今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

ローライコードの手直しの巻

2020年01月31日 20時45分00秒 | ブログ

その前に。関東地方は天候不順で寒く雨がちの天気が続いていたので今年の初詣に行っていなかったのですが、あっという間に1月も終わってしまいますので遅ればせながら初詣に行って来ましたよ。今年のお伴はセイコー・マーベルです。ケース、文字盤や竜頭などはデッドストックを使い、赤機械を入れて仕上げてあります。寒い季節は小径薄型の革ベルト時計が使い易いです。

で、ローライコードですが中古カメラ店様から手直しで戻っています。巻上げダイヤルのガタツキとのことです。当初の修理箇所には指示が無かったので限定修理のためダイヤルは良くチェックしていなかったです。シボ革を剥がして接着のプレートを取り去ります。

はい、やっぱり留めネジが緩んでいました。普通は強いネジロックを塗布されているので緩まないのですが、過去に分解を受けていたのでしょうか。

 

他のネジに緩みが無いか確認をしておきます。

 

 

ダイヤルの清掃をしてシボ革を接着で完了。

 

 

2台目のローライコード。平らなテーブルに置くとギッタンバッコンします。これも多い不具合で、アルミ製の裏蓋は重い二眼レフをドスンと置くと脚が陥没してしまうのです。リンクル塗装面を損傷させないように慎重にプレスで平面に戻していきます。

修正後。きれいに修正が出来ました。

 

 

平面に置いても大丈夫です。

 

 

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ブラックFTが続くよの巻

2020年01月27日 20時30分00秒 | ブログ

奇しくも前回のFT(B)と同月の生産#3136XX(1969年9月製)の個体です。セルフタイマーが途中で止まっていますけど、オーナーさんがタイマーのみ分解されたそうですが、巻き上げが固着して動かないことから、タイマー不具合の原因は他にあると見ました。ストロボの発光が不良とのことですので、接点が折れて悪さをしているのではないか? と仮説を立てます。

ほらね。Xシンクロ接点が折れています。前回M接点は殆ど折れないと書きましたが、X接点はシャッターのテンションシャフトに直接打撃されますので折れるものがあります。半田付けで直すか交換をするかです。

 

吊環の留めネジが緩んで1本は脱落しています。

 

 

エポキシ接着併用で取り付けておきます。

 

 

巻上げ系は問題は無いですね。洗浄組み立てをしました。

 

 

X接点が折れています。前回の個体と同じ月の生産ですので、あるいは部品の品質に問題があったのかも知れませんが今となってはね。半田付けで修理も可能ですが、今回は別部品を使います。

 

留めネジのガタ量の範囲で接点の隙間は大きく変化しますが、工場での組立データは分かりませんので、他の個体を参考に調整します。接点がテンションシャフトに近すぎるとシャッター幕が途中で止まってしまいます。次の図の「5908」「5889」が接点を叩きます。

洗浄したチャージギヤと軸の摩耗を点検して組みます。

 

 

テンション軸側のギヤの摩耗を確認します。

 

 

シャッターは快調。前板を組みます。

 

 

問題はハーフミラーです。オーナーさんは再使用ご希望ですが、カビもあって拭き上げをするとメッキが薄くなってしまう危険があります。私としては交換をお勧めしますが、さでどうしたものか・・

 

ハーフミラーは清掃で再使用としました。次はリターンミラーです。こちらも曇りが進んでいます。特に周辺はメッキが劣化しています。こちらも清掃で対応します。

 

これで一通りの作業は終わりましたね。洗浄したトップカバーを付けて終了のはずが・・

 

ストロボが発光しません。直接の原因である接点折れは解決したはずなのに・・。過去にターミナルとリード線をやり直されていて、トップカバーを締め込むと電気的にショートを起こしています。

 

その他、セルフタイマーのロック不調の改善をして終了。巻き戻しボタンをセットしてアンダーカバーを取り付けます。

 

今回はハーフミラーは交換せず、接眼枠を交換してあります。実用派らしく、外観の向こう傷は前回の個体より多いですが、まだまだ現役で頑張ってくれるでしょう。

 

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ママチャリのタイヤ交換の巻

2020年01月25日 23時31分44秒 | ブログ

カメラの方は一段落なので、カミさんが電動自転車に買い替えた時に廃車する予定だったママチャリを私の医院回り用として整備をしています。外は寒いので前輪は昨夜、家の中にホイールを持ち込んで交換済みです。スポーツ自転車と違って、スタンドやブレーキを外さなければならないので面倒ですね。

寒いので古いタイヤを手早く外します。このタイヤは新車の時から交換はしていないと思いますので完全にゴムがひび割れをして危険でした。

 

アマゾンで選んだタイヤはIRCのコンフォート。昔は井上タイヤって言ったよね。小排気量のバイクでは多くのメーカーが新車装着していた実績のあるメーカーで、当然、中華委託生産ではあるけど、しっかりとした作りでチューブも厚く良品。フンドシ(リムテープ)まで付属でこの価格はホームセンターなどよりかなりお得。因みにブリヂストンは自社では自転車やオートバイのタイヤは生産していないですね。同じような画像ですが、すでに組み立てているところ。サビサビのスタンドなどを磨いてから組みます。

https://amzn.to/2OeaDiT

すでに組んでおいたFホイールを取り付けます。ハブのグリスアップもしてありますが、じつはシャフトの曲がりを発見しました。まぁ、リムが限界になるまで使って次は完組ホイールにします。これで安心して医院回りが出来ます。

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分解機のPEN-FT(B)の巻

2020年01月21日 20時50分00秒 | ブログ

先日突然に到着していた分解されたPEN-FT(B) #3109XX(1969年9月製)のオーナー様と連絡がつきました。分解はご自身で行ったそうです。なんとか復元をして欲しいとのこと。分解機の復元は通常の修理ご依頼とは異なりますので場合によってはお受けできない場合もあることをご承知ください。今回は30万台のブラックモデルなので、このままにしておくわけにも行きませんので・・観察すると露出メーターまで分解が及んでいます。これらの電気部品は基本的に分解をしてはいけません。不用意にコイルの巻き線にドライバーが当たったことで、細い銅線を切ってしまう危険性もありますし、メーター感度の調整も狂うことがあります。また、気が付かない部品の紛失などの危険もあります。では、明日から作業に掛かることにいたします。

問題の露出メーター。まず上部プレートの留めネジがビニール袋内に見当たりません。分解機は必ず部品紛失があります。この部分は本来分解をしてはいけません。のような細いヒゲゼンマイやコイルの巻き線もありますので、気が付かずに切断してしまう危険性があります。針の先端も曲がっていました。その他、ネジが磁石に吸い寄せられて付着している(コイルが動けない)こともありますので、慎重に点検していきます。

内部の軸受け部がヤスリで削られていますが製造過程かなぁ?

 

 

簡易テストで作動しない。点検するとCdsからの赤リードが断線していました。ハーフミラーを取り出してありましたので、その時にCdsにストレスを掛けたのが原因でしょう。

 

作動をするようになりました。問題は感度です。

 

 

使われていなかった個体は圧板とフィルム押えにカビが生えているものが多いです。

 

ここからは通常の組立になります。本体を洗浄をしてモルト貼りから始めます。

 

 

レバーユニットを留めるネジと高さ調整用ワッシャーが失われていました。分解したパーツの適切な管理をしませんと、いつの間にか細かなパーツは飛散して、失くしたことさえ気が付かないのです。

 

接眼プリズムを保持するプリズムホルダーのネジが外されていましたが、プリズムが欠けています。落下の衝撃などで欠けている個体もありますが、この個体の場合、取り出す時に無理をしたのでしょう。

 

画像は良く写っていませんが、拭き上げをしたようで、渦巻き状の傷が付いています。ここまで書いた不具合はすべて分解による劣化です。元は良い個体だったはずです。

 

この調子で行くと終わらないので急ぎます。シャッターユニットは特に問題はありません。チャージギヤと軸の摩耗も僅かです。スローガバナーを超音波洗浄しています。

 

シャッターユニットを搭載してやり直した前板関係と組み立てます。

 

 

右側のシンクロ接点#2が折れています。

 

 

絶対に折れないとは言いませんが、普通は折れないですけどね。交換をしておきます。

 

ハーフミラーは新品と交換です。

 

 

露出計はやはり30万台のユニットとしては感度低下が大きいです。調整抵抗が破損していました。どうせ感度調整をするので使用しませんが。やれやれ、やっとここまで来ましたね。人様が分解途中で放棄した個体は非常に手間が掛かり本来はお受けしたくないのですね。しかし、カメラには責任は無いので可哀想ですから・・。後は上下カバーを取り付けて完成ですが、皿ネジの1本が欠落しています。最後の最後まで世話が焼けるのです。

露出計調整とピント調整を終えて洗浄をした上下カバーを取り付けます。まだ艶消しの塗装肌の残る良いカバーです。

 

ここのネジが欠品していましたので塗りネジを作って留めます。

 

 

ほら、きれいな個体でしょ。30万台のブラックFTを世の中から消す訳にはいかないのです。しかし、どうして分解をするお気持ちになられたのでしょうかね?

 

https://blog.goo.ne.jp/tomys800

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


[業務連絡]ですの巻

2020年01月19日 18時35分00秒 | ブログ

本日、心当たりのない宅配便が届きました。中身は分解されたPEN-FT #3109XXでしたが、事前のメールを探しましたがご依頼を頂いた形跡がありません。分解機ですと部品の不足などの懸念もあり、また事前の作業費用などのお打ち合わせが無い場合はトラブル防止のため作業に掛かることが出来ません。一度メールにてご連絡を頂けますようお願いいたします。

今日まで都内青山で「ペンスケッチ展2020」が開催されていましたが、体調もあって参加見送りと思っておりましたが、ブログにもお誘いのコメントを頂きましたのでご挨拶だけということで出掛けました。ペンスケ展の時は決まってホンダの青山本社ショールームによって行きます。今日は新車の内覧会が行われており混雑をしていました。常設と思える軽食カウンターが設置されていて、あ~、これじゃバイクなどの展示車が置けないよね。

バイクはなんとこれだけです。モンキーの125.実写を見るのは初めてだったけど想像よりもかなり大きいですね。タックロールのシートは70年代に私も乗っていたCB350と同様のデザイン。でも、モンキーは従来の50ccがいいなぁ。

コレクションホールから持って来たのでしょうね。初代のN360(N1)が展示されていました。当時の塗料は良くなくて、赤色などは短期間で色あせてしまって朱色のようになっていました。

 

懐かしいインテリア。私が学生の時に中古で最初に手に入れた車です。ダッシュボードはスポンジパットが硬化してバリバリに割れるのが常でした。シートは意外にゆったりとした座り心地で、後継のライフやホンダZなどよりもファミリーカーとしては優れていました。

あら、本題でした。ギャラリーはすぐ裏です。縦型ハーフサイズの作品が展示されています。みなさん毎年本当に熱心に活動されていますね。

 

私などは直すばかりで最近はPENで撮影はしていなかったです。参加者のみなさんとのメカ談義に夢中になって予定時間を過ぎましたので、今回はこれで失礼させて頂きました。

 

別室では、ペンスケ展の主宰MazKenのデジタル一眼による作品展示もありましたよ。プロの感性を感じますね。PENファンの方は次回の開催時にはお出掛けになってみてください。