今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

PEN-Fがどうなって行くか? の巻

2014年06月26日 21時29分31秒 | インポート

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え~と、私にも完成のイメージは湧かないのですが、取り敢えずスタートしています。ダイカスト本体の細かな部分の色を変えてと・・






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新しいモルトを貼ってから裏蓋の蝶番を取り付けます。
















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巻き戻しのR軸受けとカギ板にグリスを塗布してカギカバーをビスで固定します。後は本体は通常のO/Hで組立てて行きます。










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いえ、単にリペイント作業なのですが、ヤマ勘調色ですから、どのように仕上がるのか分からないということです。今日は、自治体でやっている無料の検診と別の通院もあって外出しておりましたので、作業は進んでいません。とりあえず、組立ができるメカ部分を進めておきます。しかし、このブログ、win.8.1にしたら余計に入力がおかしくなって、入力したとおりに反映されませんので困りました。すでにocnは対応をしないみたいです。

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そんなことで、画像とテキストの位置がずれてしまいますがご容赦のほど。巻上げ部完成。次はシャッターユニットをO/Hしておきます。






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分解前の点検で、スローが不調なことが分かっていた。このユニットは、不調となっているユニットが多いです。原因はスロー歯車の異常摩耗やアンクルの動きが悪い場合、またガンギ車とのクリアランス不良などがありますが、歯車間にゴミの噛み込みも不調の原因となるので、超音波洗浄をします。新しい洗浄液に細かな金属摩耗粉やゴミが溶け出しているのが分かります。

Img_458975 ひどい歯車の摩耗は無いのですが、周期的に引っかかろうとする。このユニットは、作動負荷についても軽くはないので、シャッターユニットの作動トルクとの関係も合わせて調整をしておきます。








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シャッターユニットを搭載したら、シャッター幕の損傷を防止するため、すぐに裏蓋を取り付けておきます。








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今日は外出していましたので作業は進みません。いよいよ上下カバーと小物の塗装準備をします。メッキを剥離して真鍮の素地の状態に戻して細かな修正をしておきます。ふぅ、画像1枚で簡単に見えると思いますが、どうして、この状態にするのには手間が掛かっているのです。




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残念ながらプリズムに点々と腐食がありますね。部品取り機も付いてきていますが、そちらも同様な腐食が大きいので、このままオリジナルを使うことにします。











Img_459624これでメカ部完成。プリズムに腐食がありますので、今回は全反射ミラーも交換しません。(それぼと悪くはない)また、ブレーキのOリングも交換をしていません。費用が嵩んでしまうので節約です。









Img_459777塗装を終えたトップカバーは文字の色入れやターミナル、駒数窓などを取り付けて完成させますが、先に駒数窓が正確にセットできるか確認しておきます。まぁ、絶対にそのままではセットはできないのですが・・。そもそも、塗装前に駒数窓を分離しましたが、ゴム系接着剤で樹脂を侵しながら接着されている駒数窓をどうやって分離するのか? 溶剤は使えませんよ。また、メッキと塗装では、塗料の付着厚みが厚くなりますので、そのままでは絶対に入らないのです。それを修正しながらセットしたところ。画像では分からない、細かな作業の連続で仕上げていきます。


Img_459867完成したトップカバーを仮に本体に取り付けて様子を見ます。塗膜の厚みが変わりますので、レリーズボタンなどの動きや本体とのクリアランスが変わるからです。見えないところで細かな微調整が続きます。で、取り付けに問題がないことを確認しましたので、シボ革を貼るために一度取り外しておきます。






Img_460452すみません。シボ革で手こずりました。私所有のPEN-FVグレーには素材がグレー色のシボ革を使用したのですが、今回は都合でビニール専用の塗料で仕上げてみました。しかし、元々のシボ革がすでに劣化でキズや荒れが多く、塗料が均一に乘らないため狙った明度よりも暗くする必要がありました。実際は画像より濃いグレーとなっています。





Img_460575特に裏蓋のシボ革の状態が悪かったです。













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デジカメのホワイトバランスを再調整しましたら、色が変わりましたかね? これは明るすぎです。巻き戻しダイヤルの→も丁寧に色入れをしてあります。










Img_460766結局、撮れば撮るほど色が変わってしまう。カラーものは難しいですね。すでに、グレーでのリペイントのご希望を頂いています。有りそうであまり無いペングレーでのリペイント機ですが、私所有のFVグレーを米谷さんに見て頂いたとき、「にゃ」っと笑われたのが印象に残っています。メーカーさんでも計画をされたのかは分かりませんが、やりやがったな。というところでしょううか?
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帰って来たPEN-FT(B)を修理するの巻

2014年06月24日 12時44分58秒 | インポート

Img_4560最近、PENを実用してくださる方が減っているようですが、このFTのオーナーさんは精力的に撮影をされているようです。過去にO/Hやリターンミラー破損などで当方に来ていますが、今回は巻き上げが出来なくなったとのことです。原因を探っていくとここです。ブレーキ軸に異常なガタがあります。確かに摩耗も進んでいる個体ですが、それにしても異常です。





Img_4562画像では写りませんが、ピンセットの振れぐらいガタガタです。











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この個体は34万代と最後期の個体ですので、ブレーキ軸とチャージギヤの組立には真鍮のナットが使われています。(それ以前はカシメ) そのナットに緩みが発生していたのもガタの要因です。すべて洗浄をしてから組み立てます。






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ブレーキリングも再組立をしておきます。










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完成したシャッターを本体に組み込んで、あとは通常の作業。






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シャッターダイヤルの回転にゴリつき感がありましたので分解洗浄とグリスを交換してあります。露出計などの調整をしてメカ完成。









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この個体は砂入りでO/Hをした経歴がありまして、摩耗も進み気味ではありますが、
まだジャンクにはならず復活しました。また元気に活躍してくださいよ。

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OM-2nのメンテナンスをするの巻

2014年06月22日 21時39分28秒 | インポート

Img_454866OM-2nが来ていますね。TTLダイレクト測光とフィルム幕面の反射を測光するなどが特徴ですね。プリズムと接眼レンズの内側にホコリとカビがありますので清掃とモルト交換をします。OM-1でも一緒ですが、巻き上げレバーを取り外すためにナットを緩めますが、カニ目と見えるのは実際のカニ目よりも一回り小さな穴の開いた化粧プレートで、これを傷を付けずに分離しなければなりません。SSでは、分解時は破壊をして、新品のプレートで組み立てるのでしょう。しかし、新品のプレートは無いので溶剤を毛細管現象によって浸み込ませて接着を緩めます。

Img_453824両面テープを貼って一気に引き剥がします。











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接着面は中心付近のみ。あまり溶剤を入れると下の樹脂カバーを侵すので注意が必要です。







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OMシリーズもプリズムの腐食が多いですが、遮光用のモルトが悪さをしています。この個体は、幸いプリズムとの密着が甘くて難を逃れていました。プリズムを取り出して清掃とモルトを交換します。






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マニュアル用のCdsがセットされた接眼レンズ。汚れをきれいに清掃します。







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露出補正表示用(+-)の部品。位置決めがアバウトになり易いので、ファインダー像を確認しながら位置決めします。










Img_455428 シンクロソケット金具に新しいモルトを貼って接眼ユニットと共締めします。











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スクリーンとリターンミラーも清掃しておきます。











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裏蓋の劣化したモルトもきれいに清掃しておきます。











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新しいモルトを貼っています。












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この個体は、化粧プレートの接着が強固でしたので、分離にはカニ目穴にも力を掛けたので、穴の内周の黒アルマイト剥がれをガンダム塗料で補修しておきます。









Img_454315 付属の100mm f2.8にもカビの花が咲いていますので、分解清掃をしておきます。











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清掃をしたレンズを装着して終了です。

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SEIKO スピードタイマーをレストアしようかな?の巻

2014年06月15日 22時56分53秒 | インポート

Img_437055以前に入手しておいたセイコーのクロノグラフ 6139-7010 です。風防ガラスは割れてリュウズも欠品しているというジャンク状態。ケースも傷があります。しかし、この種のモデルに多い分解歴は無いようで、文字板は無傷です。これだけでも貴重です。クロノ針の蛍光オレンジも退色していますね。赤色のモデルも存在するようです。機械をO/Hするまえにケースを仕上げておきたいですね。




Img_448945ケースとべセルの傷を研磨してケースはヘアライン仕上げとしてあります。風防ガラスは純正を見つけることは至難で、あっても高価ですが、北海道のINOBOOさん経由で時計店さんの在庫を譲っていただきました。純正はハードレックスです。リュウズも幸い入手することが出来ました。では、やらなきゃならない雰囲気ですね。




Img_449078 そうそう、このブログはOCNを利用していたのですが、近いうちに閉鎖になるとのことです。どうしようかな?
で、完全に清掃したインナーリングとパッキンをセットします。







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パッキンに風防ガラスを正確にセットしてからベゼルを圧入しました。アップすると、取り切れない打痕が見えますね。しかし、オリジナルの形状を変えたくないので程々にしています。






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文字板をセットして様子を見ます。ブラック一色で計器みたいで気に入っています。










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ボタンの傷を研磨して消しておきました。リュウズをセットして。。なかなか良い雰囲気。では、機械を仕上げないといけなくなりましたね。








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すべて分解洗浄をしたところ。キャリバーは6139Aで機械落径27mm厚み6.65mm 振動数21.600回/時(6振動)の小さな機械に、従来では困難とされいた自動巻機構を装備した優秀な機械です。普通の腕時計より複雑な機構と、クロノグラフの微妙な調整が難易度の高い機械ですね。





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構造が複雑なので、組立手順は技術解説書通りに行います。(組めなくなってしまうので)各部の注油も指定通りの油脂を使います。







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まずは、基本の部分から組んでいきます。香箱、二番車、三番車、ガンギ車をセットしていきます。








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クロノ部分を載せて複雑になってきましたね。











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テンプ側から。さらにこの上に自動巻機構が載ります。










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この機械には軸受部の保油装置としてダイヤフィックスが使われていますが、何故かバネが欠落していましたので、手持ちから追加をしておきます。







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カレンダー機構を組んでいます。この個体は、曜日が完全に切り替わらないという不具合がありましたので、慎重に組んでいきます。日車はリュウズをプッシュすることによって早送りが可能ですので、その作動も確認しておきます。





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文字板をセットして、仮に針を置いてみます。すでに夜光塗料は劣化して発光はしません。カビのような汚れもありますから取り除いてやり直すことにします。










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現在入手出来る塗料は蓄光塗料ですね。長短針共塗り直してあります。オレンジ針は蛍光塗料のため退色していますが、剥げはないので、このまま再使用としました。










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完成したユニットをケースに収めてから自動巻機構を組み込みます。マジックレバー式のため部品点数は少なく、ひどい摩耗はありません。










Img_452157最後に回転錘(ローター)を取り付けて組立完成です。この後、歩度調整をして裏蓋を閉じます。











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裏蓋は軽く研磨をしてあります。













Img_453655仮に革ベルトを付けてみますが、ラグ幅19mmなのにすごくナローに見えますね。如何にケースが巨大かです。すでに上の発停ボタンをを押してオレンジ針が正常に作動をしています。もう一度ボタンを押して停止です。








Img_453764下のボタンを押して瞬時にオレンジ針が帰零します。O/Hをしていない個体は針の復帰が緩慢になりやすいですね。











Img_453541このモデルは多くのデザインバリエーションと機能があって国産腕時計としては珍しく海外にもファンが多いクロノグラフです。ダイバー用のゴムベルトでも似合うと思いますが、オリジナルはステンレスベルトですからデッド品を探したいと思います。
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思い出のキヤノン旧F-1を引っ張り出してみるの巻

2014年06月13日 21時28分07秒 | インポート

Img_445751最近、暑いのでPENファンは一休みかな? 修理が来ませんよ。では、北海道のINOBOOさんからキヤノン旧F-1のきれいな個体が来ています。特に故障の部分はなくて光学系の清掃だけのようですね。点検していると、サーボEEのソケットのカバーが割れて欠落していますね。画像では見えませんね。






Img_445955new F-1も使いましたけど、元々FTb育ちの私としては、旧F-1は正常進化を遂げた兄貴分のようでがっちりとして迫力満点です。当時は高くて使えなかったんですよね。バイクにもお金が掛かっていましたからね。FTbでこうなれば良いなぁと思っていたペンタプリズムの分解式、このレールが本当に高級に感じましたよね。私は、組立ての治具として毎日抜き差ししていたんですよね。


Img_446015 後ろは鏡ではなくて私が所有しているF-1です。この頃だったかな? レースのF1が日本の富士スピードウェイで開催されてね。6輪のタイレルなんがが走っていたね。そのレースのF1と関係があるのかなぁとか思った。ハイホンが入っていないだけだもんね。





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このソケットです。A-1の電池フタとか、キヤノンのモールド部品は結構破損しますね。









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特徴的な平べったいペンタの山ですが、平面なので結構へこんでいる個体が多いです。ボディーは極上ですがペンタだけ惜しいです。前の個体は私所有の個体できれいでしょ。海外からの出戻りです。アイビースカバーは、また部品が出ていた頃に数個確保しておきましたが使わないとゴムが白化してきます。どちらも巻き上げレバーにカバーが付いた後期モデル。製造時期も近いです。


Img_446376 こちらの画像の方が良くわかりますね。しかし、当時は見えた情報窓のシャッタースピードが読み取れません。視度補正アダプターが必要です。








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キヤノン販売が売っていたシャッターボタンを付けています。これは押し易いです。10個ぐらい持っていたはずですが、さてどこへ行ったやら・・








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この300mmはニューFDなので、この後のA-1で使っていたレンズ。










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やはりバヨネットリングのある旧FDが似合いますね。しかし、大きく重いレンズです。この35mmは、確か正規品ではなくて、検査課でキズで落された個体の抽選販売に先輩に頼んで買ってもらったもの。色に独特な癖がありますね。






Img_447679 旧F-1には色々なアクセサリーが用意されていましたね。スピードファインダー、ウェストレベルファインダー、サーボEEファインダー、そして、私が組立をしていた画像のブースターTファインダーです。一応記念に持っているのですけどね。非常に不安定な装置で組立調整には苦労しましたね。トップ面のめくら蓋はカバーを取り付けてから輝度調整をするため抵抗。すべて保護テープを貼った状態で組立られます。少数生産なので流れ作業ではありません。最終検査に合格した個体にシボ革が貼られます。
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スイッチはこの回転ノブ。Cのバッテリーチェッカーから復帰しない個体があって、シム調整やスチールボールのグリスなどを調整します。カバーと本体の合いもイマイチなんですね。メーターのレンズは上下2個所のカシメですが、ケトバシでは割れるものもありました。




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アイビースシャッターのクリックの感触まで検査規格がありました。シャッターダイヤルのカップリングレバーも同じ。








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本体レール面との抜き差しにも規格がありました。個体によってレールの仕上がりが異なるため、白いジュラコンのコマに寸法違いがあって選択使用しました。最初の工程ですね。完成するとシリアルプレートを貼ります。この個体はきれいに貼ってありますね。数字の打刻で裏面の平滑が失われて、やすりで削って貼ったこともあったような・・

Img_448088結局なにもしないで遊んでいるだけです。それでも旧F-1は楽しい。サーボEEに比べれば小ぶりと感じていましたが、久しぶりに見ると巨大ですね。Cdsを2つ使っていますが、特性が出ないものがあって、ABCと三種類に分けてBはB同志の組み合わせ、AはCと組み合わせますが、AC組は特性が外れる場合がありました。あとは、ガバナー解除のマグネットや可変抵抗などの原因による不具合も記憶にあります。




Img_448267FTbと比較してみる。基本のレイアウトはやはり似ていますね。モリブデングリスとテンプグリスを交換しておきます。











Img_448524フォーカススクリーンは9種類存在して、標準はマイクロスプリットの「E」ですね。











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このレール式を見た時「スゲー」と思いましたね。なんで傷が付かないのだろう? と不思議でした。











Img_448788底蓋はねじ留めではなくて、電池蓋で留めています。モータードライブを装着するときに簡単に底蓋 を外せます。











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FTbとの比較。New F-1がデザイン時に気に入らないのは、ペンタの上にホットシューを装備したためにFTbのようになってしまったこと。やはり旧F-1の平べったいデザインが気品とセンスを感じますね。