昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ブルーまぁだらぁ 蒼い友情 十九

2010-03-08 21:15:19 | 小説
それらのことで、一体どれ程の安らぎが得られたというのか。
新一のひと言で、ガラガラと音を立てて崩れ去ったではないか。

歓びに満ち溢れている時にかぎって、ひょっこりと顔を出す新一。
なのに今、
安心の世界にどっぷりと浸かっている今という時なのに、
新一は現れない。

新一を抹殺する━それを願う己と、それを阻止する己とが。
まるで神と悪魔の代理戦争の如くに思えていた。

そしてそのことに、どれ程を費やしたことか。
それが今、それら全てが心の外側に位置している。

今は、踏みしめている大地に頬ずりする衝動に駆られている。
この一瞬間の歓びを表したい、と。



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