いよいよ今年も押し詰まってきましたね。みなさんは御用納めは何日でしょうか? 私は例年大晦日も正月も作業をしていますけどね。で、これで今年中の作業はお終りかなぁ。PEN-Wが2台です。どちらもシャッター不調と汚れ放題で年月を感じますね。
しかし、特に問題はないと思われますので、特別なこともなく淡々と作業をしていきます。すでに分解をして、本体の洗浄をしてあります。次はシャッターを組んでいきます。
洗浄しましたら本体は意外にきれいになりました。シャッターユニットが完成しました。調子は良好です。
ストロボの発光テストをしてシボ革を貼っておきます。
と、ここでカメラ店様から突っ込みです。
巻き上げレバーがプラプラになる症状。これ、最近生産の古いドイツ製に多く出ています。部品名FLANGE という巻き上げギヤのクラッチですね。おそらくジュラコン樹脂製と思いますが、シャフトに嵌って上下に摺動する部品ですが、長い間に摺動面に傷がついたり摩耗をしたりでスムーズに動かなくなっているのです。メーカーSSでしたら問答無用で新品部品と交換ですが、それがありませんので苦労をすることになるのです。
何とか終わらせてPEN-Wに戻ります。磨き出したカム盤を取り付けます。
ファインダーの前面ガラスと対物レンズを清掃して接着をしました。本体と組み合わせます。
レンズはいけません。バルサム切れというよりはバルサムに曇りが出てしまうのがPEN-Wレンズの特徴かな?
前群と後群にバルサム貼り合わせがあるのですが、この個体は両方に曇りが出ています。また、前群レンズは組立時に軽圧入の感じでセットされているため分離のできない個体が多いです。最近は前群のバルサムを取り去って、2枚のレンズをそのまま重ねてリングナットで締め込まれているものもありますので入手時には注意が必要です。と言っても注意のしようがありませんが・・バルサムをやり直してくれる業者さんもあるようですが私は知りません。
すでに2台目をやっています。本体にスプロケット軸を取り付けています。1台目の個体は#1939XX 1964年10月製ですがスプロケットはアルミ製です。下の2台目は#1079XX 1964年11月製でスプロケットは樹脂製に変更されています。コストダウンですね。
オーバーホールをしたシャッターユニットを取り付けます。
2台目の個体はファインダーの前面ガラスと対物レンズを取り外して清掃を受けていました。再び分解しますが、前回の分解時に前面ガラス角にカケがあります。ここの分解は非常に困難でメーカーは製造後に分解は想定していないと思います。無理をすると対物レンズを割ってしまいます。私は次の修理の方が簡易に分解できるように(部品にダメージを与えないため)接着は必要にして最小としています。
こちらのレンズは打って変わってきれいですね。バルサム劣化の差は紫外線や高温多湿なのでしょうかね。使用しない時はレンズキャップをしましょう。
まぁ、一勝一敗というところでしょうか。今年中にもう少し作業が出来そうです。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)