今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

お二方からPEN-FとPEN-FT(B)

2012年05月30日 17時51分50秒 | インポート

Dscf106367 2台は別々のオーナーさんです。当初は、どちらも問題のない個体と思って、一緒にUPを始めたのですが・・・

まず、問題の無い方から。PEN-F #190XXで、Fとしては非常に状態は良いと思います。持病のプリズムの腐食もありません。ただ、画像のように、リターンミラーが戻らずにフリーズしています。

Dscf106476原因は、メンテナンスをしていないことによる作動不良ですね。全体を分解洗浄して、組み直して行きます。ほんとに、書くこと無いですね。

Dscf106546 このように組立終了。1965年5月製で保管が良かったせいで、状態は非常に良いと思います。過去に修理歴はありましたが・・・

Dscf106688 ミラーが作動しているんですけど、写っていませんね。あはは。全反射ミラーもきれいで、ブレーキも利いてはいませんが、悪さはしていませんので、どちらも交換していません。

Dscf106758

問題はこちらなんですねぇ。オークションで「整備済み」を購入されたそうです。なるほど後期生産機ですから、外観は良いと思いますね。80点ぐらいかな。巻上げレバーがトップカバーと接触しています。通常はストッパーの変形ですが、この個体を観察すると、樹脂製のストッパーが切れているようです。通常は切れることはありませんので、ちょっとイヤな予感・・・

Dscf106859 セルフタイマーボタンを分離してみると。「今なに」を見続けてくださる方は覚えていらっしゃると思いますが、過去に何度か見覚えがありますね。ボタンにワッシャーが嵌められているのです。記憶では、この流儀の個体は良い印象はないのです。

Dscf106955 人様を批判気味たことは決して本意ではありません。しかし、現状ですから、書かない訳にも行きません。予感は的中です。露出計の基板など、半田付けですごいことになっています。

Dscf107153シボ革を剥離します。えぇぇぇ・・? これは変でしょう。前板の留めビスが30万台は+ビスですが、これは前期のスリ割りビスですね。シャッターダイヤルの留めビスも一緒。+とスリ割りでは、頭のサイズが異なるため、前板の加工も同じではありませんので、ビスのみ換えたのではありませんね。+からスリ割りにわざわざしないし・・。

Dscf107277底部から見ます。リターンミラーユニットが30万代のものではありませんね。と言うことは、前板ASSYで交換された可能性があります。過去もそうだったよなぁ。困るなぁ・・・

Dscf107351 あらら、ヤスリ掛けちゃったのね。

Dscf107487 テンションハンマーも留めビスごとヤスリが掛かっています。意図不明・・・

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ビス頭をどうやったらこのように笑わせることが出来るのでしょう。教えてください。左のビスはねじ山を壊して無理にねじ込んであります。修正交換します。

Dscf107755 31万代の個体なので、程度が悪いはずがありません。なぜ前板を交換する必要があったのでしょう? この部分は、エンジンのクランクケースと一緒で、二分割の両方でセットです。同じ形式エンジンでも、他の個体のケースと合わせた場合、組むことは出来ますが、精度は出ません。結果、ファインダーのピントが大きくずれていました。

Dscf107815 一緒について来ているのはキヤノンDIAL RAPIDです。今となっては撮影は出来ませんが、外装ケースの当りの修正がご依頼です。この頃のキヤノンはアルミのパールアルマイト仕上げを多用しており、確かに真鍮の梨地メッキよりは、新しい時代の製品という雰囲気が漂っていますね。しかし、この頃のカメラはまだ重いですから、アルミ製のケースでは、ちょっと当てただけでもへこんでしまいます。↓(裏蓋ロック部)がへこんでいますね。しかし、アルミは伸びていますし、梨地と比較して、平滑面がもろに出てしまいますから修正は殆ど無理なんですね。

Dscf107942 弱いアルミですから、叩く訳にも行きませんので、長時間、クランプをしておくしか仕方ありませんね。

Dscf108077 ボディ側の左下辺りですが、画像ではきれいに戻っているように見えますが、鋭角的に曲がって山形に変形した部分は分かってしまいます。梨地でしたらごまかせる程度なんですけどね・・・。

Dscf108158 キヤノン ダイヤルラビットは1965年発売のコダックインスタマチックシステムを採用したハーフカメラ。1963年発売のダイヤル35のスプリングモーターやダイヤル窓のCds素子窓などを基に開発された機種ですね。現在はフィルムの生産は終了しているようで、マニアさん達は、フィルムの自作によって撮影をされているようです。フィルム感度はオートセット式で、通常のカメラのように設定個所が見当たりませんね。比較的大柄なボディーで重量を計測したところ410gと重いですから、コンパクトカメラとしては、あまり使いやすいカメラではなかったようです。

Dscf169344 因みに、以前オリンパス社内にある、ミュージアムを訪問した時の画像を載せておきます。ペン-EED ラビットはキヤノンと同じく、1965年の発売です。ファインダー窓が出目金みたいですね。ショーケース内の撮影。

今週10日(日曜日)までペンスケ展8が東京・渋谷会場で開催中です。今回は会場 ギャラリールデコの2階+3階を使用して盛大に行われています。近郊のペンファンは会場に足をお運びください。開催時間など詳しくは、下記でご確認ください。http://mazken.cocolog-nifty.com/


お祖父様の形見PEN-FT(B)+PEN-S2.8

2012年05月22日 14時27分42秒 | インポート

Dscf105051 予定していた修理機の到着が遅れていますので、時計をやっています。この機械はセイコーの旧10型です。耐震装置はまだありません。10型ということで、現在で見れば女性用程度のサイズです。ケースは社外と思われますので、途中で交換をされたか、元々、時計屋さんで部品組みをされた個体でしょう。入手した時は、リューズ(巻芯)が欠落している状態でした。裏蓋を開けてみると、機械をケースに固定するネジの片方が頭が折れて無くなっています。残骸が無いことから(ネジ部は残ったまま)、前回の分解時に折ってしまい、そのままとしたのでしょう。要するにリューズを部品取りされた個体です。しかし、テンプの天芯などの磨耗は少ないと思います。

Dscf105115無事オーバーホールを終えて、表に返して文字盤などを取り付けます。針は趣のある形ですが、金色は黄ばんだ文字盤とのコントラストが弱く、老眼の目には見難いですね。ブルー針にでもしてやろうかしら。。

Dscf105275 で、本題。お祖父さんの形見をお母様から譲られたという個体。まぁ、世代を受け継がれて幸運な個体ですね。放置されていた期間が長かった個体としては致命的な問題はないようです。PEN-FTはブラックモデルとしては初期の23万代+40mm付き。PEN-Sは42万代と2.8としてはかなり後期の生産です。すでに3.5も発売されていたと思いますが、明るいレンズを選ばれたのでしょう。スプールはELタイプで、スプールを留めるナットは樹脂製と3.5と同じ仕様となっています。おまけに純正UVフィルターとフード゛付きとくれば、これはかなりこだわりの趣味人と推察されますね。現在のマニアさんが欲しいアイテムをすべて備えています。

Dscf105455 お祖父様はかなりの趣味人でいらしたご様子。オプション部品も揃えて楽しんでおられたようです。しかし、フィルムを通した本数は、それほど多くはないですね。シャッターの消耗もありません。超音波洗浄をした地板にこの部品を取り付けるところから組立は始まります。軸は精密研磨をされていることが分かりますね。個体の中には、この部分に錆が発生して作動(回転)を阻害しているものもあります。

Dscf1055871  スローガバナーの固着はありましたが、その他に消耗はなく、組み上がっています。このシャッターには、この部分にコパルにて製造された年月が捺印されています。しかし、インクが流れて読めないですね。私が消したのではありません。未分解の個体でしたので、オリンパスで本体に組み込む時に指が触れてしまったのでしょう。捺印は41.8となっていたはずです。(コパルは和暦表記、オリンパスは西暦表記)このユニットは1966年8月の製造で、カメラ完成は翌月の9月となります。ユニットが完成してから組み込まれるまでのリードタイムは概ね1ヵ月が普通です。

Dscf105346 全体のコンディションは良好なのですが、駒数ガラスだけは細かな傷と汚れが激しいですね。クラックは無いので、研磨で再使用とします。右端の吊環は材質がステンレス製へ変更されています。

Dscf105677 シャッターユニットを組み込んでプレートを付けますが、ターミナルの半田付けは、ほぼ耐用年数を超えて剥離してきます。研磨の上、再半田付けをしてあります。このプレートですが、かなり表面処理が酸化をしていますね。亜鉛なのかクロメートなのか、時期によってさまざまですが、長期保管の個体に見られる劣化です。最後にシボ革を接着します。

Dscf105749 ほらね。リンケージもカムも全て酸化が進んでいます。磨耗は無いので問題はありませんが。。上側のモルトを貼って、巻上げダイヤルカバーを取り付けています。

Dscf105858 右の吊環部に僅かな打痕があるのですが、それが無ければ、ほぼ完璧な状態ですね。レンズもきれいで、殆どの個体で痛んでいる絞りリングの腐食もありません。あまり使われなかったのではないでしょうか? 最後にフィルターとフードを取付けて完成。2.8でも、最後期では、スプールはELになっているという証拠の個体。(#4279XX)フードは社外品や純正品も探せば入手出来ると思いますので製作しておりませんが、ご希望があれば少数作ることも検討しますが、必要な方はどのくらいいらっしゃるの?

Dscf105955 続いてPEN-FT(B) #2335XXです。こちらの個体も、あまり使われなかったでしょうね。20万台のブラックは少ないと思いますが、過去に私の手元で確認した最初期のブラックは#2037XXというのがありますが、まぁ、もっと初期の個体もあるのでしょう。しかし、私は、人の通説とか、雑誌に書いてあったようなことは信用しません。自分のこの目で確かめたこと以外は書きません。

Dscf105977 基本的に消耗していない個体ですから、特に問題はなく、したがって書くこともないですね。テンションシャフトのキズもありません。この頃すでにメインスプリングは改良型の條数の長いタイプになっています。

Dscf106055殆ど組み上がっていますね。#2プリズムのコーティングは劣化はありませんでしたが、接眼プリズムは両面とも劣化しいました。外気に近い部分ですから、酸化が進んだのでしょう。接眼プリズムを留めるプリズムホルダーはまだアルミ製で、この後、真鍮製に変更されます。変更の理由はなんでしょうね。強度的にはアルミでも問題はないと思いますが・・

Dscf106097 はしょってレンズです。40mm f1.4 ですが、カメラ2台はどちらも未分解機でしたが、レンズは分解されていますね。ためらい傷がありますので、SSの作業ではないと思いますが・・状態は、絞り羽根に油が付着して作動が重くシャッタースピードが遅くなってしまうというもの。レンズはきれいですので、全体の清掃をしておきます。

Dscf106126 内部は流化したグリスが回っており、全て洗浄脱脂をしてあります。ヘリコイドはグリスが抜け気味ですので、入れ替えをしてあります。ビスを抜いてあるビス孔部分は一度開けた形跡がありますね。ここまでは分解したということか・・

Dscf106211 2台は完成しています。まずPEN-S(1966-9)を購入して一眼レフ機が欲しくなり2年後にPEN-FT(B) (1968-9)を購入したということではないでしょうかね。消耗が少ないことから、どちらかと言うと、撮影派と言うよりはメカ好き派という方ではなかったかと思われます。良いものを残してもらいましたね。


全く固着のPEN-FT

2012年05月19日 11時22分19秒 | インポート

Dscf104903 毎晩ね。ウォーキングをしているのですが、昨晩はショックでした。前をウォークしている小柄な女性がいましてね。「すぐ追いつくなぁ」と思ったのですが、歩いても歩いても追いつかないどころか、最終的には30m程離されてしまいました。悔しいので絶対抜けるようになるんだ・・・

で、今日はカメラ以外に始めた精密部品の組立の打ち合わせに行ってきますが、その前にFTを進めておきます。この#3582XXは後期型の個体で、全体のコンディションは悪くはありません。しかし、巻上げも全く固着で緊急脱出も利かない。こうなると、皆さんセルフレバーを巻いてしまうのですね。その行為が益々状況を深刻にします。この場合は、シャッターユニットに問題を抱えているのです。分離のためにボタンを分離しようとしましたが、これが外れませんね。画像のように、角の面取りが大きなタイプが使用されており、レンチの掛かる出張り量が0.5mm程度しかありません。面取りが大きい方が、製品としての見栄えは良いのですが、あとで修理をするSSは困ったでしょうね。うちのリプロ部品は、分解を考慮して、あえて面取りを少なめにしています。

Dscf105042 シャッターユニットを分解洗浄しています。特に損傷した部品は無く、噛み込みによる固着ですね。後期型はピンセット先のギヤは真鍮ナットによる組立式となっています。

Dscf105054 特に問題はなく、組み上がっています。さすが後期型は劣化が少ないですね。前板関係を本体に組み込んで作動を見ます。

Dscf105190 光学系も組み込んでいます。ハーフミラーは後期型としては劣化が進んでいましたので交換しています。アイピース枠にも欠けがありますので、リプロ部品と交換しました。あ~、問題のない個体は書くことないので困っちゃいますね。


Canon DIAL 35 は残念修理中止

2012年05月17日 22時28分11秒 | インポート

Dscf104186_2 ちょっと間が空きました。作業はしていますが、書くことが無いのでUPしていませんが、アクセス解析を見ると、大勢の方がクリックして頂いているので申し訳ありませんから、UPをしようと書き終わったら、何かの手違いで消えてしまったのでした。2回書くのはしんどいので、簡略版で書きますね。

キヤノンのダイヤル35-2で改良版ですね。ダイヤルと言ったって、今の若い方は電話のダイヤルがモチーフなんて気が付かないのでしょう。症状は、フリクションモーターを巻いても開放されてしまうというもの。

(また消えると困るので、細切れにUPします。時間を置いてリロードしてください)

Dscf104259_2 ボディーはデミと同じようにアルミ製のパールアルマイト仕上げで、きれいですけど傷や打痕には弱いですが、現存で無傷のものは少ないのでしょう。この個体は非常にきれいですが、ピンセット先に軽い歪み程度の打痕があります。1型とは細かなところで結構違いがあります。(内部も)ホットシューになったり、画像の裏蓋開閉ラッチも1型は下から上、この2型は上から下。こちらの方が自然ですね。本当はもっと書いたのですが、省略します。

Dscf104344_2 最中構造のカバーを取れば只のカメラ。しかし、特異なレイアウトを実現するためにかなり無理な設計をしています。裏蓋内だけではなく、内部の細かな部分までモルトで遮光されています。無理するからだよなぁ・・・

Dscf104406_2 上から見ます。左の部分にはフリクションモーターからの動力を伝達するギヤが入っています。右側は露出メーターとファインダーで、コンパクトにユニット化されています。

Dscf104579_2 ユニットを取り去ったところ。自動巻上げを実現するために、大きな歯車を5個も並べて動力を伝達していますね。問題の故障の原因は・・・

Dscf104633_2 この画像で説明するのは分かりににくいですが、右の平ギヤは巻き戻しボタンRを押し込むことによってスプリング側に押し込まれます。すると、左のイモネジがあるクラッチ部と分離されて、フリーとなる構造です。

Dscf104725_2 分かりにくいので、パーツリストを載せます。13-7266の↑に対角にある2つの「足」が無くなっています。折れたか磨耗したか? まぁ、折れたのでしょう。しかし、破片がありません。前の分解時に取り去ったのでしょう。この部品を調達するジャンクを持っていませんので、残念ですが作業中止とします。

フリクションモーターのゼンマイのトルクは結構強くて、潤滑の切れた真鍮ギヤは急速に磨耗損傷して行きます。他の現存機も似たような状況に置かれているのではないでしょうか?

このカメラは、特異な構造から、分解には非常に工数が掛かります。FT2台分ぐらいですね。かといって、2台分の工賃は頂けないので、出来れば、おいで頂きたくないカメラです。

Dscf104834_2 時間が中途半端となりましたので、時計を組んでいます。セイコーの新10Aという、いわゆるバナナ型と言われている機械。O/Hは終えていましたが、テンプの天芯とひげゼンマイの不良で完成していませんでした。そこで、入手したジャンクから調達したテンプを受けごと移植しました。調整の結果、姿勢差も少なく、歩度も安定しています。

Dscf104907_2 表側。1954年製としては、文字盤などはきれいな方でしょう。人気のかわり文字盤とは行きませんが、大人しくて品はありますね。スモールセコンドの機械は、セイコーでは、この機械が最後です。すでに中三針のスーパーが発売されていました。問題は、かん幅が15mmと適合するバンドが無いこと。パリス環式のコードバンでも付けてみようかと思います。

Dscf104886_2 ああ、急いでいて飛ばしました。同じ構図で撮った1型も載せておきます。どこが違うか見比べてみてください。本当はもっと書いたんですけどね。もう寝る。


大型連休最終日

2012年05月06日 19時53分04秒 | インポート

Img_2108 今年の大型連休も終わりですね。天気は当初の予報よりも悪かったようで、「春に三日の晴れなし」とは言うものの、三日も雨が降り続いたりで、最近の天気は不順です。海外旅行へ行かれた方や、国内を撮影旅行に出かけた方も多かったのでしょう。私は、相変わらずで修理の仕事をしておりましたが、最終日は気になっていたルマン号を見てやりましたよ。もう半年以上、ほったらかしで心配でしたが、幸いそれほどのサビもなくてホッとしました。フレームはクロモリですが、パーツは殆どアルミとステンレスのためサビには強いので助かりました。乗れるかどうかは分かりませんが、シコシコ磨いてやります。放置時間が長いので、タイヤは替えてやりたいなぁ・・

Dscf104355 お願いされていた二眼レフはオリンパス、フレックスと言うカメラ。私と同じくらいの歳なんですね。このカメラは、レンズの曇りが多いそうで、曇りの多い1群と2群は2枚レンズが分解出来ないようです。それで曇りの清掃が出来ないわけか?・・

Dscf104466 メンテナンスには、どうしても前面のシボ革を剥離しなくてはなりませんが、ご覧のように、過去の分解で硬化したシボ革はバラバラ事件となっています。おまけに左のカバーの接着面はこちらも古い接着剤が残っており、通常の溶剤では溶けてくれません。それだけ永い時間が経過しているということですね。歳を取るわけだ。やっとここまで清掃しましたが、これだけで数時間。あまり古いのはなぁ・・

Dscf104575 間が開きました。難物のFTをやっておりまして、何百台と治していても瞬時に原因の分からない故障はあって、日々研究です。ちゃんと治しましたけどね。

カウンターが12枚になるとフリーとなって、そのまま巻き取りますが、この個体は巻上げダイヤルがロック状態となってフィルムを巻き取れないとのことです。このシボ革の状態を見ると躊躇しますが、分解するしかないですね。

Dscf104655_2 スプール軸は巻き取られる方向には回転して逆転は出来ないメカをコイルバネ1個で行っていますね。上は、六角レンチのホルダーですが、同じ構造ですね。

Dscf104855 画像を撮り忘れました。各部調整で、カウンター12以降はフリーで巻上げられています。駒数ギヤの7の位置の歯がありませんね。ここでフリーとなるわけです。

Dscf104956 気をつけないと風化をしてバリバリに破れてしまうシボ革を貼り直してあります。すでに何度も剥がされているので、特に下部の部分は状態が悪いですね。各ダイヤルを取り付けています。

Dscf105064 シャッターはSEIKOSHA-RAPID #0 で、過去にメンテナンスを受けています。スローガバナーとセルフタイマーが目に付きますね。丈夫なシャッターで、作動に問題はありません。全体のメンテナンスと注油をしておきます。

Dscf105197 前面のシボ革を貼りますが、すでにモザイク状態ですので、一つずつ貼り込んでいます。本当は作り直した方が良いですね。欠損部分は、手持ちのシボ革のパターンが似たものから切り出して貼っています。(ピンセットの先部分)手前はセルフタイマーのボタンが付く軸。チャージの間、ボタンを押し続けるとセットされます。

Dscf105276 ロックレバーやセルフタイマーノブを取り付けて完成。セルフコッキングではないので、親指でチャージをしてレリーズボタンを押します。がっちりとした作りで、レンズに曇りが残っているのが残念ですが、F Zuiko 75mmは非常に良く写るらしいですね。私は撮ったことはありませんが。ちょうど私と同じ歳のカメラです。