今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

鉄道博物館に行って来ましたの巻

2024年11月29日 19時00分00秒 | ブログ

今日は大宮の鉄道博物館に出掛けて来ました。というわけでEF55のクッキーがお土産です。

 

特に「撮影禁止」とは書いてありませんでしたので。まず驚いたのは、EF5861のお召機が入っていたことです。2008年に休車扱いとなっていましたが、鉄道博物館に入っていたとは知りませんでした。

 

こちらは帰り際の光線が変わった逆側から。さすがに大切に保管された居たのでピカピカできれいです。

 

戦前の特急つばめなどの展望車として人気のマイテ39は青梅鉄道公園にあった車両かな?

 

クッキーのモデルEF55。ニックネームは「ムーミン」戦前の「流線形ブーム」によって設計された。一度は除籍されて復活し、近年までイベントで活躍していましたが、内部の電気装置が現在では製造が出来ないとのことで残念ながら廃車となりました。蒸気機関車は復活するのにね。

旅客用特急牽引機C57の愛称は「貴婦人」大径のスポーク動輪が美しい。

 

 

クハ181系は特急「こだま」の151系からの改造発展型。主電動機の出力向上型。

 

もしかしたら高校の通学の時に乗っていた車両かも? クモハ40は通学の南武線に1編成入っていて、月に1度ぐらい遭遇しました。前面の切妻が半流(流線形)となっているのが特徴。

 

通学の帰宅時、クモハ40が分倍河原駅に入って来ると、ホームを駆けて先頭車の前面から景色を眺めたものです。

 

戦前にサンプルとしてイギリス(イングリッシュ・エレクトリック)から輸入された電気機関車。私も古いつぼみ堂のEF17を所有。

 

行先表示が私の地元「立川」なのが泣けますね。昭和32年に登場した直流通勤電車クモハ101系。当時、新色のバーミリオンオレンジが強い印象を受けました。近代的「直流通勤電車」の基礎。

昔の「交通博物館」のレイアウトより遥かに巨大なレイアウトですが、大きすぎて車両(HOゲージ)が小さくしか見えないのはどうも・・

 

1Fの車両を2Fから望む。中央のターンテーブルは時間で回転するようです。施設内は広いので運動不足の脚には少し堪えますが、まぁ楽しかったです。

 

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明日は鉄道博物館に行きますの巻

2024年11月28日 20時00分00秒 | ブログ

相変わらず作業が遅いので忙しいのですけど、明日(29日)は高校の同級生達と大宮の鉄道博物館に行って来ます。開館してずいぶん経つのに暇が無くていけませんでした。館内の画像が撮影できるかは分かりませんが、画像をUPしたいと思います。で、作業はしていましたが・・お祖父さんの形見だったかな? を使ったみたいとのことでローライフレックスⅢですけど、巻き上げ・フォーカシングダイヤルのアルミが腐食していますね。

このモデルで多い巻上げ(巻き止め)不良はなく、シャッターの不調とレンズの曇りですね。

 

スローガバナー、シャッター・絞り羽根の洗浄などをします。

 

 

撮影レンズの分解をしています。ビューレンズはフード全体がねじ込み式となっているモデルもありますが、このモデルは一般的なリングナット式です。

 

ミラーは外周に腐食がありますが、今回は清掃で再使用します。スクリーンを分離して洗浄します。

 

レンズの曇りもなくきれいになりました。シャッターも快調、ダイヤルも研磨してピカピカです。

 

次は、以前に限定修理をした女性ペン使いさんのFTが戻って来ました。フィルムの送りが不良とのこと。PEN-Fの前期に使用のアルミ製スプロケットでは起きないのですが、PEN-FTは樹脂製に変わりましたので強度が無く、内部のクラッチ部分が摩耗してしまうと起きる不具合です。これは良品のスプロケットと交換しなければなりません。この部分は組立の最初に行う部分ですの露出計と巻き上げ系をすべて分解しなければなりません。

並べても違いが分かりませんね。右が交換用に用意をしたスプロケット。

 

スプロケット軸を組み立てて巻上げ機構を組んで行きます。

 

 

フィルムを巻き上げて滑りが無いかを確認します。この不具合は、どの個体にもいずれ発生します。他にもコントロールレバー折れやリターンミラー剥離はこのカメラの持病です。いつかあなたの愛機にも起きる不具合です。

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白黒PEN-FT二題の巻

2024年11月25日 10時00分00秒 | ブログ

多忙で一日中机に座ったままですので、たまに自転車整備などをすると体の動きが良くなりますね。とりあえず前回やり残したVブレーキの交換とシフトケーブルの交換をしました。

 

これは#2272XXと前期の個体ですけど、フィルムカウンターの戻りが悪いです。これは前期までの個体に多い現象でバネが良くないのです。

 

シンクロのターミナルですけど、ここも壊れやすいです。中心の絶縁軸のカシメが弱くて抜けてしまうのです。使用する方も急いでターミナルを繋ごうとして力いっぱい差し込むのが原因ですが、それに耐える作りになっていないのです。

慢性的に中心軸を保持するカシメが弱いのです。構造もチープでコストの問題でしょうね。再カシメをして組みます。

 

革ケースのプレートが変形していますので修正をしておきます。

 

 

次はブラックモデルですけど、#3436XX(1970年3月製)で使用も少なく非常にきれいですが・・

 

露出計が動きません。回路をチェックするとユニットは正常です。

 

 

問題の電池の液漏れを起こしていて、電池室からのリード線が切れています。表面にも生成物が浮き上がっています。

 

すべて分解洗浄をしたところ、電池室周辺のダイカストも侵され気味です。

 

ターミナルのリード線を新調して組もうとすると絶縁パッキン(真ん中)が一部しかありません。これは前期までの絶縁パッキンは材質が紙のようなパッキン紙製で、この材質は電解液が付着すると粉々になって無くなってしまうのです。左は以後のパッキンで材質が樹脂となっています。今回はパッキン紙から自作します。

この個体は特に問題はありませんが、FTのスローガバナーはスペースの関係か歯車が薄いですね。これがノコギリの歯のようになって、嚙み合う相手の歯車を損傷(カット)してしまうのです。1秒などで止まる個体の中で重症の原因になります。なるべく低速の空シャッターは切らない方が良いです。

電解液漏れは重大な損傷を与えます。リード線を新製して組んだところ。これから取り付けるボタン止めも固着して動きませんでした。

 

34万台としてはハーフミラーの腐食が激しいです。電解液漏れのガスが影響しているかも知れません。新品と交換します。

 

カバーを取り付けて完了。

 

 

シリアルからカメラ本体に付属で販売された38mm#4035XXと思いますがヘリコイドグリスが抜けています。設計変更後のタイプでグリスはホワイト系グリスが使われており、長期間経過すると流化して抜けてしまいます。

内部の汚れがひどいです。鏡胴部分の清掃とグリスを入れ替えています。

 

塗膜表面の摩耗も少ない良い個体になりました。

 

 

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扱い乱暴ローライ35の巻

2024年11月21日 12時00分00秒 | ブログ

以前に沈胴ボタンの脱落で修理をした個体が戻って来ました。今度は巻上げ巻き戻しが重くなる不具合と言う。画像はすでに修正をしたところですが、原因は巻き戻しクランクが変形して中央軸と接触をし、切り欠きに嵌ってロックをしてしまう状態。

その他を点検すると、ホットシューのレールが陥没(曲がり)している。このカメラの設計上のウィークポイントですが、カメラ底部に巻き戻し機構とホットシューが有って、カメラを机の上に置く時に乱暴に置いてしまうと変形をしてしまうのです。

ここは不用意に直そうとするとリベットが外れてしまったり、クラックが入ったりしますので修正は慎重にします。

 

まぁ、なんです。精密機械のカメラを愛情をもって扱って欲しいと言うことです。前回と言い満身創痍だものなぁ・・。

 

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初期型PEN-Sの巻

2024年11月19日 21時00分00秒 | ブログ

作業が一段落したので午後遅くから自転車のVブレーキ交換を始めました。(画像が暗い)新車に付いていたテクトロを良く騙しながら使って来たものです。ブレーキを解除しても片方のシューがリムから離れない。調整も限界なのでシマノの廉価版を付けましたが調整がばっちり出ます。早く交換しておけば良かったです。後輪ブレーキとシフトワイヤーの交換が残っていましたが、風が強く寒くなって来たので今日はお仕舞です。

で、PEN-Sの前に公開予定のなかった「マミヤ6オートマット」と言うカメラです。本当はお店から私のところに来るはずではなかったようです。このカメラは国産スプリングカメラにセルフコッキング機構を装備した優秀なカメラみたいです。そのセルフコッキング機構が機能しない。機構は底部に入っていました。修理をしましたが画像がありません。レンズはなんと私たちにはなじみの深いオリンパス・Dズイコー(3群4枚)ですよ。オリンパスのレンズ特有な後玉の曇りも多いそうです。この個体は幸い清掃できれいになりました。

シャッターは精工舎MXで信頼性が高いです。セルフコッキングの他に手動チャージが出来るノブがありますね。

 

圧板は取り外し式です。これを抜いてフィルムを通します。

 

 

フォーカスレバーを回すとフィルム面が動くバックフォーカスシステムです。

 

フィルムを通して白丸にSTARTを合わせます。裏蓋を閉じて巻き上げダイヤルを回せばシャッターはチャージされます。

 

ファインダーの清掃をしますが、ハーフミラーは古い金コートですので清掃は出来ません。交換は可能ですが今回はそのままとします。で、問題は、距離計の∞が出ない。画像右下のレバー(調整ネジ)による調整範囲を超えているのです。

距離計を分離して何とか調整しました。

 

 

これで終了です。

 

 

本題のPEN-Sは #1229XXと初期型を仕入れて来ましたね。初期型かぁ~。1960年の12月製と思います。シャッターは一応作動するので当然途中で分解されています。

 

初期型の特徴は異常とも思えるぐらいレリーズボタンのバネが軽い。駒数カニ目ネジのカニ目孔は貫通していない。よって組立が非常にやり難い。駒数ガラスも部分的に曇っていますので研磨をします。

 

初期型の特徴。アルミ色のスプロケット、スプールはグレー。

 

 

過去の分解でシボ革が切れています。初期のシボ革は硬化もしているので、剥離の場合は慎重にしなければなりません。

 

すべて分解洗浄をして組み立てて行きます。

 

 

スプロケット軸を組んで行きますが、初期の頃は各部品の勘合精度が良くなく、調整用のワッシャーが入っていることがあります。(画像)リングナットのスリ割が側面も初期の特徴。以後は表面のスリ割になります。

外観からは見えませんが、スプールのスリップ機構が三光ペンと同じでスプール内面に拡張バネが仕込まれたタイプ。これそのうち割れます。以後は軸側にコイルばねを仕込んだタイプになります。

 

レリーズボタンのバネが線径が細く条数も多いタイプなので非常に弱い。シャッターユニットも地板の加工などに違いがある他に、各部品の仕上げ精度が何となく甘い頃。

 

のバネだけでなく、シャッターユニット内の戻りバネも線径が細く弱いのがレリーズボタンが弱い原因になっています。これらを適時改良して安定した仕様になって行きます。

 

シンクロ接点は半田付けです。組立工程に半田付けが入ると工数が増えるので以後はねじ留めになります。

 

右側のシボ革に欠損がありましたね。同じ共生地から切り出して補修します。

 

はい、分からない。

 

 

カム板の彫刻文字は「COPAL」で「X」が入りません。コパルの社内的には別モデル扱いなのでしょうか?

 

ファインダーの遮光カバーは取り外された形跡がありましたが、レンズを分離しての清掃はしてありませんでした。駒数ガラスの曇りを研磨して接着しますが、初期の駒数ガラスは以後の個体のようにクラックが入りませんね。

トップカバー横のM1.7ネジが+になっていました。+ネジになるのは3.5の途中からですのでオリジナルの丸頭ネジに交換して組みます。

 

巻き戻し軸も変更前の上下ガタをワッシャーの厚みで調整するタイプ。ガタ量によって厚みの異なるワッシャーを組み合わせて入れるので工数が掛かる。

 

初期の頃の内面黒塗装は艶消しが強くありません。圧板が腐食していましたので研磨をして取り付けます。

 

オーバーホール済みの初期型が欲しい方に購入して頂きたいですね。レンズは非常にきれいで特に弱点の後玉曇りもありません。なぜか初期のレンズの方が状態が良い印象です。このパンフレットの写真の説明を読むと、なんと「あなたのお名前なんてぇの?」(若い方は知らないか)で有名のコメディアン、トニー谷さんの撮影でした。戦後の米軍基地のナイトクラブなどで芸を磨き、晩年はハワイに在住でしたかね。おそ松くんのイヤミのモデルになった方です。

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