少し暇な時間がありましたので、大阪のご常連さんから送って頂いたルマン号の反射鏡を取り付けることにしてマッドガードを取り外しました。左上の小判型が今まで付けていたBSの現在物。その下の四角いのが穴位置が合いそうです。
丁度良い機会ですから、昔、娘の自転車のスタンドでぶつけられた凹みを直すことにします。
本所のマッドガードはアルマイトなどの表面処理がしていないので、柔らかで簡単にへこみます。また、常にピカールで磨いていないと腐食してきます。大体、荒出しをして研磨をして行きます。
ほぅ、中々似合いますね。これは舶来部品だと思います。どうもありがとうございました。へこみも完全に平滑にはなっていませんが、他の部分も凹んでいますので・・
で、ヒコーキですが、傑作機コレクションでは、三式戦闘機「飛燕」が発売になっているのですが、イラスト下の244戦隊の小林戦隊長機の派手な塗装となっています。価格も高いので食玩のウイングコレクションを買ってみました。この箱は飛燕かP38が入っているのですが、めでたく飛燕が出ましたよ。しかし、244戦隊や飛燕らしい銀色ではなく、暗緑色に塗られた55戦隊が19戦隊の機体でした。陸軍の場合、胴体に巻いている白い帯は外征部隊機を表します。明野飛行学校の隼などでも見受けますが、外地からの機種改変による返納機。1型丁は2型になる直前の機体で、20mm機関砲などの装備で、重量は増加して発動機の向上は無いという性能低下の頃。244戦隊によるB29邀撃戦では、高々度まで上昇できず、震天隊(体当たり)は20mm機関砲を下して飛び上がって行った。立川上空でF6Fに撃墜もされています。画像右がいつも登場する、20年以上前に作ったマルサンあたりの1/100スケール機。1/144はいかにも小さく、細かなデティールの追加工をするには1/100が限界のようですね。もっとも、現在の目では1/100も厳しいですけど・・しかし、1/100では省略されていて、追加工をした操縦席後部の構造材は、このキットでちゃんと表現されていました。さて、244戦隊が出るまで買うか? 1/72の傑作機コレクション「飛燕」を買うか??
で、本題です。久しぶりのご常連さんからPEN-EESと腕時計が来ています。この個体は、当時、新品で我が家に来たカメラだそうですが、EEが機能しません。中はかなり腐食していますね。
セレン光電池の起電力を計ってみると死んでいますね。本来は分解できない構造(接着)で、ASSYで交換するのですが、フィルター取付け部のへこみも思い出なので残して欲しいとのご希望。
それでは、分解してセレンユニットは別の部品を使用することでフィルターリングはあえてへこみのあるオリジナルを使うことにします。
シャッターユニットの分解清掃をします。レンズの状態は良好ですが、このカメラは水気が多かったようです。絞りユニットの地板の腐食が激しく、絞り羽根の作動に影響があるかも知れません。
スプール軸の上部も腐食しています。
すでに洗浄済みの本体にシャッターユニットを搭載しています。その後、完成したセレン光電池の配線を通します。オリジナルのセレンも水の侵入があったようですね。
EEはPEN-Sなどよりも遥かに工数が掛かるのです。EE精度を保証しなくてはいけませんので・・イラストではEESはこの調整になります。
オリジナルのセレンよりも起電力が高いようです。調整抵抗を交換しておきます。
現在は費用を掛けてオーバーホールをして貰えるEEは少ないと思いますが、ずっと一家に留まっていた幸運な個体ということでしょうね。オーナーさんは、このカメラでスーパーカーを撮影されていたそうです。あぁ、そんなブームありましたね。私はスズキのフロンテクーペに乘っていたかな? ダンボールギニー・コンタック600とか言って・・で、次は時計屋さんをやります。目の倍率を変えないといけないので少々お時間を・・
スイスのHEUER WS2113というモデル。GMTといって、グリニッジ天文台の標準時刻で24時間で1周する針を備えている時計です。現状は不動ですが、購入から16年間オーバーホールをされていないようです。それじゃ止まるよね。キャリバーはETAのCal.2893-2を搭載していますね。
Cal.2893-2はCal.2892-2に24時間針を追加した自動巻き機械でスイスの時計メーカーが汎用品として採用しているようです。ETAの機械はいつものセイコーと違って、ネジの頭が小さくて私には組みにくいですね。
実用的で装飾加工などはありませんが、カッチリとした精度の良い作りです。どこと言って明らかな損傷は認められませんが、さすがに16年使い続けたためか、ホゾが摩耗気味でガタが多いと感じます。強力な8振動のゼンマイですから、油が切れても動いてしまうのですね。油っけは全くありませんでした。取りあえず特徴的な配置の輪列を組んでザラ回し。
一度も分解されていない機械ですし、部品精度が良いのでテンプ受もきつめにかっちりと組めました。しかし、天真に全く潤滑が無い状態で長期に作動させてしまったことから天真の摩耗とアンクルのガタが大きいようです。本来は交換した方がベストですが、今回は再使用で組みます。注油をしておきます。
動きだしましたね。豪華さはありませんがきれいな機械です。この上に自動巻きユニットが載ります。
前後して日ノ側側を分解している画像。GMT用の歯車が追加されています。
慣れですけど、細かな部品の嵌合具合があって少し組みにくい印象ですけど、これで完成。
普通の時計よりも針が1本多いので、当然、取付ける外径が大きい訳でが、サイズの大きな針押えの用意が無いので・・これがちょうどよい。タミヤの面相筆のお尻。木なので針に傷をつけないし。勿論、ビニールシートを載せて傷防止をしますけどね。
同心軸に4本の針が付きますので結構大変。意外に針の裏側にはみ出した蓄光塗料が厚くて、干渉に気を付けなけばなりません。
片振りが完全に調整できないのと姿勢差もありますね。やはり摩耗の影響があるようです。
まぁ、何とか妥協点を見つけて研磨をしたケースに入れて完成。GMT針付でブラック文字板とオーソドックスなケースで、美味しいところを抑えた時計ですね。しかし、かなり高価な値付けで流通しているようですが、私には数万円の時計と同じにしか見えないのです。その意味では、スイスの老舗ブランドは付加価値の高い商売をしているなぁと思うのですよね。