え~と、今日は計画停電の実施が中止となりましたので、今のうちに作業を進めます。しかし、この停電で経済活動に与える影響は大きいと思いますよ。車のガソリンも昨日、地震発生後はじめて入れることが出来ましたが、1時間30分の行列に並びました。
で、PEN-FTが続きます。この個体は#1361XXと最初期ではないけど結構初期ごろの製品。この個体も巻上げレバーが固着してシャッターも切れないお手上げの状態ですね。未分解機かな? と思いましたが、かなり前に分解を受けていますね。観察すると、各ギヤや軸受けは潤滑が全く無い状態。この状態で作動させるのは磨耗を早めるだけです。固着の原因もその辺りにあるのかも知れません。
モルトの残骸やグリスに付着したホコリなどでかなり厳しい状態です。ここまでの点検では、固着の原因は判りません。プリズムのコーティングも曇りが激しい。ハーフミラーも腐食が進んでいます。初期の頃であれば当然の状態です。ピンセット先に虫の抜け殻がありますね。長期放置されていたカメラでしょう。カメラだけにカメ虫じゃないですよね。
では、ダイカスト本体と各部品を洗浄した後組立てて行きますよ。すでにスプロケット軸は組み込まれています。電池室のダイカスト側に貼られているモルトも交換してあります。電池接片に新しいリード線を半田付けしてありますが、今回は熱に強いULチューブを使用したため、ちょっと太めです。これらを組立てて行きます。
FTが続きますので細かな部分は飛ばしますが、シャッターユニットは潤滑不足の状態で、それによりギヤの噛み込み状態となっていました。各部品には損傷はありません。また、巻上げレバーのユニットですが、この個体は故障する前に落下か衝突の衝撃を巻上げ側に受けていますね。ユニットが変形していることも作動不良の一因です。修正をしてありますが・・問題は、手に持っている前板の方です。過去に分解をされていますが、リターンミラーユニットがよろしくない。初期のユニットですと、作動不良のユニットがありますが、このユニットを正常に作動させる(安定性)に苦労しました。現在は正常に作動しますが、将来的(って何時でしょうね)には不具合が出る可能性もありますね。
ハーフミラーは、製造時期によって仕様が変わっていますが、初期の頃ですと、画像のような銀色(銀メッキなので)のものが使用されています。現存のものはこのような状態となっているのです。これは交換になります。
リターンミラーユニットの調整に時間をとられましたが、今日は計画停電もありませんでしたので、なんとかこの状態まで仕上げることが出来ました。この頃はすでにセルフタイマーユニットは改良型となっているのが分かりますね。リターンミラーの周辺腐食がありますが、今回は清掃として交換は致しません。
1台目は完成で2台目をやります。デジカメ画像ですときれいに写っていますが、兄弟だけにニ兄弟ともかなりきったねぃカメラです。こちらは#2591XXと良い頃の個体ではありますが、消耗も進んでいます。オーナーさんからトップカバーのへこみを修正のご希望ですが、↓部分と巻き戻し側にもへこみがありますね。しかし、角部分ですから、金属組織が強い力で圧縮されたものですから元には戻りません。出来るだけ歪みを取るようにしておきます。
う~ん、どうしてもきれいに写ってしまいますね。現物はホコリだらけです。ボトムキャップの接着が剥離しています。これは意外に多いトラブルで、キャップ式の個体(中後期まで)では、かなりの確率で剥離しています。裏蓋で抑えているだけになっているのです。29万台辺りからはキャップではなく樹脂プレートの接着になりますから剥離はしません。
これでもきれい写ってしまいますね。かなり使い込まれた個体です。使い込まれたからと言って内部はきれいな個体も存在しますが、この個体のようにホコリの混入が顕著な個体もあります。接眼プリズムの状態は特に悪く、コーティングは白化しています。
ホコリまみれのシャッターユニットを洗浄した後、点検をしましたが、意外に悪い部分はありません。ギヤ軸の磨耗も少ない方です。スローガバナーユニットも良好です。シャッター幕とドッキングしておきます。
で、今晩も計画停電の実施中です。9時20分までの予定でしたが、この後20分で電気が来ました。あ~良かった。
では、作業を再開します。本体の組立はほぼ終了しています。使い込まれた個体の圧板はフィルムを通したすり傷が多くなりますが、このまま使用するとフィルムに傷が付き易くなりますので研磨をしておきます。
こんな感じですね。