPAN 文字起こし
福島市では、福島第1原子力発電所の事故による高い放射線量が、子どもの健康に
及ぼす影響に懸念が強まっています。
住民自身の手によって、子どもの生活圏から放射性物質を取り除く「除染」を行う
試みが始動しました。
福島第1原発からおよそ60kmの福島市には、高い放射線量のホットスポットが
存在する。
明らかにしたのは、研究者と地元市民による放射能除染・回復プロジェクトの
メンバーだった。
3週間前の調査では、平常時の560倍にあたる放射線量、28マイクロシーベルトを
記録した通学路で、新たな現象が起きていた。
95.58、99.50、100.93などと、測定器が示す数値に緊張感が高まる中、152.76マイクロ
シーベルトの表示も出た。
名古屋大学環境学研究科の高野雅夫准教授は、「相当高いですよね、これね。
なんて言いますか、あまり居たくないですね、ここに。そんなレベルです」と語った。
避難区域外の通学路に存在する平常時の3,000倍を超える放射線量。
原発から飛散した放射性物質が、雨などで流されて集まり、局部的に濃縮された
可能性があるという。
京都精華大学人文科学部の細川弘明教授は、「ほっといて改善するっていうことは、
まったく期待できないので、少なくとも子どもが普通に暮らす環境で、この状態を
放置するということは考えられない」と語った。
通学路のホットスポットについて、5月26日、文科省の坪井 裕審議官は、「町全体
とか通学路全体が高いということではないと思いますので、たぶん局所的だと
思いますが、それはちょっと実測値を見ながら、またどういった形でそれを除くことが
できるかは、測定のあとで考えていかなければいけない問題かと思います」と話した。
文科省は、通学路の被ばく対策に腰が重い。
こうした中、京都精華大学人文科学部の山田国廣教授らは、住民が自らできる
放射性物質の除染テストを開始した。
京都精華大学人文科学部の山田国廣教授は、「まず草を刈りましょう」と語った。
現在、確認されている放射性物質は、セシウム134と137。
除染作業はすなわち草刈りだが、高規格マスクにゴム手袋、ゴーグルなどを装着して、
内部被ばくを防止する必要がある。
除染前に152.76を示した数値は、除染後は5.69と劇的に下がった。
京都精華大学人文科学部の細川弘明教授は、「草の葉っぱにセシウムが積もっていた
状態だと思われますので、草を取ったのが一番、効いていますね」と語った。
アスファルトに付着した土は、粘着テープで除去し、除染の仕上げはとろりとした
透明の液体だった。
実は100円ショップでも販売されている洗濯のりで、「山田式除染」の最大のポイント
だという。
京都精華大学人文科学部の山田国廣教授は、「(ポイントは)水でも流さないというか、
全部こういうテープではがして、最後、はがし液(PVA洗濯のり)を塗って、乾燥して
からはがします。それで完了です」と語った。
一般に除染で広く採用されているのが、高圧洗浄水で流す方法だが、水で洗い流す
ことで放射能汚染を拡大させていると、山田教授は指摘する。
京都精華大学人文科学部の山田国廣教授は、「固めて取るか、とにかくフィルム、
(洗濯のりで)膜を作って取るかということをしないと、結局、まあ言えば汚染の
押しつけ合いになるというか」と語った。
除染作業は、誰でも入手できる材料や道具で可能という。
次は住宅の除染に、持ち主の男性も参加して取りかかった。
住宅の放射線量が高いポイントは、軒下や雨どいなど、雨水が集中する場所だった。
計測してみると、10マイクロシーベルトを超えて、計測不能となってしまった。
住宅敷地の中にあるホットスポットを8cm掘り下げて、汚染されていない土をかぶせると、
0.451、0.454と、数値が下がった。
しかし、汚染された土を除去しても、放射線量が高い部分があった。
雨水をためておくタンクとパイプ周りで3.122マイクロシーベルト、そして庭の土や
草木、敷石でも放射線量が高い値を示した。
2.425マイクロシーベルトは、思い出の詰まったブルーベリーの木の周辺だった。
これを伐採して、表面およそ5cmの土を入れ替えたところ、0.418マイクロシーベルトに
下がった。
一方、今回の除染テストで課題も見つかった。
放射性物質を固めてはがすはずの洗濯のりが、雨の影響を受けて思うように
固まらなかった。
京都精華大学人文科学部の山田国廣教授は、「ほとんど取れてない。乾燥しないと
だめ」と話した。
さらに問題なのは、除去した放射性物質の行き先だった。
今回、家の裏側を掘り込み、汚染された土などを一時的に保管したが、引受先は
未定となっている。
1年半前、この家を新築した吉川寛之さんは、被ばくを避けて、妻が2人の子どもを
連れ、他県に避難していた。
吉川寛之さんは「学校に行くまでとか、福島市の中でみんなこう、全体的にそういう
(除染する)ふうになっていかないと、子どもたちはやっぱり帰って来られないですね」
と話した。
今回のテストをもとに、山田教授らは、近く地域住民が実施できる除染マニュアルを
作成、提案していくという。
(06/14 00:39)
福島市で「放射能除染・回復プロジェクト」が行われています。
福島大学准教授の中里見博さん、京都精華大学教授の山田国廣さん、
細川弘明さんらをはじめ、多くの方たちが関わっているようです。
非常に重要な活動です。ぜひ全国から支援を寄せていただきたいと思います。
とくに目を引くのは、子どもの通学路付近のホットスポットの放射能を除去する
ために草刈りなどの実効性のあることを行っていることや、山田さんの発案で、
洗濯のりをつけたシートで放射性物質を除去する方法などを採っていることです。
放射能で汚染されたものを高圧放水などで洗浄しても、放射性物質は水で流されて
別の場所に行くだけ。かえって汚染を拡大してしまうことにもなります。そこで、のりを
つけたシートに吸着させ、除去しようというのです。
同プロジェクトは、こうした手軽だけれども効果の高い方法を開発・実行中で、これを
はじめ、活動に対する意見も求めています。
僕自身は、こうした実効性ある放射能除染方法を考案し、実践することは
素晴らしいことだと思います。
後に紹介する細川さんからのメールには、「「除染活動をすること」は必ずしも
「避難しなくてもなんとかなる」という考え方を前提にしたものではありません」と
あります。僕も、やはり除染しなければならない放射線物質がある場所、そうした
物質が多い地域からは、出来るかぎり避難を進めた方が良いと思います。
しかしさまざまな事情から離れられない現実があるのならば、徹底して除染を
進め、少しでも放射線被ばくを少なくすることが大切です。
その場合にできること、とくにローテクでできるアイデアを重ねて実効していく
ことはとても重要だと思います。
またすでにこの「明日に向けて」の中で配信したように、現在、全国16の都道府県
の汚泥処理施設から、高濃度の放射能が検出されており、その周辺地域の
放射能汚染が強まってしまっています。このことにより、除染が必要な地域もまた
急速に拡大しつつあります。
ここで紹介してきた、気仙沼のアビスさん宅、正確には岩手県一関ですが、福島
原発から170キロ離れていても、毎時0.4マイクロシーベルトという高い値の
放射線が計測されています。この例からも、今後、ますますあちこちから汚染が
見つかる可能性があります。
そのために、私たちが自ら実践できる汚染の除去方法、可能性もまた広げて
いく必要があると思います。その意味で、同プロジェクトの実践に注目し、応援
していきたいと思います。
プロジェクトの一員である京都精華大学の細川弘明さんより、緊急で内容を
紹介するメールが届きましたのでここに転載します。
メールの中で、この活動を伝える「ニュースJAPAN」の6月13日の報道内容が、
FNNのサイトで、本日木曜日まで見れると報告されていますが、ネット上にも
アップされたので、以下のアドレスからも見ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=M_z_P8jrZ-w
みなさん。是非、ご覧下さい。
また同番組の内容が、文字起こしされていますでの、これも細川さんからの
メールの下に貼り付けておきます。
僕もこのプロジェクトに何らかのお手伝いをしたいと思っています。
みんなで放射能汚染に立ち向かっていきましょう!
***************************
こんにちは、京都)細川弘明です。
Bccで失礼します。
一部内容既報、ツイッター既報
また、複数のMLにも配信しますので、重複してご覧になる方、ごめんなさい。
----------------------------------------------
6月13日(月曜)放映の「ニュースJAPAN」(FNN全国ネット、首都圏ではフジテレビ、
近畿では関西テレビ、ほか)で、小生も参加しておこなわれた福島市での「放射能
除染・回復プロジェクト」の作業のようすが紹介されました。
FNNのサイトで(3日間限定、木曜まで)録画を御覧いただけます。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00201382.html
前回(5月26日と27日)の放送の録画は、下記で御覧いただけます。
http://bit.Ly/josen526
http://bit.Ly/josen527
ぜひ御覧いただき、お気づきの点やご感想などお知らせください。
現地の皆さん(とりわけ、小さいお子さんをお持ちの若いお母さん・お父さんたち)
へのメッセージもありましたら、ぜひどうぞ!
プロジェクトでは、5月と6月の実験をふまえ、市民のための放射能除染マニュアル
DVD(+資料)を作成し、多くの方に呼びかけていく予定です。類似の活動・実践を
すすめている他の市民グループとの連携もとっていきます。
もちろん、一方で、避難・学童疎開の必要性・緊急性についても、認識をひろめて
いきたいと考えています。「除染活動をすること」は必ずしも「避難しなくてもなんとか
なる」という考え方を前提にしたものではありません。
現在のところ、「放射能除染・回復プロジェクト」は全くの手弁当でおこなっている
プロジェクトです(とりわけ山田國廣先生個人の金銭的負担が多大! 福島市民
の皆さんの時間と労力の貢献も多大!!)。今後、なんらかの助成金なり補助金を
得ていく必要がありますが、仮に得られなくても、継続していく所存です。カンパは
もちろん大歓迎ですが、受け入れ口座などまだ整っていませんので、また
あらためて呼びかけをさせて下さい。
所要経費としては、交通費、宿泊費、放射線測定器の購入費、除染用資材(PVA液、
不織布、防護服、はしご、脚立、土嚢袋、ビニール袋類などなど)の購入費、土壌
サンプルの郵送費、撮影費用、通信費などなど。
放射線測定データや土壌汚染濃度のデータについては、個人宅・私有地での計測
ということもあり、不特定多数への情報公開はいたしませんが、お問い合わせ
いただければ、プライバシーに配慮する措置をとったうえで、適宜、提供いたします。
皆さまの応援・ご支援をよろしくお願いします。ご助言、アイデアもぜひ!
細川 弘明 拝 <(_ _)>
http://twilog.org/ngalyak
<<被災地救援 ↓ 活動展開中☆応援よろしく>>
http://bit.ly/999parcic
(PARCの緊急物資調達の取り組みは4/23をもって終了しました。
姉妹組織 PARCIC の現地支援は、中長期モードに組み直して、継続中。)
***********
ニュースJAPAN 文字起こし
福島市では、福島第1原子力発電所の事故による高い放射線量が、子どもの健康に
及ぼす影響に懸念が強まっています。
住民自身の手によって、子どもの生活圏から放射性物質を取り除く「除染」を行う
試みが始動しました。
福島第1原発からおよそ60kmの福島市には、高い放射線量のホットスポットが
存在する。
明らかにしたのは、研究者と地元市民による放射能除染・回復プロジェクトの
メンバーだった。
3週間前の調査では、平常時の560倍にあたる放射線量、28マイクロシーベルトを
記録した通学路で、新たな現象が起きていた。
95.58、99.50、100.93などと、測定器が示す数値に緊張感が高まる中、152.76マイクロ
シーベルトの表示も出た。
名古屋大学環境学研究科の高野雅夫准教授は、「相当高いですよね、これね。
なんて言いますか、あまり居たくないですね、ここに。そんなレベルです」と語った。
避難区域外の通学路に存在する平常時の3,000倍を超える放射線量。
原発から飛散した放射性物質が、雨などで流されて集まり、局部的に濃縮された
可能性があるという。
京都精華大学人文科学部の細川弘明教授は、「ほっといて改善するっていうことは、
まったく期待できないので、少なくとも子どもが普通に暮らす環境で、この状態を
放置するということは考えられない」と語った。
通学路のホットスポットについて、5月26日、文科省の坪井 裕審議官は、「町全体
とか通学路全体が高いということではないと思いますので、たぶん局所的だと
思いますが、それはちょっと実測値を見ながら、またどういった形でそれを除くことが
できるかは、測定のあとで考えていかなければいけない問題かと思います」と話した。
文科省は、通学路の被ばく対策に腰が重い。
こうした中、京都精華大学人文科学部の山田国廣教授らは、住民が自らできる
放射性物質の除染テストを開始した。
京都精華大学人文科学部の山田国廣教授は、「まず草を刈りましょう」と語った。
現在、確認されている放射性物質は、セシウム134と137。
除染作業はすなわち草刈りだが、高規格マスクにゴム手袋、ゴーグルなどを装着して、
内部被ばくを防止する必要がある。
除染前に152.76を示した数値は、除染後は5.69と劇的に下がった。
京都精華大学人文科学部の細川弘明教授は、「草の葉っぱにセシウムが積もっていた
状態だと思われますので、草を取ったのが一番、効いていますね」と語った。
アスファルトに付着した土は、粘着テープで除去し、除染の仕上げはとろりとした
透明の液体だった。
実は100円ショップでも販売されている洗濯のりで、「山田式除染」の最大のポイント
だという。
京都精華大学人文科学部の山田国廣教授は、「(ポイントは)水でも流さないというか、
全部こういうテープではがして、最後、はがし液(PVA洗濯のり)を塗って、乾燥して
からはがします。それで完了です」と語った。
一般に除染で広く採用されているのが、高圧洗浄水で流す方法だが、水で洗い流す
ことで放射能汚染を拡大させていると、山田教授は指摘する。
京都精華大学人文科学部の山田国廣教授は、「固めて取るか、とにかくフィルム、
(洗濯のりで)膜を作って取るかということをしないと、結局、まあ言えば汚染の
押しつけ合いになるというか」と語った。
除染作業は、誰でも入手できる材料や道具で可能という。
次は住宅の除染に、持ち主の男性も参加して取りかかった。
住宅の放射線量が高いポイントは、軒下や雨どいなど、雨水が集中する場所だった。
計測してみると、10マイクロシーベルトを超えて、計測不能となってしまった。
住宅敷地の中にあるホットスポットを8cm掘り下げて、汚染されていない土をかぶせると、
0.451、0.454と、数値が下がった。
しかし、汚染された土を除去しても、放射線量が高い部分があった。
雨水をためておくタンクとパイプ周りで3.122マイクロシーベルト、そして庭の土や
草木、敷石でも放射線量が高い値を示した。
2.425マイクロシーベルトは、思い出の詰まったブルーベリーの木の周辺だった。
これを伐採して、表面およそ5cmの土を入れ替えたところ、0.418マイクロシーベルトに
下がった。
一方、今回の除染テストで課題も見つかった。
放射性物質を固めてはがすはずの洗濯のりが、雨の影響を受けて思うように
固まらなかった。
京都精華大学人文科学部の山田国廣教授は、「ほとんど取れてない。乾燥しないと
だめ」と話した。
さらに問題なのは、除去した放射性物質の行き先だった。
今回、家の裏側を掘り込み、汚染された土などを一時的に保管したが、引受先は
未定となっている。
1年半前、この家を新築した吉川寛之さんは、被ばくを避けて、妻が2人の子どもを
連れ、他県に避難していた。
吉川寛之さんは「学校に行くまでとか、福島市の中でみんなこう、全体的にそういう
(除染する)ふうになっていかないと、子どもたちはやっぱり帰って来られないですね」
と話した。
今回のテストをもとに、山田教授らは、近く地域住民が実施できる除染マニュアルを
作成、提案していくという。
(06/14 00:39)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます