(十)
「終わったことよ、もう。
くよくよとしていたら、アーシアが悲しむわ。
そうそう、出会いでしたね。
あたしは、キャバレーで煙草を売っていたのよ。
女給さんじゃないの。
酔い客の相手なんて、してません!
でもね、タケゾーは強引でね。
梅子お姉さんに頼み込んで、お店のマネージャーまで巻き込んでのことなの。
梅子お姉さんというのは、女給さんたちのまとめ役をしてみえるお方でね。
もう姉御肌の女性で、肝っ玉の据わった女傑。
女のあたしから見ても、ほんとにステキな女性なの。
でね、マネージャーに頼まれてね、仕方なく話し相手になったの。
初めは嫌な男だったんだけど。
散々悪態を吐いてやったのよ。
でも『面白い娘だ、気に入った!』なんて、言うの。
何度目だったかしら、三度目…いえ四度目ぐらいかしら。
根負けしちゃってね、一度だけのつもりで、お食事に付き合うことにしたの。
早退してね、でもね一日分のお給金を頂けたのよ。
部下の専務さんに言い付けて、マネージャーの許可を取ったの、武蔵が」
「終わったことよ、もう。
くよくよとしていたら、アーシアが悲しむわ。
そうそう、出会いでしたね。
あたしは、キャバレーで煙草を売っていたのよ。
女給さんじゃないの。
酔い客の相手なんて、してません!
でもね、タケゾーは強引でね。
梅子お姉さんに頼み込んで、お店のマネージャーまで巻き込んでのことなの。
梅子お姉さんというのは、女給さんたちのまとめ役をしてみえるお方でね。
もう姉御肌の女性で、肝っ玉の据わった女傑。
女のあたしから見ても、ほんとにステキな女性なの。
でね、マネージャーに頼まれてね、仕方なく話し相手になったの。
初めは嫌な男だったんだけど。
散々悪態を吐いてやったのよ。
でも『面白い娘だ、気に入った!』なんて、言うの。
何度目だったかしら、三度目…いえ四度目ぐらいかしら。
根負けしちゃってね、一度だけのつもりで、お食事に付き合うことにしたの。
早退してね、でもね一日分のお給金を頂けたのよ。
部下の専務さんに言い付けて、マネージャーの許可を取ったの、武蔵が」
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