明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(896)昨夏、がれき撤去で福島原発から膨大な放射性粉じんが飛んでいた!

2014年07月19日 06時00分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140719 06:00)

イスラエル軍の地上侵攻で多くの人が胸を痛めています。僕自身、今日は午後7時から、亡くなった方の追悼とイスラエルへの抗議の意志を表すために京都・三条大橋でピーススタンディングビジルに参加します。
しかしそうこうしているうちにも原発問題でも大変なことが次々に起こっています。とくに川内原発の再稼働に向けた動きが重要ですが、数日前に、昨年、福島原発から大量の放射能が空中に飛散していたというとんでもない情報が流れました。
そのことに関する記事を書きかけたまま、パレスチナの事態に対応していたのですが、このことも極めて重要なので、再度、リライトして出すことにしました。

この問題をスクープしているのは朝日新聞です。青木美希さんという記者さんが、頑張って連投してくれています。
それによるとなんと昨年8月、福島第一原発で行った「がれき撤去」作業時に膨大な放射性粉じんが発生し、避難区域を越えて、50キロ付近にまで拡散していた可能性が高いというのです。大変なことです。新たな放射能被曝事故の発生と捉えるべきです。
朝日新聞は16日付けの紙面で一面トップで扱いましたが、確かにこれは責任者が厳しく処罰されるべき大事故です。にもかかわらずこの重大事件が国と東電によって1年近くも隠されていました。多くの人々が被ばくさせられたに違いないのにです。

このことを考えると昨年、安倍首相がブエノスアイレスで行ったオリンピック招致発言の犯罪性がよりクローズアップされてきます。
「原発は完全にコントロールされている」云々というものですが、発言が行われたのは9月7日でした。これに対して問題の放射性物質の大量飛散が行ったのは8月19日。つまりオリンピック候補地が最終決定する直前にこの事故は起こっていたのです。
これほどの大事件を政府が知らなかったはずはありません。しかしオリンピック獲得のために隠された可能性が非常に高いです。そのことで東京電力は再び三度、明確な傷害行為を免罪され、政府にかばわれてしまったのです。

深刻なのは事故が隠蔽されたために、ただちに被曝対策や調査がなされなかったことです。毎日新聞の7月14日の報道によれば、東電の発表でも最大で4兆ベクレルの放射能が飛散したと伝えられており、住民の緊急被曝対策が絶対に必要でした。
妊婦さんや子どもたちを避難させる必要があったし、外出を控えること、雨に当たらないこと、うがい、手洗いを徹底化するなどなど、少しでも大量飛散した放射能を避ける必要があったのです。
さらにどれだけの被害が出たのかの調査もする必要がありました。ホールボディカウンターでの調査、尿検査など、この時期に集中して行えば、被曝実態の一端が明らかになったはずです。

もちろんそれを行えば、東京オリンピックは絶対に獲得できなかったでしょう。つまりオリンピック=開発利権のため、またも福島の人々、放射能の流れた地域の人々が犠牲にされたのです。人権侵害そのものです。傷害行為そのものです。
この重大事故の一年にわたる隠蔽は、安倍政権が福島の人々の安全や幸せなど一顧だにしていないことを再び明白にするものです。これほどひどい放射能漏れが起こっていながら、この方はどうしてあれほどの嘘をつけるのでしょうか。嘘をつくことへの倫理的歯止めがまったくないのでしょう。
私たちは再び三度、こんな大嘘つきな首相と、それをかついでいる自民公明政権が存在していることそのものが、私たちの明白な危機であることを自覚する必要があります。膨大な放射能が漏れようともこの政権は住民に伝えようとはしないのです。こんな政権を少しでも信用していたらもっととんでもない目にあいます。

もう少し詳しく見ていきます。放射能漏れの隠蔽を最初に気が付いたのは農水省穀物課でした。原発から20キロ圏外の福島県南相馬市の14か所の水田で作られ、昨秋に収穫されたコメから、政府の基準、1キログラムあたり100ベクレルを越えるセシウムの汚染が発見されました。
農水省は保管していた稲穂を調べ、汚染が均一ではなく、8月中旬から出始めた穂に集中していることに着目。この時期に放射性物質の飛来があったと判断して1月に原子力規制庁に相談。3月に気象庁気象研究所に問い合わせて「20キロ程度は飛散し得る」との回答を得ていたといいます。
では何があったのかというと、8月19日に福島原発3号機の大型がれきをクレーン車で撤去する際、その下敷きになっていた大量の放射性物質を含む粉じんが舞い上がってしまったのだそうです。それだけで4兆ベクレルもの放射性物質が飛散してしまったのでした。

農水省は今年3月に東電に再発防止を要請したものの、情報を明らかにせず、被曝の隠蔽に手を貸してしまったのですが、大変、恐ろしいのはこうして飛散した放射性物質が、福島3号機の直近にあったものだということです。
端的に言ってセシウムだけでなく、プルトニウムをはじめとしたさまざまな危険な核種、しかもきわめて測定のしにくい核種が大量に舞った可能性が高いです。
しかも京大による調査によって、このとき飛散した放射性粉じんが、50キロ付近にまで飛んでいた可能性が高いことも明らかになりました。原発から北西48キロの相馬市で集めた大気中の粉じんからもそれを示す値が検出されたのです。

さらに重要なこととしてあるのは、この事態を東電がまたしても居直っていること、政府がかばって隠蔽しているため、何の反省もしておらず、そのため今後同じこと、いやそれ以上の粉じんの飛散を繰り返す可能性が高いことです。
具体的には、放射性粉じんの飛散を抑えるために福島原発一号機を覆っていたカバーを、作業の進捗にあわせて、近いうちにはずすことが計画されているのです。もともと粉じんを抑えるために設置したカバーですから、その中にある放射性物質が飛び出してきてしまうことは確実です。
しかし住民を手酷く被曝させたことが一度も咎められず、しかもどう考えても飛散させたことが分かっていたことは確実ながらそれを黙っていたことも咎められないこの会社が、丁寧な飛散対策をするはずがありません。事実、昨年8月の飛散の調査も反省もされままカバー外しが行われようとしているのです。

このことが意味するのは原発から少なくとも50キロ圏内に住まう方々に、非常に大きな危険が迫ってきているということです。可能な方は避難することを強くお勧めしますが、それができない方がたくさんおられるのも現実です。
ではどうしたら良いのか。あらゆる市民的検査機器をフル稼働して飛散に備え、放射線値の急な上昇があったときは、いつもにもまして徹底的な被曝防護を行うことです。それだけで大丈夫とはまったく言えないのですが、せめてもそれを行って欲しいです。
同時にやはりその周りにいる私たちが、この問題で東電と政府を批判し、責任者を処罰させ、福島原発収束作業の過程での放射能漏れ対策をもっと手厚くさせることを求めることが重要です。

朝日新聞のスクープは少しでも歯止めになるのではないかと思われ、感謝したいですが、さらに民衆的な行動が必要です。
しかしこう書きながら、正直、ため息が出る思いもあります。私たちの住まう世界で、今、イスラエル軍が地上作戦を展開し、子どもたちを含むパレスチナの人々が酷く殺されてしまっている。何としても助けなくてはいけない。
一方で政府は集団的自衛権の行使に走っており、同時にこれと連動しながら秘密保護法の強行にも向かっています。それらとも対決しなくてはならない。原発再稼働も許してはならないし、原発輸出も止めなくてはいけない。やらねばならないことが目白押しです。

パレスチナでの人権蹂躙、命の簒奪はあまりにひどいですが、しかし私たちの国の中でも、繰り返し人権蹂躙の放射能被曝の強制が起こっており、福島の人々がさんざんに痛めつけられているのです。構造的虐待です。なんとしても止めたい。
しかしやるべきことは本当に多く、幾つ身体があっても足りない。・・・でも僕は思うのです。だからこそよりたくさんの人が覚醒するべきときが来たのだと。圧倒的に手が足りないからこそ、多くの人々が立ち上がるべき日々が今なのだと。
そのためにはため息を飲み込み、各地の頑張りを互いにのぞいて、励ましあい、何度も心を温めあって歩むことが必要なのだと思います。世界中の人々とそういうエールを交換しあいたいです。

共に、支えあって、前に進みましょう!


以下、非常に重要なので、朝日新聞の一連の記事と、毎日新聞の記事を貼り付けておきます。記録としても残しておくためです。長くなりますがご容赦下さい。
(メルマガ配信の方には通信を短くするために以下は割愛します。ブログに掲載しますのでぜひそちらでご覧下さい)

*****

原発がれき撤去、50キロ先の住宅地にも粉じん セシウム6倍 昨夏、京大調査
朝日新聞 2014年7月16日05時00分
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11245423.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11245423

東京電力が昨年8月に福島第一原発で実施したがれき撤去作業で放射性の粉じんが20キロ以上離れた避難区域外の水田に飛散した可能性が指摘されている問題で、この時の放射性の粉じんがさらに50キロ付近まで飛んでいた可能性が高いことが京大研究グループの調査で分かった。
今後も実施していく撤去作業による汚染が広範囲に及ぶ恐れを示すものだ。

調査したのは、京大大学院医学研究科の小泉昭夫教授(環境衛生)ら5人。住民の被曝(ひばく)量を予測するために2012年9月以降、福島県内の住宅地の3地点に空気捕集装置を置いて大気中の粉じんを集め、1週間ごとに放射性セシウム濃度を測定してきた。
このうち原発から北西48キロの相馬市で集めた昨年8月15~22日分から、他の時期の6倍を超す1立方メートルあたり1・28ミリベクレルの放射能を検出。北北西27キロの南相馬市では20~30倍だった。西南西22キロの川内村では変化がほぼなかった。
小泉教授らは(1)原発の北西や北北西で放射能濃度が上がり、西南西で変化がほぼないことは当時の風速や風向きによる放射性物質の拡散予測に一致する
(2)大気中から集めた粉じんの粒子は比較的大きく、第一原発のような放射性物質が密集する所に長くあるうちに大きくなったと推測される――などから第一原発でこの時期に行ったがれき撤去で飛散してきたとみている。

さらに南相馬市の地点では昨年5、6月にも1度ずつ粉じんのセシウム濃度が急上昇した期間があり、この間にも撤去作業で飛んだ可能性があると分析。小泉教授らは今年3月、「第一原発のがれきが汚染源とも考えられる」とする報告書を環境省に提出していた。
東電は昨年8月19日に第一原発3号機で大規模ながれき撤去を実施。20キロ以上離れた南相馬市の水田で収穫されたコメから基準超のセシウムが検出され、農林水産省から飛散防止を要請されていたことが14日の朝日新聞報道で発覚した。
東電は記者会見で撤去作業との関係は不明としつつ、「ご迷惑をかけた」と謝罪。当時の放出量はふだんの1万倍以上にのぼり、4時間で最大4兆ベクレル(試算)だったと発表した。
東電は今月下旬に1号機を覆うカバーを解体し、大規模ながれき撤去に入る方針だ。飛散防止剤を多くまくとしているが効果は不透明で、詳細な作業日程や放射線量の公表を求める声が出ている。(青木美希)

*****

がれき撤去で20キロ飛散の恐れ、説明せず 国や東電
朝日新聞 2014年7月14日09時30分
http://digital.asahi.com/articles/ASG7F51M7G7FUUPI009.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG7F51M7G7FUUPI009

福島第一原発事故から2年以上たった昨年8月のがれき撤去作業で、住民が暮らす20キロ以上離れた地域まで放射性物質が飛散した可能性を知りながら、国や東京電力は公表してこなかった。
今後も新たに飛散する恐れがあるのに、東電は詳細な作業日程の公開など十分な対策をとらないまま作業を進める構えだ。

福島県南相馬市で昨秋に収穫されたコメから基準超のセシウムが検出されたことを受け、農林水産省は今年2月、地元の農業関係者の会合で「現時点で原因は不明」と説明していた。
3月に東電に対してがれき撤去で飛散した可能性を指摘し、防止策を要請した後も地元には説明していない。

農水省穀物課は当初からがれき撤去で飛散した可能性があるとみて、1月に原子力規制庁に相談。3月に気象庁気象研究所に問い合わせ、「20キロ程度は飛散し得る」と回答を得ていた。
がれき撤去による飛散の可能性を地元に説明していない理由について、同省の担当者は「原因がはっきりした後で説明するつもりだった」と取材に語った。

国は南相馬市の作付け制限を今春に緩めてほぼ全域でできるようにしたが、地元には「基準超のセシウムが検出された原因が不明のままなのに時期尚早」との疑問もあり、作付け農家は昨年の約160戸から半減。
ある農家は「自分で原因を調べてきたが分からなかった。3年前の事故ではなく、がれきの撤去で新たに飛んできた可能性があるとは信じがたい。情報がほしい」と取材に語った。
市農政課は「農水省ががれき処理が原因とみて東電に要請したこと自体、知らなかった」としている。

■東電、抜本対策なく再開方針

東電は抜本対策をとらないまま撤去を再開する方針だ。近く予定するのが1号機建屋カバーの解体。1号機は放射性物質の飛散を抑えるため2011年10月にカバーで覆った。
がれきを撤去するにはカバーの解体が必要で、その際、3号機よりも多くの放射性物質が飛散する恐れがある。
東電は昨年8月19日の3号機のがれき撤去で放射性物質が飛散したことを受け、より危険性の高い1号機での作業を半年以上凍結して飛散防止策を練ってきた。
カバーごとコンテナで覆って撤去作業をする抜本対策も検討したが、見送った。工期の遅れやコスト増を避けたとみられる。飛散防止剤をより多くまくなど応急対策をまとめたが、効果は不透明だ。

国は今年4月に田村市で20キロ圏内の避難区域を解除し、次に川内村で解除を目指す。今年から帰還困難区域以外での作付けを認めたため、避難区域内の水田に通い始めた農家もある。
第一原発で働く40代作業員は「避難区域解除で住民が戻り始めたので、東電は飛散問題を起こさないようにピリピリしている」と明かす。
さらに「作業日程や線量の変化を細かく公表すべきだ。コンテナを設置してカバーごと覆えば安全だが、数百億円かかる。国が費用を出し、第三者が安全対策を管理することも必要だ」と指摘する。(青木美希)

*****

がれき撤去で飛散、コメ汚染 福島第一の20キロ先
朝日新聞 2014年7月14日07時22分
http://www.asahi.com/articles/ASG7F4JF9G7FUUPI005.html?ref=reca

東京電力福島第一原発で昨夏に実施した大規模ながれき撤去作業で放射性物質が飛散して、20キロ以上離れた福島県南相馬市の水田を汚染した可能性を農林水産省が指摘し、東電に防止策を要請していたことが分かった。
福島県は「他の要因は考えられず、がれき撤去の可能性が限りなく高い」としている。東電は要請を受けて撤去作業を凍結してきたが、広範囲に飛散した可能性を公表しないまま近く再開しようとしている。
 
原発から20キロ以上離れた南相馬市の避難区域外の水田14カ所と、20キロ圏の避難区域内の5カ所で昨秋に収穫されたコメから基準値(1キロあたり100ベクレル)超のセシウムが検出された。
農水省が調べたところ、放射性物質は8月中旬に出始めた穂などに局所的に付着。事故当時に飛散した放射性物質を土壌から吸い上げたのなら均一的に検出されるため、穂が収穫された9月末までの間に新たに飛んできたものと分析した。
この間の8月19日、東電が第一原発3号機の大型がれきをクレーン車で撤去する際、がれきの下敷きになっていた放射性の粉じんが飛散し、別の場所にいた作業員2人が被曝(ひばく)して頭部から最大1平方センチあたり13ベクレルが検出された。
この時、風下の北北西方面の5カ所の測定点(原発から2・8~8・3キロ)でも空間線量が上昇し、福島県はがれき撤去による飛散が原因と推定していた。

農水省は①コメからセシウムが検出された南相馬市はさらに風下にあたり、8月19日のSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の計算では3時間で達する②基準超が複数検出されたのは同市だけ
③前年度は同地域のコメから基準超は検出されていない――などの理由から、8月19日のがれき撤去で飛散した可能性があると判断。
今年3月に東電に再発防止を要請した。東電は「どこまで飛散したか把握していないが、防止対策に取り組みながら近く作業を再開する」としている。
東電は3号機のがれき撤去を終えたが、高線量のがれきが残る1号機は手つかずで、建屋を覆ったカバーを近く解体する方針だ。
「最も早く作業が進む方法だが、放出量は増える」とし、飛散防止剤の散布を増やして対応するという。それでも天候や風向き次第でどこまで飛散するかは不透明だ。
村山武彦東工大教授(リスク管理論)は「飛散の可能性を情報提供するのが大前提だ」と指摘する。(青木美希)

*****

福島第1:放出量は最大4兆ベクレル がれき撤去で東電
毎日新聞 2014年07月14日 22時38分(最終更新 07月14日 23時51分)
http://mainichi.jp/select/news/20140715k0000m040129000c.html

東京電力福島第1原発で昨年8月のがれき撤去時に放射性物質が飛散し、20キロ以上離れた福島県南相馬市の水田を汚染した可能性がある問題で、東電は14日、同原発からの放射性セシウムの総放出量を最大4兆ベクレルと試算していたことを明らかにした。しかし「かなり大づかみな計算」として公表せず、市にも伝えていなかった。
東電によると、敷地内や同県双葉、浪江町のモニタリングポストで実測した空間放射線量の上昇度合い、気象データを基に放出量を試算。がれき撤去で放出されたのは1時間当たり1000億?1兆ベクレルで、放出時間は計4時間と推定した。4兆ベクレルは、事故後の福島第1原発から1日に放出される放射性セシウムの1万倍以上に上る。
南相馬市には、セシウムが最大で1平方センチ当たり0・04ベクレルが沈着したと見積もった。東電は「極めて微量な放射性物質が南相馬まで到達した可能性は否定できない」と説明しつつも、同市のコメから基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超えるセシウムが検出されたこととの因果関係については「事故直後の放射性物質によるものかもしれず、断定できない」としている。
東電は農水省の要請で、この試算を実施。4月に農水省に結果を伝え、6月には県にも情報提供したという。【岡田英】

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(895)良心的兵役拒否をつらぬくイスラエルの若者たちの思いをシェアしよう!

2014年07月18日 21時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140718 21:30)

記事のあまりの連投は気が引けるのですが、非常事態発生中ですのでどうかお許しください。

イスラエル軍の地上侵攻により戦闘が激化しています。
NHKが7月18日19時17分に配信したニュースによれば、地上作戦はイスラエルとパレスチナの境界線から500メートルガザに侵攻した地点で重点的に行なわれているとイスラエル軍が発表しているそうです。
すでに20基のロケット発射台とトンネル9本を破壊したそうですが、同時に地上戦が始まって以来、パレスチナ側で、子どもを含む23人が殺されたそうです。イスラエル兵1人も殺害されました。
これでイスラエルによる一連の攻撃でガザ地区で亡くなった方は254人になってしまいました。けが人はおよそ2000人に上っていると言われています。

とにかく「イスラエル軍は殺人戦闘をやめよ、ただちにガザから撤退せよ」という声を全世界であげ、一刻も早くこの惨劇を止めたいです。
そのためにパレスチナのラジ・スラーニさんへのインタビューを紹介しましたが、イスラエルの若者たちの声を集めた短いビデオが回ってきたので紹介します。わずか2分16秒ですが素晴らしいメッセージが詰まっています。
ユダヤ人の側にも、イスラエル政府と軍の蛮行に胸を痛め、共犯者となることを拒否し、軍の侵攻を止めようとしている人たちがたくさんいるのです。

イスラエル軍の圧倒的な暴力に心の中まで侵攻され、無力感に打ちひしがれてしまわないためにも、イスラエルの若者たちの胸を打つメッセージをシェアすることを訴えたいと思います。
なお初めに一言、説明を加えておきます。ビデオの冒頭で若者たちが「わたしはシュミニスティム(SHMINISTIM)です」と語っています。初めは意味が分からなかったのですが、もともとヘブライ語で「12年生」をさしている言葉だということが分かりました。
日本と同じで小学校6年、中学校3年、高校3年を経て、卒業を迎える若者たちのことなのですが、イスラエルでは若者たちは卒業と同時に兵役につかねばならないのです。
ところがこの若者たちは兵役を拒否しました。その自分たちを指す言葉が「シュミニスティム(SHMINISTIM)」なのです。このことを頭に入れた上で、以下のサイトから若者たちの声をお聞きください。

イスラエルの良心的兵役拒否者 シュミニスティム(Shministim)
http://december18th.org/

この若者たちの声を日本語に翻訳してくれている方がいたので、サイトのアドレスを記したうえで、転載させていただきます。
なお、タイトルが「兵役を拒否し、刑務所入りを望むユダヤ人の若者たち イスラエル」となっていますが、ビデオの中で若者たちは「刑務所入りを望む」とは言っていません。
むしろ彼ら彼女らを支援し、イスラエル政府に投獄を止めるように求める署名へのサインを求めているので、このタイトルはちょっと違うのではという指摘もあったこともご紹介しておきます。
それでもとてもありがたい翻訳です。どうぞ若者たちのビデオ映像を見ながら、該当箇所をお読み下さい。

***

兵役を拒否し、刑務所入りを望むユダヤ人の若者たち イスラエル
http://www.vidqt.com/id/01fJFUf_vL8?lang=ja

わたしの名前はサハル・バルディです。18歳です。わたしはシュミニスティムです。 
わたしの名前はズュバル・ウォンです。19歳です。わたしはシュミニスティムです。 
わたしの名前はオマーン・ゴールドマンです。19歳です。わたしはシュミニスティムです。 
わたしの名前はマヤ・ヤハイリビンです。19歳です。わたしはシュミニスティムです。 
シュミニスティムはヘブライ語で12年生を意味します。わたしたちはイスラエルの良心的兵役拒否者です。それはイスラエル軍に勤めることを拒否したことを意味します。 
なぜなら彼らは他の人々、パレスチナ人を占拠していますから。パレスチナの子供たちは検問所のために学校へ行くことができません。 
あるいは医療を受けさえできません。多くの若いパレスチナ人が理由なく刑務所に行きます。彼らの多くが殺されました。あるいは彼らの家が破壊されました。 
イスラエル政府はこの政策がわたしたちを安全に保っていると言います。しかしパレスチナ人に彼らの基本的人権を与えることを拒否することは、わたしたちを危険にさらしました。 
それは非合法です。それは間違っています。それは不道徳です。それはわたしの個人的な信念に反しています。 
それはわたしの基本的な価値感に反しています。それはわたしの価値観に反しています。 
それがわたしたちが良心的兵役拒否者である理由です。 
それがわたしが良心的兵役拒否者である理由です。 
わたしたちは12年生です。 
わたしは12年生です。 
わたしたちは軍に勤めることを拒否したという罪状で刑務所に入れられています。わたしたちはあなたの支援を必要とします。どうか署名してください。 
そしてあなたのすべての友人に話してください。パレスチナ人・イスラエル人・ユダヤ教徒・イスラム教徒・キリスト教徒・無神論者・みんな。 
わたしたちはただ一緒に立ち上がるために、暴力に対して、圧迫に対して、誰がそれをするかにかかわらず。 
平和のために立ち上がってください。共存のために。わたしたちのような子供たちの本当の未来のために、すべての場所で。 
今日署名してください。 
どうか今日署名してください。

***

なおこのキャンペーンが、アメリカ在住のJewish Voice for Peace (平和のためのユダヤ人の声)というグループによって支えられていることも分かりました。
Jewish Voice for Peaceは、今まさに行われているイスラエルの地上作戦に対しても、懸命になって批判を行っています。以下、サイトを紹介します。

Jewish Voice for Peace
http://jewishvoiceforpeace.org/

ここに示されたのはイスラエルの若者たちの良心であり、心から平和を望むユダヤ人たちの声です。
世界を、何人だとか、何教徒だとか、何族とかで、分けて見てしまってはいけない!
あまりにも当たり前のことですが、どこの国の人であろうと、どの宗教に属していようと、どの部族の成員であろうと、平和を愛し、正義と公正を尊重し、人と人が友愛と助け合いで結びつくことをこそ望む人々はたくさんいます。
その思い、心、努力をこそ、つなぎ合わせることが今、問われています。ともに戦争の時代、野蛮な人類史前史を終わらせるために!

おりしもウクライナ上空でマレーシア航空機が対空ミサイルによって撃墜されるというとんでもない事件も勃発しました。
ことの真偽はまだ分かりませんが、世界全体が暴力化しつつあることは確かです。だからこそ私たち、平和を愛する全世界の人々の「平和力」とでも言うべきものの結集が、とても重要になっています。
平和への思いをシェアしあい、互いに心を温めあいもし、そうして暴力に立ち向かっていきましょう!

未来への可能性を感じさせてくれるイスラエルの若者たちの勇気に拍手!感謝です!

***

再度、明日19日の行動をお知らせしておきます。
イスラエルの戦闘によって亡くなった方たちを弔うとともに、イスラエルの殺人戦闘に抗議するピーススタンディングビジルを、午後7時から京都市の三条大橋で行います。
またこの前の時間帯、夕方午後5時から7時まで、パレスチナ問題に詳しい京都大学の岡真理さんの講演が、出町柳の「かぜのね」で行われます。お近くの方、ぜひあわせてご参加下さい!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

For Tomorrow(894)Israel, Stop indiscriminate killings!

2014年07月18日 10時00分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

By MORITA (20140718 10:00)

Dear friends,

The Israeli military began a ground offensive in the Gaza Strip on Thursday night.
We must save Palestinian.
So, we have decided to express our voices on the streets in Kyoto city.

Please join us.

You can see more information below.

***

Dear all,

Israel continues to bombard Gaza with missiles in the center of concentrated residential areas, even in day light, massacring civilians indiscriminately.
Two million people are exposed to this attack, due to the illegal blockade started since 2006. With the recent attack more than 200 people, including children, were killed.
This is the third attack in five and a half years, the first occurred at the end of 2008.  These insane massacres repeat in front of us.
We have decided to express our voices on the streets,  “Israel, Stop indiscriminate killings!” “Stop The Blockade!”

On 19th July between 19 and 20:30 hrs on the Kyoto Sanjo Bridge (Sanjyo Ohashi), we will perform standing peace vigil to mourn all the victims who were killed and to demonstrate against the genocide by Israel. We will stand with candles and messages. Please join us.
We encourage everyone to wear black, as much as possible.  Please bring along your messages on a large paper or on board as much as possible.  We will prepare the candles, your own are also welcome.
We will stand even in the rain.

Peace Walk Kyoto
Tsubame (Swallow) Club

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(893)この状況に前例はない―パレスチナ、ラジ・スラーニ氏インタビューから考える!(下)

2014年07月18日 09時00分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140718 09:00)

複数の報道が告げるところによると、昨夜17日、イスラエル軍がとうとう地上侵攻を開始しました!大変、深刻です。
昨日、掲載したラジさんのインタビューの中で、次のようなことが語られていました。
「イスラエル軍がガザに侵攻したら、何千人という兵士が殺されます。一方、ガザ住民は少なくとも1万から1万5千人が殺されることが推定されます。」
「だからイスラエルの軍や諜報部門は侵攻を望んでいないのですが、政府が圧力を加えています。」

ラジ氏は地上侵攻ではたくさんのイスラエル兵も死を免れないため、軍が嫌がっていたにも関わらず、政府が圧力を加えてきたことを指摘しています。
さらにガザ住民が少なくとも1万から1万5千人の殺される可能性があるという。「少なくとも」です。
その軍事侵攻がついに昨夜から始まってしまいました!今すぐ「攻撃を即時やめよ」「侵攻したイスラエル軍は撤退せよ」との声を上げましょう。
パレスチナの危機は深まりゆくばかり。今こそ平和をのぞむすべての人々が努力すべきときです。

以下、ラジさんインタビューの後半をお届けします。

*****

「子どもたちの眼に羞恥ではなく、“誇り”をみたい」
―ラジ・スラーニ氏・インタビュー (7月10日)―(下)
土井敏邦

(Q・薬品や食料が不足しているとのことですが、説明してください)
ガザの保健省の大臣が昨日(7月9日)私のところに電話をしてきて、病院で必要な医薬品の種類の25%が不足しているとのことでした。さらに他の25%も明日までに底をついてしまうというのです。
今朝(7月10日)までの負傷者は520人です。その負傷者のすべてに薬品や手術、縫合糸が必要です。その基本的な薬品がないのです。とても深刻な状況です。
いつもなら、エジプトとの国境が開かれ、エジプトやトルコやチュニジア、フランス、英国から医薬品や医者や看護師など医療関係者たちがエジプトから入ってくるのですが、今は誰も救援に来ません。
国境が封鎖されているからです。もちろんイスラエル側の境界からも入ってこれません。だから殺戮、負傷、破壊がさらに深刻なレベルとなっているのに、明日(7月11日)までに医薬品の種類の50%が底をついてしまうのです。

ICRC(赤十字国際委員会)ガザ支部の幹部と昨日話をしましたが、2、3日の間に医薬品を搬入しようと試みていますが、それはわずかな量で、不足している薬品全てを補うものにはならないとのことでした。それさえできなければ、深刻な事態になります。
それ以外にも、手術や透析のための電気が不足しています。またガザ全体が燃料不足の状態です。だから事態はとても複雑な状況です。これは人工的に生み出された大惨事です。


(Q・食料は?)
今のところ、食料は大丈夫です。もちろんいい状況ではありませんが、人々はなんとかしのいでいます。ガザ地区では野菜や果物などが生産できます。しかし長期的にはわかりません。
イスラエル側から物資が入ってくる検問所は今、機能していません。だからまもなくこの問題が深刻になるでしょう。ガザ住民の85%に食料を配給している UNRWA(パレスチナ国連難民救済事業機関)は深刻な危機にあります。
深刻な財政難のためであり、食料を搬入できない状態です。すぐに食料配給ができない状況に追い込まれます。しかも今はラマダン(断食月)です。

 
(Q・ラファとエジプト側との地下トンネルはどういう状況ですか。機能していますか。イスラエルがトンネルも爆撃していると聞いていますが) 
全体としてトンネルは機能していません。物資の搬入は枯渇しています。この2、3日間、ガザ・エジプト間の14キロの国境線沿いの地域全体をイスラエル軍は爆撃しています。しかも特殊な爆弾によってです。とても大きな重量の爆弾です。

 
(Q・外国のジャーナリストはガザにいるのですか)
昨日から外国人の存在を確認できました。昨日になってやっとできたのです。BBCワールド、BBCチャンネル4、BBCラジオ、それに「シュピーゲル」など ドイツのメディアなどです。
だから昨日から外国のメディアの存在について話ができるようになりました。特派員たちがガザ に入ってきています。

 
(Q・2012年 のガザ攻撃と今回では何か違いがありますか)
空爆のレベルも質も違います。今回はF16、ドロン(無人飛行機)、アッパッチ・ヘリコプター、地対地ミサイル などあらゆる武器を用いています。
また標的もガザの指導者たちの大半の家を攻撃しています。すでに125軒のハマス指導者たちの家が破壊されました。ハマス指導者たちは誰もがその家を破壊され、さらに死傷者が出ています。
もちろん2012年のガザ攻撃もひどいものでした。しかし今回は住民を心底からの 恐怖に陥らせています。前回はイスラエルも一般市民の被害を避けようと注意を払っているようでした。
しかし今回は誰もが この攻撃から自由にはなれないのです。自分の家に留まっていたとしても、比較的静かな地区に住んでいても、家が空爆の衝撃で揺れるのです。家の天井が自分の頭上に崩れ落ちるのでは感じるほどです。非常に危険な状況です。
この状況は前例はありません。こんな事態に直面したことがありません。


(Q・なぜイスラエル軍はハマスの指導者たちを攻撃できるのですか。情報をイスラエル側に流すパレスチナ人の「協力者」がいるのですか)
「協力者」(collaborator)はいつでも存在します。占領者がいる所には必ず「協力者」がいる。彼らが占領者イスラエルの眼、耳、鼻、手となっています。
とりわけF16やドロンには協力者が必要です。「協力者」たちは標的の家や車を特定 します。その動きや武器倉庫などの情報をイスラエル側に流します。
イスラエルはハマスやイスラム聖戦の メンバーたちに「死刑判決」を下し、それを実行しています。しかもそれを彼らの権利だと思っている。
例えばラジ・スラーニを殺そうと思えば、私の家を爆撃し破壊する。そして家族を殺す。これは戦争犯罪です。誰も暗殺する権利はないのです。
組織の指導者たちを「懲罰」するためにこれほど冷血な手法で殺害し、家を破壊することは許さないことです。ジュネーブ条約や国際刑事裁判所でもこれは戦争犯罪です。これは全く違法な行為です。

 
(Q・世界の眼はイラクやシリア情勢に向き、ガザの情勢だけに注目しない状況です。また3人のイスラエル人少年の誘拐と殺害が事の発端であると報道されています。このような国際社会の見方にあなたはどう反応しますか)
シリアやイラクの問題はあります。イエメンやエジプトやチュニジアの問題もあります。パレスチナだけが特別な問題ではないことはわかっています。
しかし我われはこのタイミングを自ら選んだわけではありません。
もう1つ忘れていけないのはブラジルでのワールド・カップです。世界の関心がそこに向かっている時期です。

しかし私が腹の底から感じるのは、今のガザの状況の特別な“空気”です。一般に国際社会が事態を理解するのに2、3日を要します。今ここで起こっている事態を国際社会がやっと把握し始めています。
今回のようにテルアビブやエルサレム、 昨日のディモナ(イスラエルの核施設のある町)、ハイファへのパレスチナ側のロケット弾攻撃はこれまでにない事態です。
テルアビブはマヒ状態にあります。多くの市民がシェルターに隠れ、この3日間は学校や仕事に出られない状態です。イスラエル人はこの事態に怒っています。

彼らは今ジレンマに陥っています。セキュリティー(安全)に不安を感じ、今は「抑止力」について話を始めています。しかし誰も抑止できないのです。
ガザからのロケット弾攻撃はずっと続き、ガザ住民は降伏もしません。自分たちの強靭さを自覚しています。もちろん住民はイスラエルの攻撃に苦しみ、恐怖に怯えています。

しかし同時に、この攻撃を甘受し何の抵抗もしない「いい犠牲者」でいいと思っている者はだれもいません。中にはこの被害を自分たちが求めているものを手に入れるための“代償”なのだと考える者さえいます。我われは「いい犠牲者」にはなりません。

他のアラブ世界からも連絡が届いています。エジプトからもです。この2日間に驚いたことにエジプトの知人から電話をもらいました。彼らは「パレスチナ・ガザへの連帯」と言うのです。
彼らもとても動揺し、とても後ろめたく感じています。これがパレスチナとそれを取り巻く“空気”です。パレスチナで起こっていることを誰も無視できません。これまでイスラエルといろいろ共謀してきた自治政府のアブマーゼン(大統領)でさえです。
西岸のパレスチナメディアも変わってきています。パレスチナTVは24時間体制でガザの状況を伝えています。西岸のメディアがです。

西岸の住民はガザ攻撃に抗議するデモをやり、イスラエルに対する抗議行動を起こし始めています。国連の安全保障会議では、私はナンセンスだとは思うけれど、協議が行われています。
国際刑事裁判所もイスラエルを非難し始めています。アブマーゼンはイスラエルを非難し始め、「この事態は決して受け入れがたいことだ。ひどすぎる」と公言しています。
彼はハマス指導者のメシャルと電話で会談し、またエジプト側に国境を開けるように要請しました。


(Q・昨日、あなたは私に「人間の尊厳が命より大切だ」と言いましたが、爆撃で家族を殺された住民の中には「ハマスのロケット弾攻撃のために自分たちはイスラエルの攻撃によって、さらに苦しまなければならない。
後生だから、ロケット弾で攻撃するのは止めてくれ」という住民も少なくないと思いますが)
もちろん多くのガザ住民は「人間の尊厳が命より大切だ」ということに賛同しないかもしれない。我われは弱い人間だし、個人の利益を最優先に考えがちです。「人間の尊厳が命より大切だ」というのは、私自身について言っているのです。
ただ私だけではく、私の周囲の理性的な人もそうです。この封鎖や攻撃の後は、ガザは“動物農場”のような状況です。封鎖、失業、貧困、分断、爆撃、殺戮、流血・・。
下水道も管理できず、下水を海に流さなければならず海を汚染している状態、自分の運命も自分で決められず、建設的な生活をすることもできず、普通の人間のように行動することもできない。
だからガザの人々はもう失うものはないのです。この悲惨な状況、非人間的な状況に置かれているのです。
私たちは今すぐにはパレスチナを解放できなことはわかっています。しかし少なくとも人々はイスラエルの抑圧と攻撃を甘受するだけで抵抗しない「いい犠牲者」ではありたくはないのです。
人間としての“誇り”と“強さ”を持ちたいのです。たしかに人々は流血し、気を失い、すべてを失ったという絶望感もある、それでも人々は自由と人としての尊厳を大切に思っているのです。
そして自分の子どもたちの眼に、羞恥ではなく、“誇り”をみたいと願っているのです。

終わり

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(892)この状況に前例はない―パレスチナ、ラジ・スラーニ氏インタビューから考える!(上)

2014年07月17日 19時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140717 19:30)

パレスチナが大変なことになっていますが、マスコミ報道では何かイスラエルとパレスチナ側のハマスなどが対等な戦争を行っているかのような書き方もしています。
とくにハマスが「ロケット弾」を撃つことと、イスラエルがF16からミサイルを撃ち込むことがどっちもどっちのように書かれてしまう場合も多い。しかし両者はあまりに大きな差があります。蟻とゾウほども違います。
この決定的な差異を踏まえないで「ロケット弾へも抗議を」という方もおられますが、僕はそれは違うと思います。それではイスラエルの行っている戦争犯罪が見えなくなってしまう。イスラエルはそれを狙ってもいます。

ではこの事態をどう捉えたらいいのか。まず大事なのは、イスラエルの暴力がどれほどすさまじいものであるかをパレスチナに生きる人々の目線から捉えていくことです。
しかもそれは長期化された封鎖の中で構造化されてきている。暗殺などが常態化されてもいるのです。今もハマスなど、パレスチナ側の武器をもって抵抗しようとしている人々は一様に暗殺の危機にさらされており、地下に潜行しているそうです。
ところがイスラエル軍は「それなら住民に恐怖を植えつけてやる」と称して、一般市民そのものを軍事的ターゲットにした攻撃を繰り返しているのです。まさしく非戦闘員の保護を無視した悪辣な戦争犯罪です。

私たちは、現場のリアリティを知らずに「ロケット弾」と「ミサイル」という単語を対比させてはならないと思うのです。まずは現地でどんなことが行われいてるかを知らなくてはいけない。
そのための文献を探していたところ、知人がパレスチナを取材してきたジャーナリスト、土井敏邦(どいとしくに)さんが、パレスチナに住まうラジ・スラーニさんにスカイプで緊急インタビューをした記事を送ってくれました。
それを読んで、これは今すぐ、できるだけたくさんの人とシェアする必要があると感じました。7月10日に行われたものです。

全体として、報道からは伝わってこないパレスチナの人々から見えるイスラエルの姿が彷彿としてくるのですが、僕が読んでいてとくに身体が慄然としたのは、今回の攻撃の特殊性を捉えた次のやりとりです。((下)に載せているもの)

***

(Q・2012年 のガザ攻撃と今回では何か違いがありますか)
空爆のレベルも質も違います。今回はF16、ドロン(無人飛行機)、アッパッチ・ヘリコプター、地対地ミサイル などあらゆる武器を用いています。
また標的もガザの指導者たちの大半の家を攻撃しています。すでに125軒のハマス指導者たちの家が破壊されました。ハマス指導者たちは誰もがその家を破壊され、さらに死傷者が出ています。
もちろん2012年のガザ攻撃もひどいものでした。しかし今回は住民を心底からの 恐怖に陥らせています。前回はイスラエルも一般市民の被害を避けようと注意を払っているようでした。
しかし今回は誰もが この攻撃から自由にはなれないのです。自分の家に留まっていたとしても、比較的静かな地区に住んでいても、家が空爆の衝撃で揺れるのです。家の天井が自分の頭上に崩れ落ちるのではと感じるほどです。非常に危険な状況です。
この状況は前例はありません。こんな事態に直面したことがありません。

***

ガザにはこれまでも本当にひどい殺人戦闘が行われてきており、僕の心の中にもなんとなく「またイスラエルの戦争犯罪が繰り返されている」という感じもあったのですが、今回、ラジ・スラーニさんはこう語っている。
「この状況は前例はありません。こんな事態に直面したことがありません。」他ではこうも言っています。「私は今60歳ですが、こんなことは私の人生の中で一度も経験したことがありません。」
・・・イスラエルの暴力に繰り返しさらされてきたパレスチナ住人が「前例がない」事態が起こっていると言っているのです。本当にとんでもないことが起こっているし、もっと恐ろしいことに向かっているのかもしれない。
なんというか、今まで以上に、必死になってイスラエルの殺人行為を世界中で批判しぬかないと、もっと膨大な死者が発生してしまうのではないかという恐ろしい予感すら湧いてきます。
だからこそ、事態の悪化を食い止めるために、まずはこうしたパレスチナの側の実感を私たちがシェアすることが大切です。そのためについ一週間前に行われたこのインタビュー記事をお読み下さい。
ちなみにインタビューが行われた7月10日時点での死者数は87人。16日で225人に拡大してしまっています・・・。

土井敏邦さんとはどんな方なのかも記しておきます。まずはご自身のページをご紹介しておきます。
http://doi-toshikuni.net/j/index.html

ここを見ると、そもそもラジ・スラー二さんとは、土井さんが実行委員長になって、この7月に日本にお招きしようとしていた方であることが分かります。しかしエジプト・ガザ国境の封鎖でラジさんが出国できず断念されています。
また土井さんが、福島県飯舘村に入って映画を作ったりされてきたこと、他にも素晴らしいドキュメンタリーを作ってきたことが分かります。

土井敏邦さんのウキペディアでの紹介も示しておきます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%9F%E4%BA%95%E6%95%8F%E9%82%A6

「1985年以来、断続的に延べ5年以上、イスラエルとその占領地(パレスチナ)の難民キャンプや村に滞在して取材を続けている」とありますが、次のような仕事も紹介されています。
「1994年から1998年まで韓国の元慰安婦たちの現状を追い、NHKのETV特集「『分かち合い(ナヌム)の家』のハルモニたち」、NHK・BS特集「戦争・心の傷の記憶」で元慰安婦、姜徳景の半生を描いたドキュメンタリーを制作。」
全体として、世界のさまざまな地域に赴き、素晴らしい取材を重ねてきた方だと感じました。

僕自身はあらゆる暴力に反対なので、パレスチナ側からの「ロケット弾」の発射もやめて欲しいとも思っています。「何百倍返しされるやん」とかも思います。
しかし繰り返しますが、そう単純に指摘することは、パレスチナの側とイスラエルの側が対等にやりあっているような歪められた文脈の中では、イスラエルの戦争犯罪をものすごく軽く扱うことにしかつながらないと思います。
ラジ・スラーニさんは「ロケット弾発射の意義」も論じています。一つは誇りの問題です。そして誇りに支えられた屈しない決意性が、イスラエルの攻撃の意図を砕くという解釈です。今、読み取るべきは、パレスチナの側にこうした思いもあるのだということです。
同時に、イスラエルの白昼堂々行われてきた殺人攻撃の繰り返しを止められていない世界の側にいる僕に、パレスチナ側の抵抗を批判する資格があるのかという点も考えなくてはいけないと思います。

それではも僕は「ロケット弾」の使用を止めて欲しいと思いますし、すべての人が暴力の行使からも解放されて欲しいと心から思います。
でもそれを語ったら「だったら先に、あのイスラエルの戦争犯罪の繰り返しを止めろよ」と言われるでしょう。それには「おっしゃる通りです」と返すしかないし、行動で応えるしかないです。
そしてその上で「イスラエルの戦争犯罪を食い止めるために頑張るので、あなたの側も、例え正義の暴力であっても、それを使うことを止めることを考えてください」と言うべきなのでしょう。というか僕はそう言いたいです。
ともあれ今はイスラエルの暴力を止めるために本当に奮闘しないといけない。攻撃がもっとひどい形に拡大することを避けるために、世界中の正義と平和を愛する人々と連携した行動を重ねたいです。

ぜひみなさん、以下のインタビュー記事をお読み下さい!

*****

「子どもたちの眼に羞恥ではなく、“誇り”をみたい」
―ラジ・スラーニ氏・インタビュー (7月10日)―(上)
土井敏邦

(Q・今のガザの状況を教えてください)
この新たな「戦争」は、3人のユダヤ人入植者が誘拐され殺されたことのきっかですが、イスラエルは事件があったヨルダン川西岸のヘブロン市だけではなく、西岸全体またガザまで攻撃の対象としたのです。
西岸では大量にハマスの指導者たちを逮捕し、ヘブロン市とその周辺の村々に外出禁止令を敷き、家を一軒一軒捜査し始めました。
また住民の家々を急襲し、住民を脅迫し侮辱し、ハマスの指導者たちの家屋を破壊しました。さらに以前ガザで誘拐されたイスラエル兵(シャリート)との捕虜交換で釈放された元政治犯のパレスチナ人を再び逮捕しました。
その数は数百人に及びます。イスラエル軍はパレスチナ自治政府の治安警察も無視して、少しでも不審だと思ったら、たとえ自治政府の人間でも射殺します。彼らはフリーハンドなのです。

3人のイスラエル人少年の誘拐・殺害後はイスラエルの中に怒りが渦巻き、パレスチナ人少年が犠牲になりました。モハマド・アブクデール(16歳) です。それがまた西岸で怒りと暴力の新たな波を引き起こしたのです。
また同時に、西岸の事件とはまったく 関係のないガザ地区でも、イスラエルは繰り返し、ハマスの指導者たちを暗殺すると脅迫しました。それも公にです。そしてイスラエルの世論は復讐を要求したのです。

イスラエルは10日前(6月30日)からF16やドロン(無人飛行機)、アパッチ・ヘリコプターなどによってガザの攻撃を開始しました。いわゆる「クリーンな爆撃」と彼らは言います。
それはガザ南端のラファから北端のベイトハヌンまで空爆し、個々人を標的して住民を殺すことはせず、ただ住民の間に恐怖心を植えつけるというのです。そしてガザ全体には安全圏はないと感じさせるようというのです。

しかしこの「戦争」の最初に、イスラエル軍は6人のハマス武装メンバーを殺害しました。つまりもはや「クリーン」ではないのです。ハマスはそれを受け入れることができません。イスラエルは自らの宣言を破ったのです。
それでパレスチナ人側は報復しています。つまりイスラエルが挑発し、この「戦争」は始まったのです。
それがこの「戦争」の引き金なので す。イスラエルは当初から、ハマスが反撃を開始することを望んでいました。それに応戦し降伏させようと考えていたのです。
その空爆のやり方は、気が狂ったように猛烈に激しい爆撃です。ガザ全体を爆撃し、標的にした者は確実に殺害し、破壊する。イスラエルは新たな作戦を作り上げ、12時間の間に24人を殺害し、220人を負傷させました。
また85軒の家を破壊しました。その作戦は、 例えば私、ラジ・スラーニがハマスがイスラム聖戦のリーダーであったとすれば、私がそこにいようといまいと、私の家を爆撃するのです。F16によってです。
ガザ中部のハンユニスのアブ・カワレ一家がその一例です。5人の子どもを含む7人を殺害し、28人を負傷させました。
ベイトハヌンのハマッド一家も同様に、近所の男性がコーヒーを飲んでいて、傍にハマッドの妻と母親がその部屋にいました。そのとき空爆され、孫たちを含め6人が死亡したのです。

イスラエル軍は住民、家族を破壊し抹殺しようとしています。破壊とテロです。軍事的な攻撃目標などないのです。これまで犠牲者の中にハマスやイスラム聖戦のメンバーは6人から多くても10人ほどです。
他の犠牲者は一般市民で、その数は今のところ87人です。その数は時間ごとに増えています。武装組織のメンバーたちの大半が地下にもぐって表には出てきません。
だからイスラエル軍は彼らの家、農園、インフラを狙って攻撃するのです。そこに人がいようがいまいが構わないのです。
住民の殺戮と負傷によって、住民に恐怖を植え付けようとしています。それが、200万人が暮らすこの360平方キロの広さしかない狭いガザ地区で起こっているのです。
ここは世界でも最も人口密度の高い地域です。イスラエルにはF16やアパッチ・ヘリコプターがあり武装艦船を持っています。それを用いて24時間、砲爆撃を繰り返しているのです。
それだけでは満足せず、ある地域では地対地ミサイルまで用いています。誰も満足に眠ることができません。夜に動くものは、車でもモーターバイクでもすべて爆撃されます。即座に、です。
夜の間、ガザをマヒ状態にしようとしています。日中でもガザでは普通の車を使うことが困難です。私は今60歳ですが、こんなことは私の人生の中で一度も経験したことがありません。

この「戦争」、爆撃の前からガザ地区はとても特殊な状況に置かれていました。これまで2度もイスラエルの激しい攻撃にさらされ、多くの建物は再建されてはいません。
また封鎖によって、ガザは経済的にも社会的にも窒息状態に置かれています。その封鎖の影響はあらゆるところに及んでいます。
ハマスとファタハの連立政府が成立したばかりですが、ヨルダン川西岸から新たな政府要人がガザへ来て業務を引き継ぐこともできません。ガザ地区は非常にひどい状況下にあるのです。

現在、イスラエル軍の地上侵攻についての噂が大きくなっています。イスラエルには大きな政治的な意見の分裂があります。ネタニヤフは気が狂っているかのようです。
もしイスラエル軍がガザ地区に侵攻してきたら、多くのイスラエル兵が殺されます。今は空爆によって、ガザはまさに 「象が侵入した庭」のような状況です。しかしイスラエル軍がガザに侵攻したら、何千人という兵士が殺されます。
一方、ガザ住民は少なくとも1万から1万5千人が殺されることが推定されます。イスラエル軍はガザに侵入すると流砂の蟻地獄のような状況になります。
だからイスラエルの軍や 諜報部門は侵攻を望んでいないのですが、政府が圧力を加えています。しかもまったく仲介者がいません。
ハマスはエジプト政権に、「我われはあなた方と話をしたくない。あなた方はイスラエルの側に立っていて、我われはあなた方を信用しない」 と言っている。
そのハマスの指導層の大半は地下に隠れています。彼らが表に出てくれば、即座に暗殺されるでしょう。

この事態は短期間では終わらず、長期化すると私は思います。とても困難で、血にまみれたものになるでしょう。何日かではなく、何週間も続きます。
ガザの住民はまだ抵抗を支持しています。ハマスに対する不平・不満はなく、イスラエルと彼らがやっていることに対して激しい怒りを抱いています。またイスラエルを支持するアメリカやヨーロッパなどの立場と対応に怒っています。
2008-2009年、また2012年のガザ攻撃で犯した罪によってもイスラエルは何の罰も受けなかったので、自分たちは免罪され、やりたいことは何でも自由に行動できると思っている、と多くのガザ住民は感じています。

ここで起こっていることは簡単です。 ここは法が支配する世界ではなく、ジャングルの掟(おきて)が支配している世界なのです。一般市民を保護する基本的で原則的な法さえ欠落しているのです。
私は今国際的な組織と接触をとっています。彼らは住民が標的にされ、多くの人が殺され、負傷していること、ガザ全体に医療品が不足していること、また病気や負 傷した人が封鎖によって治療にエジプト側に出られないことをとても心配しています。
あらゆるガザ住民が不安に震えていま す。まったく展望が見えないからです。イスラエルはここでは「全能」です。住民は苦しみ泣いています。
それは道理にかなったことです。私は最悪の事態が起こることを恐れています。時間が経つごとに、前よりさらに事態は悪化し、今日は前日よりもひどい状態になっています。

(Q・夜は動くものが標的にされる中、救急車は動けるのですか)
爆撃は四六時中続いています。24時間ずっとです。夜に動く物体や人は全て爆撃されます。


(Q・もし夜に負傷した場合、どうやって負傷者を病院に運ぶのですか)
とても難しい状況です。動くのがとても困難なのです。昨夜、ハンユニスの海岸で爆撃がありました。住民はただカフェに座っていただけです。電気もなく、テレビも見られない状態でした。
それに対してイスラエル軍は海上の艦船から砲撃したのです。5人が死亡し、20人が負傷しました。病院に駆け込むことができなかったからです。
その1人は脚が切断され、本人がその切断された脚を抱えてジャーナリストたちに見せたのです。とても困難な状況です。まったくイスラエルはガザ住民の被害など気にかけない。女性や子どものこともまったく気にかけないのです。

続く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(891)イスラエルは無差別殺人を止めよ!ピーススタンディングビジルにご参加を!

2014年07月17日 17時00分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140717 17:00)

パレスチナ・ガザにイスラエル軍が猛烈な空襲を繰り返しています。

16日未明、イスラエル軍はガザ北部と東部の住民約10万人に対し、16日午前8時(日本時間同午後2時)までに退避するようにとの警告を行いました。
実際に夜が明けるやガザ全域の数十か所への空襲が行われる一方、海軍艦艇からの海岸地区への砲撃も強化されました。このため16日午後には、ガザ中心部の浜辺で遊んでいた子ども4人が砲撃で殺害されてしまいました。
イスラエル軍の猛攻による16日までのガザ側の死者は225人、負傷者は1800人に達しています。その大半がたくさんの子どもたちを含んだ一般市民です。犠牲者はますます増えつつあります。

イスラエルが行っていることは、明らかに戦争犯罪です。一般の市民を標的にした無差別な戦闘が繰り返されています。たくさんの人々が一方的に殺されています。
このジェノサイド的な行為をなんとしても止めさせたい、子どもたちを救いたい、亡くなった方たちを弔いたいと考えて、僕が参加している「ピースウォーク京都」と「つばめクラブ」主催で、ピーススタンディングビジルを行うことにしました。

19日午後7時に、祇園祭などで沸いている京都の三条大橋に集まり、キャンドルとメッセージボードを持って立ちます。
静かに人々の死を悲しみ、イスラエルの戦争犯罪に抗議します。こうした声が世界中で高まることで、パレスチナへの攻撃が止まり、もうこれ以上、命が奪われないことを祈り、願って立ちます。
お近くの方、ぜひご参加下さい。またこの情報をどんどん拡散してください。一緒になってイスラエル政府への批判の声を上げてください。全国でさまざまな形で声を上げましょう。

以下、ピースウォーク京都とつばめクラブから発せられた呼び掛け文を貼り付けます。転送転載大歓迎です。

(なおビジルvigilないしキャンドル・ビジルとは、日没後に野外でろうそくを持って行われる集会のことで、ある人々が受けている苦痛への抗議として行われたり、疾病、災害、虐殺などで失われた命を悼むために行われてきたものです)

*****

みなさん

パレスチナ・ガザが大変なことになっています。
イスラエルによるすさまじい攻撃が続いています。
白昼堂々、住宅が密集した市街地にミサイルを撃ち込み、無差別に市民を殺戮しています。

2006年来続く違法な封鎖によって、ガザに閉じ込められた180万もの人々が、
逃げる場もなく、攻撃にさらされているのです。
たくさんの子どもたちを含む200人以上の人々が殺されてしまいました。

2008年暮れの攻撃以来、この5年半の間で実に3度目の攻撃です。
目の前で、理不尽な人殺しが繰り返される。

こんなことはもうたくさんです。
私たちは「イスラエルは無差別殺人をやめよ」、「封鎖をやめよ」
という声を街頭であげることにしました。

19日午後 7時から8時半まで、京都の三条大橋の上で、ピーススタンディングビジルを行います。

犠牲になったすべての人々に弔いの意を表すとともに、
イスラエルのジェノサイド的行為に抗議します。
キャンドルとメッセージボードを持って立ちます。
どうかご参加下さい。

参加にあたってはできるだけ黒っぽい服をご着用ください。
出来る限りご自分で作ったメッセージボードをご用意ください。

キャンドルは用意しますが、可能ならご自分でもご持参ください。
雨天でも行います。

ピースウォーク京都
つばめクラブ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(890)原発新規制基準の虚構性を批判する・・・川内原発再稼働を止めるために

2014年07月15日 18時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140715 18:30)

人の言うことにまったく耳を貸さず、何でもかんでも強引に推し進めつつある安倍内閣ですが、今度は原発の再稼働に踏み切ろうとしています。
最初の再稼働が狙われているのは鹿児島市にある川内原発です。明日16日に、九州電力から提出された1、2号機に関する「安全対策」が新規制基準に適合していると認めるとのことです。
ただしこのことで再稼働が決まってしまうわけではありません。その後に「国民から意見を募集する」とされています。本来はここから国民、住民による再稼働をめぐる検討が始まるのです。
さらに「残る審査項目の確認」あります。まだこれらの課題が残っているのであって、原子力規制委員会が「合格証」を出したから再稼働が自動的に決まるわけではないし、決めさせてはなりません。

再稼働の強烈な推進派の読売新聞など、あたかも秋には再稼働が始まるかのような記事の書き方をしています。
再稼働に反対する世論を操作しようとする恣意性のこもった表現ですが間違っています。記事のアドレスを紹介しておきます。

川内原発に事実上の合格証…早くて秋にも再稼働
読売新聞 7月14日(月)20時8分配信
http://www.yomiuri.co.jp/science/20140714-OYT1T50126.html

この再稼働への動きにおいて、最も批判されるべき点はなんでしょうか。それは原子力規制庁が打ち出した「新規性基準」が、プラント設計思想の常識に該当する安全思想の要件を満たしていないことです。
基準そのものが安全思想にのっとっていないのですから、それを満たしているかどうかなど本来、論外なのです。
僕はこの点を繰り返し指摘してきました。主要な点は、元東芝格納容器設計者の後藤政志さんが繰り返し説明してくださっていることから学んだものです。
川内原発への「新規制基準」の「合格」が明日にも出されようとしている中で、今一度、これらの観点のポイントを押さえておきたいと思います。

「新規制基準」のあやまっている点は、たくさんあげられるのですが、一番、分かりやすいのは、格納容器を守る「フィルター付きベント」の設置を義務付けている点です。
ここが最もおかしい。にもかかわらずマスコミの批判もしばしばこの点をスルーしてしまっていることは大きな問題です。
ベントとは、福島第一原発事故で俄かにクローズアップされた、格納容器が圧力が高まって危険な状態になったときに、中のガスを抜くための装置です。
この際、当然にも中のガスは大変な高濃度の放射性ガスですから、その放出にあたって、フィルターもつけろというのです。それが新規制基準の一つの山になっています。

しかしこれはそもそも原子炉のプラントとしての自己破産を物語るものでしかないのです。なぜなら格納容器とは炉内で事故が起こった時に、放射能を閉じ込める装置だからです。
ベントはその格納容器を内部の圧力から守るために、放射能を外に逃がして、容器を守ろうとするのです。つまり格納容器としての任務放棄なのです。設計者は「格納容器の自殺」と呼んできたそうです。
したがってベントを付けることそのものが、格納容器がもともと放射能を閉じ込める装置として確立していないことを如実に表すものなのです。
原発再稼働を許して欲しいというのなら、当然ですが、格納容器を設計し直し、何があっても壊れないものを作るべきなのです。絶対にベントなど必要のない格納容器をです。

現実にそれが可能なのかと言うと、僕は不可能だと思います。そのことに、原子炉は確立されていない技術体系であり、社会が使ってはいけないものであることが現れています。
だから原発から撤退すべきだというのは純技術論的に出てくる当然の結論なのです。
もちろん原子力村の人々は「撤退」を認めようとしないでしょう。でもそうであるならば、絶対に壊れない格納容器を作って見せなさいということなのです。
少なくとも技術論的には、壊れない格納容器ができるまで、原発は稼働させてはならないのです。

にもかかわらずベントを付けるのは、格納容器という、推進派の人々が「放射能を閉じ込める最後の砦」が壊れる事故が発生しうることを意味します。
だとしたら「安全」なのではなく、「過酷事故は十分に起こりえます。それを覚悟で運転しますので、事故が起こった時の対策を新たに加えました」と明言すべきなのです。
「万が一」などではない。福島第一原発では実際にそれが起こってしまった。しかも稼働中のすべての炉で起こったのです。現実に事故の起こる可能性はこれまで想定されていたよりもずっと高かったのです。
だから「ベントを付ける」とは、過酷事故を覚悟の上で動かすということなのです。このことをマスコミのみなさんはもっときちんと書いて欲しいです。

さらに「過酷事故」とは何かもきちんと説明されていません。英語ではシビアアクシデントと言われていますが、事態が深刻になったこと一般をさす、定義のない言葉なのではありません。
「事前の想定がすべて突破されてしまった」のが「過酷事故」なのです。事前の想定とは、設計者が事故が起こったら何が起こるかを予測し、対策を立てておくことです。
ところが過酷事故は、そのすべてが突破されてしまった状態で、設計者としてはもうお手上げな状態なのです。本来、備えておくことができないものだからです。できるならプラントにあらかじめ組み込まれているのです。
新規制基準はこの点を曖昧化し、その「備え」を福島第一原発事故の経験から導き出したとしているのですが、同じことが起こる保障などまったくありません。

だから「過酷事故は起こりえます。これは想定を越えた事故で本来何が起こるか分からない事故です。そこで福島第一原発事故で起こったことを参考に、その場合の対処を行っておきます。」と言うべきなのです。
さらに「もちろん他のことが起こる可能性もあります。また対処がうまくいくかどうかもテストできません。何せ想定できない事態ですから何が起こるかはっきりとは分からないのです。でも電気は有用だから原発を動かさせてください」とも付け加えるべきです。
事実上、「新規制基準」に合格したから原発を動かすということは、こういうことを意味するのでしかありません。
この「ベントを付けることの矛盾」「過酷事故を前提とすることの矛盾」そのものへのマスコミのみなさんからの批判が弱いのが残念です。

そのため各地の再稼働反対運動の中で、ぜひともこれらの視点を身に付け、拡散していくことをお願いしたいと思います。
こうした観点を学ぶためには、後藤政志さんの解説をぜひ読んで欲しいです。身に付けるべきは設計上の安全思想です。
この点をしっかりと押さえて、再稼働に向かう原子力規制庁のものの考え方、発想の仕方のパラダイム(枠組み)をしっかりと批判的に捉えることが大切です。
設計上の安全思想を身に付ければあらゆることに応用が効きます。川内原発再稼働の動きと対決していきながら、こうした観点を身に付けて、私たち自身をより賢くしていきましょう。

以下、これらの点についてまとめた記事をご紹介しておきます。ぜひ今の時期にお読み下さい!
すべて2013年7月上旬に書いたものです。

***

まずは、後藤さんのレクチャーを受けて、新基準の矛盾を端的にまとめたものです。

明日に向けて(705)原発新基準はどこがおかしいのか・・・1
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/bd6b731a0c369c18919464329bcbfd41

明日に向けて(706)原発新基準はどこがおかしいのか・・・2
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/125511040525b722643316d3fa25458e


続いて後藤政志さんのネット上でのレクチャーを文字起こしする中から考察したものです。
ベントの問題に限らず、設計思想、その中での安全思想に迫っていただきたいです。

明日に向けて(698)安全性を無視した原発新基準を後藤政志さんの考察から批判する・・・1
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/f9c18da770d20ca66cafe5f8ba50af27

明日に向けて(699)安全性を無視した原発新基準を後藤政志さんの考察から批判する・・・2
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/4b74e388182e4347fe8682ecf5a4600f

明日に向けて(700)安全性を無視した原発新基準を後藤政志さんの考察から批判する・・・3
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/cc8b64cafed87f1b812a9b88bd5e2210

明日に向けて(701)安全性を無視した原発新基準を後藤政志さんの考察から批判する・・・4
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/42af09f3e2abbfea5b86a7bf586b72f7

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(889)内部被ばくと食べもの選び、原子力災害対策、トルコのことなど話します!

2014年07月14日 23時30分00秒 | 講演予定一覧

守田です。(20140714 23:30)

ここ数日間、怒涛のように企画参加、講演などを行ってきました。
7月10日、11日に篠山市で原子力災害対策の講演などを行い、12日に加古川で、脱原発はりまアクションの会の結成3周年の集いに参加。
13日には京都府亀岡市で内部被ばくと食べ物の選び方に関する集会でお話してきました。

この夏も各地でお話します。
7月22日、23日は連続して岡山県内で講演です。
22日は岡山市で「あゆみ保育園」にうかがって、「いつものご飯について一緒に考える」という内容でお話します!
もちろん、福島原発事故のことから話し始めます。

23日は保養キャンプである瀬戸内交流プロジェクトに参加。
子どもたちと一緒に放射能とは何かを考え、身の守り方をお話します。さらに身体を元気にするために何を食べるべきか、何を食べてはいけないかも話します。

自分の講演ではありませんが、7月27日、29日は核戦争防止国際医師会議ドイツ支部のジーデントップさんの講演会に参加します。
3月にドイツで行われた国際医師会議の立役者だった方です!久しぶりにお会いするのが楽しみです!!

この後、7月31日出国、8月7日帰国の予定で再びトルコに行ってきます!!
シノップ市の中のゲルゼ町が呼んでくださいました。3日に反原発集会に参加し、講演の予定です。
トルコの方たちとまた会えるのが今から待ち遠しいです!

帰国後、8月9日、長崎原爆の日に、午前中は立命館平和ミュージアムの戦争展の場で。
「核開発と密接に絡んだ原発導入の歴史に関してがっつり学びましょう!」というキーワードでお話します。

午後は「京都被爆2世3世の会」のお招きで、
「ドイツ・トルコ・ベラルーシの視察から学ぶ日本の現状と課題 原発廃棄推進と放射能対策・原発事故被災者支援のために」というタイトル(仮題)でお話します。
明後日、ミーティングがあるので、もう少し表現が変わるかも。
ここでは7月31日から8月7日のトルコ訪問のホッとな内容もお話できると思います。

8月10日は大津市での保養キャンプに参加。まだ内容をつめているところですが、いずれにせよ子どもたちと一緒に放射能時代を図太く生き抜く知恵を分かち合いたいです。

8月16日も大津市で、もう一つの保養キャンプ、びわこ123キャンプに参加してお話します。
午前は子どもたちに放射能からの身の守り方を、午後には大人たちに、トルコ・ベラルーシ・ドイツの旅などのお話をします。

8月23日は岡山県赤磐市で「フクシマの真実と未来への希望」というタイトルでお話します。
瀬戸内にも僕を呼んでくださる蝦名宇摩さんが、津軽三味線も聞かせてくれます。

8月31日は篠山市消防団の依頼で午前中に講演、午後はお母さんたちの会でお話します。
詳細を詰めているところです。

この他、8月中旬ごろ、ごーごーわくわくキャンプでもお話します。日程を調整中です。

以下、案内を貼り付けます。

*****

7月22日 岡山市

守田敏也さんのお話を聞く会

いつものごはんについて、一緒に考えてみませんか?
あゆみ保育園のお父さんお母さん、福島からは遠い?岡山の方にもちょっとだけ一緒に聞いて頂けたら嬉しい、今日本で起きていること。

時間 18:00~19:30
場所 岡山市北区 あゆみ保育園

主催 あゆみ保育園学習会実行委員会2014
連絡先 ayumihogosyakai@gmail.com

チラシはこちらから
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=679684965432902&set=a.131885896879481.25496.100001742135238&type=1&theater

***

7月23日 瀬戸内市

瀬戸内交流プロジェクト
https://sites.google.com/site/seto80meet/

14:00~16:00
会場  啓明学院前島キャンプ

放射能について語る   参加費無料
守田敏也 講演会

全国各地の保養イベントで放射能について、世界の原発事情について講演会をしているフリーライターの守田さん。
食についてのお話しや、環境問題、防災の話など、幅広いテーマを子ども向けに分かりやすくお話ししてくださいます。
https://sites.google.com/site/seto80meet/gyouji/touken

***

8月3日 トルコ・シノップ市ゲルゼ町

再びトルコを訪れてお話することになりました!

***

8月9日 京都市

2014 平和のための京都の戦争展企画

なぜ、日本は
原発をやめられないのか?

はじまりは、日米原子力協力協定 (1955)
核開発と密接に絡んだ原発導入の歴史に関してがっつり学びましょう!

なぜ、日本には54基もの原発があるのか?
なぜ、安全神話が生まれたのか?
なぜ、早々と収束宣言が出されたのか?
なぜ、深刻な事故を起こしたにもかかわらず原発を輸出したがるのか?
なぜ、事故を直視せず大嘘をついてオリンピックまで招いてしまったのか?

なぜ?を紐とくと今の日本の姿が見える
これからわたしたちにどんな困難が待ち受けているのだろうか?

8月9日(土)
午前10:00~12:00
おはなし 守田敏也さん

立命館 大学国際平和ミュージアム
ミュージアム2F 会議室資料代300円

主催 放射能からこどもを守ろう親の会
e-mail oya_nokai@yahoo.co.jp

チラシは以下から
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10203177036645081&set=a.3300903639751.2140616.1182740570&type=1&theater


***

8月9日 京都市

京都「被爆2世・3世の会」学習会のお知らせ

日 時 8月9日(土)14:00~17:00
会 場 ラボール京都(京都労働者総合会館)4階 第9会議室
お話 フリーライター 守田敏也さん
テーマ(仮題) ドイツ・トルコ・ベラルーシの視察から学ぶ日本の現状と課題
原発廃棄推進と放射能対策・原発事故被災者支援のために

昨年8月の「原発・内部被曝問題」学習会に続いて、今年も、原発・放射能対策・原発事故被災者支援等について学習会を行なうことにしました。講師は今年度も守田敏也さんにお願いしました。
守田さんは今年2月~3月ドイツ・ベラルーシ・トルコを訪問され、現地の詳しい状況を視察されてきました。これらの国、地域から見た日本の現状と課題についてお話しいただきます。
また『美味しんぼ』バッシングに象徴される放射能「安全神話」とでも言うべき状況があらたに繰り広げられようとしており、これに対する私たちのとりくむべき課題についてもお話ししていただきたいと思います。
学習会は「2世・3世の会」会員・賛助会員以外のどなたも参加できるオープン企画です。お近くの方、お知り合いにも是非ご案内下さい。

***

8月10日 大津市

保養キャンプにてお話。詳細未定

***

8月16日 大津市

~チェルノブイリ・福島原発事故をとおして放射線からの身体の守り方を考える~

こんにちは、びわこ☆1・2・3キャンプです!
私たちのキャンプは、東北や関東の放射線量が高くて外遊びが難しい地域のお子さんに、滋賀の自然の中で思う存分遊んで欲しいという思いから始めたキャンプです。
参加してくれる子どもたち、ご家族にもいろいろ学んで欲しい、地域の方々とも交流して欲しいということで、地域の方もお招きしてお話会を開くことにしました。   
今回お話してくださるフリージャーナリストの守田敏也さんは、3.11以降、何度も福島を始めとする東北を訪れ、震災や原発事故の被害に遭われた方々との交流、支援をされています。
また、防災危機管理と放射線防護などについて、行政とタッグを組んで研究を重ね、ご自身のブログ「明日に向けて」で情報発信しておられます。

午前のお話会では、小学生のお子さんにも分かる放射線から身体を守るお話。
午後は、大人向けに今年3月に訪れたドイツ、ベラルーシ、トルコ(トルコは8月初旬にも再訪)の取材報告をしていただきます。
みなさま、どうぞお誘い合わせて多数ご参加ください。

☆日時:8月16日(土)午前の部 10:00~11:30 午後の部13:30~15:00  
☆場所:日本フィンランド学校  大津市新免2-10-1 新免バス停より徒歩8分
☆参加費:無料
☆託児はありません。未就学児さんのご同伴は結構ですが、見守りはご家族でお願いします。
☆申し込み、お問い合わせ:Tel:080-5351-7569
E-mail:bun-kankmsnlk@ezweb.ne.jp  (井野)

チラシは以下から
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10203177101486702&set=a.3300903639751.2140616.1182740570&type=1&theater

***

8月23日 赤磐市

◎タイトル:第16回あかいわエコメッセ  ~原発のない明日に向けて~
http://kokucheese.com/event/index/177094/

◎日時:2014年8月23日(土)

 開場時間:13:00
 第一部: 13:30~15:00

 守田 敏也さん講演・質疑応答
 「フクシマの真実と未来への希望」

 第二部: 15:30~16:00
 蝦名 宇摩さん演奏会

 交流会:16:00~17:00
 守田さん、蝦名さんを交えて
 みなさんと交流のひとときを

◎会場:赤磐市立中央図書館多目的ホール
 〒 709-0816 岡山県赤磐市下市325 - 1
 TEL: 086-955-0076
 ※無料駐車場あり

◎料金:前売1,000円 当日1,300円
 ※前売券代金を当日会場でお支払いいただきます。
 ※申込完了メールが予約票の代わりとなります。
  プリントアウトして当日、受付にご提示ください。
  携帯電話の画面でのご提示でも結構です。
 ※できるだけ、おつりが発生しないようお願いします。

◎主催:あかいわエコメッセ実行委員会

◎後援:赤磐市、赤磐市教育委員会

***

8月30日 篠山市

原子力災害対策について講演
篠山市消防団、自主防災組合などが主催
午前10時より

詳細未定

***

8月30日 篠山市
お母さんたちが中心の会で午後に講演

詳細未定


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(888)ガザ・繰り返されるジェノサイドー私たちの応答責任(緊急集会in京都)

2014年07月11日 14時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140711 14:30)

兵庫県篠山市に来ています。午後4時から篠山市防火安全協会のお招きで講演を行います。すでに会場に入って準備をしていますが、パレスチナ・ガザのことを考えていてもたってもいられなくなっているところに、友人の岡真理さんから緊急集会のお知らせが届いたので、とりあえず皆さんに紹介することにしました。

 

まさにたった今、ガザで、再びとんでもない殺戮が繰り広げられています。マスメディアはイスラエルとパレスチナ・ハマスの間の「対等」な戦闘のような書き方をしていますがとんでもない。イスラエルは今回もパレスチナの普通の住宅街に空襲を繰り返しています。行われているのは戦闘員同士の交戦ではまったくなく、民間人を意図的にターゲットにした市民虐殺です。すでにたくさんの子どもたちが殺されています。「巻き込まれた」のではなくイスラエル軍によって意図的に狙われているのです。明らかなる戦争犯罪です。

 

それが全世界の目の前で、白昼堂々と行われています。しかもこういうときに限って「テロ」とは言われない。イスラエル軍がハマスのメンバーを殺すと「テロ」ではなくて「暗殺」と言われます。なんなのでしょう。暗殺とは非合法的な殺人のことです。いわゆる自爆攻撃が「テロ」ならイスラエルが繰り返していることは明らかなるテロです。そしてイスラエルをいつもかばっているアメリカこそがテロ支援国家です。いやアメリカは自ら大量破壊兵器を大量に保持し、アフガンでもイラクでも非道な殺人を繰り返してきたテロ国家そのものです。

 

こんな酷いことを黙って見過ごしているわけにはいかない!みなさん。それぞれでできることを行いましょう。ここで無力感に陥っていてはいけない。子どもたちが殺戮され続けていることを黙っていてはいけない。イスラエルは全世界の反応もきちんと見ています。だから抗議をしましょう。イスラエル大使館に電話やメールをしましょう。

 

明日、京都で緊急集会が行われます。この問題を一番良く知り、一番良く行動してきた友人で京都大学の岡真理さんが呼びかけを行っています。僕自身は明日は、兵庫県加古川市で講演のために駆けつけることができませんが、京都のお近くの方、ぜひご参加ください。

 

とにかく絶望にかられて口を閉ざすのはやめましょう。私たちが声を出せば、その分、攻撃が弱まるかもしれない。その分、命を助けられるかもしれない。そう考えて何かをしましょう!!

 

*****

京都大学の岡真理です。ガザ緊急集会のお知らせです。

■■緊急集会■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ガザ・繰り返されるジェノサイドーー私たちの応答責任

 7月12日(土)午後1:30~(1時開場)
 京都大学吉田南キャンパス 人間・環境学研究科棟 地下講義室

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー■■

ガザ、それは21世紀のワルシャワ・ゲットーです。
ワルシャワ・ゲットーの先でユダヤ人を待っていたものが、アウシュヴィッツにおけるホロコーストであったとすれば、21世紀のワルシャワ・ゲットーであるガザの先でガザのパレスチナ人を待ち受けているものが、ジェノサイド的行為であることは必然の結果です。

今、180万の住民が逃げ場もなく閉じ込められている、この小さな小さな土地に、5年半前と同じ容赦ない空爆が続いています。

先週、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区ヘブロンのユダヤ人入植地で、行方不明となった3名のユダヤ人入植者の10代の少年たちの遺体が発見され、イスラエル政府はこれをハマースの犯行と断定、イスラエル軍は集団懲罰としてガザに対する空爆を開始しました。

7月8日‐10日の3日間の攻撃で、少なくとも88人のパレスチナ人が
殺害されました。うち60名が非武装の市民、18名が子どもです。
負傷者は550名にのぼります。

イスラエルは、パレスチナ人ジャーナリストが乗った車を、「メディア」であることが明らかであったにもかかわらず爆撃、運転手が死亡、同乗していた3名の記者が負傷しました。

国連発表によれば150軒以上もの家が全壊ないし大きな被害を受け、
下水ポンプ場が破壊されたために、2500万リットルもの下水が、
下水処理されないまま地中海に流出しました。

9日、イスラエルの主要紙「ハアレツ」は、イスラエル軍関係者(匿名)の発言を引用、それによれば、今回の攻撃開始以来、すでに400トンの爆弾が投下され、封鎖されたガザ地区に対し750回の攻撃が加えられました。

「人権のための医師団‐イスラエル」によれば、封鎖のため、シファー病院を

はじめとするガザの病院は、麻酔薬や包帯、滅菌縫合糸など必需品が払底しています。各地の病院が、近隣への爆撃により被害を受けています。

(以上、Institute for Middle East Understanding(IMEU)HP Gaza factsheets より。
http://imeu.org/article/occupation-update-israels-latest-assault-on-gaza )

今春、ガザを訪れ、シファー病院を視察した際、救急病棟を案内して下さったお医者さんが、救急用の医薬品の収納棚を見せてくれました。棚はほとんど空っぽでした。

「今はまだ、かろうじて在庫でしのいでいるが、今度、大規模攻撃があったらどうなるか…」とおっしゃっていた言葉がよみがえります。

明日7月12日(土)は、当初、ガザの人権弁護士ラジ・スラーニさんの
講演会が予定されていましたが、ラジさんの来日延期により、代替企画として、ガザの映画上映と、今春、ガザを訪れた岡によるガザ報告会を開催する予定でした。

しかし、ガザで現在進行中の事態を受けて、ガザに対して関心を寄せる皆さまと、ガザについて今、あらためてともに考えるための緊急集会として位置づけ、急きょ、上映予定の作品を2008‐09年の攻撃を描いた「ガザ攻撃」に変更、およびわたくしの話も、今現在の事態に応答する内容に変更し、開催したいと思います。

ぜひ、多くの方にお知らせください。
以下、明日のプログラム詳細です。

■■緊急集会ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ガザ・繰り返されるジェノサイドーー私たちの応答責任

■日時:7月12日(土)午後1:30~(1時開場)
■会場:京都大学吉田南キャンパス 人間・環境学研究科棟 地下講義室
   http://www.h.kyoto-u.ac.jp/access/

*吉田南キャンパスは、時計台キャンパスの南側のキャンパスです。
 東大路に面した西南門(車両用通用門)から入ると分かりやすいです。
 西南門入口に構内地図がありますので、人間・環境学研究科棟の位置を
 それで確認の上、お入りください。門を入ってすぐ左手の建物が同棟です。
 地下講義室は、門を入ってそのまま同棟を左手に見ながら直進、突き当りを左に回り込んで、ガラス張りの建物の部分からお入りください。

■プログラム 
1:00 開場
1:30 主催者挨拶
第1部 映画上映
1:40 土井敏邦監督「ガザに生きる」5部作より「ガザ攻撃」(86分)
3:05休憩
第2部 講演会
3:15 岡真理(京都大学)
   「ガザ 繰り返されるジェノサイドーー私たちの応答責任」
5:00 終了予定

★ラジ・スラーニ氏からのメッセージもご紹介します。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(887)台風8号接近中!最大の警戒心をもって対応を!

2014年07月08日 21時00分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140708 21:00)

非常に大型で、7月のものとしては過去最大の勢力とも言われる台風8号が日本列島に接近してきています。
共同通信が14時34分に配信した記事には次のように記されています。
「気象庁は沖縄本島地方と宮古島地方への暴風と波浪の特別警報を継続。新たに両地方に高潮の特別警報を、沖縄本島地方に大雨の特別警報を発表し、最大級の警戒を求めた。
宮古島市や宜野湾市など12市町村は、計約22万世帯の約53万人に避難勧告を出した。」

台風は今後九州に接近、その後本州を東に進み、広範囲に被害をもたらす可能性があります。
とくに懸念されているのが「記録的な大雨」です。ここ数年の傾向を見ると、1日で年間降水量の何割かにも匹敵するような雨が降ってしまう可能性があります。
そうなるとこれまでの経験では考えられなかった土砂崩れや、川の越流などの水害が起こってくる可能性があります。非常に危険です。
ぜひ各地で最大級の警戒態勢をとられてください。必要を感じたら、ただちに命を守る行動に移ってください。

これまで折に触れて繰り返してきましたが、災害時に避難を遅らせるのは「正常性バイアス」です。
事態の危機的悪化を認めない心理が働いてしまい、事態は「正常に戻っていく」ないし「正常である」というバイアス=偏見をかけてしまうことです。
今回の台風でも「自分のところまで被害はこないだろう」と思うことが一番危険です。
正常性バイアスのロックを解除するのは事前の避難訓練。図上訓練で良いので考えられる事態を想定し、難を逃れる手段を考えておいてほしいです。

台風情報については、たくさんのニュースが出ていますが、状況は刻々と変わっていくので、リアルタイムで状況をつかんで下さい。一つの例として以下のニュースをご紹介しておきます。

台風8号 九州や本州へ 記録的大雨も
tenki.jp 2014年7月8日 15時41分
http://www.tenki.jp/forecaster/diary/t_yoshida/2014/07/08/13281.html

ここにはこう記されています。
「特に警戒が必要なのが、九州南部や四国で、明日から木曜日にかけて多い所では総雨量が500~700ミリ以上の大雨となる恐れがあります。
これはめったにない雨で、記録的な大雨となる可能性があります。土砂災害や河川の増水・氾濫、道路の冠水に警戒が必要です。」

突風にも備えなければいけませんが、とにかく「記録的な大雨」が強く強調されています。この機会にぜひとも行って欲しいのは、それぞれの行政が出しているハザードマップを手に取り、浸水予想や避難所の場所の確認を行っておくことです。ネットからダウンロードできます。
山間部に近いところをはじめ、危険が予想されるところは、晴れている間に散歩などで現場観察を行い、避難が必要になった場合のシミュレーションを行ってください。その際、自宅から避難所の間に、増水した場合に危険になる側溝などないか、確認しておいてください。
昨年の伊豆大島の事例などから、台風が接近した場合、それぞれの行政が早めに避難勧告や指示を行う可能性がありますが、私たちの側も勧告が出てから避難所を探すのではなく、あらかじめ危険個所と避難場所を確認しておき、明るいうちに早めに避難を行うことが必要です。

一方でハザードマップを見る際にも注意が必要です。マップで浸水予想地区とされている地域の住民は、警戒心を高めることができますが、浸水が予想されない地域の住民の場合、「自分のところは大丈夫だ」と考えてしまい、警戒心を解いてしまう場合が多くかえって危険だからです。
2011年3月に東日本大震災を襲った大津波のときにも、釜石市でハザードマップで津波到達が想定されていた地域の人々が高い確率で避難ができたものの、約1000名にのぼった死者のほとんどが、津波の到達が想定されていなかった地域から出てしまったという悲しい実例があります。
災害対策においては「想定にとらわれてはならない」ことを強く頭に入れながら、ハザードマップを活用するようにしてください。「安心」するためでなく、災害に強い心の態勢を作るための事前準備として、行政が出している情報を活用してください。

実際に大雨が降りだした場合はどうしたら良いでしょうか。怖いのは「土石流」「地すべり」「がけ崩れ」ですが、これらにはそれぞれ次のような前兆があることがあります。
「土石流」の場合  
〇山鳴りがする。
〇急に川の流れがにごり流木が混じっている。
〇雨が降り続いてるのに川の水位が下がる。
〇腐った土のにおいがする。
「地すべり」の場合 
〇沢や井戸の水がにごる。
〇地面にひび割れができる。
〇斜面から水がふき出す。
○家や擁壁に亀裂が入る。
〇家や擁壁、樹木や電柱が傾く。
「がけ崩れ」の場合 
〇がけに割れ目が見える。
〇がけから水がふき出ている。
〇がけから小石がパラパラと落ちてくる。
〇がけから木の根等の切れる音がする。
このような兆候が見られた時には、行政からの指示がなくても、自主避難を行ってください。

ゲリラ豪雨についても、目安が語られるようになってきましたので、それを列挙します。
〇天気予報に「所によりにわか雨」「大気の状態が不安定」「大雨、落雷、突風、竜巻、雹(ひょう)」のキーワード。
〇防災気象情報で「大雨・洪水警報」「大雨・洪水特別警報」「周辺や川の上流で大雨」が語られる。
〇川の水かさが急に増えてきたり、濁ったり、木の葉や枝、ごみなどが大量に流れてくる。
〇雷鳴が聞こえたり雷光が見えたりする。
〇ヒヤッとした冷たい風が急に吹き出す。
〇大粒の雨や雹(ひょう)が降り出す。
〇黒い雲が広がり急に暗くなる。
豪雨の場合、近くの川からの洪水などが考えられます。この場合、「土石流」「地すべり」「がけ崩れ」などが考えられない地域では、2階以上に避難していれば安全を確保できる場合があります。この点も事前に確認を行っておいてください。

続いて避難行動に移る際の目安についても書いておきます。前提的に危機の察知においては自分の五感を大事にし、以下に書いたことに当てはまらなくても「避難したほうがいい」と感じたら行動した方がいいです。その上で目安を書きます。
〇市町が自主避難を呼びかけたら。
〇前触れと思われる現象(前兆現象)を発見したら。
〇近く(同じ市町内や隣接する市町)で土砂災害が発生したら。
〇これまでに経験したことのない雨を感じたら。

避難行動に移るにあたっての心得も書いておきます。
〇防災気象情報、防災避難情報に注意。
〇車で避難しない⇒ワイパーやブレーキが効かなくなる。アンダーパスに突っ込むと立ち往生。
〇浸水が40~50㎝になると外開きドアは開かない。歩行も困難。⇒早期自主避難が大切。
〇「遠くの避難所より、近くの2階」。(ただし家屋の流失の危険性がない場合)
〇避難するときは隣近所に声を掛け合う。
〇避難者同士それぞれロープをつかんで避難。
〇荷物は最小限にしできるだけ両手を開けて避難。
〇マンホールや側溝のフタが外れているとすごく危険。傘や棒などで前を探りながら進む。
〇避難時はヘルメット、手袋、雨具、長ズボン、長袖シャツで。懐中電灯も。
〇長靴は水が入ると動けなくなる。脱げにくい紐スニーカーなどで避難。
〇火の元、ガスの元栓、電気のブレーカーを閉じ、戸締まりして避難。
〇半地下・地下室には近寄らない。
〇川、側溝、橋、マンホールに近づかない(絶対に様子を見に行かない)

なおより詳しいことを知りたい方は、防災心理学の知見から優れた啓発を繰り返している「防災システム研究所」のホームページをご覧ください。僕もここから「正常性バイアス」のことなど、重要な点を学びました。

防災システム研究所
http://www.bo-sai.co.jp/index.html

またハザードマップの危険性の問題をはじめ、釜石市などでの実例に学びたい方は、群馬大学災害社会工学研究室のホームページをご覧ください。ここからも僕はさまざまなことを学びました。

群馬大学災害社会工学研究室(釜石市の例を述べているページを紹介)
http://dsel.ce.gunma-u.ac.jp/research/cont-302-4.html

気象庁も災害対策をホームページに載せています。ご参考ください。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/ame_chuui/ame_chuui_p1.html


今、私たちに問われているのは、災害に対する主体性、能動性です。命を守ることを誰かに委ねるのではなく、今できる最大限のことを行っていくことが問われているのです。
こうした観点は、すべての災害に対して適用できるもの。原子力災害から身を守ることにもつながっていきます。大事なのは事前にシミュレーションを重ねることです。

命を相互に守りあうためにも、万全の態勢で台風に向かいあいましょう。

(なお、今回の記事は昨年10月に台風28号接近時に書いた「明日に向けて(755)次の台風(27号)が迫ってきている!災害対策の強化を!」を必要において書き換えて作作成しました)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする