祭りの時期になると決まって、中学時代の友人を思い出す。
三年に進級してすぐのことだった。
ちょっとした事件を、引き起こした。
後ろの黒板の端っこに、突然五線譜を引いた。
そして「クラスの歌」というタイトルのメロディを書き始めた。
ざわつく声も気にせず、一気に書き上げた。
「みんな。これに、歌詞を付けてよ。みんなで歌おうよ。それで、卒業後も同窓会の時なんかにさ、校歌と一緒に…」
「なんだよ、それ。許可、貰ってんのかよ」
友人の声を遮って、Sが咎めた。
「許可って、そんなの…。卒業したら、みんな別れちゃうんだし。
良い思い出になればと思ってるんだ。このメロディが気に入らなきゃ、替え歌でも良いと思うんだ」
友人も引き下がらなかった。
結局のところこの事件は、担任の「良いんじゃないか」のひと言で、幕引きとなった。
そしてその後、女子の文字で歌詞が書きこまれたけれども、卒業に至っても誰も歌うことはなかった。
以来クラスの中での友人は浮いた存在となってしまい、その友である私は変人扱いされる始末だった。
三年に進級してすぐのことだった。
ちょっとした事件を、引き起こした。
後ろの黒板の端っこに、突然五線譜を引いた。
そして「クラスの歌」というタイトルのメロディを書き始めた。
ざわつく声も気にせず、一気に書き上げた。
「みんな。これに、歌詞を付けてよ。みんなで歌おうよ。それで、卒業後も同窓会の時なんかにさ、校歌と一緒に…」
「なんだよ、それ。許可、貰ってんのかよ」
友人の声を遮って、Sが咎めた。
「許可って、そんなの…。卒業したら、みんな別れちゃうんだし。
良い思い出になればと思ってるんだ。このメロディが気に入らなきゃ、替え歌でも良いと思うんだ」
友人も引き下がらなかった。
結局のところこの事件は、担任の「良いんじゃないか」のひと言で、幕引きとなった。
そしてその後、女子の文字で歌詞が書きこまれたけれども、卒業に至っても誰も歌うことはなかった。
以来クラスの中での友人は浮いた存在となってしまい、その友である私は変人扱いされる始末だった。
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