明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1900)11月に関西電力の稼働原発はゼロ、全国でも1基に。原発の安全確保は無理だからだ!

2020年10月15日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20201015 23:30)

大飯4号機が止まり3号機が動かせない

関西電力が15日に、大飯原発4号機が定期検査で停止する11月3日に、同社の稼働原発がゼロになることを発表しました。
これで国内の稼働原発は11月下旬まで玄海原発4号機のみになると予測されています。
通常原発は2基がセットで動いており、定期点検が重ならないようにしています。今回も大飯3号機が定検を終え、4号機と交代で稼働させるはずだったのに動かせないので大飯3,4号機が共にとまることになるのです。


手前より大飯原発3号機、4号機 福井新聞より

なぜ3号機が動かせないのか。7月20日から開始された定期点検で、原子炉の核心部の一次冷却材の配管が減肉していることが確認されたからです。
関電は運用には問題ないとして、運転を再開しようとしましたが、これまで大変、甘い「規制」を繰り返してきた原子力規制委員会がさすがに黙っておれず、待ったをかけました。
関電はこの他、高浜3号機と4号機を運転させてきましたが、3号機でも定期点検中に異常が発見され2月18日に発表されました。こちらはまたも蒸気発生器の細管損傷事故でした。


一次冷却材の配管が減肉 関西電力による説明図より

高浜3号機はこれをきちんと直せないままに、8月2日に完成させてこなかった「特定重大事故等対処施設」の設置期限を迎え、動かせなくなりました。
これに続いて高浜原発4号機も、10月7日に特重施設の設置期限を迎えて、運転を停止せざるをえなくなりました。
関西電力の原発は、再び一次冷却系統でのトラブルを繰り返すとともに、特重施設=安全装備を、2度も期限を延期されながら作ることができずに運転できなくなり、11月3日に稼働原発ゼロを迎えようとしているのです。


福島原発事故から10年近く経って鮮明になったのは原発の安全運転は無理だということ

福島原発事故から10年近くが経って、関西電力の稼働原発がゼロになってしまうことには、原発の安全運転など無理だと言う現前たる事実です。
あの事故によって人々の目が厳しくなるなか、電力会社の側も小さな事故でも繰り返せば社会的に不利なことは承知のはずです。しかし事故やトラブルを止められない。
繰り返し蒸気発生器や一次冷却系統でトラブルが生じてしまうことのは、原発が技術的に未完成だからです。だから何度も同じ故障事故を起こす。抜本的な解決ができない。

同じことは一次冷却材ポンプ(加圧水型)でも起こっているし、同じ設備である再循環ポンプ(沸騰水型)でも起こっています。
すごい圧力で冷却材を廻すために配管にプロペラを差し込む形で設置したポンプですが、このモーターの軸部分から何度も水漏れが起きてしまっている。
そのために新品に交換されるのですが、その新品がすぐにまた同じ故障事故を起こす。これまた技術的に未確立なのです。


2016年7月の再稼働前の試運転で一次冷却材ポンプ故障事故を起こした伊方原発3号機 FNNの報道より

その上、10年近くも経って「特定重大事故等対処施設」がどの原発でも完成していません。故障が繰り返されるたびに経営にも打撃を与える中、安全対策への出費を抑えたくて、施設の完成を先延ばしにしてきたのでしょう。
ようするに10年近く経って、まったく安全性の向上が見られていないのです。それでもまだ原発を動かそうとするのはあまりに酷い。
もはや原発がなくても電気は足りてることも証明されているし、繰り返し故障事故を起こす原発を全面的に放棄することが必要です。

「再稼働反対」「原発いらない」の声を上げ続けましょう!

#原発再稼働反対 #関西電力稼働原発ゼロ #大飯原発 #高浜原発 #蒸気発生器 #配管減肉

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