公開予定のない中古店様の急ぎの作業などをしておりました。で、このPEN-FTブラックは#3436XXと良い頃の個体のはずが、ハーフミラーやファインダーの状態がかなり良くありません。また、過去にリターンミラーが剥離して、オーナーさんが瞬間接着剤で貼ってあるという個体。再剥離はミラーの破損の危険があるため、今回は見なかったことにします。ただし、ファインダーのピント調整は必要です。どうか、オーバーホール中に剥がれないように・・
30万台では珍しい駒数ガラスの▲の色滲み。保管が良くなかった? 駒数盤の復帰も緩慢です。
画像ではそれほどでもに見えますがハーフミラーも30万台としては悪いです。
PEN-FTは定番作業なので細かなところは書きませんが生産の最後期になってチャージギヤがリングナット留めになりました。分解が出来るメリットはありますが、なぜ最初から組立式にしなかったのか? この個体のようにリングナットが緩みやすいということです。針で動かすと簡単に緩んでしまいます。
分解するとこのようになります。幸い地板の孔の摩耗拡大(無給油で使い込まれた個体は拡大している)はありません。
保管が良くない個体ですのでプリズムのコーティングも心配でしたが、幸い大丈夫でした。
ハーフミラーは右の新品と交換します。34万台でこれだけメッキが飛んでいるのは珍しい。露出計が感度低下気味なので補正が出来るか心配です。
シャッターダイヤルの回転で1/8から1/4に回す時、少し抵抗感があるのはガバナーのギヤが切り替わっているからですが、この個体の場合は引っ掛かりが顕著です。工場で削ったり潰したりしてシャッタースピードを調整してあるカムの形状にガバナーレバーがスムーズに乗り上げて行かない感じですね。ここは削るわけには行きません。グリス塗布をしておきます。
今日の関東地方は蒸し暑くて画像を撮っての作業が出来ませんでした。セルフタイマーの作動を見ていますが、セルフレバーが若干お辞儀をしていますかね? 調整をしておきます。
1970年6月の製造と思われますが、私にして見たらつい最近でオートバイを乗り回していました。外観も悪くはないですが、唯一保管が良くなかった。それによって露出計は確実にダメージを受けます。この個体もかなりの感度補正を強いられました。では、後はリターンミラーの爆弾があるわけで・・
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)