少しお休みを頂きました。別の精密組立をしておりました。巷ではゴールデンウィークだそうで、しかし、私たち自営業者には関係の無いことです。で、作業を再開しようと順番をチェックすると、あらら、こちらの管理漏れで、順番が遅れていたPEN-Wが見つかりました。すみませんでしたね。では、早速作業をしたいと思いますが、状態としては、レンズのバルサム黄変はありますが、まぁ、普通には作動している状態ですね。ただし、私の基準からはすべてがさつな動きに思えます。新品の時のフィーリングを目指してオーバーホールをしていきましょう。
と思ってはいますが、連休なので、多少自分の楽しみをしてもバチは当らないでしょうと、2日前に私所有のセイコー・チャンピオンカレンダーの非防水ケースをオーバーホールしておきました。ゼンマイ一杯ですでに2日動き続けていますのでフリクションは小さいと思います。おまけに歩度調整前なのに極めて正確です。少し前に分解をしておいた関係で、カレンダー機構の部品を紛失していましたが、基礎キャリバーが同じ76スポーツマチック5のジャンクを多数保有していたため調達出来て事無きを得ました。風防は社外新品ですが、文字盤にキズがあるのが残念なところ。ケースはすでに研磨済みです。摩滅したリュウズは、ただ今、新品の到着待ちなり。
ま、いつもと作業は変わらないのですけど、この個体は、内部にホコリの侵入が多いですね。防塵対策は全く無しのカメラですから、洋服のポケットや、綿の袋などに入れておくとホコリが浸入してしまいます。お気をつけください。
ファインダーカバーの裏側に、カメラ虫が孵った跡がありますね。一匹はそのままお亡くなりになっていて、もう一匹は所在不明です。
いつもと同じように、全て分解洗浄のうえ組立てています。シャッターは過去に分解歴があって、プロの小細工がしてありました。すべてオリジナルのセッティングに戻してあります。
アクセサリーシューの「コ」部分が曲がっていますね。ここは、曲げ加工の部品ではありませんので、曲がりを治そうとすると折れてしまいます。折れない程度に修正をしておきますが、PEN-Sのジャンクから調達交換の方がよろしいです。
PEN-Wは全て巻き戻し軸部分は設計変更後の仕様となっています。この個体も、単独では軸のアウターが空転してしまいますね。以前の分解時に調整ワッシャーを抜かれているのです。追加しておきます。
保存はよろしくなかった個体で、巻き戻しダイヤルなどは腐食が多く発生しています。真鍮ブラシで取り除いてから組立てます。
これで本体は完成です。かなり使い込まれた個体ですが、調子はよろしいと思います。後は、同時にご依頼がありました、専用フードを作ります。時計? これは私の私物のセイコー5 DX (6106-7000)で、ケースのデザインが特徴です。高校生の時に使っていたモデルとほぼ同じモデルです。(文字盤は紺でした) これをO/Hをして、ラバーベルト仕様で、今年の夏用とします。
今日はPEN-Sのリペイント作業を開始しましたので、同時に専用フードの塗装をして仕上げました。フードの材料ブランクは殆ど無くなりましたので、今後の継続的な製作は未定です。では、これで完成です。