PEN-S3.5 #1678XXですけど、先日のペンスケッチ展に参加のご常連さんの愛機が来ました。会場でざっと拝見した感じでは、シャッターは、まずまずの作動ですが、巻上げやシャッターダイヤルの感触がゴリゴリしている。ファインダーの曇りなどがあって、メンテナンスご希望とのことでした。
未分解機かと思いましたが、分解をしてみると過去に修理の手が入っていました。モルトは両面テープ付で貼り替えてありましたが、これをするとトップカバーと固着して分離困難となりますので、私はオリジナル通りに接着をします。
当初は、スプロケット軸、スプール軸のメンテナンスなど限定修理の予定でしたが、シボ革も剥がれ気味ですね。ということはシャッターもいじられているということですから、いつものように完全にオーバーホールします。内部の汚れもあって、洗浄してから組みたいですからね。
特に壊れている部分は無いのでUPすることも無いのですが、それでは古いモルトを除去してダイカスト本体などを洗浄します。
1968-10月製の比較的新しい?製造なので、特に部品の劣化はありません。このカムを作動させるバネ1個で、すべての作動を司っています。
何故か駒数ガラスの内側が痛んでいますね。コンパウンドて研磨をしておきます。
この頃の後期のシャッターはハウジングが黒アルマイト処理をされています。
基本的には悪くはないシャッターですが、カムとスローガバナーの連動部分の接触がスムーズでないため、巻上げのフィーリングにも影響があります。使用過程で摩耗をして粗面になっていることが原因ですが、研磨をするとメッキが無くなって摩耗を早めるので、なるべくそのままにしたいのです。今回は当たり面を微調整をして再使用とします。
で、レンズを除いてメカ部分は完成しました。駒数ギヤ下のスプールギヤは黒の樹脂製に変わっています。
ファインダーのレンズを分離清掃をして再接着をしました。
レンズは非常にきれいな状態でした。巻上げも軽くスムーズになっています。コレクション用ではなく、実際に作品を撮影されているカメラです。益々良い作品を生み出してくれるでしょう。