明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(468)子どもも大人を支えて放射能とたたかっている!

2012年05月15日 22時00分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)

守田です。(20120514 22:00)

これまで僕は、東日本・西日本の多くの方々と連携しながら、人々を少しでも被曝から守ろうとして奔走してきました。その際、やはり最も守りたいと思うのは子どもたちであり、未来世代です。昨年3月以降に立ち上がった多くの団体が「子どもたちを放射能から守る・・・」という言葉を選んでいるように、そうした思いは多くの方に共通したものであると思います。

ところがつい先日、それは、ある意味では一方通行なものだったのかもしれない、子どもたちも大人を支えて、放射能とたたかっているんだと、そう強く思わさせられ、感動することがありました。そうなのです。私たち大人だけががんばっているのではない。そうした大人たちをみて、こどもたちもたたかっているのです。しかもたたかう中で成長している。なんだか人間の可能性の素晴らしさをみせてもらった気がしました。

これはぜひともみなさんにお伝えしないといけない。そう思ってこの記事を書いています。このことを伝えてくださったのは、福島から昨年、京都に母子避難し、この4月からお連れ合いと合流して、兵庫県篠山市で新しい生活をスタートさせたAさんです。彼女と二人のお子さんと僕との出会いは、昨年6月10日のこと。「おむすびマーケット実行委員会」のみなさんに京都府の京北・和知にお招きいただき、お話をする会に参加したたおきのことでした。
http://omusubi.keihoku.jp/info/kyoto-np_110614.html

このとき、Aさんが、お子さんたちと一緒に参加して下さいました。京都市内から一緒に車で京北まで向かったのですが、会場で素晴らしい発言をしてくださいました。以下からその内容が読めます。

明日に向けて(166)子どもたちとともに、福島から逃れてきて(避難されてきたAさんのお話から)
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/9f3f81b787242a00d986d3cd3e496ab2

以降、僕はAさんと親しくなり、たびたび、メールなどでのやりとりを重ねてきました。京都市のある保育園にお子さんを通わせている友人の依頼で、この保育園の保護者会に来ていただき、発言していただいたこともありました。そんなときに、避難生活の中でのいろいろな苦労も耳にしてきました。

とくに何とも胸が痛く、腹が立ってしかたがなかったのが、こうして避難している彼女のところまで、福島から公報が送りつけられ、「避難した母親が、子どもにいらぬストレスを与える」だのなんだのと、彼女たちをバッシングする言葉が書き連ねてあることでした。お父さんと会えない淋しさを背負った子どもたちのことに胸を痛めているだけに、Aさんはその言葉に深く傷つけられていました。

僕はとにかく彼女を励まして差し上げなければと感じ、「Aさん。あなたはお子さんたちに素晴らしいプレゼントをしましたよ。間違いないです。胸をはってください。どうか、ひどい言葉で傷ついた心を癒してくださいね」と語りました。語ることで、必死で、この暴言を吐いた人々と闘いました。今も僕は同じように感じているし、同じ立場にいるすべての方たちにこの言葉を送りたいと思います。

ところが、先日、篠山市を訪れ、全体としてとても素敵な企画に参加させていただいたときに、ようやく一家が合流できた彼女が訪れ、再び発言を聞くことができたのですが、そこで、避難当時5歳だった娘さんが、それ以降、ママとパパにあてたたくさんの手紙の一部を読んでくださり、その言葉にとても驚き、深い感銘を受けたのでした。というのは、娘さんは、その小さい胸で、ものすごくたくさんのことを吸収し、受け止め、ママとパパが今、なぜ、何と闘っているのかを悟り、そうして自分はそれに感謝し、精一杯支えるのだと決意。一貫してお二人を励ましてきていたのです。

それが述べられた文面を、Aさんが次々に披露してくださいましたが、これが5歳、6歳の文面なのか。いや、5歳、6歳の人間とはこんなにも素晴らしい力を持っているのかと胸を揺り動かされずにはおれない内容でした。思わず、その言葉に泣かされてしまいましたが、僕だけでなく、会場につめかけたみなさんが、同じ思いだったように思います。子どもの力は凄い。いや人間の力はここまでも凄いのです。

その意味で、確かにAさんはお子さんたちに素晴らしいプレゼントをしましたが、そのプレゼントを受けて、お子さんたちも本当に驚異的に前向きに歩みだし、大人たちを支えぬいてきたのです。だから彼女たちは、この素晴らしいプレゼントをそのまま返してくれていたのです。そうした彼女に、Aさんが支えられ、そうしてそのAさんの奮闘に、僕もまた支えられてきました。私たちはそうやってみんなで歩んできたのです。

どうかみなさん。Aさんの発言を最後までお読みください。とくに後半に出てくる娘さんの言葉にご注目ください。そうして同じような思いで、今を生きているのであろう、多くの子どもたちに感謝し、それでこそなお一層、子どもたちを守るのだという思いを強めましょう。以下、Aさんの発言を贈ります。

*****************

子どもたちとともに過ごした1年(福島市からの1年間の京都市母子避難生活を経て
一家で篠山市に移住したAさん。タイトルは守田がつけました)

私は地震があったときに福島市に住んでいました。

地震にであったときには大変怖い思いをしましたが、福島市は内陸の方だったので、地震や津波の被害は少なかったです。そのあと原発事故があり、それによって私たちの生活は本当に一変してしまいました。本当に3月11日から今日までのことをすべて話したら長い話になってしまいますし、今日、講師をしてくださった守田さんは、私の話を何でも聞いてくださっているので、あまり長く話すのはどうかと思うので、簡単にお話します。

私は地震があったときに県の職員をしていました。そのすぐあとに原発事故があって、そのときに、そのまま福島県にとどまって仕事を続けるのか、それとも子どもを連れて避難するのかということで、地震のあった翌日の日にすぐに選択を迫られる形になって、そのときは本当に危機的な状況でしたし、とても子どもをそこにおいておくことはできないという判断をして、やはり県の職員として、ああいう非常事態の最中、自分だけが避難するということについては、本当にものすごい葛藤がありました。

この仕事を失うということももちろん考えましたし、やはりどうしても逃げるということに対して強い葛藤があったのですけれども、本当に一人の母親として、うちに子どもがふたりいるのですが、そのとき5歳と3歳の子どもでしたが、一人の母親として、どうしてもあのまま子どもをあの場においておくことはできなかった。仕事を失っても、何を失っても、全てを失っても、とにかく子どもたちだけは守りたい。それがそのときの正直な気持ちでした。

結局、仕事を退職して避難してくることになったのですけれども、仕事を退職したことについては、公務員だったのですから、公僕として、最後まで福島県に残るべきだったのではなかったのではないかと、こちらに避難してきてから言われたこともありました。それについては、私自身も未だに痛みは消えません。そのときに仕事をまっとうできずに県職員をやめた心の痛みは、おそらくこれからもずっと続いていくのかなと思います。それでもやはり後悔をしたことはなくて、一人の母親として子どもを守りたいという一心で行動したことを後悔したことはありません。

福島から避難してきて一年間、京都で過ごしました。その間、主人はどうしても生活を支えなければならないこと、またすぐに仕事を退職する決心がつかなかったこともあって、1年間、福島に残って仕事を続けました。その間、私が京都で子どもたちと母子3人で主人と離れて避難生活を送りました。

その間は本当に子どもに淋しい思いをさせましたし、辛い思い、精神的な負担がたくさんあったと思います。さきほど講演で言われた福島の山下俊一さんや、行政関係者の話は、避難することによって、子どもが精神的ストレスをかかえることが一番良くないんだ、だから親が冷静に対応しなさいということで、それがさんざん、福島の市政だよりだとか、そういうものに書かれていました。そういうものを読むたびに、自分のしていることは本当に正しいことなのか、何もかも捨てて大きな代償を払って避難してきたけれども、本当は福島に残っていても、大丈夫だったんじゃないか。ふとわれに返ると、とんでもないことをしてしまったのかなと、何度も思わされることがありました。

京都にきて、親戚も友達もいないなかで、最初の数ヶ月間は本当に孤独で、今日一日、誰とも話をしなかったなあ、子どもとしか話をしなかったという日が何ヶ月間か続いて、毎日、とにかく孤独な状況でしたが、パソコンをあけると、守田さんからの「明日に向けて」というメールが入っていて、それをみて本当に支えられる、慰められるという日が続きました。

そんな生活を1年間続けて、夫もそれから私もこの生活に限界を感じて、この4月からは夫も仕事を辞めて、篠山市で家族一緒の生活をはじめています。夫も私も同じ公務員という立場で向こうで働いていたわけなのですけれども、二人ともその仕事を辞めて、こちらの方に避難してきているという状況です。

本当に夫婦ふたりそろって仕事を失ったこと、向こうに新築したばかりの家もありました。その家も置いてこざるをえなかったこと、本当に経済的な損失を考えたら、大人一人8万円、子ども一人60万円では、ひとけたもふたけたも違うだろうと怒りを覚えるぐらい、大きな損失があったなと思っています。ただそれをいくら嘆いても時間が元に戻るわけではないし、それから私たち家族は、なんといっても全員、命が無事でまた家族がそろって生活できたということに、ものすごく感謝しているところもあります。

やはり失ったものも多くて、なかには家族一緒の生活であったり、取り戻せるものもあれば、もう取り戻せないものもあるわけですが、やはり今、手元に残されている大事なもの、家族の健康であったり、家族が一緒に生活することであったり、そうした大切なものが、今、私たちの手元には残されているんだということに、感謝して、これから生活していけたらなと思っています。

これが簡単に言うと、これまでの私たちの一年間の生活なのですけれども、今日は娘がこの一年間にいろいろと手紙を書いてくれまして、それをちょっとご紹介できたらなと思って、たくさん書き溜めたうちのほんの一部になるのですけれども、ご紹介したいと思います。

原発事故があって本当に数日、二、三日後の手紙なのですけれども、読んでみます。


じぶんのかぞくへ いま、いちばんのばくはつや、にばんのばくはつや、さんばんのばくはつがなりそうだから、みんな、ばくはつからわたしたちをまもるために、みんなまもろうとしてくれて、ありがとう。


これが当時5歳の娘が書いた手紙です。


パパをふくしまにのこし、ママとこどもでひなんしている。わたしはパパがいないとさみしいです。でもわたしはやっぱりびょうきになるのはいやだ。しんちくしたばかりのおうちをたてて、しあわせにくらしていたのに、げんぱつがわりこんできたから、いままでみたいなせいかつができなくなって、わたしはとてもかなしい。

パパへ。わたし、ママがいるけど、パパもいないとさみしいよ。だからきょうとでじぶんがいいとおもうしごとをみつけてほしいよ。みんなパパがいないとさみしいからほんとうにこっちにきてほしいなあ。パパだいすきだよ。だってパパってとってもかっこいいからだいすきなんだよ。パパはやくあそびにきてねー。


夫が一ヶ月か二ヶ月に一度ぐらい、京都に遊びにきてくれましたけれど、会うときは子ども本当に大喜びで、待ち遠しくて、何日も前から楽しみにしているけれども、一日、二日を過ごして夫が帰るときには、涙、涙の別れです。「どうしてそばにいてくれないの。どうしてかえっちゃうの。」本当に子どもたちには一年間、淋しい思いをさせたなと思います。


パパへ。いつもたべもの、きをつけてますか。あそびにきてくれるときは、きれいなたべものをたべようね。ママもげんきだよ。パパはどうすればいいのかわからないよね。もしそういうときは、ねえねにきいて、きをつけてたべてね。


福島に残っている私の姉に相談して食べるようにと気遣った手紙ですね。


ママへ。いつもきらきらかがやいているママがかわいいよ。ママだいすき。ママいつもありがとう。たのしく、パパがかえってもたのしくいきようね。ママだいだいだいすき。

ママへ。みんなのこころをひとつにしてがんばろうね。かぞくがばらばらになったのはわたしもかなしいけど、これからもいっしょにすすんでゆこうね。

パパへ。パパはさみしいよね。わたしもおんなじきもちだよ。だからパパのきもちをよーくわかるよ。だってパパがかえるとき、なくぐらいだもん。もちろんいえもこいしいよ。パパがんばってね。

ママへ。いつもママにかんしゃしているよ。ママだいすき。ママよりすきなものはなにもないよ。だってママがだいだいだいすきだから。ママいつもいっしょうけんめいがんばってくれてありがとう。

ママへ。ママもうすこしだからがんばって。わたしもママのことおうえんしているよ。ママがしんだりしないでね。がんばれえ。ママもわたしみたいにあかるくまえむきにあるいていくんだよ。


娘が私に書いてくれる手紙はいつも「がんばろうね。おうえんしているよ」そういう手紙が本当にたくさありました。

そんな娘からこの4月に無事に家族一緒に暮らせるようになったときに、こんな紙をもらいました。

「がんばったで賞。(ハートマーク)あなたはわたしのいのちのおんじんです。よくがんばりましたね」


最後ですが、昨年の6月、京都の保育園に通い始めたばかりの娘が、保育園でひとり自由帳に書いていた文章です。


いまはわたしのゆめは、パパといっしょにくらしていきることだけがゆめです。どうぞそのとおりにしてください。おねがいします。わたしをおたすけください。


これらは娘が書いた手紙のほんの一部なのですけれど、今も父親と離れて母子だけで避難している家族が本当にたくさんいます。その子どもたちは同じような気持ちで今なおまだこの毎日を過ごしているんだなあと、私も考えるたびに胸が締め付けられます。どうか本当にみなさんに、福島に愛を送ってほしいです。それとこういう子どもたちが、これから二度と原発事故による苦しみを味わうことのないように、本当に原発を止めてもらいたいです。そしてせっかくここまで避難してきたのに、放射能が追いかけてくることがないように、がれきを受け入れないでほしいです。どうかよろしくお願いします。

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明日に向けて(467)今必要なのは、西日本と東日本が助け合って、被曝を止めること!

2012年05月11日 11時00分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120511 11:00)

ここのところ、「がれき」問題の講演で走り回っていて、「明日に向けて」
の更新がなかなかできません。申し訳ないことです。今日もこれを書いたら
ただちに広島に向かいます・・・。

この間、お招きいただいたのは、それぞれが「がれき」が受け入れられた
場合に、被害を受ける当該地域やその近くです。具体的に言うと兵庫県の
篠山市は、お隣の丹波市に処分場があり、放射能が濃縮された灰が捨てられ
ようとしています。

京都市北区のたかつかさ保育園は、北部クリーンセンターと、東北部クリーン
センターという、京都市で試験焼却をする候補とされている三つの焼却場に
挟まれたところに立地する保育園。さらに滋賀県近江八幡市は、東北から
直接に、灰が持ち込まれて捨てられようとしているそうです。

どの地域も、主催者の予想を上回る人数がかけつけてくださり、それぞれに
感動的でした。今、ひとつひとつを詳しく説明する余裕がなくてとても
残念ですが、各地で熱い討論が交わされていることをお伝えしたいと思います。
ちなみに近江八幡では、市会議員さんが4人こられ、うち一人の方は自民党の
市議さんでした。「この問題はもう政党の違いなんか関係ないです。私は人と
して、放射能の押し付けに黙っていられないです」とおっしゃっていたことが
印象的でした・・・。

こうしたどの場所でも僕がみなさんと共有してきているのは、今、東北や関東で
野放しにされている被曝のひどさです。とくに福島県の中は、チェルノブイリで
は「避難権利区域」=手をあげたら政府が避難を財政的に補償しなければいけない
地域がたくさんあるのに、その補償がなされず、たくさんの人々が動くに動け
ずにいます。

しかもその現状の中で、政府は「放射能は怖くないキャンペーン」を繰り返し、
あたかも放射能を怖がるからストレスで身体症状がでているかたのような、とても
むごいキャンペーンを繰り返しています。また「がれき」だけでなく、一般
ゴミの焼却からも、大変な放射能の濃縮がなされ、環境中への拡散がなされている
のに、なんらきちんとした対処もなされていません。

にもかかわらず、つまり、東北・関東の人々にひどい被曝をさせていながら、
何らの措置もしていない政府が、「東北の人々を助けるためにがれき受け入れを」
と言い出すのはまさに「盗人猛々しい」といわざるを得ない事態であり、こんな
政府の口車に絶対に乗せられてはいけません。

さらに本当に東北・関東の人々を救うためには、この被曝の強制をこそストップ
させなければなりません。同時に、高濃度の被曝を免れた西日本の有利な条件を
なんとしても守り、ここで食料を大増産して、汚染の激しいところに送るととも
に、これからも続く避難の流れを受け止めるポテンシャルを保持し、広げていく
こと。また避難はできなくても、一時的な、あるいは中長期の保養をしたい方た
ち、せめてもそこに子どもを送り出したい方たちのために、その場を確保し
ておくこと、そのことでこそ、被曝に苦しむ人々を助けていかなくてはならない
のです。だからこそ「がれき」を受け入れてはならない。というよりも、「東北
を救うためにガレキを受け入れよ」という政府のウソをくつがえさなければなら
ないのです。

「ガレキ」ではなく人を受け入れる。同時に、西日本の有利な条件をフルに使って
東北・関東の人々にできるだけのことをする。それが大事です。そして何よりも
政府に、もっと徹底した放射線防護対策を迫る。東電に賠償を迫る。刑事責任も
追求する。これらのことに西日本から声をあげていく必要があります。

同時に、ここでは便宜上、「助ける」という言葉を使ってきましたが、この事態は
「助ける」「助けられる」という事態を超えたものであることを私たちはしっかり
と認識しておく必要があります。今、日本の国中で、原発の危険性への目覚めが
起こっていますが、これを大きく促進しているのは、全国に飛んだ避難者の方たち
です。どこでもその必死の訴えが当該地域を揺るがしています。今はまだ被曝して
いないところを守ることの重要さを誰よりも真剣に避難者の方たちが訴えることで、
脱原発の声が大きく広がりつつあるのです。だから実はもっとも私たちの国の救い
手になっていのは、避難者の方たちをはじめ、東北・関東の方々なのです。

だから私たちは避難者を助けることで助けられるし、西日本は東日本を助けることで
助けられるのです。まさに相互に助け合い、支えあい、その中でこの歪んだ社会の
あり方、環境と人間の心身をどんどんひどくしてしまう今の社会のあり方を変える
展望がここから生まれます。その意味で「助ける」「助けられる」というところを
越えて、一緒にこの事態を超えるために歩んでいるのだという自覚を強くしましょう。

今日も明日もあさっても、そうしたことを訴えたいと思います。走り書きで恐縮です
が、ただちに荷物をまとめて、広島尾道市、京都綾部市への二日間の旅に出発します!

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明日に向けて(466)広島県尾道市、京都府綾部市、山梨県富士吉田市でお話します!

2012年05月08日 15時30分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120508 15:30)

このところ、「がれき」(もっと良い言い方はないか考え中です)の「広域
処理」の強制が強まる中で、さまざまなところから、この問題について、
内部被曝を避ける観点を交えて話して欲しいというご要望がどんどん舞い込
んできています。今日もこれから兵庫県篠山市(焼却灰をおしつけられようと
している同県丹波市のそば)を訪問し、午後6時半から、篠山市民センターで
お話します。

明日は、京都市北区で、京都市で「がれき」焼却処分が行われようとしている
二つの焼却場にはさまれた位置にある、「たかつかさ保育園」で午後7時から
お話し、さらに明後日は、滋賀県で焼却灰がおしつけられようとしている
近江八幡市に赴き、午前10時から滋賀県近江八幡市G-NETしが滋賀県立
男女共同参画センターでお話します。その後、京都市左京区に戻って、
キッチンハリーナで午後7時からお話します。

さらに11日、金曜日は広島県尾道市にうかがうことになりました。午後6時半
しまなみ交流館1階ホールです。主催は「フクシマから考える一歩の会」。
少し前に肥田舜太郎さん講演会を500人集めて行われました。
12日は京都府綾部市の高津コミュニティセンター和室で午後5時からお話します。

少し先になりますが、19日には山梨県富士吉田市に呼んでいただけること
になりました。午後2時、富士吉田市市民会館4階和室広間です。さらに
20日は仙台で矢ヶさんとジョイントでお話し、そのまま23日福島大学、
24日福島市、25日南相馬市と訪ねる予定です。その間に、市民放射線測定室の
「小さき花」と「てとてと」にも訪問させていただきます。

これらの企画のうち、尾道市、綾部市、富士吉田市のものをご紹介します。
お近くの方、ぜひご参加ください。

*****

震災がれき受け入れ
みんなで考えてみませんか?

報告 守田敏也さん

「ガレキが復興の妨げになるから広域処理が必要」ってほんと?放射能の
付いたガレキを燃やしても本当に大丈夫?もし尾道が受け入れた場合、
焼却灰は原田町の最終処分場に受け立てても大丈夫?
作業する職員・焼却場や最終処分場の住民や環境に影響は?放射能汚染が
全国に広がらない?汚染されたガレキを燃やしている自治体ではトラブルは
起こっていない?他に良い方法はない?
「市民と科学者による内部被曝問題研究会」の守田敏也さんが報告し、質問
に答えます。

とき :5月11日(金)18時30分
ところ:しまなみ交流館1階ホール
入場料は無料です。どなたもご自由にご参加ください。

主催:フクシマから考える一歩の会
連絡先:大住元 090-5705-6491

*****

守田敏也さんのおはなし会
「震災がれきを考える」 ~がれきと内部被爆の座談会

とき 平成24年5月12日(土)17:00~20:00
ところ 高津コミュニティーセンター(和室)
綾部市高津町西ノ開市8-1 TEL: 0773-42-7477
参加費:500円(資料代、軽食付)申込不要、出入り自由、駐車場あり。

京都府北部でも震災がれき受け入れの検討が進められています。
がれきってどんなもの?焼却しても大丈夫?
内部被爆のお話も交えながら、わかりやすくご説明します。
守田さんのお話を聞きながら、一緒に考えてみませんか。

~守田敏也さんプロフィール~
同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、現在
フリーライター。311以降は原発事故問題をおいかけている。2012年3月に
物理学者の矢ヶ克馬氏とともに岩波ブックレットから『内部被曝』
を上梓。ブログ「明日に向けて」

●免疫力を高めて放射能の内部被爆を防ごう。玄米菜食メニューのご試食会も同時開催●

お子様連れも歓迎、プレイルームあり。ぜひお気軽にお越しください。

お問合せ先
080-1445-0353(市村)/090-6371-3136(溝部)
rainbow_mother_ayabe@yahoo.co.jp

主催:Rainbow Mother ~放射能から子供を守りたい in 綾部
http://falkchan.blog.fc2.com/

チラシは以下から
http://falkchan.blog.fc2.com/blog-entry-87.html

*****

講演会 原発の事故の今と内部被曝
やっぱりゲンパツはいらない! 浜岡原発は廃炉しかないよね!

3.11東日本大震災と福島第一 原発事故から、何度も京都から東北ヘデノボランティアと
取材さらに原発問題の講演会をされている守田敏也さんを招いて、お話をうかがいます。
会場は小さなお子さんを抱えたお母さんにも参加しやすいよう に和室を用意しました。

◎  内部被曝って、どういうこと?
◎ 福島第一は、もう危機な状態ではなくなったの?
◎  ホットスポットは、どれだけ除染をしたら住めるようになるの?
◎ 福島県以外の震災ガレキは、復興のために受け入れるべきですか?
◎  ひとつの放射能データで、「問題なし」と「危険」となぜ評価が分かれるの?
◎ 空気中の放射線量が低ければ、ダイジョーブでしょうか?!
◎  食べものや飲みものについて、政府の安全基準でダイジョーブ?
◎ 赤ちゃんや子どもたち、そして子どもを産む世代が気をつけることは?

講師: 守田 敏也さん(市民と科学者の内部被曝問題研究会 会員)

日時: 5月19日(土曜)14:00~16:30
会場: 富士吉田市市民会館4階・和室広間
    山梨県富士吉田市緑が丘2-5-23  0555-23-3100
    http://www.mfi.or.jp/fcpa/

会費: 前売り・予約◎500円、当日◎700円 (同伴される未就学幼児は無料)
注意:  畳に長時間に わたり座ることができない方は、イスを用意します。
     イスが必要な 方は、予約時にその旨を申し出てください。

主催: 浜岡原発の廃炉を願う市民の会

予 約/問合せ: 御師の家「カムナビ」 まきた ただと
     山梨県富士吉田市上吉田7-11-3〒403-0005
     phone + fax :0555-24-8943
     contact@kamnabi.com

前 売券取扱所:ナノリウム、御師の家・カムナビ、御師・菊谷坊、
富士吉田バプテスト教会、富士吉田カトリック教会、我場貯(上吉田)、
あすなろ美術教室(中曽根)、川井スポーツ、まつや茶房、けやき園(下吉田)、
正福寺(新倉)、グアテマヤ(西桂)、慈光寺(忍野)、ホトリニテ(山中湖)

守田さんは、「原発事故の現状」を話し、「除染活動」か ら見えてきた現実、
有機農法農家が立ち上げた「放射能市民測定室」の取り組み、わたしたちは
どうしたらいいのかを一年間の行動と体験から 語ってくれます。みなさんの
不安に対して「どう立ち向かえばいいか」のヒントもたくさん持っていると
思います。さらには「明日に向けて」 の希望を、参加されるみなさんと
いっしょに話しましょう。

◎ 燃料プールの恐ろしさ。4号建屋が余震で崩壊すれば、3.11 どころではなくなる。
◎ 除染してもとても住めない地区が多数ある。
◎「内部被曝を過 小評価した」のは、国際放射線防護委員会が作りあげてきた核戦略の一環。
◎ 原発直近の「がれき」まで広域焼却されようとしている!
◎ 膨大なストロンチウムが環境を汚染している! 焼却は極度に危険!
◎ 福島以外の家庭ゴミの焼却でも問題地域が各地にある。

   そんな中でガレキ受け入れるのは 放射能汚染汚染を広げること。

守田敏也さん■プロフィール
1959年生まれ。京都市在住。「市民と科学者の内部被曝問題研究会」 会員
同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、
現在フリーライターとして取材活動を続け、社会的共通資本に関する研究を
進めている。ナラ枯れ問題に深く関わり、京都の大文字などで害虫防除も実施。
東日本大震災以後は、広くネットで情報を発信し、関西をはじめ被災地でも]
講演を続けている。また、京都OHANAプロジェクトのメンバーとして、
被災地に中古の自転車を整備して届ける活動をおこなっている。

原発関係の著作に、『内部被曝』(矢ケ崎克馬氏との共著、岩波ブックレット
2012年)があり、雑誌『世界』などで、福島第一原発事故での市民の取り組み
や内部被曝問題についての取材報告をして話題になっ ている。

3.11以降、インターネットではブログ「明日に向けて」で発信を続け、一年間で
420を超えるレポートなどを発表している。
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011

守田さんがこの春につくっ た『内部被曝』岩波ブック レットNo.832 
矢ヶ崎克馬(やがさき・かつ ま)・守田敏也(もりた・としや)共著 2012年 3月6日発行
[全71頁] 定価560円+ 税 ISBN 978-4-00-270832-4 C0336 \560E

目 次:被曝直後の福島を訪れて/内部被曝のメカニズムと恐ろしさ/
誰が放射線のリスクを決めてきたのか/なぜ内部被曝は小さく見積もられてきたのか/
放射線被曝に、どのように立ち向かうのか

原子炉や放射能に関する専門的知識の無い方のために、矢ヶ崎・守田両氏の対話
形式で、大変解りやすい文章で書かれているのも有り難い。内 容的にも、とても
簡潔なだけでなく、何が問題なのかを、全体を見渡す広い視野から、的確に指摘
しています。一般市民待望の好著です。

政府や自治体や専門家が盛んに宣伝している「この放射能は○○値以下なので
安全です」の説明が、いかに、「国民市民を欺くもの」、科学的 根拠に基づか
ない「欺瞞的安全神話」でしかないかが、手に取るように解ります。福島第一
原発事故以降、放射能や原子力・原子力発電に関す る多くの本が出版されています。
しかし、そのほとんどは、細かな専門分野に入り込んだものが多く、一般市民が、
気軽に読めるようなものは、ほとんどありませんでした。■諸留能興氏の紹介文


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明日に向けて(465)本日の夕方、全原発が停まります!(関電京都支店前行動へのお誘い)

2012年05月05日 11時00分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120505 11:00)

みなさま。本日夕方から、北海道泊原発に運転停止のための制御棒が挿入
され、午後11時ごろに運転が停止される予定です。これによって日本にあ
る原発のすべてが運転を停止します。1970年、当時2基しかなかった原発
が運転停止して以来、42年ぶりの全原発運転停止という事態だそうですが、
事実上、初めて、市民の力によりすべての原発を停止に追い込むことに
なります。

全での原発が停止して、それで明らかになることは何か。いやすでに現状
で明らかになっていることですが、電気は十分に足りている!ということ
です。かつては原発が無くなると、化石時代に舞い戻るかのような暴論が
さまざまなところで繰り返されていましたが、そんなことはまったくない。
ここでも政府と電力会社は、国民・住民を欺いてきたのです。

今後、真夏のピーク時に、計画停電をするぞ!などという、産業界などへ
の脅しが強められると思いますが、実はカットできる電気はまだまだたく
さんあります。暑い時期を想定するなら、いや真冬もそうですが、大きな
無駄を作り出しているのは、飲料水の自動販売機です。炎天下に、鉄の箱
の中に入れたジュースを冷やし続けているのですからエネルギー効率は
とても悪い。

いや冬場もそうなのです。誰も飲まないコーヒーをえんえんと温め続けて
いる。相当な電力の無駄遣いです。夏でも冬でも、これを店舗の中に入れ、
陽射や寒風を避けるだけでエネルギー効率はぐんとあがる。その分、電力
をカットすることは容易です。そうしたことをしないでも原発をすべて
止められるわけで、考える余地はまだまだ本当に多い。

さらに常々思うことは、例えばこれを契機に、セブンイレブンは、セブン
イレブンに戻っていただくと良いのではないでしょうか。朝7時に開店し
午後11時に閉めるというもとの姿にです。今は24時間営業になってしま
っている。そうして夜の町を明るくしてしまっています。

光は生物にとって非常に重要なもの。実は生物は光の強さ、弱さによって、
さまざまに生態を変えており、これを光周性といいます。落葉樹の中には
この光の加減で、葉を出す(展葉)時期を決めているものもいるし、哺乳
類の冬眠などにも関係しています。

このため強い光があると、生物は活性化し、それに近づく習性を持つもの
が多い。「飛んで火に入る夏の虫」という現象が起こるのもそのためです
が、実は私たち人間もまた同じ性質を持っており、光があると吸い寄せら
れる傾向を持っているのです。

コンビニエンスストアは、これを計算に入れて、夜の町を煌々と照らしてき
たのです。そのため私たちはこれに吸い寄せられてしまう。人間だけではあ
りません。夏になるとコンビニの前で、夜中にせみが鳴き続けていたり、
鳥たちがざわめていることがあります。すべてこれらは生態系のサイクル
に重大な悪影響を与えています。

このため、私たちにとっても、夜が寝にくくなってしまった。睡眠という
生物に備わった、自己保存のための優れたシステムが、人為的に破壊されて
しまっているのです。これが私たちの睡眠不足を作り出し、また生体に備わ
っている睡眠のリズムが壊れてしまうリズム障害などの疾病も作り出してい
ます。それらは私たちのさまざまな体調不良につながっています。その上に
私たちは今、放射能の脅威に直面しているわけです。

こうしたことを考えるのならば、電気使用を控えたほうが、むしろ生活の質
が向上する!というのが僕の持論です。「苦しくとも節電で我慢しよう!」
というのではなく、「電気を削って暮らしをよくしよう!」と僕は呼びかけ
たいと思います。そうした点からも危険な原発を全部止め、このまま永遠に
原発とお別れしましょう!今日はそのための第一歩の日になろうとしていま
す。みなさんと喜びをシェアしたいです。


全原発の停止というこの画期的な事態は、多くの方の懸命の努力の中で実現
しつつあるものです。全国でたくさんの行動がなされてきましたが、僕の住
む京都では、関西電力京都支店前で、ハンガーストライキが行われてきまし
た。僕は関われてなくて申し訳ないことしきりなのですが、本日の夕方午後
5時半から、ハンスト現場で「全原発ハイロへ☆スタート!」と題した催しが
行われるそうです。NGO e-みらい構想の長谷川羽衣子さんから呼びかけが
発せられています。僕もここに顔を出し、ハンストをされてきたみなさんを
ねぎらうとともに、全原発停止を祝いたいと思います。

さらに京都では、明日6日にデモも予定されていますので、それも紹介して
おきます。こちらは、かのフライングダッチマンの面々も参加します。
2012年5月5日、子どもの日に、原発廃止のスタートをきりましょう!

****************

NGO e-みらい構想の長谷川羽衣子です。

4/18から5/5まで、大飯原発再稼働に反対するため、関電京都支店前で市民と
NGO・NPOが協力し合い、ハンスト&リレー座り込みを行うほか、「さようなら
原発1000万人署名」を集めて来ました。
http://www.janjanblog.com/archives/69502 (JanJanニュース/堀内隆喜記者)

毎日たくさんの方にご参加頂き、日々300-400筆の署名が集まりました。
この行動の発起人である「使い捨て時代を考える会」の槌田劭さんは、5/5で
ハンスト18日目を迎えます。
ハンスト&リレー座り込み完遂記念、そして北海道の泊原発が停止する5/5
こどもの日が「全原発廃炉へのスタート」なるよう願いを込めて記念アクション
を行います。ぜひみなさまご参加下さい♪

「全原発ハイロへ☆スタート!」キャンドルアクション@​ 関電京都支店前
-子どもたちにきれいな水と空気と土と、そして未来をプ​レゼントしたいから。-
■5月5日(祝) 17:30~19:00 /京都駅関電支店前
※17時までは通常通りハンスト&リレー座り込みを行っ​ています
★キャンドルナイト
★リレートーク&コーラス
★子どもたちに鯉のぼり&風船をプレゼント!
★その他、楽しい企画を色々考えております♪

****************

NO NUCLEAR LOVE PARADE

祝全原発稼働停止!!!!!   2012.5.6(sun)
..........SAVE OUR LIFE , PARADIGM SHIFT

ーーーー SoundArtPeaceDemonstRation ーーーーー

13:00集合 三条大橋河川敷

14:00パレードスタート

15:00京都市役所前解散


Sound Art
''Human Error''by FRYING DUTCHMAN!!!!!!!!''

DJ EMILE OT29 and more....


被災地の方々に心を寄せて…
STOP瓦礫拡散!!!!!!
被災地、全国、すべての二次被ばくを防ごう!
 すべての原発再稼働を止めよう!
こどもの命をみんなで守ろう!
私たちの手で未来を作ろう!

守田注
雨天の場合は中止だそうです。
詳しい情報は以下から。
http://nonuclear-loveparade.blogspot.jp/2012/05/nuclear-love-parade-2012.html?m=1
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明日に向けて(464)東日本全域で放射性物質が大量に燃やされ、濃縮されている!その3

2012年05月04日 23時00分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120504 23:00)

東日本1都16県の一般廃棄物焼却データ解析の3回目をお送りします。
今回は、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県を扱います。
データ元は以下です。
http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste-radioCs-16pref-result20110829.pdf#search='焼却場放射能測定一覧'

基本的に各焼却場の飛灰から計測されたセシウムの値を取り上げます。
かっこないは計測日。すべて2011年のデータです。


東京都
全体としては1000~4000Bq/Kgぐらいの値が出ていますが、突出して
高いのが、江戸川区です。最高値の12920Bq/Kgが出ています。ただし
東京はこの江戸川区のある東部の汚染が西部に較べて高いことが伝え
られてきましたが、西部の三多摩地区の三鷹市などでも3409Bq/Kgと
いう、東部と変わらない値が出ています。

「子どもたちと未来をつなぐ会・町田」が100人以上の健康調査を行い
多数の子どもたちが、大量の鼻血を出したことが報告された町田市の
値が1199Bq/Kgです。低いところはというと、日野市の275Bq/Kg。さら
に離島の利島村、新島村、三宅村、八丈村などはこれを下回りますが、
大島は853Bq/Kgと、日野市よりも高い値を示しています。
以下、区市町別に示します。

東京都23区(高い順に)
江戸川区
清掃工場・飛灰12920Bq/Kg(0719)
大田区
清掃工場・飛灰3890Bq/Kg(0720)
練馬区
光が丘清掃工場・飛灰3870Bq/Kg(0723)
葛飾区
清掃工場・飛灰3860Bq/Kg(0722)
江東区
有明清掃工場・飛灰3630Bq/Kg(0726)
墨田区
清掃工場・飛灰3290Bq/Kg(0719)
世田谷区
清掃工場・飛灰3110Bq/Kg(0622)
足立区
清掃工場・飛灰2770Bq/Kg(0722)
以下、省略します。23区で最低値は以下の焼却場です。
豊島区
清掃工場・飛灰974Bq/Kg(0723)

東京都、市・多摩地区(高い順に)
三鷹市
環境センター・飛灰3409Bq/Kg(0711)
八王子市
北野清掃工場・飛灰固化物2540Bq/Kg(0706)
戸吹清掃工場・飛灰2470Bq/Kg(0706)
あきるの市(西秋川衛生組合)
高雄清掃センター・飛灰固化物2260Bq/Kg(0721)
小平市(小平・村山・大和衛生組合)
ごみ焼却施設・飛灰2251Bq/Kg(0709)
国分寺市
清掃センター・飛灰2187Bq/Kg(0719)
以下省略します。最低値は以下の焼却場です。
日野市
クリーンセンター・飛灰275Bq/Kg(0720)


神奈川県
最も高い値は逗子市の3123Bq/Kg。それに次ぐのが南足柄市の2885Bq/Kg
です。全体としては1000から2000Bq/Kgぐらいに集中しています。
以下、市町別に示します。

横浜市
旭工場・飛灰2400Bq/Kg(0629)
金沢工場・飛灰2100Bq/Kg(0629)
都筑工場・飛灰1890Bq/Kg(0629)
鶴見工場・飛灰1220Bq/Kg(0629)
川崎市
王禅寺処理センター・飛灰2530Bq/Kg(0712)
堤根処理センター・飛灰1744Bq/Kg(0712)
浮島処理センター・飛灰1389Bq/Kg(0712)
橘処理センター・飛灰959Bq/Kg(0712)
相模原市
南清掃工場・飛灰2093.9Bq/Kg(0629)
横須賀市
南処理工場・飛灰2550Bq/Kg(0630)
鎌倉市
今泉クリーンセンター・飛灰919Bq/Kg(0707)
小田原市
環境事業センター・飛灰1286Bq/Kg(0701)
逗子市
環境クリーンセンター・飛灰3123Bq/Kg(0701)
南足柄市
清掃工場・飛灰2885(0705)
以下、省略します。最も値が低いのは以下の焼却場です。
大井町(足柄東部清掃組合)
大井美化センター・飛灰298Bq/Kg(0704)


新潟県
全体として値は低く、主灰からは不検出も多いです。しかし南魚沼市
だけは突出して多く、県内最高の3000Bq/Kgが出ています。十日町市も
やや高いです。以下、市町別に示します。

新潟市
白根グリーンタワー・飛灰54Bq/Kg(0705)
長岡市
栃尾クリーンセンター・飛灰205Bq/Kg(0704)
三条市
第2ごみ焼却処理施設・飛灰84Bq/Kg(0701)
柏崎市
クリーンセンターかしわざき・飛灰52Bq/Kg(0704)
十日町市
エコクリーンセンター・飛灰740Bq/Kg(0706)
魚沼市
エコプラント魚沼・飛灰1000Bq/Kg(0630)
南魚沼市
環境衛生センター・飛灰3000Bq/Kg(0701)
以下、省略します。最も値が低いのは以下の焼却場です。
妙高市
新井頚南クリーンセンター・飛灰10Bq/Kg(0707)


山梨県
全体として低めです。最も高い値が富士吉田市の813Bq/Kg、次いで
大月市の482Bq/Kg、あとは200Bq/Kg以下です。以下、市町別に示します。
(高い順から示します)

富士吉田市
環境美化センターごみ処理施設・飛灰813Bq/Kg(0721)
大月市(大月都留広域事務組合)
ごみ処理施設・飛灰482Bq/Kg(0712)
山梨市
環境センターごみ焼却施設・飛灰165.7Bq/Kg(0715)
東山梨環境衛生組合
環境衛生センター・142.7Bq/Kg(0715)
上野原市
クリーンセンター・飛灰112.7Bq/Kg(0715)
以下、省略します。最も値が低いのは以下の焼却場です。
甲府市
環境センター付属焼却工場・飛灰53.2Bq/Kg(0720)


長野県
場所によってばらつきがあります。不検出のところもたくさんありますが。
佐久市で県内最高値の1970Bq/Kgが出ています。以下、市町別に示します。
(高い順に示します)

佐久市
クリーンセンター・飛灰1970Bq/Kg(0708)
中野市(長野市、中野市、山ノ内市、小布施町)
東山クリーンセンター・1320Bq/Kg(0709)
須坂市
清掃センター・飛灰930Bq/Kg(0711)
上田市(上田市、東御市、青木村、長和町)
上田クリーンセンター・飛灰910Bq/Kg(0715)
信濃町(信濃町、飯綱町)
北部衛生センター・飛灰750Bq/Kg(0708)
飯山市(飯山市、木島平村、野沢温泉村、栄村)
エコパーク寒川・飛灰492Bq/Kg(0720)
以下、省略します。

不検出の焼却場のある市町村名を並べておきます。
松本市・木曽町・下諏訪町・白馬村・伊那市・辰野町
塩尻市・岡谷市・安曇野市・大町市


静岡県
全体的に1000Bq/Kg以下ですが、伊豆半島に高めのところが集中しています。
県内最高値は熱海市の2300Bq/Kg、次いで伊東市の2230Bq/Kgです。
以下、市町別に示します。(高い順に示します)

熱海市
エコプラント姫の沢・飛灰2300Bq/Kg(0713)
伊東市
環境美化センター・飛灰2230Bq/Kg(0719)
伊豆の国市
韮山ごみ焼却場・飛灰2060Bq/Kg(0707)
伊豆市
清掃センター・飛灰641Bq/Kg(0704)
函南町
ごみ焼却場・飛灰488Bq/Kg(0711)
静岡市
沼上清掃工場・溶融飛灰442Bq/Kg(0704)
富士宮市
清掃センター・飛灰410Bq/Kg(0727)
磐田市
クリーンセンター・飛灰331Bq/Kg(0707)
以下、省略します。なお唯一不検出なのがなんと島田市の焼却場です。
島田市
田代環境プラザ・飛灰不検出


1都16県の分析は以上です。

最後の最後に珍しい不検出の焼却場として、島田市の田代環境プラザが
出てきました。ここが「試験焼却」に使われたのは、静岡県で唯一の
不検出焼却場だったからなのですね。他の焼却場はすでにセシウムで
汚染されていることを熟知しているからここを選んだのでしょう。
それにしても、静岡県で、ただ一つ不検出だったところを選らんだことに
政策的意図を感じます。要するに福島原発から最も近い、放射能汚染が
されていない炉を使ったということです。なお、この島田に関する情報も、
次回あたりで特集したいと思います。

今回の分析では東京以西(新潟を含む)の汚染実態、濃縮実態が垣間見え
ました。ただし注意を促したいのは、これはあくまでも濃度であり、放射性
物質の総量ではないということです。東京の場合、ごみの総量が圧倒的で
あり、それを考えると量としての集積は非常に大きいといえます。巨大都市
横浜などを有する神奈川県も同じことが言えるでしょう。なお東京について
新しい情報を入手したので、続編で、独自の分析を行います。

さて、今回のデータをみるとき、もう一点、注意を促しておきたいことが
あります。一番初めに紹介した岩手県のデータに戻りますが、実はここで紹介
した環境省まとめによるデータには、もともと岩手県から出されたデータ
の一部が消えているのです。

どういうことかというと、最も高い値が出た一関清掃センターについて、
環境省は、7月5日飛灰26000Bq/Kg、7月22日飛灰30000Bq/Kgと並べるだけで、
もう一つの非常に貴重なデータである8月24日飛灰14700Bq/Kgというデータを
消してしまっています。

しかしこの14700Bq/Kgというデータをしっかりおさえたときにみえてくるのは
焼却場の飛灰のデータは、日によって、なんと倍も違って計測されることが
あるということです。これは非常に重要なポイントです。
以下、岩手県の元データを記しておきます。
http://ftp.www.pref.iwate.jp/view.rbz?nd=4406&of=1&ik=1&pnp=50&pnp=2648&pnp=4406&cd=37948

なぜそうなるのか。燃やすものに含まれている放射性物質の総量が日によって
違うからに他なりません。ある意味でそれはあたり前なのです。ゴミに均質に
放射性物質が付着しているわけではありません。たまたま多い日もあれば少な
い日もあります。その差がなんと倍にもなってしまうのですから、とても1日の
計測で、実態をつかむことなどできないのです。

となれば、今までみてきた1都16県のデータも、一つの目安にはなりはするもの
の、焼却の実態をつかむものとしてはあまりにアバウトなものであることも
見えてきます。きちんと実態をつかむためには、もっと何日も継続的に計り、
平均値を出す必要があったのです。

ところが環境省はそうした指導を行いませんでした。そのためデータがわずか
1日のところばかりです。これは計測における重大な過失であると言えます。
そのことを岩手県の元データが物語っているため、環境省が整理するときに
抜かしてしまったのだと思われます。これは数値改ざんではないものの、
データの恣意的な抹殺です。


以上から見えてくることは以下の通りです。
一つに、東日本の1都16県で、放射性物質の非常に大量の濃縮と焼却が行われて
きていること。しかしながらそのデータはわずかにしか記録されてきていない
こと。初期の実態がなんら把握されていないとともに、その後も、計測回数が
あまりに少なく、きちんとした把握がなされていないということです。ここでも
放射能汚染が野放しにされている実態が見えてきます。

私たちは、もうこれ以上、私たちの国を汚染するなという声を強めていく必要
があります。東日本がこんなに汚染されてしまったのなら、まだ傷の浅い西日本
を守り、そこに東日本からの疎開や避難の拠点をたくさん作るとともに、汚染の
少ない西日本で食料を大増産し、東日本に供給すること、そのことで、疎開も
避難もできない人々にも、少しでも、放射線防護上、有利な条件を手渡していく
ことが大切だということです。

こんなにひどい汚染状況を明らかにせず、人為的な放射能の濃縮を野放しにして、
人々に二重三重の被曝を強制している政府を信用することなど、絶対にあっては
なりません。過ったがれき政策、それだけでなく放射性物質の焼却政策を何とか
くいとめましょう。ここでの分析をそのために使っていただきたいと思います。

以上、3回の連載を終了します。











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明日に向けて(463)東日本全域で放射性物質が大量に燃やされ、濃縮されている!その2

2012年05月03日 23時30分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120503 23:30)

昨日は東日本の1都16県の焼却炉における放射能測定データを分析しました。
ここからは東日本の汚染実態が垣間見えるとともに、そこで起こっている
恐ろしい放射能の濃縮過程の姿が見えるからです。今回はその続きを行います。
なお昨日も紹介しましたが、このデータは、以下からすべてが見れます。
http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste-radioCs-16pref-result20110829.pdf#search='焼却場放射能測定一覧'

再び各県ごとに分析していきます。今回扱うのは、栃木県、群馬県、埼玉県、
千葉県です。かっこの中は測定日。すべて2011年のデータです。セシウム合計
の値です。

なお焼却時にガスに混じって舞い上がり、バグフィルターで捕まえられたもの
を飛灰、焼却炉の中に残ったものを主灰と呼びます。放射性セシウムの多くは
飛灰の中に濃縮されているので、主に飛灰の動向をチェックしています。
データが多いので、特徴的なものだけ取り上げます。全体状況をつかむために
は、元データを参照してください。


栃木県
全体的に高い値が出ていますが、とくに那須塩原が突出しています。観光地
の日光での値も高いです。各市ごとに示します。

宇都宮市
北清掃センター・飛灰7530Bq/Kg(0708)
南清掃センター・飛灰5200Bq/Kg(0708)
クリーンパーク茂原・飛灰6060Bq/Kg(0708)
日光市
クリーンセンター・飛灰16050Bq/Kg(0713)
那須塩原市
クリーンセンター・飛灰48600Bq/Kg(0705)
大田原市(那須地区広域行政事務組合)
広域クリーンセンター大田原・飛灰13580Bq/Kg(0706)

以下、省略しますが、最も値の低いのが以下の焼却場です。
小山市(小山広域保健衛生組合)
中央清掃センター・飛灰1196Bq/Kg(0714)


群馬県
全体的に高い数値が出ています。最も高いのは沼田市、渋川市、最も低い
のは伊勢崎市です。各市ごとに示します。

前橋市
大胡クリーンセンター・飛灰4030Bq/Kg(0704)
渋川市(渋川地区広域市町村圏振興整備組合)
清掃センター・飛灰8240Bq/Kg(0714)
安中市
碓氷川クリーンセンター・飛灰5256Bq/Kg(0711)
沼田市(沼田市外二箇村清掃施設組合)
清掃工場・飛灰8940Bq/Kg(0701)
片品村(利根東部衛生施設組合)
尾瀬クリーンセンター・6368Bq/Kg(0707)
大泉町(大泉町外二町環境衛生施設組合)
清掃センター・飛灰5260Bq/Kg(0706)

以下、省略しますが、最も低いのは以下の焼却場です。
伊勢崎市
清掃リサイクルセンター21・飛灰1810Bq/Kg(0701)


埼玉県
栃木県、群馬県よりはやや低めですが、高い値が出ています。最も高いの
は飯能市、所沢市、吉見町、最も低いのは戸田市です。

さいたま市
クリーンセンター大崎第一工場・飛灰2560Bq/Kg(0706)
川越市
東清掃センター・飛灰3300Bq/Kg(0725)
川口市
戸塚環境センター・飛灰4100Bq/Kg(0706)
所沢市
東部クリーンセンター・飛灰5600Bq/Kg(0719)
飯能市
クリーンセンター・飛灰5740Bq/Kg(0614)
小川町(小川地区衛生組合)
ごみ焼却場・飛灰5400Bq/Kg(0705)
吉見町(埼玉中部環境保全組合)
環境センター・飛灰5600Bq/Kg(0705)

以下、省略しますが、最も低いのは以下の焼却場です。
戸田市
蕨戸田衛生センターごみ処理施設・飛灰870Bq/Kg(0721)


千葉県
大変、高い値が出ていますが、これは千葉県が他県に比して溶融炉を多く
使っているため、より濃縮が進んでいるためもあると思われます。そのた
め他の県のデータとの単純比較はしずらいことをおさえておかねばなりま
せんが、その上で、県内比較を見ていくと、突出して高いのは柏市で、こ
れに続くのが松戸市です。ただし松戸の場合は、溶融炉ではないので、他
県と比較しても高い値であることが分かります。ともあれこれらから、
千葉県がかなり汚染度合いが高いこと、同時に、各地で濃縮が進んでいる
ことが見えてきます。以下、市別に分析していきます。

千葉市
千葉市新港清掃工場・溶融飛灰12950Bq/Kg(0715)
松戸市
クリーンセンター・飛灰(固化)47400Bq/Kg(0704)
柏市
清掃工場・飛灰固化物9780Bq/Kg(0703)
第二清掃工場・溶融飛灰固化物70800Bq/Kg(0627)
流山市
クリーンセンター・飛灰28100Bq/Kg(0705)
我孫子市
クリーンセンター・飛灰26500Bq/Kg(0707)
印西市(印西市、白井市、栄町)
クリーンセンター・飛灰13970Bq/Kg(0630)

以下、省略しますが、最も低いのは以下の焼却場です。他と比較して非常に
低いと言えます。
野田市
関宿クリーンセンター・飛灰80Bq/Kg(0715)



今回、見てきた中で特徴的なことは、千葉県の汚染度が極めて高いということ
です。また千葉県では溶融炉を使っているところが多く、そこでの灰はさらに
高度に濃縮されています。このため柏市の第二工場で70800Bq/Kgという値が
出ています。溶融炉がより濃縮を進めてしまう実態があらわれています。

ともあれ昨日分析した茨城県のデータも含めて、北関東から千葉にかけて
汚染が深刻であるとともに、各地で放射能の人為的濃縮がどんどん行われて
いる実態が浮かび上がってきます。

同時に、これは1都16県全部のデータに共通することですが、このような
測定が行われたは、福島原発事故からほぼ4ヶ月前後たってからでした。その
ためにヨウ素はどこでも検出されておらず、データはセシウムに限ったものに
なっていますが、もっと早くに測っていたら、もっと恐ろしい値が出ていたの
は間違いないでしょう。つまりその処理過程で、凄い放射線が出ていたわけで、
それがたくさんの人々を被曝させたと思われます。

しかも政府が、8000ベクレル以上の焼却灰の埋め立て禁止の指示を出したのも
これまた事故後、3ヶ月以上経った6月です。この指示自身、これまでの法を
踏みにじったものですが、これが意味するのは、それまでは測定がなされて
おらず、そのため放射性ヨウ素をも含み、セシウム濃度ももっと高いゴミの
焼却が続けられ、濃縮された灰も平然と運びだされてしまっていたはずだという
ことです。その間、作業者の被曝対策もまったくなされていなかったでしょう。
・・・胸が痛くなるばかりです。

なお、この柏での大変高い値に関して、毎日新聞が当時、報道を行っていた
ことをあるブログからつかみました。元記事がみつけられなかったのですが、
貼り付けておきます。

*****

放射性物質:焼却灰から7万ベクレル超を検出 千葉・柏
毎日新聞2011年7月10日21時41分配信

千葉県柏市は10日、市内の清掃工場で発生した焼却灰から、1キログラム
当たり7万ベクレルを超える放射性セシウムを検出したことを明らかにした。
東京電力福島第1原発事故の影響とみられ、焼却灰の埋め立てを6月末から
中止している。現状では、約2カ月で灰の保管スペースがなくなり、一般家
庭などからの可燃ごみの受け入れが不可能になると予想される。

国は6月、同8000ベクレル以上の焼却灰は埋め立てず、一時保管するよう
指針を定めたが、一時保管後の処分方法は決めていない。同市は週明けにも国
に対し(1)埋め立て可能な最終処分の新基準策定(2)一時保管場所の確保
(3)処分費用の全額国庫負担--を緊急要望する方針という。

同市によると、公園や一般家庭の庭などで放射線量を下げる目的で、草刈りや
樹木の枝・葉の剪定(せんてい)を実施し、可燃ごみとして清掃工場へ持ち込
まれたため、数値が上がった可能性があるという。

2カ所の清掃工場のうち、6月下旬から7月上旬まで3回の検査の最大値は南部
クリーンセンターで同7万800ベクレル、北部クリーンセンターで同9780
ベクレル。両センターの焼却灰の最終処分場で同4万8900ベクレルだった。

同市は1日平均280トンの可燃ごみを2清掃工場で受け入れ、同21.3トン
の焼却灰を最終処分場に埋め立てている。【早川健人】









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明日に向けて(462)東日本全域で放射性物質が大量に燃やされ、濃縮されている!その1

2012年05月02日 23時30分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120502 23:30)

このところ、連日、「がれき」問題の分析を深めてきましたが、その中でみえ
てきたのは、「がれき」にとどまらず、ゴミの収集、運搬、焼却という現代社会
が作り出したシステムが、まるまる人為的な、放射能の濃縮過程になってしまっ
ているというとんでもない事実です。すでにこのことに気づいていた方には、何
をいまさらと指摘されてしまうかもしれませんが、これは本当に、もの凄く、
大変なことです。

とくに日本のように生産力が高く、それだけに日々、大量の廃棄物を発生させ、
そのために、ゴミの収集、運搬、焼却、(灰の)埋め立てという巨大な処理シス
テムを作りだしてきた「先進国」にとっては、広域汚染事故の恐ろしさの第一に
数え上げられるものの一つともいえるのではないか。なぜならこの濃縮は、自然
の中での生態濃縮などとは較べものにならないスピードで進むからです。何せ
近代化の中で高められてきた生産力そのものによって濃縮しているからです。

このことを雄弁に物語っているデータがあります。東日本の1都16県の焼却炉に
おける放射能測定データです。何はともあれこれをご覧ください。ここからは、
東日本の汚染実態が垣間見えるとともに、そこで起こっている恐ろしい放射能の
濃縮過程の姿が見えます。
http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste-radioCs-16pref-result20110829.pdf#search='焼却場放射能測定一覧'

幾つか高めのデータを拾ってみましょう。データが多いので、何回かに分けます。
今回は、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県を扱います。
かっこの中は測定日。すべて2011年のデータです。

岩手県
前にも紹介しましたが、一関市、奥州市で非常に高い値が出ています。
一関市一関清掃センター・飛灰から30000Bq/Kg(0722)
奥州市胆江地区衛生センター・飛灰から10100Bq/Kg(0709)

宮城県
他県に較べれば少なめですが、それでも大きな値が出ています。
仙台市の松森工場・飛灰から2581Bq/Kg(0707)
気仙沼市の気仙沼市クリーンヒルセンター・2078Bq/Kg(0727)

秋田県
今回あげた県の中では最も少なめです。最大値でも200Bq/Kgを下回っています。
秋田市総合環境センター・196Bq/Kg(0705)

山形県
山形市が数値が高いです。
山形市立谷川清掃工場・飛灰6900Bq/Kg(0722)
山形市半郷清掃工場・飛灰7800Bq/Kg(0722)
他の市町は数値が下がります。

福島県
全般的にもの凄い高い値が出ています。市ごとに表します。
福島市
あぶくまクリーンセンター・飛灰95300Bq/Kg(0722)
あらかわクリーンセンター・飛灰73000Bq/Kg(0722)
郡山市
河内クリーンセンター・飛灰88300Bq/Kg(0722)
富久山クリーンセンター・飛灰86900Bq/Kg(0722)
いわき市
北部清掃センター・飛灰23000Bq/Kg(0722)
南部清掃センター・飛灰21300Bq/Kg(0722)
南相馬市
クリーン原町センター・飛灰49700Bq/Kg(0726)
伊達市(国見町、桑折町、川俣町含む)
清掃センター・飛灰66200Bq/Kg(0722)
二本松市(本宮市、大玉村含む)
もとみやクリーンセンター・33900Bq/Kg(0722)
会津若松市(磐梯町、猪苗代町など会津若松地方広域市町村)
環境センター・18410Bq/Kg(0722)
データが多いので、幾つかの市町を省略

茨城県
全般的に高い値が出ています。市ごとに表します。
日立市
清掃センター・飛灰17300Bq/Kg(0817)
土浦市
清掃センター・飛灰12100Bq/Kg(0711)
北茨城市
清掃センター・飛灰10400Bq/Kg(0711)
つくば市
クリーンセンター・飛灰6000Bq/Kg(0711)
ひたちなか市
勝田清掃センター・飛灰15900Bq/Kg(0711)
那珂湊清掃センター・飛灰13800(0711)
阿見町
霞クリーンセンター・飛灰16200Bq/Kg(0711)
龍ヶ崎市
くりーんプラザ龍・飛灰19300Bq/Kg(0711)
守谷市
常総環境センター・飛灰31000Bq/Kg(0711)
小美玉市
クリーンセンター・飛灰12000Bq/Kg(0714)
データが多いので幾つかの市町を省略


幾つか特徴的なことをあげてみると、ひとつに宮城県全般の焼却灰の汚染度よりも、
岩手県一関市、奥州市の方が高いことがあげられます。これらはともに内陸の市で
津波被害とは無関係です。沿岸部のものがいくらか運びこまれたことはあったと
しても、基本は内陸ででた一般ゴミからこれだけの放射能が出ているわけです。

秋田県は全般的数値が低めですが、山形県では山形市が高くそのほか、東根市で
3500Bq/Kg、寒河江市で2050Bq/Kgといった値が出ています。
福島県はやはりかなり高いです。比較的汚染が少ないとされている会津若松市でも
非常に高い値が出ています。
茨城県は全般的に非常に高いです。最も高いのは守谷市で31000Bq/Kgです。

ともあれどこもかしこも、一般廃棄物の焼却で、このようなもの凄く高い値の
放射性セシウムが飛灰の中から計測されているのですから、もはや「がれき」云々の
問題ではなく、廃棄物一般の焼却が危険になりながら、平然と繰り返されてきた
ことが分かりますが、大変、気になるのは、それぞれの焼却場の職員に対する
放射線防護の措置がどれだけとられているかです。

同時に、灰を排出し、運搬し、埋め立てる・・・いや今上げた多くが埋め立てが
できずに保管などの処置がなされたはずですが、その処理過程はどうなったのか。
また日々、こうした焼却が行われているわけで、これらの焼却灰は一体どうなった
のか、端的に言えば、そのどの過程でもずさんな管理がなされ、作業員が被曝し、
環境に放射性物質が漏れ出してしまっているのではないか。この点も気になる
ところです。

あるいはこれらの焼却場の炉にそれぞれバグフィルターがついていたのか。また
環境省の見解から、実証実験などなしに焼却が行われてきたことは明らかで、
何らかのモニタリングをしたのか否か。したとした場合、どのような方法でなされ
たのか。これらの点も非常に気になります。
これらについてデータのありどころを知っている方は、ぜひご一報ください。


ともあれこれらの数値をみるだけでも、もの凄く膨大な量の放射性物質が、すでに
焼却され、一部は大気に漏れてしまい、一部は炉内を汚染して残り、一部は灰に
超濃縮されて存在していることが分かります。放射性物質はそれぞれが崩壊して
放射線を出す能力を減らしていくのを待つしかないので、当たり前ですが、焼却で
減るわけはありません。当然、高濃度に圧縮した灰が次から次へと生まれている
わけです。この管理もまたこれまでまったく想定されていなかった大変な仕事です。
厳重な保管が必要であり、これまでの最終処分場に投げ入れるなどもっての他です。

ともあれはっきりとしているのは、ゴミ処理過程が巨大な放射能濃縮過程になって
いるということです。今、何らかの対策を採らなければ、このゴミ処理過程にそって
放射線による健康被害が出てしまいます。いやすでに出ている可能性が高くあります。

データの分析を続けます。













コメント (1)
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